何故君が幻夢コーポレーションにあんなファンレターを送ったのか!?
何故あの雨の日あの場所を歩いていたのか!?
そもそも何故バグスターが生まれたのかァ!! その答えはただ一つ!
君の ピー!! ヴェ ピー!!
概要
2018年6月27日に講談社キャラクター文庫から発売された『小説仮面ライダーシリーズ』の1冊。
『仮面ライダーエグゼイド』の続編・後日談を描いた作品であり、Vシネマ『仮面ライダーエグゼイド トリロジー アナザー・エンディング』より3年後が描かれる。
著者は本編の脚本も務めた高橋悠也氏。
一人称視点の小説であり、各場面ごとにキャラクターごとの一人称で進行していく。
謎のゲーム「マイティノベルX」を通し、TV本編ではあえて掘り下げられなかった主人公・宝生永夢の過去が描かれる。
あらすじ
『アナザー・エンディング』で檀黎斗が消滅してから3年後。
小児科医となって聖都大学附属病院に勤務する宝生永夢のもとに、ドローンによって差出人不明の小包が届いた。その中身は見たこともないガシャット・・・ゲーム名は「マイティノベルX」。
こんなことをするのはあの男以外にはいないと推測する永夢たち。
しかしなぜ3年経ったこのタイミングでこんなものを送ってきたのか?
これを送り付けた彼の真意とは?
多くの疑問を解き明かすため、永夢はマイティノベルXを起動する。
それは永夢の過去……そこに潜む真実を書き記した、禁断のノベルゲームだった。
新たな登場人物
永夢の実父。
国内最大手の医療機器メーカー「メディクトリック」の常任取締役を務める。
クロトピー
マイティノベルXのナビゲーターを務めるバグスター。
黒いバグスターウイルスに紫のラインというゲンムに似た特徴があり、口調も檀黎斗そのもの。
自己紹介した際、「私の名前はクロト※※(ピー)」と放送禁止用語のピー音で後半が聞き取れなかったため、永夢により仮名として「クロトピー」と名付けられた。
終盤、その真の名前が明かされる…
特徴
上述したように一人称視点の小説作品となるが、同時に読者も「マイティノベルX」というノベルゲームをプレイしているように感じられる作風となっている。
…のだが電子書籍版では一部の配慮が足りずせっかくの作風が無駄になっている部分がある。
なんせ本来改ページするべき部分でも無視して続きを乗せるという暴挙が行われているのだ。
原作で描かれなかった宝生永夢を含めた人物の過去を描写する作品ということもあり、最終回やアナザー・エンディングまでに詳しく語られることの無かった多くの伏線・謎を回収している。また新たな事実も判明する。
永夢は「患者が笑顔になって初めて治療は終わる」という信念の元に患者と向き合い続けたが、本編中の彼はどこか異常なまでに独善的で、その信念に対し盲目的でもあった。
今作で明かされる宝生永夢の真実はかなり衝撃的な物であり、この作品を読んでしまうと劇中人物のように、TVシリーズの永夢の印象が180度変わってしまうほどのものとなっている。
そのため
「最初は笑っていたけど、読み進めていくのが辛い」
「今作を読んでエグゼイドをTV第1話から見直そうと思ったら、第1話冒頭からまともに見れない」
「TV本編で疑っていた日向審議官に土下座したい」
「空洞虚無」(※宝生永夢のもじり)
などの感想も見られる。
また、時期のタイミングの関係上、
「ジオウ第3話での大変身、永夢の表情に深みがある」
との声も
また、永夢以外にも様々なキャラクターの過去・設定が描かれているため、エグゼイドファン必読とも言える内容になっている。