一文字隼人
いちもんじはやと
仮面ライダー2号に変身する青年。
1949年10月10日生まれ。父親が外交官だったため、幼少期はロンドンで過ごした。両親(父母の名前は博之とスミ)を飛行機事故で亡くしている。
ロンドン美大出身という裏設定があるが、昭和ライダーで美大出身者は珍しい。
柔道6段、空手5段の格闘技の達人で本業はフリーのカメラマン。ヨーロッパに渡った本郷猛=仮面ライダー1号に代わって、日本のショッカーと死闘を繰り広げた。
1号が再び日本の防衛に就くとショッカー南米支部を壊滅すべく南米に旅立ち、モスキラスとの戦いで帰国、ゲルショッカーとの戦いでも度々本郷の救援に現れ、ゲルショッカーを壊滅に追い込んだ。
性格は明るく子供好きでユーモラスだが、心の底では改造人間の苦悩を抱えており、周囲にはそれをおくびにも出さない強い男である。
女性にも優しい一方で初期設定では「女性は撮らない主義」であった。
本郷よりも背が低く若々しく感じる。
服装は初登場時着ていたツナギや紺や茶揃えや革ジャンなど、結構ワイルド系でオシャレ。
またハンチングやテンガロンハットなど帽子を被っていることが多い。
ハンチングは『ストロンガー』や『仮面ライダー(新)』でも被っている。
『仮面ライダー(新)』での客演ではリストバンドを着用していたことも。
『V3』でも新たに現れたデストロンと交戦、カメバズーカを1号と共に太平洋上空へ追放するとオーストラリアに渡り、現地のデストロンと交戦していたが、キバ一族のユキオオカミや原始タイガーとの戦いで帰国している。
『X』ではコウモリフランケンやムカデヨウキヒ、タイガーネロとの戦いで帰国し、Xライダーこと神敬介と共闘した。
『ストロンガー』では栄光の7人ライダーの一人としてインドから帰国を果たす。
『仮面ライダー(新)』ではアマゾンやポリネシア、アラスカを転々とし、現地のネオショッカーと交戦し、当時の日本を防衛していたスカイライダーこと筑波洋とも共闘。城茂と並んで素顔での出演が多い先輩ライダーとなった。
『スーパー1』以降は素顔は見せずとも、レジェンドライダーの一人として後輩のピンチに駆けつけている。
漫画版の一文字隼人
声:小野寺丈(まんがビデオ版)
「風よ! 我に力を与えよ! お前を汚す『悪』と対決する力を!!」
石ノ森章太郎による漫画版では、最初はショッカーライダーの一員として登場し、新聞記者に扮して本郷抹殺を命令される。しかし、味方の誤射で脳を負傷して記憶を取り戻し、洗脳が解けた一文字はショッカーライダーを全滅させる。死んだ本郷の代わりに「仮面ライダー2号」として戦うことを決意するのだった。
本郷は脳だけ取り出されて本郷邸で生きており、常にOシグナルで通話できる。二人で一人の仮面ライダーなのだ。
セリフ回しも軽妙洒脱で、「イエース仮面ライダーだ!」「その泡はてめぇがかぶってろ! 臭いからな!」「天麩羅にでもなってやがれ!」など、どことなく平成ライダーっぽい言動を見せることもある。
一方でドラマのけしからんシーンを見て赤面するというシーンも見られた。
こちらでも職業はカメラマンであり、かつて写真集『黒い雨を追って』の撮影をしていた折に被爆二世の姉弟と知り合い、度々白血病を患っている浩二少年の見舞いに訪れている。
浩二少年は姉に惚れている一文字のために気を使うなどとても良好な関係であり、仮面ライダーであることを明かしても距離を置かれるという事はなかった。
そんな浩二のために「10月計画」撲滅のついでにショッカー科学陣を攫って白血病を治療してやろうとするが、基地の爆発でそれは叶わず…。
海沿いの村「水底村」出身という設定であり、父母共に健在で幼馴染に美代がいる。
しかし、ショッカーの計画によって父の松五郎は命を落としてしまう…。
仮面ライダーSPIRITSの一文字隼人
クモロイド「ほほぉ....いい性能だな。キサマの作戦目的とIDは!?」
一文字隼人「正義。仮面ライダー2号」
「.....なあ、聞いてくれるか.....お・れ・は・み・か・た・だ」
本作はテレビシリーズの「仮面ライダースーパー1」の続編であり、基本的にはTV版の一文字と同じ人物。服装もテレビシリーズで着用していたバリエーションを踏襲している。TV版に比べてキャラクターの区別化の為か明るさ、気さくさがより強調されており、同じ子供好きでもあくまで年長者として接していたTV版に対して子供により近い目線と心を持った(悪く言えば幼くなった)印象を受ける。
台詞回しから漫画版からの影響も見られる。
