ディケイド「ここがウィザードの世界か」
晴人「いや…多分違うな」
ディケイド「そうか、だいたいわかった」
概要
最終決戦の数日後に操真晴人が迷い込んだ、「古の魔法使い」アマダムが支配する黄色い魔宝石の中にある世界。一見すると現実の世界とは変わらない世界だが、時間と空間の感覚が保たれておらず、場所がコロコロと入れ替わっていく。
現実世界は空に地球という形で浮かび上がっている。
ここの世界の住人はある一定の時期になるとグロンギからゾディアーツまでの12種類の怪人の中の1種の怪人に変身できるようになるが(アンデッドやアンノウン、魔化魍といった人間にルーツを持たない種族にもなりうる)、時期を迎えても怪人にならない「なり損ない」もいる(この世界での大門凛子、奈良瞬平、輪島繁が該当)。
なお、変身前の人間を襲うことは禁じられている。
かつて仮面ライダーに倒された怪人の魂が13個のライダーリングによって封印される場所であるらしく、ライダーリングに祈りを込めることで、封印が解け世界での行き来が可能になるが、逆にそれは封じ込められた怪人たちが現実世界へ溢れ出ることを意味する。アマダムは『仮面ライダーの故郷』でもあると語っており、単なる異世界というわけではないようだが…。
その中にあって、この世界に生きる者の宿命である「怪人化」を受け入れる事を拒む少年と少女がいた。彼らは「なり損ない」の人々(学生服姿の凛子と瞬平、面影堂の店主である輪島)に支えられながら、自分たちの未来のためにライダーリングを奪取し「外の世界」への逃亡を図ろうとしていた。晴人は彼らとそれを支える人たちの思いを知り、少年と少女に力を貸そうとするが……。
はんぐり〜の従業員も老人の姿で存在しており、こちらではドーナツ屋を経営していない。
魔宝石の世界のライダー
ライダーリングによって呼び出されるライダー達。それぞれが意識を持っており、原作で失ったはずの能力を行使できる。ライダーリングのライダーは第三勢力という扱いで、子供達を守るためならばウィザードらに攻撃を仕掛けてくる事もある。なお、消滅しても死んだわけではなく、再召喚が可能。
ただし、命令を聞くかどうかは基本的にライダーの側に委ねられているらしく、アマダムが本性を表すとウィザードと共闘している。
オリキャス以外は高梨謙吾/笹沼尭羅/高橋英則/江川大輔/岩崎了氏が声を担当。
電王に続き、アギト、ブレイドと同時に召喚された。
やや口調が荒っぽいのでファンの間では小野寺ユウスケが人格ベースになったのではないかと言われているが、サムズアップやクウガの変身ポーズを取る構えなど五代雄介を思わせる仕草も見られる。
変身した形態はクウガゴウラム、ライジングアルティメット。使用能力はマイティキック。
クウガやブレイドと共に召喚された。
口調は敬語なので津上翔一が人格ベースだという事がわかる。
変身した形態はアギトトルネイダー、シャイニングフォーム。使用した能力はライダーキック。
少年に召喚され、輪島らをミラーワールドに閉じ込めた(本家とは違って入れられても消滅はしない)。
クリアウィザードリングで侵入してきた晴人らに対し、この行為は不本意ながらも、子供達を守るために仕方なくやった事だと弁解している。人格ベースはおそらくは城戸真司(しゃっ!というポーズもやっている)で、ミラーモンスターと戦った経験からか「でかい相手にも戦い方はある」と発言している(ただ、テレビ本編では等身大モンスターと戦う事の方が多かったのだが)。
変身した形態は龍騎サバイブ、使用した能力はドラグクローファイヤー(ドラグレッダーなし)、アドベント。
ワームに対抗するべく、カブトと共に召喚された。
ぶっきら棒な口調で話す為、人格ベースは乾巧である事がわかる。暗がりでもちゃんとスーツは発光します。
変身した形態はアクセルフォーム、ブラスターフォーム。使用した能力はファイズブラスター(基本形態での使用)、スパークルカット(拘束なし)、アクセルクリムゾンスマッシュ(単発バージョン)。
アギトやクウガに続き召喚された。
人格ベースは恐らくは剣崎一真(しかしながら、おなじみのウェイ!という掛け声は言わない)。
変身した形態はジャックフォーム、キングフォーム。使用した能力はライトニングスラッシュ。何気にキングフォームは初のライダーキック使用となる。
怪人軍団との乱戦で召喚された。
決めポーズも健在であり(ウィザードから突っ込まれていた)、魔化魍相手に手慣れているという趣旨の発言もしている事からヒビキさんが人格のベースになっている事がわかる。
変身した形態は響鬼紅、装甲響鬼、使用した能力は鬼棒術・烈火弾、音撃打・灼熱真紅の型。
