概要
1955年6月28日生まれ。東京都出身。
1959年に劇団あすなろへ入団。小児喘息で自宅にこもり気味だったため母親に劇団に入れられたことがきっかけとなる。
本人が記憶している限りで最も古い出演作品は1960年の映画『地の涯に生きるもの』、テレビドラマでは1962年のNHK東京文芸劇場『下町』。12時から朝4時まで収録のため拘束され、布団で寝ているシーンで本当に眠ってしまったと語っている。
1966年に白土三平原作の『大忍術映画 ワタリ』で主演を務める。もともと原作の大ファンだったこともあって映画化の話を聞くや企画室に日参し売り込みを行ったという。とはいえ脇役志望だったため主演に選ばれて当惑したとか。
『ワタリ』の演技が認められ、1967年放送の特撮テレビドラマ『仮面の忍者赤影』(関西テレビ、東映)に少年忍者「青影」役で出演し人気を得る。青影は当初カツラだったが途中から地毛になり、1年間散髪しなかったという。
出演を機に子役スターとして注目を集めるが、放映中は街中で声をかけられることもなく本人は自覚がなかったと語っている。
京都では植木屋の別荘を借りて住んでいたが、その前には松方弘樹の自宅があった。
赤影役の坂口祐三郎は子供嫌いで当初は冷たかったが、次第に打ち解けていったという。坂口は当時の金子について「撮影で走った後、『赤影さん、僕の人生暗いなあ。小児喘息だからあまり走ったりすると、心臓を悪くして長生き出来ないよ』なんて、小学5年生の子供がボソボソいうんだよ」と語っている。
白影役の牧冬吉は金子自身に直接述べたことはなかったがプライベートでは褒めちぎっており、金子は牧の没後に牧の息子から「嫉妬していた」と言われたという。
端役で出演した川谷拓三に自転車で撮影所を乗せて回らせてもらっており、後に川谷が『前略おふくろ様』で単独クレジットされたときには嬉しかったと語っている。
特撮ドラマ『河童の三平 妖怪大作戦』(1968年 - 1969年、NET / 東映)の主演・河原三平を演じる。『赤影』当時はまともに小学校に通えず、放送終了で中学校には通えると思いきや結局通えなくなってしまい、『ガメラ対大悪獣ギロン』のオファーも学校のため断ったと語っている。
高校受験の面接でも「青影」として注目され、面接官から「君が青影丸か」と尋ねられ「丸はつきません」と答えたという。
入学後に日本舞踊を習い、その発表会に平山亨プロデューサーを招いたことがきっかけで1973年からはTVドラマ『どっこい大作』の主演・田力大作を演じた。
23歳で、本業としては俳優を引退する。その後は空調関係の会社を経営する傍ら、各種催事や企画ビデオ作品に出演している。
同姓で同年代の子役・金子光伸とは兄弟や親戚と間違えられることが多く、ファンレターに「お兄さんによろしく」と記されていたものもあったが、本人は「一度しか会ったことがないです」と語っている。
1993年頃から坂口を主演に『赤影』の後日談的な映像作品を企画していたが、坂口の死去により実現しなかった。
出演作品
- 地の涯に生きるもの(1960年、東宝)
- どじょっこの歌(1961年、日活) - さぶちゃん
- 英語に弱い男 東は東 西は西(1962年、日活) - 木村浩
- キングコング対ゴジラ(1962年、東宝) - 団地の子供
- 車掌物語 旅は道づれ(1962年、日活) - 吉川進
- ぶらりぶらぶら物語(1962年、東宝) - 小宮山武男
- サラリーマン無鉄砲一家(1963年、東宝) - 小川孝
- あの娘に幸福を(1963年、東宝) - 津田清次
- 馬喰一代(1963年、東映) - 片山大平(幼年期)
- ただいま診察中(1964年、東宝) - 村川勇