怒りのスイッチが入ったり、興奮状態になると顔に手術痕の傷が浮かびあがり、それを他人に見られるのを嫌う。
第1部では革命軍と政府軍の戦争が相次ぐ東南アジアの国家「ガモン共和国」で子供の笑顔を撮るためにボランティア活動を行い、戦争をデモンストレーションの道具としてしか見ていない悪の怪人を叩きのめした。
後に他のライダーと合流し、バダンとの戦いに挑む。第三部では京都でZXや滝和也と協力して蘇ったゲルショッカーの野望を打ち砕き、デルザー軍団の大暴れで廃墟と化した東京ではスーパー1とのタッグで鋼鉄参謀を撤退に追いやった。
また、「新仮面ライダーSPIRITS」導入部では、原作第13話と14話の間をつなぐミッシングリンクとして、ショッカーに改造される前の一文字が登場する。
仮面ライダーTHE FIRST・THE NEXTの一文字隼人
「あの女のために死ぬ覚悟は有るか」
演・高野八誠
こちらは完全リメイク作品であり、テレビシリーズの一文字とはまったくの別人。
容姿・性格・職業から人間関係など、テレビ版はおろか漫画ともほとんど類似点はない。
詳細は→一文字隼人(TheFirst)。
仮面ライダー1971-1973のハヤト
「最後の希望だ。本郷猛……それは、おまえだ」
リメイク小説「仮面ライダー1971-1973」に登場する、アンチショッカー同盟に所属するもうひとりの【仮面ライダー】。
厳密には一文字その人ではなく、日系ペルー三世の外人で、「ハヤト」という名も偽名である。
改造手術の失敗で、寿命が短いながら、最後の希望である本郷に人間の未来を託すために予定された寿命を乗りきり、本郷に【仮面ライダー】の名とお気に入りの赤いマフラーを託すと、永遠の眠りについた。
シン・仮面ライダーの一文字隼人
演:柄本佑
「では、お見せしよう。変身。」
元々は正義感に溢れるジャーナリストであり、SHOCKERによって改造人間「第2バッタオーグ」となってしまうものの、強い精神力で制御して、元来の性格を保持して「仮面ライダー第2号」として人類の平和のために戦う。
家庭環境などは現状明かされていないが、ジャーナリストとして世界中を飛び回っていたという点は原典と共通している。
原典同様明るく陽気な性格をしているが、誰よりも「自由」を愛し、「群れる」ことを嫌う一匹狼。だが、もらった恩をきちんと返す義理堅い性格でもある。
本作の宣伝コピー「変わるモノ。変わらないモノ。そして変えたくないモノ」にあるように、本郷が劇中でルリ子から「コミュ障」と形容されるような現代的なキャラクターの青年という「変わるモノ」となったのに対し、一文字の方は先に述べた「一匹狼」や「義理堅い」といった昭和の古き良きライバルキャラクターの雰囲気をそのまま纏っているのは、本作のテーマ「変わらぬモノ」の表現であろう。
「お見せしよう」「ショッカーの敵、そして人類の味方」「シャッターが専門」といった原典の一文字隼人の名言も幾つかオマージュされている。
明言はされていないものの、佐々木氏が主演の『改造人間哀歌』の主人公が「一文字のなれの果て」である可能性が示唆されている。
FirstからNEXTまでの作品は漫画版の要素を大幅に取り入れた作品だが、この作品で瀕死の重傷を負うのは本郷ではなく一文字である。奇しくも一文字隼人というキャラクターは特撮版仮面ライダーにおける藤岡弘、氏の降板に際して、本郷を殺してしまうのはよろしくないという平山亨Pの意見で誕生したキャラクターであり、漫画版では1号が本当に死んでしまった折に登場したキャラクターでもある。漫画版の実写化に際して、立場が逆転したということなのだろう。
ちなみに彼が本郷猛に代わって本シリーズで初めて変身ポーズを披露し、一躍変身ブームを巻き起こしたことは有名だが、実は初回の変身ポーズは少し間違えている。
本来は「お見せしよう、仮面ライダー!」のセリフに続いて上着のジッパーを下ろし、変身ベルトを露出させて変身ポーズへと入る筈だったのだが、初回ではうっかり最初に変身ポーズを取ってから直後にジッパーを下ろし、その後何事も無かったかのように変身ポーズへと戻っている。
これについては「当時は撮影フィルムが貴重だったのでNGにするわけにいかず、採用した」「それまでほぼ誰も『変身ポーズ』という概念を知らなかったのでミスと認識されなかった」「前日に佐々木氏が飲んでおり、二日酔い気味の状態で撮影に臨んだ」など諸説ある。
以後、同じ衣装で変身ポーズを決める際にはジッパーを下ろしてから行っている。
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