ワームに対抗するべく、ファイズと共に召喚された。
やたら上から目線な口調で話し、例の天を指すポーズを取るため、人格ベースは天道総司である事がわかる。
変身した形態はハイパーフォーム。使用能力はクロックアップとライダーキック(通常版と飛び蹴りの2タイプ披露)、カブトエクステンダー・エクステンドモードによる突進。
キバに続いて召喚。人格ベースは我らがヒーローモモタロス(M良太郎?)。
リングで召喚されたから子供達に従ったのではなく、「弱い者を守りたい」と思う願いで動いていたと語る。
変身した形態はライナーフォーム(超クライマックスフォームではない)。使用能力はデンライナーの召喚、エクストリームスラッシュ。
響鬼に続いて召喚。龍騎に対し、敬語で話しており、人格のベースは紅渡だと思われる。
変身した形態はエンペラーフォーム。使用した能力はキャッスルドランの召喚、ダークネスムーンブレイク(足を振り上げるアクションがない)。
なぜだかオリジナルその人が召喚された。変身解除も可能。
少年に召喚された際にはマシンディケイダーに乗せて面影堂へ送ったり、アマダムに召喚された際にはライダーリングを取り戻すために派遣されたりと何かと働かされている。
変身した形態は最強コンプリートフォーム。使用能力はファイナルフォームライド、アタックライド・スラッシュ(カードは使用していないが、斬撃に赤いエフェクトが走っている)。
役目を終えると再び晴人との共闘を約束し、オーロラカーテンの中へ去っていった。
フォーゼと共に劇中で最初に召喚された。
人格ベースはほぼ左翔太郎といって間違いない(フィリップの人格があるかどうかは不明)。
変身した形態はヒートメタル、ルナトリガー(なぜか腕を伸ばす攻撃が中心)、サイクロンジョーカーエクストリーム(ゴールドでないのはスーツが存在しないからだろうか)。使用能力はジョーカーエクストリーム。
自分を召喚した子供達をライドベンダーに乗せて面影堂へと送った。
変身した形態はプトティラコンボとスーパータトバコンボ、使用技はオーズバッシュ。
バイクに乗せる際には子供に優しく接しており、人格ベースは火野映司だと思われる。
Wに対して親しげに話しており、人格ベースは(『MOVIE大戦MEGAMAX』より後の)如月弦太朗だとわかる。
変身した形態はエレキステイツ、ロケットステイツ、コズミックステイツ。使用能力はライダーロケットドリルキック、ガトリングモジュール。
ライダーリングに呼ばれたライダーではなく、アマダムに終盤の少し前の時間軸から呼ばれた本人。
怪人達にもてなされていた。アマダムの動向を探るも、敗北して元の時間軸に戻された。
魔宝石の世界の怪人
☆はライダーリング争奪戦に参加した怪人
◎は巨大怪人
※はアマダム直属の配下
◻︎は戦闘に不参加。
ズ・ゴオマ・グ究極体
ズ・グムン・バ(『仮面ライダークウガ』第2話の回想シーンで登場)
バッファローロード タウルス・バリスタ☆
ジャガーロード パンテラス・ルテウス
アントロード フォルミカ・レギア
ゼブラロード エクウス・ノクティス(『仮面ライダーアギト』第12話の回想シーンで登場)
バズスティンガーワスプ
バズスティンガービー◻︎
バズスティンガーホーネット◻︎
スクィッドオルフェノク(『仮面ライダーファイズ』第5話の回想シーンで登場)
パラドキサアンデッド (『仮面ライダーディケイド』第8話の回想シーンでも登場)
ローカストアンデッド/ディアーアンデッド/ジャガーアンデッド/ボアアンデッド(『仮面ライダー剣』第19話の回想シーンで登場)
カプリコーンアンデッド (『仮面ライダーディケイド』第8話の回想シーンで登場)
アラクネアワーム(フラバス)(『仮面ライダーカブト』第2話の回想シーンで登場)
モールイマジン(レッド、ブラック、イエロー)
ブラッドサッカーイマジン(『仮面ライダー電王』第28話の回想シーンで登場)
ライオンファンガイア(『仮面ライダーキバ』の回想シーンで登場)
バイオレンス・ドーパント☆(『仮面ライダーW』第13話の回想シーンでも登場)
プテラノドンヤミー雌◻︎
屑ヤミー◻︎
イカジャガーヤミー(『仮面ライダーオーズ』第27話の回想シーンで登場)
スコーピオン・ノヴァ(『仮面ライダーフォーゼ』第14話の回想シーンで登場)
関連項目
スーパーヒーロー大戦の世界 → 魔宝石の世界 → 鎧武の世界
以下ネタバレ |
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たとえ俺たちの力が悪だとしても、俺は絶望を希望に変えた!
