「だってやるしかないだろ? 俺、クウガだもん!」
「この雨だって絶対止むよ。そしたら青空になる。今だってこの雨を降らせている雲の向こうには、どこまでも青空が広がってるんだ」
演:オダギリジョー
CV:松原大典(各種ゲーム作品)
変身する仮面ライダー
概要
戦士クウガに変身する青年。
1975年3月18日生まれ、24歳→25歳。血液型はO型。北海道生まれの神奈川県山北町育ち。城南大学卒業。
本来は自由気ままに世界中を旅する冒険野郎。
決め台詞は「大丈夫!」「だって俺クウガだもん」。
帰国してから間もなく、九郎ヶ岳遺跡の調査団が行方不明になった事件の現場に出向いたことで一条薫と出会う。
そこで発掘されたアークルから超古代の光景を垣間見る。
その後、沢渡桜子とともに長野県警を訪れた際、襲撃してきたズ・グムン・バから人々を守るため、咄嗟にアークルを装着してクウガとなった。
2000の技(1番目の技は笑顔、2000番目の技がクウガへの変身)を持つ男で初対面の相手には「夢を追う男 2000の技を持つ男 五代雄介」と書かれた名刺を渡す。
ちなみに技の数は渡した時期によって変わっており(手書きで書き直してあることもある)、雄介は誰に渡した名刺が幾つの技の時だったかを覚えている。
笑顔とともに決めるサムズアップが癖で、この癖は彼を取り巻く人間の間にも徐々に広まっていく。
このサムズアップは、小学校時代の恩師である神崎昭二の受け売りであり、神崎曰く古代ローマで満足できる、納得できる行動をした者にだけ与えられる仕草という説明がされている。
雄介の2000の技も「2000年までに2000の技を持つ」というのも神崎先生との約束が始まりである。
父親は戦場カメラマンであり、小学6年生の頃にアフガニスタンで死亡。
18歳の時に母親も病で亡くし、その後五代みのりと共に兄妹で場所を転々とした後、父親の後輩・飾玉三郎(おやっさん)の下に落ち着いた。
その縁あって現在でも日本にいる間は飾の経営する喫茶店ポレポレに居候している。
店も手伝っているが、劇中はクウガとしての活動の影響であまり手伝えていない模様(上述の名刺の裏に書かれている連絡先もポレポレである。携帯は持っていないが、1999年当時では珍しくない)。
人物
穏やかかつ飄々とした性格で強い意志と優しさを内に秘めた笑顔の似合う男である。
沢渡桜子には「のん気で元気な五代君」と言われており、他の人間にも一見そう見えるが、誰よりも笑顔の大切さと儚さを知っており、それを守るため自分の感情を押し殺し弱音を吐かず明るく振る舞っている(上記の発言をした桜子も、本当のところ彼の自分より周りを優先させる性分を理解し案じている)。
また、一見感覚だけで行動しているように見えるが察しもよく、劇中ではメ・バヂス・バのゲゲルの法則性を一条刑事同様に看破したり、第8話では夏目実加、第41話では朝日奈奈々の行方を推測(前者は所持品、後者は自分とした過去の会話から)したりと洞察力の高さを見せている。
人の顔と名前を特徴から覚えることも得意。
みのりが勤務するわかば保育園に度々出向いては2000の技の1つを披露しており、園児たちにも懐かれている。子供相手にも対等な目線で接している。
クウガを表す古代文字をとても気に入っており、専用バイクのトライチェイサー2000や私服に自作のクウガのマークをプリントしている。
また、旅先で奇妙なデザインの土産物を手に入れてくることがあり、桜子の考古学研究室には五代が購入した仮面が飾られているなど、センスも一般人から多少ズレている所がある。
そして何より、中途半端や拳を振るうことをとても嫌っている。
人を守るためとはいえ暴力を振るわなくてはいけないことに「好きになれないからあの感触は…」と物語序盤で漏らしており、クウガとして戦う覚悟を決めた後も根本的な思いは変わっていない。
それを奈々に綺麗事だと指摘されるが、経歴ゆえか、現実は綺麗事が通じるほど簡単な物ではないことを雄介自身が一番よくわかっており、だからこそそれを現実にしたいという確固たる信念を持っている。
第30話にて、椿秀一が蝶野潤一に投げた言葉がそれを端的に表している。
