- 特撮やアニメなどにおいて特殊な能力を持つ姿に変化すること。本項で説明。
- フランツ・カフカが書いた小説のタイトル。1915年、初版発行。→変身(フランツ・カフカ)を参照。
- 人間が動物や物体などに変化すること。フェティシズムの一種。→TF / transformationを参照。
解説
特撮などで、登場人物は普通の人間として日常の生活を送っているが、敵が出現した場合など、その敵を倒すために自分の姿を変える。
変身後は超人的なパワーを発揮したり、巨大化が伴ったり、魔法を使えるようになったりする。
普段の姿とは大抵かけ離れるため、正体を隠すための覆面としての役割も同時に発揮する。
変身の掛け声やポーズ・変身までの過程(変身シーン)などに特徴を持たせているものもある。
仮面ライダーG3やブルースワットのように手作業で装着してヒーローになる『変身ヒーロー』もいたりする。
スーパー戦隊シリーズのように、強化スーツ等を装着するだけで肉体そのものが変化するわけではない場合でも、「変身」と称されることが多い(ただし、スーパー戦隊の場合同社コンテンツであるライダーとの差別化もあり、掛け声や語彙としては「変身」は避ける傾向が強い。例として、ゴレンジャーでは「転換」と称している)。
更に変身ヒロインなどにおいては、着替えや化粧をしただけのように見える場合や、配色が変化しただけの場合も変身と呼ばれたりする。
逆に、敵側が主要人物や民間人などに変身し悪事を行う場合もあるが変装レベルの場合もある。
本来の姿
中には日常の姿が仮の姿で有って、一見すると変身後の姿こそが本来の姿である事も少なくない。この場合は正しくは「変身解除」である。
ロボットなどがパズル的に姿を変える場合は主に「変形」と呼ばれるが、トランスフォーマーの中には「変身」と叫びながらこれを行う者も多い。
商標
ちなみに、「変身」および「変身ベルト」はバンダイの登録商標である。
誤変換
返信と混同、変換ミスしないように注意。 例:「返信音」と「変身音」
由来
特撮ヒーローで「変身」の台詞の初出は、仮面ライダー2号(一文字隼人)と思われる。
「仮面ライダー1号・本郷猛」役の藤岡弘氏は、撮影中の事故により重傷を負い、入院を余儀なくされた。
スタッフは急遽「本郷は海外のショッカーと戦うために渡欧し、日本における後事は仮面ライダー2号に託した」という設定を考え、主演俳優の交代と藤岡氏の復帰に備えた。
同時に番組のテコ入れのアイデアを色々と考え、「人間からライダーへ姿を変える際に、ポーズを取らせ、何か掛け声を言わせる」と決まったが、適切な掛け声がなかなか思い浮かばない。
だがTVスタッフの一人が書店で偶然カフカの小説を見て「これだ!」と採用したという。
こうして仮面ライダーは子供たちの間で大ブームを巻き起こし、「変身」が流行語大賞に選ばれる事となった。
これを意識したのか「仮面ライダー龍騎」にて仮面ライダータイガ/東條悟が読んでいる本もまたカフカの「変身」である。
仮面ライダーシリーズでのヒーローの変身の際の口上はほぼ変身で統一されている。(アマゾンなどは『アマゾン!』、響鬼の場合は何も言わずに変身など例外はある。)
一方、戦隊の変身口上は仮面ライダーの差別化などから、それぞれのモチーフを連想させる口上になっている。(例えば手裏剣戦隊ニンニンジャーなら『シュリケン変化!』など。)
なお、先駆者であるウルトラマンは何も言わずに変身しており、『ライダー』と同時期にやっていた『ウルトラマンA』では敵の合体超獣が「変身!」と言うなどのパロディがあった。
一応、ウルトラセブンには「デュワッ!」という変身掛け声が存在し、タロウ以降はヒーロー名を絶叫して変身するのが一般的になる。
ウルトラ兄弟によっては変身の際に強い衝撃波が発生するためか、ウルトラ戦士が変身しただけで右腕ぶっ飛ばされた超獣もいたりする。
平成ウルトラマンなどはウルトラマンの名前を叫んで変身する事が多い。(ただし、そのように統一されている訳ではない。)
