『タ・ト・バ、タトバ、タ・ト・バ!』
「コアメダルを、我が手に…!!」
「"オーズ"は、一人だけでいい…!」
CV:谷昌樹
スーツアクター:田中佳人
概要
かつて全てのコアメダルを取り込もうとし、その力の暴走によって己の身を滅ぼし死亡した先代の仮面ライダーオーズ、即ち800年前の王が再び力を取り戻して復活した姿。
虚無の中で恐竜グリードと共に消えた筈のコアメダルを取り込み、大量のセルメダルをその体内に宿した結果、生前を上回る程の力を手に入れたらしい。
その力で復元したグリードを生前同様に使役し、世界に暴虐と混沌をまき散らしている。
外見はタトバコンボだが、頭部はエンシェントタカヘッドと呼ばれるものになっており、仮面は赤色が薄く、罅割れの意匠がある。複眼も緑色ではなく赤色。
ボディには金色のローブ「メダリオガウン」を羽織っており、体格も素のオーズより太く大柄となっている。
腰のオーズドライバーには「タカ」「トラ」「バッタ」のコアメダルが装填されており、メダジャリバーと髑髏の意匠がある両刃剣で戦う。ただし、彼が使うオーズドライバーとメダジャリバーの出自は不明(メダジャリバーは鴻上ファウンデーションから奪ったのかもしれない)。
正式名称判明前から「古代オーズ」と呼ばれており、結果的に略称として定着した。
スペック
身長 | 198cm |
---|---|
体重 | 99kg |
パンチ力 | 9.5t |
キック力 | 25.2t |
ジャンプ力 | 189m(ひと跳び) |
走力 | 3.4秒(100m) |
姿こそタトバコンボではあるのだが、全体的にはプトティラコンボに次ぐ程の高いスペックを持つ。
大量のメダルを確保していた事もあってその戦闘力は、本編での回想や『小説版仮面ライダーオーズ』でも見られた先代オーズを越えており、劇中ではさらっとしているが世界人口を崩壊寸前まで追い込むという途方もない暴挙を犯した上に、手段は不明だが既に意思のあるメダルが破壊されて「死亡」していたグリードをも復活させている辺りは流石と言える。
他にも、コンボチェンジ抜きに映司の変身した現代のオーズや仮面ライダーバース等を圧倒しており、最終的にはその力で映司を死に追いやっている。
劇中では、コアメダルの他に建物から変化させた大量のセルメダルも取り込んでおり、体内はグリードと同様に大量のメダルで構成されている様子が描かれている。これはかつての火野映司と同様に「真のオーズ」状態であると言え、つまりは以前の鴻上会長の「王もグリード化した人間だったのではないか」という推測を裏付けるものとなっている。
しかし、意思のあるコアメダルと恐竜グリードと共に消えたコアメダル以外(それ以前に破壊されていた意思のないコアメダル)も保有しており、こちらを入手した経緯に関しての説明はなく新造なのか復活させたのかも不明。そもそも恐竜メダルもTV本編で破壊描写の無かった3枚についても、当初はドクター真木と共に消滅した設定だった筈だが、こちらも新造・復元されたのか設定自体が変更されたのか不明。
また、この古代オーズの設定通りだと、MOVIE大戦MEGAMAXで40年後の未来で虚無に消えた大量のメダルを取り込んで暴走した仮面ライダーポセイドンの存在も謎であり、この辺の兼ね合いについてはかなり曖昧である。
尚、劇中ではアンクやドクター真木と言った面々を自身で復活させる事は無かったが、後者に関してはそもそも王がドクター真木や紫のメダルについて詳しく知らない上、真木が元人間である関係上彼の意思のあるメダルが存在しない※ので、そのまま恐竜メダルは自身の体内に保有していた様子。
※映司の体内にあった紫のメダルが、本編最終回で全て砕けても映司に影響がなかった点、紫のメダル自体に意思がある点から。
アンクを復活させなかった理由は不明だが、彼の意思が宿るタカメダルを映司が所有していた事が関係しているのではないかと思われる。尤も劇中では、ほぼこの辺りについては触れられていないので、視聴者の見方によって解釈は様々である(そもそも他のグリード達を復活させた具体的な方法も不明)。
只、本編では余程の事がない限りは、前線での戦いはほぼグリードの面々に任せていた様で、それにあたって彼等にはそれ相応のメダルをいくらか譲渡していたのだが…。
グリード吸収態
スペック
身長 | 201cm |
---|---|
体重 | 108kg |
パンチ力 | 10.8t |
キック力 | 26.2t |
ジャンプ力 | 198m(ひと跳び) |
走力 | 3.1秒(100m) |
ウヴァ・カザリ・ガメル・メズールを吸収した、古代王仮面ライダーオーズの強化形態。
外見上の変化としては、オーラングサークルが既存のグリードを模したアブソーブオーサークルに変化し、両肩が黒いトゲ「グリーディアショルダー」に、左腕がウヴァアーム、右腕はカザリアーム、右脚はガメルレッグ、左脚はメズールレッグに変化している。
また、強化前から存在した仮面の罅割れの意匠は胸まで伸びている。
彼等のメダルを吸収した事によって、事実上メダルスキャンをする必要が無くなった為、通常のオーズ以上に隙の無い攻撃が可能となっている。当然ながらその強さも折り紙付きで、ゴーダの力によって以前よりもパワーアップしたオーズのラトラーターコンボすら、一撃で撃破してしまう程の力を誇る。
劇中での動向
