人物
アクターズスタジオを経て、アミューズ(最終)に所属していた。
1994年にアクターズスタジオつくば校に入学し、子役として活動を始める。NHK連続テレビ小説『あぐり』でドラマデビュー。その後も映画やドラマに出演する傍ら、同じ事務所の松永一哉・鈴木和也とともにダンスグループ「Brash Brats」を結成し、アイドル的な活動も行っていた。
2004年に松永・鈴木と一緒にアミューズに移籍。2006年のテレビドラマ『14才の母』で注目を集める。
2007年、映画『恋空』で第31回日本アカデミー賞で新人俳優賞を受賞。
2008年、『ブラッディ・マンデイ』で連続ドラマ初主演。
2011年、『大切なことはすべて君が教えてくれた』で月9ドラマ初主演。平成生まれの俳優が月9主演を務めるのは初めてのことで、20歳にして高校教師役を演じた。
2014年、自ら企画を提案したドラマ『僕のいた時間』で主演し、第51回ギャラクシー賞個人賞を受賞。
2017年、『キンキーブーツ』で、第24回読売演劇大賞優秀男優賞と杉村春子賞を受賞。「地球ゴージャス」シリーズを除けば、本作がミュージカル初出演である。
東北新幹線全線開通キャンペーン
2010年12月4日の東北新幹線全線開業キャンペーン「MY FIRST AOMORI」のTVCMの主役に三浦春馬がキャスティングされた。
CMドラマ形式で放映され、彼が演じる奥羽本線碇ヶ関駅に配属された東京出身の新人駅員が、青森出身の駅員や乗客(キャストも泉谷しげる、新井浩文など青森出身者)に囲まれ成長し、最終的に新たに開業する東北新幹線新青森駅に転属するというもの。
鉄道ファンはもちろん、多くの人に話題となり、ロケ地は観光客で賑わったという。
翌2011年の九州新幹線全線開通CM等と合わせ、JR名作CMの1つと語り継がれている。
本人は、「青森についてあまり知らなかった自分が、この CM シリーズの撮影を通じて、どんどん青森の魅力に引き込まれていきます。JR東日本の社員役としていろいろな出演者に囲まれて演じていくことができ、とても貴重な経験をしています。制服姿が似合うかどうか最初は心配でしたが、撮影が進むにつれてバッチリ合ってきました。そんな姿もみなさんに見てもらいたいです。」とコメントした。
慈善活動
2007年頃からAct Against AIDSに積極的に参加するようになり、2016年以降はMCを務めるようになるなど活動の中心人物となった。
2014年以降はその活動の一環でラオスに訪問、そこで訪れた小児病院のHIV陽性の子供たちの姿を目の当たりにしてからは仕事の合間を縫って視察に訪れるようになった。
- 当時のラオスは東南アジアの中でもHIV陽性者が比較的少ない地域だったが、医療体制が劣悪であり今後陽性者やAIDS患者が増加した場合受け入れが難しい状態だった。
突然の死去
2020年7月18日、マネージャーら事務所スタッフが当日控えていたロケ現場へ送迎するため、本人と連絡を取り合おうとしたものの一向に連絡がつかず、不審に思い自宅マンションに向かった。
ドアホンを鳴らしても応答しなかったため、マネージャーたちが管理人と連絡を取り合い入室したところ、意識のない状態で発見され、搬送先の病院で死亡が確認された。30歳没(数え31)。
所属事務所のアミューズからは彼の四九日にあたる2020年9月4日に当日の経緯について改めて報告があった。
- 一部報道では「撮影現場に本人が現れないため、マネージャーが不審に思い自宅に確認に行った」という文章があったが、ロケ時は常にマネージャーが送迎していた。
- 部屋からは遺書らしきものがあったため、警察は自殺の線で捜査を進めていることが報じられた。しかし発見されたのは三浦が個人的にしたためていたノートであり、動機や原因に結びつくような記述はなく、ファンやスタッフ、かつての共演者たちにあてた文書はなかったという。最終的には現場の状況等から自殺と結論付けられた。
役者として多くのキャリアを積み、第一線で活躍するなど人気絶頂期だった若手俳優の30歳というあまりにも突然且つ早すぎる死は、城田優や佐藤健、神木隆之介、三浦翔平、新田真剣佑といった生前仲の良かった俳優仲間をはじめとする業界関係者のみならず、多くのファンや視聴者に衝撃と悲しみを与えた。
