800年前の王
はっぴゃくねんまえのおう
※一部小説やゲームのネタバレが含まれます。閲覧にはご注意ください。
「ハッピーバースディ!アンク君」
『仮面ライダーオーズ/OOO』の登場人物の1人。
800年前に存在したとある小国の王にして、仮面ライダーオーズこと火野映司の「先代のオーズ」にあたる人物。
当然ながら劇中では既に故人で、本編では回想シーンのみでの登場となっており、それも既に変身した姿のみでの登場である。
後に公式小説の『小説 仮面ライダーオーズ』の第一章にあたる『アンクの章』で、本編で描かれなかった800年前の王の掘り下げがされているが、同作でも「王」という名でしか呼ばれないので本名は不明で、小説なので当然ながら変身前の容姿も不明である。
なお、タトバコンボは王が最初に変身した姿であり、最も愛用したフォームでもある。その為に、二代目オーズであるTV本編の主人公・火野映司もこの姿が基本フォームとなり、それ故にこの姿はコンボ扱いされている。
ちなみに古文書のイラストでは「タジャスピナー」のような盾と『メダジャリバー』のような剣を装備していた状態のものが描かれていた。
小説版でのその言動や劇場版に登場したガラの発言からも分かるが、鴻上光生は彼の遠い子孫である。ただし、小説の描写を見る限り彼に子供がいた様子はないので、直系かどうかは不明(というかそもそも王は日本人ではない)。
性格は、基本的には子孫と同様にハイテンションな言動と、豪放磊落な性格の人物であり、一人称は「私」。
しかし、その本性は極めて強欲そのものな、まさにオーズになるべくしてなったような人物であり、基本的な言動は会長とほぼ一緒だが、あくまで欲望を世界を守り発展させる力と認識し、なんだかんだで欲望を暴走させても世界を守る側としての行動を取る会長とは違い、自分の欲望を満たす為なら騙し討ち、裏切り、殺戮等々カザリが可愛く見える程の邪悪かつ残忍で冷酷な人物である。
自身が決めたルールを絶対的なものとしており、それを覆したければ“自分が得だと思う事を提案する”ように言ってのける程に傲慢な一面も持つ(尤もこれを言った相手はグリードなので、上位者としては当然の言い分ではあるが)。
普段は感情を荒らげる事はなく、泰然自若としているが一方で自分に逆らおうとする者には一切容赦がなく、叩きのめして屈服させるなり、命を奪うなどの行動を起こしている。
グリード達に対してもそれは同様で、彼等の場合は不死身故に殺す事はできないので、コアメダルを少しずつ奪い取る方針を取る事で彼等を脅迫して従えている。
また、アンクが自分の命を奪う事を目論んでいる事を知った際は、ワザワザ本人の前で暴露して彼が狼狽する様を見て楽しんだり、自身が作り出した魔法生物の心臓を戯れに抉り取る等、非常に歪んだ嗜虐心の持ち主でもある。
他にも、拠点にしていた協会にグリード達が踏み込んできた時は、わざわざ神父の服装に着替えて出迎える等、お茶目というか人を食ったような面もある。
ただし、欲望を世界を動かす力として捉え、あらゆる存在の「誕生」を肯定的かつポジティブに受け入れているという、本質的な部分は子孫の鴻上会長と通じている。
確かにとんでもなく強欲で傲慢で冷酷な独裁者である事は間違いないのだが、グリード達にもし自分が負けたら彼等の望むものを差し出すと発言する等、欲望に対してはあくまで真摯である。
本来、彼の計画を考えると別に作る必要はなかったグリード達についても、彼等の誕生を心から祝えて欲望を改めて観察できたと満足しており、子孫と同様に彼にとっては欲望の果てに誕生するものは、どんなものでも自分の計画とは関係なく歓迎されるらしい。
また、自分が誕生を祝福したグリード達に対しても、別れを惜しんで思わず手を抜くなど彼なりの情はあった模様(勿論その情が欲望より優先される事はないが)。
また、敵対者に対しては情け容赦はないものの、自分に服従する者には自分が定めたルールの範囲内でなら寛大であり、配下の錬金術師達にもかなり自由に研究をさせているらしい。
為政者としても、メダルの力や薬を使って大国と対等以上に渡り合い、周辺国を併合して小国だった自国を一代で大国に育て上げた先見の明や外交能力を含めた政治手腕は凄まじく、他国にとってはたまったものではないが、自国民からは高く支持されていた模様(というよりオーズの力を見ても、おそらくそれこそ神のように崇拝されていたと思われる)。