ちなみにウルトラマンダイナ/アスカ・シンを演じたつるの剛士も、「モーションがでかい東映ヒーローに比べてウルトラマンは腕を突き上げて叫ぶだけなのでちょっと地味」とネタにしていた。
また、ヒーロー本人の掛け声とは別に変身アイテムが「変身」に相当する音声を発する場合も多くなってきている。
尚、変身が子供達の憧れである故に、変身ヒーローを演じる俳優が日常で子供達に会うと、よく変身をせがまれるという逸話は有名である。無論キレのあるカッコ良いアクションができるスーツアクターさんがいないし、CGやアニメーション、合成を駆使した映像技術があって初めて完成する変身シーンは再現できない。そこで俳優達は『今は悪人がいないから変身できない』、『変身アイテムは置いてきたんだ』と子供達に話してその場を去るという。しかし、世の中強物はいる者で『僕、今(変身アイテム)持ってるよ!変身して!』と言われた際はやはり『ごめんね、悪人がいないと変身できないようになっているんだ』、『ごめんね、おもちゃ(市販の変身アイテム)では変身出来ないんだ』と説明するという。
なお、仮面ライダー555の主演だった半田健人氏は親類の子供に「変身して」とせがまれた際に「1日1回しか変身出来ない」という嘘設定でごまかしたが……偶然にも後にファイズの最強形態には「キックバックが大きい(ので、迂闊に変身できない)」という設定が付く事になった。
余談
- DCコミックのバリー・アレンなどの「スピード・フォースと呼ばれる力にアクセスする事で超スピードを得る」ヒーロー達は、アメコミのヒーローにはめずらしく日本の特撮・アニメに多いタイプの変身(瞬時にコスチューム・チェンジを行なう)を行なうが、その実態は……圧縮していたコスチュームを本来の大きさに戻した後、超スピード能力を使って自分で着替えるという非常に泥臭いやり方である。
関連タグ
変化 変装 変 変換 強化 進化 化身 形態 人間態 怪人態
シェイプシフター:自らの姿を様々な姿に変身させる怪物の総称
類義・表記ゆれ
変身! へんしん transformation/TF トランスフォーム
メタモルフォーゼ チェンジ 変形 変態 大変身 声変わり(変身)
変心:これは心変わりする事である。ただし、よくセットで議論される事もある。
種類
他者変身…他者の姿を模すタイプの変身のまとめ有り。
二段変身…多段変身系タグ等のまとめ有り。
シチュエーション
アイテム・他
変身アイテム 変身ベルト 変身スーツ 変身ブレス 変身携帯 変身銃 変身サイボーグ 変身セット 鬼娘専用変身銃 必殺技 決め台詞
固有の呼称・掛け声
- 仮面ライダーシリーズ
セタップ カメンライド プログライズ(ゼツメライズ ショットライズ フォースライズ パーフェクトライズ レイドライズ スラッシュライズ) デュアルオン ガッチャンコ(ケミーライド)
- スーパー戦隊シリーズ
気力転身 スーパー変化 超力変身 着装 シノビチェンジ 爆竜チェンジ エマージェンシー!デカレンジャー! マージ・マジ・マジーロ スタートアップ ビースト・オン レッツ、ゴーオン 一筆奏上(一貫献上) チェンジカード、天装! ゴーカイチェンジ レッツ、モーフィン キョウリュウチェンジ 本能覚醒 リュウソウチェンジ キラメイチェンジ チェンジ全開 アバターチェンジ 王鎧武装 ブンブンチェンジ(ビュンビュンチェンジ)
- ウルトラシリーズ
ウルトラタッチ ウルトライブ(ダークライブ モンスライブ) ユナイト フュージョンアップ フュージョンライズ ウルトラフュージョン
- メタルヒーローシリーズ
- プリキュアシリーズ
デュアル・オーロラ・ウェイブ! スカイローズトランスレイト!
- その他
実装 メイクアップ アクセス・フラッシュ スピリットエボリューション クロスフュージョン
関連作品・ジャンル
スーパー戦隊シリーズ 仮面ライダー セーラームーン プリキュア