椿「俺を殴ってどんな気がした? 嫌な感じがしただろう。それをあいつはずっとやってるんだよ。体が自分のものじゃなくなるかもしれないっていう恐怖の中で弱音も吐かず、みんなの笑顔を守るためにな」
強くなって笑顔を護るために尽力し続けてきた五代だったが、ゴ・ガメゴ・レとの戦いで得たライジングマイティの壮絶な力、そして残虐非道なゴ・ジャラジ・ダへの怒りの中でオーバーラップした凄まじき戦士の姿を知り、クウガの力の本当の姿を目の当たりにする。
自分がやがてグロンギになってしまうことを恐れながら、その恐怖を押し殺し、警察と協力してゴ集団を全滅させた矢先、遂に最強のグロンギであるン・ダグバ・ゼバが復活。
クウガはあっという間に倒されてしまった。
ダグバ「どうしたの? もっと強くなって、もっと僕を笑顔にしてよ」
世界を滅亡させかねないほどの大虐殺を齎すダグバに対し、雄介はかつて見た究極の戦士アルティメットフォームへの変身を決意。
ダグバ「なれたんだね。究極の力を持つ者に」
壊す者と護る者。白と黒の拳は交差し、吹雪吹き荒れる始まりの地で幾度となく互いの肉体を打った。
体中が血にまみれ、ベルトが破壊され、究極の力を失っても、雄介とダグバは戦い続けた。
自分の死すら嘲り笑うダグバとは対照的に、雄介の顔には涙が浮かんでいた…。
雄介は完全無欠のヒーローなどではない。元を正せば普通の人間だったのである。
すべてが終わった後、雄介は再び旅に出ることを決意した。
第49話(最終回)には、雄介の姿はなかった。
本来最強の悪の親玉との戦いで終わるはずの仮面ライダーシリーズ最終回では異例の事態だった。
だが、そこに登場する人々の顔には、グロンギがいなかった頃の笑顔が戻っていた。
みのり「4号はほんとはいちゃいけないって、先生思ってるの」
「4号なんかいなくてもいい世の中が、一番いいと思うんだ」
遠い遠い国の、とある砂浜。
喧嘩をする子供たちの前に駆け寄り、ジャグリングをして見せる日本人の青年がいた。
子供たちの顔にたちまち笑顔を取り戻した青年は、大好きな青空の下でサムズアップをして見せた。
青年こそ、他ならぬ「五代雄介」だった。
その顔には、笑顔が浮かんでいた。
2000の技
雄介がこれまでに習得した特技のこと。
遊びから実用的な物まで、様々な物が揃っている。
『クウガ』がリアル志向である以上、雄介が2000年までに2000の技を覚えるのは不可能ではないか?と疑問が湧くが、音楽関連の特技を見る限り、特定のジャンルから派生した技は別カウント扱いになるようで、不可能なこととも言い切れない。
番号 | 特技 | 備考 |
---|---|---|
1 | 笑顔 | |
21 | 折り紙 | |
107 | 空中前転 | 強化マイティキックに応用された。 |
914 | 革命のエチュード | 未確認生命体38号の事件で披露 |
1808 | ストンプ | |
2000 | 変身 | |
番号不明 | ジャグリング | 劇中で初めて披露された技。空港で迷子になっていた子供を元気付けた。 |
" | ビルクライミング | 劇中で2番目に披露。城南大学の壁面を登ってみせた。 |
" | ピアノ演奏 | あくまでピアノを弾く技術を習得した事と曲名をマスターした事は別カウントのようだ。 |
" | あやとり | |
" | 刺繍 | |
" | バックル自作 | |
" | 中国拳法 | |
" | ドラミング | 保育園の遊具をドラム代わりに演奏を披露した |
小説仮面ライダークウガ
本編から13年後の五代雄介が登場する。
本人は回想を除けば終盤まで登場せず、一条が夢に見た姿は髭を生やして少しワイルドになった姿であった。
これは演者であるオダギリジョー氏をイメージしたものとなっている。
後半には黒の2号の暴走、そして再び動き出したグロンギの生き残りの野望を粉砕するべく、封印していたクウガへの変身を遂げる。
久しぶりの変身なのにも関わらず、黒の2号(要はアルティメットフォーム)の乱打攻撃を受け続けて耐え抜いたり、アメイジングマイティですら苦戦すると言われたグロンギに基本4フォームだけで圧倒するなど、本編よりも強くなっている。
