「さぁて、稼ぎますか!お仕事お仕事」
演:岩永洋昭
CV:前野智昭(『KAMEN RIDER memory of heroez』)
変身する仮面ライダー
概要
『仮面ライダーオーズ/OOO』の登場人物。
バースシステムの装着者。フライトジャケットを着こなし、セルメダルを大量に入れたミルク缶を肩に担いでいる。年齢30歳。
当初は帰国者以上の素性は不明であったが、第24話で本職が医者であることが判明。紛争地域など各国を回って医療援助を行い、その傍らで自衛のために自らも戦っていたため「戦う医者」と渾名されていた。当初本人は忘れていたが、その時に火野映司を目撃している。
その後「1億円稼ぐ」目的で鴻上光生にスカウトされ、バースの装着者になった。
人物
普段は真木清人の研究室を拠点にしている。
フランクかつ奔放な人柄で変人の真木にも気兼ねなく絡んでいた。伊達は当初陰で真木を「苦手」と評していたため、積極的な絡みは彼なりの打ち解け方であった模様。
神経質かつ人付き合いをしない真木にとってはストレスの種であったが、真木は後に「私にあそこまで近づいてきたのは、姉以外にあなたが初めてでしたよ」という発言を残しており、決して嫌っていただけではないことがうかがえる。
おでんが好物であり、真木の研究室から砂漠まで環境を問わず、缶詰や鍋を持ち込むなどあの手この手で調達している。一方ケーキなどの甘い物は苦手。
大雑把なところがあり、機械に関しても「適当に弄っとけば何とかなる」と言うなどマニュアルを読むことを始めとした調べ物全般が嫌い(職業としてはマニュアルを始めとした緻密さと正確さは必須の筈だが、紛争地域等では経験や現場判断力・決断力が求められるため却って枷だったのかもしれない)。そのためか、セルメダル収支に関してはやや赤字気味だった。
また海外での生活が長かった為かカタカナが苦手な様で、アンクの事をアンコと呼んでいた。
後藤慎太郎に「1億稼いだら後は任せる」とバースバスターの手解きをし、戦闘時のバックアップを行わせるなど、後輩の面倒見は良い。なお後藤のことは「後藤ちゃん」と呼んでいる。
豪胆な性分からはやや意外だが恋愛には聡く、女心の機微に通じた一面もある。自分自身の芯は強く、美人(第23・24話)や大量の札束(第31話)の誘惑にも簡単に心を動かされたりすることはない。
シャチパンダヤミーを「可愛い」、強奪した札束を往来でばらまくクロアゲハヤミーを見て「随分気前のいいヤミーちゃんだねえ」と発言するなどジョークの利いた一面も。
医療援助活動中に銃弾を受けており、今も弾が左後頭部に残っている。このことを知っているのは馴染みである藤田医師と真木だけであったが、後に鴻上、後藤にも知られることとなった。1億円稼ぐ目的も頭の銃弾を摘出する腕を持つ海外の闇医者への手術費用である(映司と後藤は、藤田の証言から発展途上国に医療学校を建てるための資金ではないかと考えていた。医療学校を建てる願望自体は本物で今回稼いだ費用とは別口で行う意を示している)。
本人は自身を欲望の塊と評するが、上記の行動は「医者が先に死んでしまっては誰も助けることができない」という戦場の医師としての信念に由来するものであり、他者のために自身の命を平然と投げ出す戦い方さえしてしまう映司とは、対照的に描かれていた。
ネットムービーでのイメージアニマルはカマキリ。草花に擬態し、虎視眈々と目標を確実に叶えようとする姿はまさしくカマキリと言える。
仮面ライダー放送1000回記念放送では『仮面ライダーオーズ対ショッカー』を作ることになった際に制作チーム「伊達組」を結成。ノリノリでTシャツまで作成した上に映画監督を務めており、バースのテーマ曲「Reverse/Re:birth」でも登場している。
主な行動
第16話で初登場。ブレストキャノンで巨大グリード暴走態に致命傷を負わせる。当時、誰もがバースに変身するのは後藤だと思っていた中で突然今まで影も形もなかった伊達が登場したことで視聴者には大きなインパクトを与えた。
第17~20話にかけ、ヤミー由来のセルメダルを全て入手する。
第24話で医者であることが明らかになる。
第35話以降、銃弾による目眩や頭痛などの後遺症に苛まれる。
