「その欲望……解放してやる!」
概要
上級怪人・グリードが対象人物の額にスロットを具現化させてそこにセルメダルを投入することで生成する怪人。
人間の欲望を糧にしてセルメダルを増やし蓄えるための存在であり、最終的にセルメダルに還元されてグリードに取り込まれる運命にある。
その体はコアメダルを含んでいないセルメダルによって構成され、親の欲望を満たすことで体内のメダル数が増加、ダメージを受けると傷口からメダルが散らばる。アンクはグリードを「棒のあるアイス」、ヤミーを「棒のないアイス」に例えてその性質を説明した。
動物をモチーフとしており、「動物の和名+ヤミー」という名がつけられる。これは昭和ライダーではともかく、怪人名に英名を使用することが多い平成ライダーでは珍しいネーミングである。
複数のモチーフを持つヤミーもいる。
人間型と非人間型の2種類が存在し、人間型は生物を怪人化し頭部の顔が(三w三)になった風貌、非人間型は物を掴む人の手を生物にしたような風貌をしている。共通デザインとしてメダルのような円の模様がある。
なお、ヤミーは欲望の根源である宿主が死ぬと体を保てなくなってしまい、セルメダルに還元される(絶滅種・幻獣系を除く)。これは『小説仮面ライダーオーズ』のアンクの章で明かされた。
一覧
ヤミーの生成方法は各グリードごとに異なる。
『仮面ライダー図鑑』によると源泉となる欲望には七つの大罪がそれぞれ充てがわれている模様。
昆虫系ヤミー(ウヴァ)
まず、セルメダルを投入された人間(ヤミーの宿主)から白ヤミーと呼ばれる未成熟体で出現する。
白ヤミーはミイラのような風貌で動きが鈍く戦闘力も低いが、幼虫が大量に栄養を摂取してから成虫へ変態するように宿主の欲望の対象を喰らう、あるいは欲望をヤミー自身の行動で満たす(具体的な内容を把握するためウヴァは宿主に事情を聞くことがある)ことで脱皮し、成長体になる。
短気でキレ易いウヴァをサポートするためか、オトシブミヤミーを除き知性が高く人語を話せる個体が多い。
戦闘力は高く、飛行能力を持つ個体やウヴァ同様電気を操る個体もいる。しかし炎には弱いようだ。
ウヴァによれば「勉強のために家に帰ってこない父親に帰ってきてほしい」程度(イマジンであれば速攻で契約内容にしかねないレベル)の弱い欲望ではヤミーを生むことはできないらしい。
なお、ファイナルステージではウヴァがセルメダルを自らに投入し、バッタヤミーとクロアゲハヤミーを生み出している。
昆虫が地球で最も栄えている生命体というだけあってか、劇中に登場したヤミーでは一番種類が多い。
また、昆虫系の看板に嘘偽りはなく、蜘蛛などの昆虫以外の「蟲」のヤミーは登場していないのは特筆すべき点。
なお、有毒生物のコアメダルから生まれたグリードにムチリやゴーダが存在するが、彼らがヤミーを生み出した事は一度もなく、蜘蛛などのヤミーは生まれ得るかについてはまだまだ未知の部分が多い。
猫系ヤミー(カザリ)
白ヤミー状態で宿主に寄生し、欲望を満たす行動を禁断症状にして実行させることで満たされた欲望を吸収し成長(宿主が途中で正気を取り戻し拒否しようと止まらない)。その後、宿主を取り込むことで成長体になる(途中で妨害すると無理やり実行しようとして一時的に体内から出てくるが隙あらば再び入り込む)。
宿主の欲望がヤミーの身体的特徴に反映されるのが特徴。人語は話せない()。
猫特有の素早さを持つ上、宿主の特徴が戦闘にも活用され、さらに宿主を盾にしているため迂闊に攻撃できない。
中盤からカザリが合成ヤミーしか生成しなくなったため、本編登場個体は2体で終わってしまった。合成ヤミーにはパンダの怪人もいたため、正確にはネコ目(食肉目)全体を統括するヤミーなのかもしれない。
