人物
子役出身で、テレビドラマ『14才の母』で注目を集める。
2007年、映画『恋空』で第31回日本アカデミー賞で新人俳優賞を受賞。
2008年、『ブラッディ・マンデイ』で連続ドラマ初主演。
2011年、『大切なことはすべて君が教えてくれた』で月9ドラマ初主演。平成生まれの俳優が月9主演を務めるのは初めてのことで、20歳にして高校教師役を演じた。
2014年、自ら企画を提案したドラマ『僕のいた時間』で主演し、第51回ギャラクシー賞個人賞を受賞。
2017年、『キンキーブーツ』で、第24回読売演劇大賞優秀男優賞と杉村春子賞を受賞。「地球ゴージャス」シリーズを除けば、本作がミュージカル初出演である。
東北新幹線全線開通キャンペーン
2010年12月4日の東北新幹線全線開業キャンペーン「MY FIRST AOMORI」のTVCMの主役に三浦春馬がキャスティングされた。
CMドラマ形式で放映され、彼が演じる奥羽本線碇ヶ関駅に配属された東京出身の新人駅員が、青森出身の駅員や乗客(キャストも泉谷しげる、新井浩文など青森出身者)に囲まれ成長し、最終的に新たに開業する東北新幹線新青森駅に転属するというもの。
鉄道ファンはもちろん、多くの人に話題となり、ロケ地は観光客で賑わったという。
翌2011年の九州新幹線全線開通CM等と合わせ、JR名作CMの1つと語り継がれている。
本人は、「青森についてあまり知らなかった自分が、この CM シリーズの撮影を通じて、どんどん青森の魅力に引き込まれていきます。JR東日本の社員役としていろいろな出演者に囲まれて演じていくことができ、とても貴重な経験をしています。制服姿が似合うかどうか最初は心配でしたが、撮影が進むにつれてバッチリ合ってきました。そんな姿もみなさんに見てもらいたいです。」とコメントした。
慈善活動
2007年頃からAct Against AIDSに積極的に参加するようになり、2016年以降はMCを務めるようになるなど活動の中心人物となった。
2014年以降はその活動の一環でラオスに訪問、そこで訪れた小児病院のHIV陽性の子供たちの姿を目の当たりにしてからは仕事の合間を縫って視察に訪れるようになった。
- 当時のラオスは東南アジアの中でもHIV陽性者が比較的少ない地域だったが、医療体制が劣悪であり今後陽性者やAIDS患者が増加した場合受け入れが難しい状態だった。
突然の最期
2020年7月18日、マネージャーら事務所スタッフが当日控えていたロケ現場へ送迎するため本人と連絡を取り合おうとしたものの一向に連絡がつかず、不審に思ったマネージャーたちが東京都港区の自宅マンションに向かい、ドアホンを鳴らしても応答しなかった。そこで、マネージャーたちが管理人と連絡を取り合い入室したところ、クローゼットの中で首を吊っている状態で発見され、搬送先の病院で死亡が確認された。30歳没(数え31)。
尚、所属事務所のアミューズからは彼の四九日にあたる2020年9月4日に当日の経緯について報告があった。
- 一部報道では「撮影現場に本人が現れないため、マネージャーが不審に思い自宅に確認に行った」という文章があったが、ロケ時は常にマネージャーが送迎していた。
- 部屋からは遺書らしきものがあったため、警察は自殺の線で捜査を進めていることが報じられた。しかし発見されたのは三浦が個人的に認めていたノートであり、動機や原因に結びつくような記述はなく、ファンやスタッフ、かつての共演者たちにあてた文書はなかったという。最終的には現場の状況等から自殺と結論付けられた。
役者として多くのキャリアを積み、第一線で活躍するなど人気絶頂期だった若手俳優の30歳というあまりにも突然且つ早すぎる死は、城田優や佐藤健、神木隆之介、三浦翔平、新田真剣佑といった生前の共演者をはじめとする業界関係者のみならず、多くのファンや視聴者に衝撃と悲しみを与えた。
友人であった城田優は悲しみに暮れながらも、同日に生放送で行われた「音楽の日」に出演し、GReeeeNの「キセキ」など数曲を歌い上げた。よりにもよって訃報が伝えられたのが当該番組の待機中であり、泣き腫らした表情に絶句した視聴者も多かった。
一方、数ヶ月前にミュージカルで共演していた乃木坂46の生田絵梨花は、会場へ向かう途中に過呼吸に陥り、大事を取って「音楽の日」を欠席した。生田は同年3月に上演され、コロナ禍により上演期間がたった1週間に短縮されてしまった「ホイッスル・ダウン・ザ・ウインド~汚れなき瞳~」で「主人公とヒロイン」として共演したため、公演期間が短かったことや三浦が生田にとっては「自身が進んでいる『ミュージカル』という道で活躍している先輩俳優」であり尊敬の眼差しを向けていたこともあり、相当なショック故の症状であったことは想像に難くない。その証拠に、同年7月23日の『シブヤノオトスペシャル』にて「believe」のピアノ伴奏を担当した際に、どこか悲しい表情を浮かべながら演奏しており、放送前に自身のInstagramにも「今はまだ、受け止めきれません。そんな強く前になんて進めないけど 渡してもらったものを一生懸命、繋いでいかなきゃ。言葉にできない 抱いているものは全て、自分の人生かけて魂に込めます。」と自身の気持ちを綴っていた。
その死の先に
出演が予定されていた「イリュージョニスト」は日程を再調整して上演、皇太子役を予定していた海宝直人が代役を務め、皇太子役には成河が内定した。
また、週刊誌での報道で2021年にHulu限定配信ドラマ「ボーカリスト」で映画『アイネクライネナハトムジーク』で以前共演経験のあった若手俳優・萩原利久とともにW主演を務め、同年8月20日にクランクイン予定だったが白紙状態となってお蔵入り寸前になっていることがスクープされたが、日本テレビ側がそれを否定している。
国内外問わずファンからはお別れ会の開催を望まれていたが、感染症の影響も考慮した結果、2021年7月18日から1週間追悼サイトを開設。
ホームページには三浦が出演した作品をまとめた動画を掲載、メッセージを送るメールフォームが設置された。寄せられたメッセージは三浦の母に無事届けられた。
キンキーブーツのブロードウェイスタッフからは追悼動画が公開されるという異例の措置がとられた。前半はオリジナルスタッフの追悼コメント、後半はダイジェストで構成されている。三浦が出演したミュージカルはDVD・Blu-Ray化されていないので、気になる人は視聴してみよう。
三浦逝去後のアミューズの取り分は利益にするのではなく、「三浦春馬支援」として彼が生前交流していたラオスの小児病院への医療物資として提供されることになった(金額内訳はコンプライアンスや遺族との契約もあり、公開されていない)。
2022年の三回忌には、三浦の母からアミューズを通じて築地本願寺に納骨されたことが報告された。
2022年から有志によりクラウドファンディングを活用して「HEART花火」として三浦の誕生日に追悼の打上花火を土浦市で行っている。