- 宮本武蔵 巌流島の決斗(1965年、東映) - 三沢伊織
- 若い娘がいっぱい(1966年、東宝) - 依田春雄
- 丹下左膳 飛燕居合斬り(1966年、東映) - ちょび安
- 大忍術映画 ワタリ(1966年、東映) - ワタリ
- 続兄弟仁義(1966年、東映) - 長吉
- 飛び出す冒険映画 赤影(1969年、東映) - 青影
- 神童桃太郎(1970年、國民教育有限公司) - 桃太郎
- 桃太郎斬七妖(1970年、錦華有限公司) - 桃太郎
- 二百三高地(1980年、東映) - 喜多庄助
- ヒポクラテスたち(1980年、ATG) - 渡辺大介
- 地球侵略タイトルマッチ女我レディース(1999年、バップ) - 山崎トレーナー
- 萌えよ!ドラゴンガールズ(2004年、タキコーポレーション) - 泥酔拳ぢぢい
テレビドラマ
- 文芸劇場 / 下町 -ダウンタウン-(1962年、NHK)
- テレビ指定席 / 顔(1963年、NHK)
- 忍者部隊月光 第53話「Mショット作戦 - 後篇 -」(1965年、フジテレビ / 国際放映) - 子供(出演シーンカット)
- 丸出だめ夫(1966年 - 1967年、日本テレビ / 東映)
- ウルトラマン 第15話「恐怖の宇宙線」(1966年、TBS / 円谷プロ)- ムシバの友達の一人・ゼロ戦
- 胡椒息子(1966年、NHK)
- 仮面の忍者 赤影(1967年 - 1968年、KTV / 東映)- 青影
- 河童の三平 妖怪大作戦(1968年 - 1969年、NET / 東映)- 主演・河原三平
- 帰って来た用心棒 第18話「逃げて来た女」(1968年、NET / 東映)
- 素浪人 月影兵庫 第103話「腕白小僧が泣いていた」(1968年、NET / 東映)- 三公(三左衛門)
- 銭形平次(フジテレビ / 東映)
- 第201話「紅い手裏剣」(1969年)- 万助
- 第632話「土俵に賭ける二人」(1978年)- 安五郎
- どっこい大作(1973年 - 1974年、NET / 東映)- 主演・田力大作
- 子連れ狼 第2部 第18話「哀燈流し」(1974年、日本テレビ / ユニオン映画)- 太市
- 銀河テレビ小説 / 灯のうるむ頃(1974年、NHK)
- 暗闇仕留人 第24話「嘘つきにて候」(1974年、ABC / 松竹)- 佐助
- 夜明けの刑事 第17話「さあ、女の復讐が始まるわ!」(1975年、TBS)- 関本巡査
- 影同心Ⅱ 第17話「一殺多生の大相撲」(1976年、毎日放送 / 東映)- 大吉
- いろはの"い" 第17話「十五才の誘拐」(1976年、日本テレビ / 東宝)- サブ
- 新・二人の事件簿 暁に駆ける (1976年、ABC / 大映テレビ)- 昇
- 円盤戦争バンキッド 第15話「暴走宇宙人エヌーピィ」(1977年、日本テレビ / 東宝)- エヌーピィ軍曹
- 新幹線公安官 第2シリーズ 第23話「青春の逆流」(1978年、テレビ朝日 / 東映)- 山根健太郎
- 燃えろアタック(1979年、テレビ朝日 / 東映)
- 噂の刑事トミーとマツ 第19話「女抱きつきスリ大騒動」(1980年、TBS / 大映テレビ)
- 大江戸捜査網(東京12チャンネル / 三船プロ)
- 第454話「無情 巾着切りの涙」(1980年)- 半太
- 第481話「連判状が招く姿なき殺人者」(1981年)- 政吉
- ボイスラッガー 第7話「危うしスーパーヒーロー! 吠える大捜査線」(1999年、テレビ東京)- 舞台監督
- 非公認戦隊アキバレンジャー 第3話「痛タッ!酔いどれヒーロー大冒険!!」(2012年、BS朝日)