水棲系ヤミー(メズール)
白ヤミーにはならず、ヤミーの卵が多数寄せ集まった「巣」を宿主の拠点に形成する。宿主は投入された前後の記憶が飛んでヤミーを抽出されたことに気づけず、巣はヤミーが孵化するまで肉眼では感知できない。
宿主自身が欲望を満たすことで成長し、欲望がピークに達したところで徐々にあるいは一気に、成長体で孵化する。人語は話さない。
1体ごとの戦闘力は低く、メズール同様熱に弱いようだが、数が多く数に物を言わせてセルメダルを大量に稼ぐことができる。本来の目的を考えれば最も生産性の高いヤミーであり、事実作中に登場したヤミーはほとんどがメズールの下に帰還し、セル回収に成功している。
メズールが一時期退場したため、種類は多くない。
カザリが作った戦闘員ヤミー軍団はコイツらに近い発生の仕方をしている。
重量系ヤミーと同様に大雑把な括りであることから、脊椎動物モチーフと無脊椎動物モチーフが混在している。
後に登場した海系コンボとは明らかにモチーフが重複している点も興味深い点である。もしかしたら寒冷系コンボ、甲殻類系コンボと同じヤミーが生まれ得る事もあるのかもしれない。
重量系ヤミー(ガメル)
ガメルが自分自身にセルメダルを投入すると、出現した大量のセルメダルから成長体で誕生し、ガメル自身の欲望を満たすために行動する。
大量のセルメダルを有して生まれてくるが、セルメダルは自分の能力を使う際に消費するかガメル自身に直接蓄えられ、倒されてもセルメダルは1枚しか残らない。
グリード自身から生まれた個体のためパワーと防御力に優れているが、ガメル同様強い光は苦手らしい。人語は話さないのとオウム返しして喋るものが1体ずつしか確認されていない。
ハイリスクローリターンで厄介な代物であるが、ガメルが一時期退場したため2体しか登場しなかった。
なお、重量系というえらくざっくりとしたカテゴリーのせいか、他のコアメダルのグリードが作れそうな面子が多い。
特に水棲系とはクジラやカメなどモチーフに共通項が多い。後に登場した爬虫類系コンボや蹄系コンボともモチーフが重複している。
合成ヤミー
カザリが水棲系と重量系のコアメダルを取り込んだことで生成できるようになった、新しいタイプのヤミー。早い話がゲルショッカー怪人。
人間にセルメダルを投入するのは同じだが、成長の仕方や特徴はバラバラである。水棲系に猫系または重量系がミックスされた風貌や能力が特徴。2種のヤミーの特徴を持ち、お互いの弱点を補っているのでかなり手強い。
ウニアルマジロヤミーのみ、メズールがガメルにセルメダルを投入して誕生させた。取り込んだメダル次第では水棲系と重量系以外の組み合わせも作れた可能性が考えられる。
鳥系ヤミー(アンク、アンク(ロスト))
セルメダルを投入された宿主から巨大な卵となって出現。そこから白ヤミーの姿で孵化し、親鳥が雛に餌を与えるのを欲望が満たされるのに当てはめて宿主の欲望を満たすために必要なことをヤミーが行うことで成長する(赤いオウムヤミーのみ不明)。
親の居所を巣と定めてその周囲で活動する習性があり、空を飛べると言ってもヤミーの捜索が他のタイプよりも難しくなるわけではない。また、ほとんどの個体が飛行能力と火属性攻撃への耐性を持つ(加えて火炎攻撃が得意な個体も少なくない)。
人語も話せることで親と積極的に意思疎通して協力関係を築く個体が多く、人間の知識や社会インフラを利用してくる点はかなり厄介。
なお、のちにセイシロギンコンボのモチーフとして鳥類であるペンギンが採用されたが、あちらはあくまでも寒冷地帯の生物という括りなためか氷属性となっている。