そもそもいくらオーズの力があるとはいえ、一国の王自身が最前線に立って軍隊より率先して戦っていたのは言うまでもなくとんでもない事であり、それを躊躇なく選択して実行する判断力と行動力は流石としか言いようがない。下記するがアサシン紛いの事もしていたので、完全に一人軍隊状態である。
TV本編でアンクから“欲望の塊”と評された通り、小説で彼から生み出されたヤミー達のモチーフはゴキブリ(昆虫系ヤミー:強い生命力の象徴のようなもの)、ライオン(猫科系ヤミー:百獣の王)、クジラ(水棲系ヤミー:海の王に相応しい生き物)といった作中カザリも評していた通り、実に「らしい」モチーフの生物である。
オーズとしての力を惜しげも無く振るっており、加えて王自身のずば抜けた戦闘センス&容赦のない性格とも相まって、映司と比較しても桁違いの力を誇っている。
加えて生身の状態でも恐ろしい程に高い戦闘力を見せており、生まれたばかりとはいえ完全態のアンクに「セルメダル」を与え続けながらも、彼の繰り出す攻撃を“全て嘲笑いながら避ける”事をやってのけたり、「オーズドライバー」を使って彼の攻撃を軽く受け止めたりしている。
更には完全態のグリード5人の攻撃を完璧に避け、アンクの全力の火炎弾がクリーンヒットしてもよろめいた程度で全く効いた様子が無いばかりか、ライオンヤミーの体内に取り込まれた際も易々と自力で脱出する離れ業をやってのけている。
また、それ意外にもアンクを除いたグリード達とそれに匹敵する力を持つ3体のヤミーとの戦いでは、タトバコンボで追い詰められていたが、実際には彼等との別れを惜しみ手を抜いていた事、有利な状況を逆転させる事によって彼らの絶望と生きるという執念を極限まで高めて、“コアメダルの力を底上げする”という目的の為の芝居であった事が明かされている(本編の回想シーンがそれにあたる出来事らしい)。
作中では明言こそされてはいないが、これらの描写から本編でも言及されていた通り、王もまた終盤の映司と同様に真のオーズと化しており、セルメダルを吸収する事も可能らしく、セルメダルがあればある程に無制限に強くなる事が出来る。
その為に、後述する暴走を引き起こす事になるのだが、この彼の暴走しているとしか思えない程の貪欲な欲望や、最終的に暴走を引き起こしてメダルを封印する石棺となった事を含めて『彼もまたグリード化した人間だったのではないか?』と子孫である鴻上は推測している。
ちなみに、彼が変身したタトバコンボ(こちらではない方)の変身音は、映司が変身したタトバコンボの変身音に比べて低音となっている違いはあるが、姿はそのまま同じなので見分ける事は不可能である。
以下に各フォームでの戦闘や能力を紹介する。
オーズの基本形態にして、初めて王が変身した際の姿。
映司のものは劇場版などを除いて本編ではあまり目立った活躍をしていないが、彼の場合は誕生したばかりとはいえ完全態のアンクを余裕で一蹴し、コアメダルを奪い取る程の実力を見せた。
「火炎コンボ」の別名を持つ、空中戦と炎による攻撃に特化した形態。
基本性能は映司と変わらないが、王の場合は相手からの攻撃が届かない遥か上空から攻撃を仕掛けて人間を焼き尽くし、幾つもの村を焼き払って滅ぼしたりと容赦のない戦法を取っていた。
また、完全態のグリード4人の同時攻撃を相性上では最悪のメズールがいたにもかかわらず、コンボチェンジした際に発生する炎だけでかき消し、ギガスキャンでグリード4人とヤミーの3体を軽々と吹き飛ばす等、出力だけでもまさに桁違いである。
ちなみに本人曰く「自分にフィットするコンボ」であるらしく、かなりこのコンボの事は気に入っていたらしい。
「最強のコンボ」の称号を持つ、数の暴力という昆虫の真髄と雷の力を秘めた形態。
基本性能は映司と変わらないが、王の場合は分身能力をフルに生かして1万を超える敵の軍勢を壊滅に追いやる成果を上げている。
さらに完全態グリード4人と、それと同等の力をもつヤミー3体をも数の暴力で叩きのめすという、まさに「最強のコンボ」の称号に相応しい戦果を上げていた。
猫科動物のスピードと灼熱の力を宿した形態。
基本性能は映司と変わらないが、作中では圧倒的なスピードをもって敵国に侵入し、瞬く間に厳重な警戒網を潜り抜けて国王を暗殺するというアサシンのような使用方法をされていた。というか、こんなアサシン紛いの事までする辺り、つくづくフットワークの軽い王である。
