概要
本名・池田一朗。東京都出身で、東京大学仏文学科卒業。戦時中は学徒出陣で中国大陸へ出征し、戦後はフランス語の講師を経て脚本家として活動。
ちなみに、隆慶一郎名義で文筆活動を行ったのは晩年の五年間のみ。
作風
主要人物の多くは「傾奇者」「サンカ(山岳の民)」「傀儡子あるいは道々の者」等、非定住民やそれに準ずる社会の枠組みから大きく外れたアウトローで、敵味方問わず忍びの者の登場頻度も高い。
「〇〇の嫌いな百姓の顔」「もともとが荒子の百姓で、根無し草の強さがない」等、定住生活を送る百姓を蔑視する描写が頻繁にみられる。
処女作「吉原御免状」以来一貫して徳川家が登場する作品では徳川秀忠を権力欲に凝り固まった残忍非道な冷血漢、柳生一族(特に柳生宗矩)は秀忠の走狗となって暗殺などの汚れ仕事に手を染める冷酷非道な殺戮者の集団として描いている。
作品
- 『吉原御免状』
- 『一夢庵風流記』
- 『影武者徳川家康』
- 『捨て童子松平忠輝』
- 『死ぬことと見つけたり』
関連タグ
あずみ…小山ゆうの漫画。「徳川秀忠が極悪人」「徳川家康が関ヶ原の戦いで刺客に襲われ死亡」「柳生宗矩が秀忠の走狗となって暗躍」「主人公の協力者が忍者や道々の者」等、明らかに影響がみられる。
原哲夫…『一夢庵風流記』を『花の慶次 -雲のかなたに-』として、『影武者徳川家康』を『SAKON』としてコミカライズ化。また『一夢庵風流記』は集英社文庫版で表紙絵も描いた。
横山光輝…『捨て童子松平忠輝』を漫画化した。
山田隆司…孫弟子にあたる。山田の師匠にあたる松岡清治(シンエイ動画文芸部長)は池田一朗(隆慶一郎)の弟子。
丸尾みほ…教え子かつ孫弟子。脚本家スクールで基本を教え、のちに松岡を紹介して彼の弟子にした。