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フランツ・カフカ

ふらんつかふか

現在のチェコ生まれチェコ育ちの世界的に有名な作家の一人(作品はすべてドイツ語)。
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概要編集

1883-1924


チェコの作家。ただ、田中芳樹がチェコに行って現地の人から聞いたところによれば、「ユダヤ人で、ドイツ語で」書いてた人なので、「チェコを代表する小説家」というわけではない。(前の『アップフェルラント物語』あまり人種差別的なものでもないらしい)


現在のチェコ、当時はオーストリア=ハンガリー帝国のプラハに生まれる。

プラハ大学を卒業後、半官半民の保険会社に入社。サラリーマン生活をしながら小説を書き続ける。

明晰な文体ながら後に「不条理小説」とみなされる奇妙な小説を書き続けた。

結核で死去。

生前はあまり有名ではなかったが、親友のマックス・ブロートの尽力もあり、特に第二次大戦後には世界的に有名な作家の一人となる。

影響を受けた作家は数え切れない。詳しくは本家wikiをどうぞ。


真面目な人で、ユーモアの感覚があり、自作の朗読会を開いていた。あー、友人知人らは(ちなみに最初はに聞かせていた)朗読を聴きに喫茶店へ行き、作者で読んでる人が作中のギャグで笑うと、「ハリセンだか金盥だかをぶちかましていた」でだいたいあってるらしい。


 なお最晩年、カフカは病床で、マックス・ブロートに

「家に原稿があるからこれは燃やしちゃってくれ、あと出版したやつはしょうがないけどこれからの増刷は勘弁するようにしてくれ」

 と言ったそうであるが、勿論親友は反故にした。(なんか漫画表現ぽい絵も何点かある。こっちは見られると捨てたので非常に少ない)


『アメリカ(失踪者)』編集

16歳の少年カール・ロスマンがアメリカに来て、奇妙な旅をする(はめになる)…というあらすじ。未完。生前未発表。

カフカの没後、マックス・ブロートがこの小説を出版するときに、カフカの生前の発言「アメリカの小説を書いている」をもとに『アメリカ』という題名をつけたが、あとでカフカの日記に「『失踪者』というタイトルをつけようと思う(大意)」と書いていることが分かり、上記2種類の題名がある。

基本的には『アメリカ』はブロートの編集バージョンまたはその翻訳本に使われ、『失踪者』はブロートの編集に批判的なカフカ研究者たちが編集した1980年代以降に刊行された全集本またはそれに基づく翻訳本に使われる(このため、日本における『アメリカ』では補遺にあたるページが割愛された邦訳版が多い)。

なお、後述の「短編」の項目における『火夫』は元々は本作の第1章として構想された作品であり、上記の「16歳」という年齢設定は、カフカが生前、その第1章を独立した短編として発表する際に改められたものである。『アメリカ』ではそのカフカ存命時に発表した『火夫』をブロートが最終決定稿とみなしたことから「16歳」とされた原稿が採用されているが、『失踪者』では「生前に発表された『火夫』は全く独立した作品である、本作の第1章としての『火夫』は別物と考えるべき」と考えられたことから修正前の原稿が採用されたため「17歳」となっている。


翻訳者一覧(敬称略)

・中井正文(角川文庫)

・千野栄一(新潮社の決定版カフカ全集)

・谷友幸(講談社『世界文学全集』)

・池内紀(白水社のカフカ・コレクション)※邦題『失踪者』


変身編集

冒頭がとても有名な小説。サラリーマンのザムザが虫になり…というあらすじも有名。

日本語訳は筆者が確認しただけで12種類ある(2016年11月現在)。あの冒頭の一文もちゃんと12種類ある。おそらく1900年以降に書かれた小説の中ではいちばん日本語の翻訳数が多いと考えられる。


翻訳者一覧(敬称略)

・高橋義孝(新潮文庫)

・中井正文(角川文庫)

・山下肇(岩波文庫)

・山下萬里(岩波文庫版の改訳)

・高保国世(講談社文庫)

・原田義人(筑摩書房の世界文学大系、青空文庫に収録)

・川村二郎(新潮社の決定版カフカ全集)

・城山良彦(集英社ギャラリー「世界の文学」)

・辻瑆(中央公論社『世界の文学』)

・池内紀(白水社のカフカ・コレクション)

・丘沢静也(光文社古典新訳文庫)

・浅井健二郎(ちくま文庫)

・多和田葉子(集英社文庫のポケットマスターピース)


・三原弟平(平凡社から出版された「カフカ「変身」注釈」、一文ずつを訳してそこに注釈している)

・酒寄進一(長崎出版の絵本版)


読書感想文でお世話になったかたも多いのでは?