また、灼熱の力(恐らくライオディアス)を用いて進行の邪魔になる湖を干上がらせて自軍の進軍スピードを速めるという凄まじい使われ方もされていた(当時は一部の国を除いて水は大変貴重品であったにも拘わらず、こんな事を躊躇なくする辺り本当に当時の常識の埒外にいる人物である)。
TV本編の回想シーンでも、完全態のグリード4人をそのスピードで圧倒している描写が描かれていた。
重量系統の動物のパワーと重力操作能力を持つ、パワー系統の攻撃に特化した形態。
基本性能は映司と変わらないが、王は作中では巨大な地割れを発生させて敵軍の無数の兵士達を奈落の底へと叩き落とすという、豪快だが容赦ない戦法を披露している。
水棲系生物と水の力を宿した形態。
基本性能は映司と変わらないが、作中では海に面した敵国の無敵とまで謳われた艦隊を、(おそらくは1人で)水の中から一方的に攻め立てて壊滅させている。
このように、TV本編の回想シーンでもアンクを除く完全態のグリード4人を軽く叩きのめす程の圧倒的な力を見せていたが、当時は上記した通りその凄まじい力で他国を思う様に蹂躙し、完全態のグリードの5人からさえも“神に等しい存在”と称されていた程である。
ちなみに最強コンボの1つであるプトティラコンボとブラカワニコンボは作中では使用しておらず、理由はプトティラコンボは必要な紫のコアメダル自体がまだ開発途上だったからだが(王の口から明言されている)、ブラカワニコンボについての方は詳細不明。
恐らくブラカワニコンボに必要な橙色のコアメダル自体がまだ開発されていない、あるいは既に開発を担当していたガラ自身が王に隠れて製作に取り掛かっていた為だと推測されるが詳細は不明である。
なお、全くの余談ではあるが、紫のメダルのグリードも作成予定だった事が語られている。しかし本編でも言及されている通り、このメダル自体には欲望そのものが無いので、結局グリードが生まれる事はなかった。
というか、本質的には王は鴻上会長と同じ思想の持ち主なので、欲望を無に還すという紫のコアの本質的な力が分かれば、最終的には鴻上会長同様に破壊した可能性も高い。
「例えばこの世界や人間を作った神がいるとするならば……、それを倒す力が欲しい!!」
以下、ネタバレ注意 『アンクの章』に関するネタバレに付き閲覧注意!!
元々、彼は大陸の小国出身の独裁者であり、自国で多数抱えていた錬金術師達の育成に力を注ぐ事で、彼等がもたらした薬品(医療薬品)を外交の材料にし、持ち前の外交手腕と巧みな政治戦略によって、当時小国だった自国を大国と対等に渡り合うレベルの国力まで高めていた。
そして、お抱えの錬金術師達の筆頭格であるガラがコアメダルとそれを使ってグリード達を創造して以降は、それらを己の欲望を叶える計画に利用する算段を立て、オーズの能力を最大限に生かし、逆らう国を全て叩き潰して大陸を掌握する一歩手前まで追い込んでいた。
しかし、ガラについては彼の才能や錬金術師としての能力を疎み、最終的には彼を幽閉した挙げ句封印してしまっている(ガラは内心では下記する王の野心と同じようなものを抱いていたので、それを見抜いた上で疎ましく思ったのかもしれない)。
配下であるグリード達については、生かさず殺さずの境遇で利用(ヤミーを作らせてセルメダルを集めさせ、税として徴収させる)していたが、「コアメダル」を製作させてグリード達を誕生させた彼の最終目的、それは世界の覇者等には留まらず、全てのコアメダルを手中に収めて自身の体に取り込み、自らが「神」へと昇華して、もし存在するなら既存の神を殺し、自身だけの新世界を創造するという野望だった(割りとありがちな野望とか言ってはいけない)。
その目的故、作中ではアンクから「そもそも最初からグリードなんて誕生させずに、最初からそうしたらよかったのでは?」とツッコまれているが、本人曰く「グリードの誕生を祝福できた上に、彼等を観察する事で欲望に関する知識を深められたので結果オーライ」だったらしい。
とはいえ、その為にグリードを逃しては本末転倒なので同じような野望をもっていたアンクに協力を持ちかけ、その交換条件として事が済めば彼のコアメダルを返す事を提案して懐柔に成功。
そんな事とはつゆ知らず、「このままではいずれ殺される」と危惧したグリード達は反旗を翻し、目論見通りに完全態に戻って意気揚々と彼に戦いを挑んだアンク以外のグリード達は、彼にセルメダルを投入してヤミーを3体生み出し8(実際は7)vs1という数的には有利な状況へと持ち込む。