一部、『復活のコアメダル』のネタバレを含みます。未見の方は閲覧注意。
経緯は不明だが800年の時を超え、ドクター真木と共に虚無に消えたコアメダルをも回収して更なる力を得た末に、現代に復活してグリード達を復活させた上で生前の野望を果たすべく行動を開始する。
しかし、生前得られなかった更なるメダルの力を手に入れ、その力に取り憑かれて生前の欲望や嗜虐心がより歪んだ形で暴走したのか、生前の為政者としての先見の明や狡猾さ等の策略家としての面は完全に消えてしまい、ただ暴力だけで更なる力と世界を手に入れようと目論む典型的な暴君と化している。
言動もかつての鴻上会長を思わせるハイテンションな言動は無くなり、低く威圧的な口調で喋るようになっており、小説版やファイナルステージの王を見た人であれば、かなり違和感を覚えるキャラになっている(悪い言い方をすれば、キャラクターとしては薄くなったとも言える)。
また、アンクを始めとした当時の王を知るグリード達は、何故か劇中で誰もこの王の変化については指摘していない。
生前は、自分の統治する国を基点に各国を併合して世界を手に入れ、その上で神を殺して新世界の王になるという野心を抱いていたが、劇中では前述通り全てのメダルの力を取り込み、人類を滅ぼして世界を手に入れるという手段を選んでおり、人類のいない世界だけを手に入れてどうするつもりだったのかは不明(ファンからも、本人の“欲望の器”以上のメダルを取り込んで無理矢理復活した事で、メダルの力に飲まれて生前の妄執だけで暴走しているのではないかと考察されている)。
そして、日本に帰国した映司が変身したオーズと戦い圧倒し、彼に重傷を負わせた上で、逃げ遅れた少女を庇った映司を大量の光の槍で貫き、爆破して彼に致命傷を与えた。
本来なら、この時点で映司は最期の願いでアンクを復活させて死亡する筈だったが、ゴーダが憑依した事で一命を取り留める。
そして、アンクの復活を察知して彼のメダルを奪うよう派遣したウヴァが逃げ帰ってきた事で、グリードに失望して彼等を取り込み、グリード吸収態となってアンクやゴーダのメダルを手に入れ、更なる力を得るべく自らが行動を開始する。
そして、ゴーダが変身したオーズ・ラトラーターコンボを難なく撃破した後は、変身解除したゴーダやアンク達のメダルを全て吸収しようとしたが、敢えて王の体内に吸収されたアンクの機転によって体内の恐竜メダル3枚をアンクに奪われてしまう(この時は、TV本編と違ってアンクは恐竜メダルを何の抵抗もなくキャッチしてゴーダに投げ渡していたが、それができた理由は不明である)。
そのままアンクから渡されたメダルでプトティラコンボに再変身したオーズと戦うも、メダルを奪われた上に体内のアンクによって動きを制限された身体では十分に力を発揮する事が出来ず、最期は肉体を切り裂かれた際に噴出した大量のセルメダルを利用した強化版グランド・オブ・レイジを受けて爆散・消滅した。
同時に王の体に吸収されたアンクは、体内で全てのメダルを取り戻し完全態の姿で脱出している(何故王の体内に破壊されたアンクロストのコアメダルもあったのかは不明)。
800年の時を経て、更なるメダルの力を手に入れて復活したにしては本作のラスボスを勤める事もなく、それどころか今際の際の台詞や最後のあがき等すらもなく、ある意味生前と同じく意外な程に呆気ない最期だった(本作のラスボスの方はちゃんと最期の台詞等もある)。
その為、視聴者からは本編のラスボスの恐竜グリードや、劇場版のラスボスのガラなどの方がよっぽど強そうに見えたという意見も少なからずある。
とはいえ、この時点で王はアンクのアシストの影響や大量のメダルをメダガブリューで吸収された事で弱体化した状態で、更にはコアメダルの破壊能力を持つグランド・オブ・レイジを、通常のメダルを補食する工程に加えてスキャニングチャージで威力を底上げした強化版で受けたので、敗北自体は普通に必然の結果だったと言える(逆に考えれば「ここまでしないと勝てなかった」とも言える)。
余談
- 演じた谷氏は宇宙戦隊キュウレンジャーのラスボスであるドン・アルマゲを演じている。ドン・アルマゲもまた自分以外の全てを『道具』として軽んじ、自らの欲望にのみ邁進する行動指針は、古代王仮面ライダーオーズと全く同様である。
- 尚、ドン・アルマゲの最終目的は「自分以外の全ての生命を取り込み、取り込んだ者達の不運を糧に自らを“永遠の存在”にする」であり、その意味でも同氏の起用はベストなのかも知れない。
- また谷氏はPS版『仮面ライダーV3』のカマクビガメ役以来の仮面ライダーシリーズへの出演となる。
- 仮面ライダーは今まで「仮面ライダー〇〇」と言った感じで共通単語の後に個人を表す名前が付く(スーパー1、ZO、アギト、フォーゼ、リバイ・バイス等)と言うのが普通だったのだが、このライダーは仮面ライダーの前に「古代王」という称号が付くという今までに無かったライダーである。
- 尚、放送当時の事だがアナザーアギトが「アナザー仮面ライダーアギト」と呼称されていた事もある。
関連タグ
Vシネマ限定ライダー
ミューズ → 古代王オーズ/ゴーダ → イドゥン/タイラント/セイヴァー/ブラックバロン/シルフィー
仮面ライダーダークディケイド → 古代王仮面ライダーオーズ → 黒いウィザード/仮面ライダーダークウィザード