1915年に発表されたが、ほとんど売れなかった。


『審判』編集

ヨーゼフ・Kがなんだかわからない理由で逮捕され、1年後に「処刑」されてしまう…というあらすじ。

結末があるのだが、実は未完。草稿の研究から、はじめの章とおわりの章を書いてから、その間の章を埋めるように書いていったことがわかっている。

最近では題名が「訴訟」と訳されている場合もある。

ごくごく一部分をのぞいて生前未発表(後述)。


翻訳者一覧(敬称略)

・本野亨一(角川文庫)

・辻瑆(岩波文庫)

・原田義人(旧新潮文庫、青空文庫に収録)

・中野孝次(新潮社の決定版カフカ全集)

・立川洋三(集英社「世界文学全集」)

・池内紀(白水社のカフカ・コレクション)

・丘沢静也(光文社古典新訳文庫)

・川島隆(集英社文庫のポケットマスターピース)


『城』編集

測量士のKが、ある「村」で城(にいる高官クラムに会うこと)を目指してあれこれ試行錯誤するが一向にたどり着けない…というあらすじ。

実はKが測量士である根拠は小説内では一切しめされない。というか、この小説のなかでは確実なことのほう少ない(「助手」の2人の正体とかクラムの容姿とか)。

未完。生前未発表。


短編編集

カフカが生前に出版した短編および短編集に『観察』『火夫』『判決』『流刑地にて』『田舎医者』『断食芸人』がある。『観察』は普通の文字の大きさではページ数が少なくなりすぎるため、文字を大きくして出版した、という逸話がある。


《5分以内で読める》短編編集

カフカ作品には、冗談抜きに5分以内で読了できるものがいくつもある。

『審判』の終盤近くで登場する「掟の門前にて」は文庫版でも3ページにおさまるという短さである(日本語訳で文字数1500~2000字の範囲)。哲学者ジャック・デリダがこの作品を題材に『カフカ論――「掟の門前」をめぐって』という約100ページの本を書いている。

施川ユウキ漫画バーナード嬢曰く。』の読書家ぶりたい女子高生、町田さわ子はカフカについて「3ページくらいの短編」を書くと知っており、作中でカフカ的不条理を「現実とは思えない悪夢的状況に陥る」という意味だと理解し、読まないスタンスをとっていた。勿論こういうアホの子は長編を読まされるのである。

ここで星新一らに代表されるショートショートを思い浮かべる方々がいるだろうが、いわゆる起承転結の妙は重視されておらず、そういうものを求めてもあまり意味がない。むしろジャンルとしては「奇妙な味」に近い。(アレだよ、「家長の心配」なんてオドラデクというなんかに関して描写して終わるんだよ)

他に《5分以内で読める》短編をあげると、

「ぼんやりと外を眺める」「走り抜けてゆく二人」「インディアンになりたい」「木々」(『観察』に収録)

「新任の弁護士」「天井桟敷にて」「掟の門前で」「隣り村」「皇帝の使者」「家長の心配」(『田舎医者』に収録)

「最初の苦悩」(『断食芸人』に収録)

本記事を読まれている学生のかたは読書感想文のネタに読んでみてはどうだろうか? この記事より短いときているのだから。


カフカの描いた《絵》編集

上でも書いているが、カフカは絵も描いている。こちらはカフカが描いたらすぐ捨てていたので、ほとんど残ってない。「棒人間シリーズ」ともいうべき絵が比較的有名で、海外のカフカの本の表紙にときどき使われている。Oxford University Pressから出版されたOxford World's Classicsのカフカの本の表紙に使われている(計5点)ので、見てみたい人はamazonなどで「Oxford World's Classics Kafka」で検索してみるのとよい。


創作でのフランツ・カフカ編集

フランツ・カフカが登場する、または題材にしたキャラクターが登場する作品。

ラヴヘブン編集

乙女パズルゲームの攻略キャラクター。初期レアリティはRでの登場。

異世界の危機を救うため、主人公により召喚された。

詳しくは→フランツ・カフカ(ラヴヘブン)


外部リンク編集

Wikipediaの「フランツ・カフカ」の項目

青空文庫の「フランツ・カフカ」の公開作品

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