特に親しい友人であった城田優は同日に生放送された『音楽の日』に出演し、GReeeeNの「キセキ」など数曲を歌い上げたが、城田に訃報が伝えられたのはなんと当該番組の待機中であり、泣き腫らした表情に絶句した視聴者も多かった。『キンキーブーツ』2021年公演では三浦と同じくローラに抜擢されたのは不思議な縁である。
また乃木坂46の生田絵梨花も『音楽の日』の収録会場へ向かう途中に過呼吸に陥り、大事を取って欠席した。生田は同年3月に上演されたミュージカル「ホイッスル・ダウン・ザ・ウインド~汚れなき瞳~」で「主人公とヒロイン」として共演しており、共演して間もない、尊敬する先輩の突然の死に強いショックを受けたと見られる。同年7月23日の『シブヤノオトスペシャル』に出演した際にも表情は悲しげな様子であり、実際に放送前に自身のInstagramにも「今はまだ、受け止めきれません。そんな強く前になんて進めないけど 渡してもらったものを一生懸命、繋いでいかなきゃ。言葉にできない 抱いているものは全て、自分の人生かけて魂に込めます。」と綴っている。
没後の動向
出演が予定されていた「イリュージョニスト」は、日程を再調整して上演。皇太子役を予定していた海宝直人が代役を務めた(皇太子役は成河が担当した)。
また、いくつかの週刊誌にて「2021年公開を目標に、Hulu限定配信ドラマにて(共演経験のある)若手俳優とのW主演を務める予定であったが、三浦の急逝によりお蔵入りになりかけている」と報じられたが(※一部ではドラマの仮タイトルやもうひとりの主演俳優の名前も出ていた)、スポーツ報知の取材によればHuluの担当者が「そのような企画があったのは事実ですが、詳細についてはお答えできません」としている。その後、huluからドラマの情報について発表はない。
国内外問わずファンからはお別れ会の開催を望まれていたが、感染症の影響も考慮した結果、2021年7月18日から1週間追悼サイトを開設。
ホームページには三浦が出演した作品をまとめた動画を掲載、メッセージを送るメールフォームが設置された。寄せられたメッセージは三浦の母に無事届けられた。
キンキーブーツのブロードウェイスタッフからは追悼動画が公開されるという異例の措置がとられた。前半はオリジナルスタッフの追悼コメント、後半はダイジェストで構成されている。三浦が出演したミュージカルはDVD・Blu-Ray化されていないので、気になる人は視聴してみよう。
三浦逝去後のアミューズの取り分は利益にするのではなく、「三浦春馬支援」として彼が生前交流していたラオスの小児病院への医療物資として提供されることになった(金額内訳はコンプライアンスや遺族との契約もあり、公開されていない)。
2022年の三回忌には、三浦の母からアミューズを通じて築地本願寺に納骨されたことが報告された。
お参りをする際は本堂へ直接赴き、法務員にその旨を伝えること。
報道初期に不確定な情報が錯綜したことや、一部の過激なファン・炎上系インフルエンサーなどによる噂の流布、週刊誌の過剰な報道が原因で、その死にまつわるデマや陰謀論が拡散された。
この内いくつかの情報についてはアミューズ側が明確に否定している。また一部の書籍・ブログについては「デマ情報を発信している」と名指しで批判している。(2020年12月14日の声明、デマ情報を発信している書籍、Webサイトのリスト)※いずれもアミューズ公式サイトより
三浦が読売演劇大賞を受賞した『キンキーブーツ』に至ってはローラのキャスティングに関して誹謗中傷が飛び交い、東京公演初日と千秋楽はデモ隊が乗り込むトラブルが発生した。
当然ブロードウェイのスタッフがオーディションビデオを鑑賞し吟味した上でローラ役として城田を採用したことに留意されたし。
2022年から有志によりクラウドファンディングを活用して「HEART花火」として、三浦の誕生日に追悼の打上花火を土浦市で行っている。
2024年の東京都知事選挙では、無関係の人物によって画像が無断使用されていたため(※ある党が自党の候補者の選挙ポスターを、宣伝等の目的で一般人が利用できるように「販売」しており、選挙や政党とは無関係のファンがこの枠を購入して三浦の画像を利用したポスターを掲載した)、所属事務所が「当社は東京都選挙管理委員会に対し抗議しております。このような事態に当社は強い憤りを覚えており、またご遺族も大変心を痛めております。」と声明を発表した。