第37話で目的を早く果たすためグリード側に就き、映司達と敵対する。
第38話、裏切ったと思われていたが、実は真木清人のグリード化を止めるよう、会長から依頼を受けていたことが判明。
カザリ・ガメル・メズールからの総攻撃を受けてしまい、後藤にバースを託して息を引き取った…かと思われたが「退職金、俺の口座に振り込んどいて♪」とケロッと生きていた。
結局、任務には失敗したものの、危険手当、後藤を育てた報酬、退職金、そして真木からの前金、総額一億円を結果的に抜かりなく入手。仮面ライダーを引退し、頭の銃弾の摘出手術のため日本を離れていった。
第46話で帰国。バース・プロトタイプに変身して後藤と共にガメル完全体と戦い、ガメルを斃した。帰国以降は帽子を被っているが、これは「開頭手術をしたので髪を剃っているし頭に手術痕も残っているだろう」という製作側の判断によるもの(公式読本P53より)。
本編後は再び海外に向かい本職の医者として活動している。
変身ポーズ
バースドライバーを腰に装着後、セルメダルをコイントスの要領で真上に飛ばし、左手で掴み、「変身!」と言いドライバーに装着、ハンドルを回して変身するというもの。
なお伊達・映司(と里中)は指でつまんでハンドル2回転で変身するのに対して、後藤は2回目以降手の平で一気に回転させて変身している。
客演
『仮面ライダー×仮面ライダー 鎧武&ウィザード 天下分け目の戦国MOVIE大合戦』
伊達にそっくりな戦極時代の武将、ノブナガが登場する。
『MOVIE大戦CORE』に登場するノブナガと名前が被っているのは偶然の一致。
武神オーズを従えており、京都辺りを根城にしている。武力による天下統一を目指す。
ホンノウジ教会にて宿泊中、武神鎧武軍率いるヤミー軍団に襲われ、駆紋戒斗にタカコアメダルを預け、ヤミーたちを道連れに崩れゆく教会と運命を共にした。
ランマルという女武将を従えており(別に比奈ちゃんや里中君に当たるキャラではない)、彼女は戒斗率いる武神バロン軍に帰順した。
『仮面ライダージオウ NEXT TIME ゲイツ、マジェスティ』
『仮面ライダーW』の照井竜、『仮面ライダー555』の草加雅人と共に登場。
撮影当時は岩永がたまたま他の映画の撮影中でもあった為、髪型は当時とは違っている。
劇中では柔道大会で怪我を負った明光院ゲイツの主治医として登場。ゲイツがカッシーンに襲われた際はバースに変身して彼を救出、ブレストキャノンの砲撃でカッシーンを退ける。
その後、「かつて戦場で大怪我をしてから帰って来た」という、上述の頭に銃弾を受けた自身の過去をゲイツに語り、「人生何があるかわからない。だからこそ面白いんだ」と助言を送った。
備考
平成ライダーシリーズではライダー同士の対立が描かれることが多いが、珍しく主人公に最初から協力的である。
岩永洋昭氏は『トミカヒーローレスキューフォース』に石黒鋭二役でレギュラー出演していた。その為、この2人が一緒に描かれたイラストも存在する。後に『宇宙刑事ギャバンTHEMOVIE』や『宇宙刑事Next_Generation』で烏丸舟/2代目シャイダーを演じている。
また、藤田医師を演じているのは『仮面ライダー剣』の金居/ギラファアンデッドや『仮面ライダーキバ』のウォートホッグファンガイアを演じた窪寺昭氏である。
実は終盤で死亡するか、恐竜グリードになってしまうかなどの陰惨な展開が考えられていたが、震災の影響で変更となった。そもそも明るい作品を目指しているのにドラマを必要以上に暗くしすぎる恐れがあったからである。10年後では別の人物がそうなってしまうのだが…
『memory of heroez』で声を演じる前野智昭氏は『オーズ/OOO』本編でカマキリヤミーを演じている他、『memory of heroez』で鳴海亜樹子を演じた小松未可子女史とは夫婦の関係にあたる。
関連タグ
仮面ライダーOOO 仮面ライダーバース 仮面ライダーバース・プロトタイプ ゴリラカンドロイド おでん ミルク缶
関連・類似キャラクター
- 鏡飛彩:職業が同じ2号ライダー、登場作品の小説版で伊達を思わせる「紛争地帯の軍医」と親戚関係である事が彼の口から語られた。ただし、伊達本人とは明言されていないので注意。
2号ライダー変身者