「当然だ。俺はいずれチェックメイトフォーのキングになる男だからな。」
人間態の演者:兼任
概要
真名「プロペラ王国の崩壊」
第29~31話の現代編のみに登場。
モチーフはイボイノシシで裏モチーフは燕。身長2m18㎝、体重320㎏の重量級。
人間態は旅装に身を包みテンガロンハットを被った、阿鐘(アベル)という青年の姿をしている。
ビーストクラスのファンガイアにして、元チェックメイトフォーの候補者である。
実際に、強さだけなら現在のチェックメイトフォーのルークに勝るとも劣らない実力者なのだが、1986年に倒されたキングに成り代わって新たなキングの座につく事を狙っているファンガイアきっての問題児で、その強すぎる野心故にチェックメイトフォーには選ばれなかった。
ただし、本人はキングの座以外には全く興味を持っていないので、選ばれなかった事は一向に意に介していない。ちなみにその能力から、彼はルークの候補者だったと思われる。
前述通りキングの座を目指しているのだが、現在のキングの情報は当然ながら全く知らされていない。その為に今のキングは人間の中で育ったという情報から「キングであれば人間として生活していても、日常的に超常的な力を使っている筈」という彼独自の解釈で、作中では自称超能力者やマジシャンやパフォーマーなどをキングと疑って襲っていた(割りと選定基準が適当だし、最初からどう客観的に見てもただの人間でしかない者も中にはいた上に、何より効率が悪すぎるのだが突っ込んではいけない)。
しかし、その行動をビショップに咎められ、彼を介してルークにまで知られてしまい、それ故にマジシャンを襲っていたところに偶然居合わせたルークと交戦する事になり、元チェックメイトフォー候補として互角以上の戦いを繰り広げていたが、キバとイクサの妨害によって双方撤退する。
その後は、麻生恵の弟・光秀が二度連続で宝くじを当てた(確率的には1000万^2=100兆分の1)事をテレビで知り、予知能力ではないかと光秀に目をつける。
しかし、再びキバに妨害されて戦闘となるも、エンペラーフォームになったキバには敵わず圧倒される。そしてまたもや偶然そこに居合わせたライオンファンガイアが、恵の変身したイクサに倒された直後に、彼も必殺技のエンペラームーンブレイクを受けて爆散した。
再生個体
第36話にて、マンティスファンガイアによって蘇生されるが、知性の無い単なる傀儡に成り下がっており、戦闘力も一般ファンガイアと同レベルまで劣化している。
街で人を捕食しようとするが、駆け付けた襟立健吾の変身する仮面ライダーイクサと戦闘になり、結局この再生個体も健吾のファイナルライジングブラストで粉微塵に粉砕された。
ちなみにイクサの座を彼に奪われた名護啓介は、彼に指示を出そうとするが悉く無視され、最後は彼に殴り飛ばされた。
しかし、マンティスファンガイアに再び甦らされ、彼の命を受けて先代クイーン・真夜の命を狙うが、彼女の息子であるキバにファイナルザンバット斬で消し飛ばされる。
終盤には、ビショップの魔術によってまたしても蘇生されたばかりか、今度は何と量産化されて同一個体が複数登場する。
ただし、知性の無いただの操り人形である事は変わらず、生身の渡に張り倒される等、やはりそれぞれの個体の強さも一般ファンガイア程度に落ちぶれている。劇中では生前の目標だったキング=登太牙が変身したダークキバやキバと戦うも、当然ながら一蹴されてしまい、最期は他の再生ファンガイアと共に全ての個体が倒され全滅した。
このように、退場後も度々再生ファンガイアとして復活させられ、その再生ファンガイア達の中でも特に目立っていた個体である。度々復活させられる理由は元チェックメイトフォー候補としての実力が戦力として有益だからであろうが、いずれにせよ死後にその力を良いように弄ばれていたのは悲劇だと言える。
生前はキングになる事を目指していた彼が、死後に知性を奪われた上で蘇生され、様々なファンガイアに操られ利用され続けたというのは何とも皮肉な話である。
派生作品
『仮面ライダーディケイド』
本作では「キバの世界」の住人ではあるが、大ショッカーが世界を繋げるとキングであるワタルを裏切って大ショッカーの傘下に入り、ワタル達に付き従って「ブレイドの世界」との戦争に加わるふりをして、裏ではアンデッドと結託して全てのライダーを滅ぼそうと目論んでいた。
門矢士がブレイド側に就いた事を知ると、クイーン/ソーンファンガイアの命を受けて襲いかかるが、士の変身したディケイドのキックで叩き割られた。
『スーパーヒーロー大戦』
大ショッカーの怪人として登場。
バットファンガイアやメデューサレジェンドルガと共に、スーパーヒーローとの全面戦争に参加するが、キバと炎神戦隊ゴーオンジャーの協力により、(ガイアークの蛮機獣共々)みんな仲良く大爆発して吹っ飛んだ。
『仮面ライダーウィザード』
魔宝石の世界の住人として登場。
『天下分け目の戦国MOVIE大合戦』
武神鎧武の手下として登場を果たす。
余談
人間態やCVを担当した窪寺氏は、他にも『仮面ライダー剣』のギラファアンデッド/金居のCVと人間態や、『轟轟戦隊ボウケンジャー』や『仮面ライダーオーズ/OOO』など、複数の東映特撮作品にゲスト出演しているが、2020年に死去したため『オーズ/OOO』が最後の出演となった。
チェックメイトフォー以外で、退場に3話以上要したのは彼とスパイダーファンガイアのみである。
ちなみにこんな野心を持ってこんな活動をしていた彼が、現代編まで一体どこで何をしていたのかは不明で、何故現代編までビショップ達に放置されていたのかも不明。
尤も、本作のファンガイアはこんな奴が青空の会の情報網にも引っ掛からず、チェックメイトフォーに粛清もされずに、現代編までどこでどうやって活動していたんだと突っ込みたくなる個体が多いので、今更ではあるが…
関連タグ
アンノウン(仮面ライダーアギト):超能力者を襲うライダー怪人。ウォートホッグファンガイアと異なり、超能力者とただの人間を明確に識別しているが、襲われる人間の中には無自覚で微弱な超能力者も含まれる。