ただ雄介は、十数年間アークルの力を使わないことで緩やかに力を封じ込めようとしていたきらいがあり、それを再度目覚めさせてしまったことを一条は深く後悔していた。
レンズの中の箱庭
原作に限りなく近い設定で雄介が登場する一方で一条さんは未登場(セリフからメ・バヂス・バの事件を解決済み)。
クウガのマークがプリントされたTシャツを着ており、ディケイドをディケンズと言い間違えるなど本編以上に天然。
一方でみんなの笑顔のために戦うという目的を門矢士に幼稚と評された際には否定するどころか、子供の頃から信じていた迷信「隙間ばばあ」を士に語って受け流している。
一見するとこれも天然な言動に見えるが、この世界の雄介も自分の戦う目的が綺麗事だとわかった上で戦っているのかもしれない。
このような人物像なので終始ディケイドに対しては友好的な態度を取っていた。
仮面ライダーという名称も知っているようで目からビームを出したり、手がロケットに変形するものだと思い込んでいる。
HEROSAGA
MASKED RIDER DEN-O 『ロスト・トレイン』にて五代が変身後の姿で登場。
1973年の世界に津上翔一/仮面ライダーアギトとともに飛び、ゲルショッカー首領を倒した。
漫画版
『月刊ヒーローズ』連載の漫画版。
(彼に限ったことではないが)容姿が本編と大きく異なり、別の探検家にしか見えないと評判になった。
…まあ最近のオダギリジョー氏と言われるとそれまでなのだが。
カラーだとこのように茶髪なのだが、白黒になるとまったく塗っていないので金髪に見えてしまうのも一因と思われる。
ちなみに2000の技は2015の技にランクアップしている他、彼の着ているライダースーツは仮面ライダー1号のコンバーターラングがデザインされた物である。
こちらでも優しさは健在で、グロンギとも和解できる可能性を信じ、一度は悲しい結果に終わるが、サチとの出会いでグロンギの中にも異端者がいることを知り、交流を深める。
これらの事情からか、顔が恐ろしく醜い相手に対しても偏見なく接することができ、店にやってくるブオーノ・ヤマイ(正体はグロンギのベ集団)のために毎日カレーを用意していたり(ヤマイは無一文のため、働いて返していた)、不良との揉み合いで落としたヘルメットを拾ってやったりもした。
ヤマイがベ集団のグロンギであることを知った後も、本人が気弱で人一人殺せない気質であることを見抜いてこれまでと変わらず接した。
一方で、津上翔一が良かれと思ってサチを殺害したと知った際には我を忘れて殺し合いに発展、サチの霊体に出会って真意を聞いた際には自省しており、グロンギ以外に手を上げる事はなかった原作と比べて感情は不安定かつより人間臭く描かれている。
余談
彼の書いた字は本作のメインライター・荒川稔久氏によるもの。
劇中ではほとんどの人間に「五代(さん/くん)」と名字で呼ばれており、名前呼びされることは少ない(呼ぶのは玉三郎とわかば保育園の園児達ぐらい)。
公式や最終回のサブタイトルでは「雄介」と名前呼びされているが、ファンからの呼び方は「五代」が主流。
名字呼びが多い平成ライダー主人公自体は後に剣崎一真と天道総司が登場しているが、彼らは劇中で名前呼びされることがほぼ皆無なばかりか、公式からですら名字呼びされる点が異なっている。
「ユウスケ」と言った場合はリ・イマジネーションライダーの小野寺ユウスケを指すことが多い。
なおクウガに関しては、「五代クウガ」「小野寺クウガ」と区別される。
なお、彼が最終回で旅立った国はスタッフロールに撮影協力・在キューバ日本大使館やキューバ共和国観光省と記載されていたため、恐らくキューバであると推測される。
なお、キューバを含めた中南米の国々ではサムズアップは侮蔑を意味する仕草なので諸氏は現地で絶対にやらないように。
関連イラスト
関連タグ
クウガ系女子:五代と同じ意志を持っていると言われる事がある少女達。
古代の戦士(仮面ライダークウガ):先代のクウガ。
瀬川耕司 →
五代雄介 → 津上翔一