そしてなったんだ、仮面ライダーに!
俺たちだけじゃない。たとえ悪と同じ存在から生まれても仮面ライダーとなる者が現れる!
魔宝石の世界のキーキャラクター
少年(演:竜跳)
魔法使いのドライバーを持つ少年。
アマダムから「ライダーリング」を盗み出し、ドライバーでこれを使役している(ドライバーの見た目はドライバーオンさせていないウィザードライバーである)。
幼馴染の少女を守る事を願い、怪人化への宿命を拒み、これに抗うためにアマダムに逆らう。
しかしアマダムの真の狙いは少年の「想い」を利用してライダーリングによる世界の封印を破壊させる事であり、外の世界に出ても怪人化は止められない事実を突きつけられ、絶望しかけてしまう。
しかし「ライダーたちの力」と「怪人たちの力」は同じである事を晴人とアマダムの闘いから知り、自らが怪人の力を発動しても怪人ではなくライダーへと至る可能性を知り、自らの「最後の希望」を経て絶望の怪人から希望の使者へと至る道を見出す。そしてライダーリングに自らこの世界に「希望」を求める事を願い、本来ならばリングでは呼び出せない仮面ライダー鎧武を召喚して、晴人たちを勝利に導き、最後には晴人から「この世界の最後の希望」としてインフィニティーウィザードリングを託される(なので今後の作品で晴人が使っているインフィニティーウィザードリングは後日談で入手したものとなる)。
晴人が世界から去った後、少女から呼ばれた少年の本名は、奇しくも「ハルト」であった。
少女(演:SALA(現:咲蘭))
少年の幼馴染である少女。少年と同様に怪人化を拒むが、その進行具合は少年よりも進んでおり、そのために体調を崩すことも多い。少年からは「こよみ」と呼ばれている。
ラストの声だけ原典のコヨミに近いものに変わっている。
余談
- 人間体を持たない怪人にも変貌するなど謎の多い世界であるが、変身する際の効果音がファントムのそれである他、ハルトの顔面にファントムが生まれる兆候である亀裂が走っていた事から、実態は封印されている怪人の魂を元に実体化したこの世界におけるファントムのようなものではないかと思われる。
- 魔力を元に異世界でレジェンドライダー怪人を生成するという方法はMOVIE大戦アルティメイタムの無限モンスタープラントなどの前例がある。
- ディケイドはここが「ウィザードの世界」かと晴人に問いかけていたが、晴人は「いや…多分違うな」と言っている。順当に考えれば「ウィザードの世界」である事を否定する発言なのだが、ディケイドの言う「ウィザードの世界」とはオリジナルの仮面ライダーウィザードの物語を指していて、晴人の否定からこの世界がリ・イマジネーション版「ウィザードの世界」であるとも受け取れる発言になっている。
- 終わり方的にこれから「ウィザードの世界」になるとも解釈できる。
- ハルトは終盤で次元の裂け目から鎧武オレンジアームズを呼び出しているが、その裂け目には無数の人影が確認できるが、話の流れから仮面ライダーと呼ばれる無数の戦士の概念の抽象化ではないかと思われる。
- 紘汰はどこの時系列からやって来たのかは不明だが、「仮面ライダー」という単語を全く知らなかった素ぶりから仮面ライダー大戦よりは前の話であると思われる。(なお、公式年表には本作と仮面ライダー大戦の出来事は記載されていない。)
- 所持しているロックシードがオレンジ、イチゴ、パインの3つなので少なくとも第5話以降であると思われる。
- 「魔宝石の世界」を舞台とする『ウィザード』第52・53話の脚本は、『ディケイド』前半(1~13話)のメインライターであった會川昇が担当。士が初代『仮面ライダー』のナレーションを引用するなど、いわば、會川版『ディケイド』の最終回ともいえる内容になっている。
関連項目(ネタバレ)
仮面ライダーダークウィザード - 本項とは別の魔宝石の世界で登場するライダー
ディケイドウィザード - 後の作品で登場したディケイドのカメンライド。
石ノ森章太郎 - この世界が『仮面ライダーの故郷』という発言から、この世界自体が彼の抽象化とも解釈できる(アマダムの断末魔も併せると…)。
怪獣墓場 - 似たようなもの。