恐竜系ヤミー(ギル、真木清人)
器物にセルメダルを投入し(グリード本人の持ち物でも可能)、成長体で誕生。人間が生きた姿を確認していない生物がモチーフになっており恐竜系とも呼ばれる(我々がよく見る恐竜の姿は人間が骨格から空想で補完したものなので、実は「空想上の動物」とも呼べるのである)。
なお、純粋に恐竜と呼べる生物がモチーフなのはアンキロサウルスヤミーだけである。
令和ライダーに置ける類例::滅亡迅雷モンスターズ
欲望を無に帰す=破壊を目的としているため、これまでのヤミーと比べて戦闘能力が高く特殊能力も大量の人間を一挙に殺害できるものが多い。コアメダルも無力化されるため、オーズではプトティラコンボでないと倒せない(先行登場したプテラノドンヤミーは普通のコンボで倒されたが、それはそれ)。
また、欲望の増大を目的としていないため、基本的に倒してもセルメダルは1枚しか入手できない上、宿主は「物」なので持ち主であろうと平気で襲う。人語は標準的に話す。
MOVIE大戦COREでは幻のグリード・ギルの手で生み出された個体が2体登場。こちらは宿主となる人間の残留思念が宿った器物にセルメダルを投入し、何らかの事情で満たせなくなった宿主の欲望を代わりに叶えようと行動していた。
ファイナルステージではプトティラの世界の野良怪人として登場している。
屑ヤミー
セルメダルを2つに割ることで2体生成されるヤミー。劇中ではウヴァのみが生成。
錬金術師ガラ配下のヤミー
ガラが作ったヤミー。詳細は鵺ヤミーの項目にて。
財団X製ヤミー
『MOVIE大戦MEGAMAX』仮面ライダージョーカー編に登場。
財団Xの構成員が自分自身にセルメダルを投入すると、白ヤミーを経て瞬時にカマキリヤミーとクワガタヤミーになった。財団Xの技術で昆虫系ヤミーの要素が取り入れられたのか?
余談
名前の由来は、おそらく英語で「美味しい」を意味するヤミーと思われる。食欲は、人間の三大欲求の一つであり、「ヤミーが人間の欲望を喰らって成長する」という点でこの由来はふさわしいものと言える。
カンドロイド同様に、各分野一つに付き、オーズの各コンボを構成する動物のヤミーが一体は登場している。
ただし、タジャドルコンボを構成する動物のヤミーは映像作品では登場していない。
カンドロイド側はタトバコンボを構成する動物が全て出揃っているが、こちらは揃わず。
全員出揃ったのはガタキリバコンボを構成する昆虫たちである。
カテゴリーとコンボ | 構成生物1 | 構成生物2 | 構成生物3 |
---|---|---|---|
タトバコンボ(三王) | タカ(未登場) | トラ(未登場) | バッタ(バッタヤミー) |
ガタキリバコンボ(昆虫) | クワガタ(クワガタヤミー) | カマキリ(カマキリヤミー) | バッタ(バッタヤミー) |
ラトラーターコンボ(ネコ科) | ライオン(ライオンクラゲヤミー/ライオンヤミー) | トラ(未登場) | チーター(未登場) |
サゴーゾコンボ(重量系) | サイ(エイサイヤミー) | ゴリラ(未登場) | ゾウ(未登場) |
タジャドルコンボ(鳥類) | タカ(未登場) | クジャク(未登場) | コンドル(コンドルヤミー) |
シャウタコンボ(水棲生物) | シャチ(シャチパンダヤミー) | ウナギ(未登場) | タコ(未登場) |
プトティラコンボ(恐竜) | プテラノドン(プテラノドンヤミー) | トリケラトプス(未登場) | ティラノサウルス(未登場) |
関連イラスト
関連タグ
敵イマジン:取りついた人の欲望を満たし行動をする、途中で対象の人間が死ぬと共に滅びるという点が似ている。