しかも王から生まれたヤミー達は、類稀なる王の強大な欲望から生まれた存在である為に、完全態のグリードに匹敵する程の強大な力を持っていた。
さしもの王も基本形態であるタトバコンボでは分が悪く、次第に追い詰められていくが、上記のようにそれは全て彼等の力を高める芝居と、彼等との別れを惜しんでいた故であり(その気になればタトバでも勝てたとの事)、追い詰められても余裕を全く失わない王に恐怖を覚えた彼等は一斉に攻撃を仕掛ける。
その刹那、既に王と結託していたアンクからメダルを受け取った彼は、すかさず「タジャドルコンボ」へとフォームチェンジし、瞬く間に形勢を逆転させてしまう。
その後、今度はウヴァからコアメダルを引き抜き「ガタキリバコンボ」へとフォームチェンジ後、怒涛の分身殺法によりヤミー3体を瞬殺し、グリード達も戦闘不能へと追い込んだ。
こうして彼の思惑通りに“コアメダルの力を底上げする”事に成功すると、彼はグリードの意識を内包したコアメダルを手中に収め、さらに直後にアンクとの約束をも反故にして彼からもコアメダルを奪取。TV本編の回想シーンで見られたように全コアメダルの力をオースキャナーを通して体内に収めようとするが……
既にそれが彼の“欲望の器”のキャパシティを遥かに超えた膨大な力だった為に、コアメダルの力が暴走。周囲の全てを取り込みながら「うああああああ!私にこの力を制御できないはずがない!私は、新世界の王になるハズなんだ!!」という断末魔の悲鳴を最期に、王の身体は徐々に石化して死亡し、最終的にはオーズドライバーの安全装置によって「封印の石棺」と化し、暴走したメダルの力を封印する為にその身体は利用された。
この際に、周囲にいたグリード達も巻き込まれ、彼等も800年に渡って封印される事となってしまう。ちなみに石棺は1話でアンクが封印を解いた際に、無数のセルメダルとなって消滅した。
世界の全てを総べる力を持ち、「神」に挑んで自身が「神」と成り変わる事を目論み、その領域まで上り詰めようとした男としては、余りにも呆気ない最期であり、アンクからも終わりは案外呆気なく来るものかもしれないと評された。
以下は彼が登場する外部作品を紹介する。基本的にはラスボスを勤める事が多いが、復活のコアメダルのみ異なる。
復活のコアメダル
本作では、TV本編最終回にて真木と共に虚無に消えたメダルを手に入れ、古代王仮面ライダーオーズという名称で現代に復活する。
外見はタトバコンボがマントを纏ったものだが、タカヘッドの色が異なり、古びた亀裂が入っている事から違った印象を受けるものになっている。
ちなみに本作でも本名及び、変身前の容姿は不明である。
生前手にできなかった更なる力を手に入れたものの、その結果それに飲まれたのか、生前の欲望と嗜虐心が更に歪んだ形で完全に暴走しているらしく、かつての為政者としての高い知略や狡猾な側面は消え、ただ暴力で世界を支配しようとする典型的な暴君と化している。
言動も鴻上会長を思わせるハイテンションかつ豪胆なものとは打って変わって、低く威圧的な口調で喋るキャラになっている。小説や下記するファイナルステージを見た人であれば、違和感を覚えるキャラになっているが、劇中でこの王の言動の変化をアンク達が指摘する事はなかった。
劇中では、生前の神を殺して新たな世界の王となるという野望の手段として、人類を滅亡させた上で世界を手に入れるという手段を選び、アンク以外のグリード達に力を与えて復活させ、生前と同様にグリード達を率いて彼等と共に世界人口を崩壊寸前まで追い詰める。
その過程で、現代のオーズこと火野映司と戦い彼を圧倒し、その直後に逃げ遅れていた少女を槍状のエネルギーで串刺しにしようとしたが、身代わりとなった映司が無数のエネルギーで串刺しとなり、そのまま2人纏めて爆破した。
この時に映司は致命傷を負っており、それが原因で悲劇的な結末を最終的に辿る事となってしまった。
それ以降の詳しい顛末や情報はリンク先を参照。
『仮面ライダーOOO(オーズ)ファイナルステージ』
リ・マジネーション恐竜系グリードに生まれ変わっていたという設定で登場を果たした。
本作では声は、鴻上会長を演じた宇梶剛士氏が担当している。言動も小説通り鴻上会長と同じものである。
トラベラーズ戦記での活躍
