概要
演劇などで子供を演じる配役、もしくはその役者。児童の俳優。
労働基準法第56条においては児童(満15歳に達した年度が終わらぬ者)の労働を禁じているが、子役は「他で代替できる人材を簡単に得られない」事情から同条第2項において例外として定められている職種である。
ただし「午後8時以降午前5時まで」(いわゆる深夜帯)での稼働は認められておらず、また同法60条において「就学時間(要は小学校・中学校・学習塾に行っている時間および宿題など家庭学習をしている時間)と労働時間(実際に子役として本番で演じている時間のみならず、撮影現場や公演現場へ行く通勤時間、衣裳への着替えや準備などの待機時間、カメラテストや稽古&リハーサルのための時間)の合算が1週間に40時間、一日に7時間を超えてはならない」とされている。
芸能界には子役時代から活動を続けている男優・女優・アイドルもいる。
子役から声優に転身して、そちらの世界で有名になったケースもある。
古くは古谷徹、中尾隆聖、塩屋浩三、塩屋翼、池田秀一、最近だと浪川大輔、坂本真綾、平野綾、花澤香菜、飯田里穂、尾崎由香などがいる。
特に、劇団ひまわり所属の声優は、子役時代から同事務所に所属し、そのまま声優になったというケースが多い(子役としてデビューした声優も参照)。
ちなみに大塚明夫が語る声優魂や岩田光央が語る声優道でも近年、混沌たる声優業界で生き残りやすいのは子役経験者が多い。
しかし、実際のところは成人後も引き続き芸能活動を続けていける子役はごく一握りであると言われている。
理由としては、学業との両立が困難になったり、家庭の事情などによって芸能界から身を引かざるを得なくなるケースが多いことが挙げられる。
また、子役時代にブレイクしてしまうと、成人後に子役時代のイメージから脱却することが難しくなり、やはり芸能活動を続けていくのが困難になる場合もある。
中には、有名になりすぎて通っている学校でいじめに遭うようになるなど、実生活に大きな支障をきたすケースもあり(坂上忍、安達祐実、芦田愛菜、鈴木福等。海外でも幼少時代のアナキン・スカイウォーカーを演じたジェイク・ロイドなどの事例がある)、これも子役が芸能活動を続けることを断念する理由の一つとなっていると言われる。
こうした事から戦前および戦後あたりの頃は(時に現代でも)子役出身に名優(大女優)なしとまで揶揄される事も珍しくはなく、子役のキャリアがあるというだけでオーディションの書類選考で落とされる事も少なくはなかった。しかも、この言葉は単なる揶揄に留まらず映像業界では、ある種のジンクスまた絶対の格言として語られる事も少なくない。そのため制作側も子役経験者の採用には、ある種リスクへの覚悟が求められたりする時がある。
なお、歌舞伎(特に御曹司)を初め伝統芸能では子供時代から芸を始めるのが当たり前のようなジャンルも存在する。そのせいか一般的に歌舞伎の御曹司がここでいう狭義の子役に分類されることは少ない。
様々な事情で子役がしばらくメディアから遠ざかり、それから数年後に再びメディアに姿を現すと当時ブレイクしていた子役の身長が伸びていたり声変わりをしている事に成長の早さに驚く世間の声も少なくない。
ちなみに元子役の多くは社会人として生活し、一般企業に勤務してる。
有名な子役・子役出身者
公表プロフィールの生年月日順。
現在声優をメインに活動している元子役については、子役としてデビューした声優の記事を参照。
~1970年代 | 1980年代 |
1990年代 | 2000年代
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他
上の表を見るとわかるように、日本では特に2004年度(2004年4月2日〜2005年4月1日)生まれの子役(芦田愛菜や鈴木福など)が多いことがわかる。そのため、この世代は「04世代」あるいは「子役黄金世代」などと呼ばれることが多い。