ニンテンドー3DS専用ソフト『仮面ライダー トラベラーズ戦記』において謎の復活を遂げる。本作で起きた事件の元凶にしてラスボスとして登場。
容姿は、タトバコンボが黒いオーラを纏った姿で、(設定上は)オーズドライバーにはめ込まれているメダルが「ラストメダル」と呼ばれる、錆びて朽ち果てたセルメダルの亜種のようなメダルがはめ込まれている。王自身は完全に理性を失っており、獣じみた咆哮を上げている。
物語当初は、映司が暴走していたものと誤認されていた。
その正体は真木清人のシンパであった元彼の助手が、自身の手で復刻したオーズドライバーを用いて変身した「先代オーズ」。
上記の通り真木の思想のシンパであった彼は真木の死後、鴻上ファウンデーションを退職して彼の意思を受け継ぎ、独自にオーズの研究を続けていたが、次第に先代の王の力とコアメダルの力に魅了され、自身が王になって世界を支配しようと思い立ち、ラストメダルを制作した(やろうとしている事はかつての王や、復活した錬金術師ガラと変わらない)。
自身を核として王の器=肉体とし、そこに王の魂を召喚して憑依させる事で現代に王を復活させる為に暗躍していた。
その為に、魔法の力とコズミックエナジーの力、そして王の魂を召喚する為に地球の記憶が必要不可欠だった事から、錬金術師ガラが用いた手段で未来の時間軸にいる操真晴人を現在に召喚。
更に「風都」と「新・天ノ川学園高校」に襲撃を掛けてそれらを手中に収めた後、遂に本格的に世界を終末に導く為に行動を始めた。
メダルの器暴走形態に酷似した時空の狭間にある城に鎮座すると各地にラストメダルをばら撒き、そこから生み出された「ラストメダルの怪物」達を使役して猛威を奮うが、城へと乗り込んできた5大ライダー(W、オーズ、フォーゼ、ウィザード、鎧武)の前に敗北。
更なる力を求め、全ラストメダルを吸収し、更なる変貌を遂げた。
ラストメダルの器暴走形態
更なる力を求め、全ラストメダルをその身に取り込んだ事により、力を暴走させ変貌を遂げた先代オーズの最終形態にして本作のラスボス。
最早完全に人としての理性は失われており、ただ目の前のものを破壊するガラ(怪物態)やエラスモテリウムオルフェノクと同じ魔獣と化している。
圧倒的な力を誇り、体内にあるメダルの力を凝縮したエネルギー砲の威力は桁違いのパワーを誇っているが、その反面エネルギー充填には時間が掛かり一度放出して再チャージするのに時間が掛かる事、そしてその巨体の為に一歩も動けないという欠点と弱点を抱えており、それらを補うべく刺又状の爪、あるいは腕のようなビットを2つ放ち、それらを使って敵を攻撃している。
5大ライダーとの激戦の末にまたしても破れた為、最後の手段として自爆して世界を道連れにしようとするが、最後は理性を取り戻した王の魂に導かれた5大ライダー達の「ライダーキック」を、オーズバッシュで傷ついた箇所から露出しているラストメダルのエネルギーが集中している体の中心部に集中砲火され爆散・消滅した。
公式からのアナウンスは一切ないが、ファンの間では放映当時から「モデルになった人物は、神聖ローマ皇帝のフリードリヒ2世(1194年-1250年)ではないか」と囁やかれている。
地域や状況によって圧政と良心的な政策を使い分ける策略家であり、先進的な思想と極めて寛大な宗教及び文化観の持ち主だったと伝えられている。具体的には山賊と化したイスラム教徒達に新天地を与える、十字軍遠征の際、ほぼ書状と交渉だけで条件付きの聖地奪還を達成するという、当時の常識からすれば異世界転生かタイムスリップ系主人公のような斜め上っぷりである(それ故に教皇からは2度破門されたが)。
彼が王のモデルとされる要因には、鷹狩りを中心に複数の本を執筆し、象やチーターなど異国の動物を集めて愛情を注ぎ、解剖を含む人体実験を多数行った生物への探究心が大きい。
また、少年の頃から幾つもの言語をマスターし、ナポリ大学を設立して役人や専門家の育成に取り組むなど学問全般にも熱心な人物だった為、「もし彼が非常に貪欲で、動物を基に人知を超える力を欲していたら?」という結び付けがあったと考えられる。
ちなみにガラが復活した場所もドイツのチューリンゲン地方にある遺跡である他、「Time judged all」はドイツ語から始まる等ドイツとオーズには明確に縁がある。
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