概要
戦場だけでなく、後方の戦争の影響を受けた人々の様子を撮影することもある。
2010年に渡部陽一が人気を博したことから注目を浴びるようになった。
第二次世界大戦後に社会派の写真家として活躍したユージン・スミスも戦争カメラマンであった。
基本的には軍に同行し取材を行なうことが多いが、個人で赴くこともある。
危険に見合う金銭を稼げるわけでもなく、軍に同行する場合はある程度の信用やコネが必要となり、個人で赴く場合もまたコネや多額の金銭を必要とするなど、限られた人しか出来ない商売でもある。
一方で、現地の軍や現地政府が公開しない戦場の状況を世界に発信できるという社会的意義は大きい。国民にとっても、他国の思惑を離れて現地の情報を伝えてくれる戦場カメラマンは、いわば国民の目としての貴重な価値がある。日本では新聞社が従軍記者を置く制度がほぼ皆無なので、特に戦場報道はフリーランスな戦場カメラマンへの依存度が高い。かくして現代も戦場カメラマンの道を選ぶ者が絶えることはない。
仕事としての危険度は、全職業でもトップクラスに位置する。個人で赴く場合は不法に国境越えを行なうこともあり、政府側にとっては犯罪者と変わらない行為をする必要がある、スパイ行為を行なっていると見られる等、リスクも大きい。
さらに軍に同行しない場合は何処にいるか等が管理されないため、攻撃を受ける危険性もある。
カメラでの撮影の際に、歩兵が携行するロケットランチャーや地対空ミサイルで物陰から狙っているように見え、レンズの反射が狙撃銃のスコープと誤認されるため。
また当然のことながら軍に同行していても砲爆撃に巻き込まれる危険もある。前述のスミスも沖縄戦で砲爆撃によって重傷を負っている。
殉職者すらも数多い。彼の名を取った賞が設立された伝説的写真家ロバート・キャパはベトナムにて地雷に散り、ピューリッツァー賞に輝いた日本の沢田教一はカンボジアで襲撃を受けて落命するなど多数が挙げられる。
カメラマンという職業の中でも特に過酷な危険地帯に赴く為、凄惨な状況・場面に遭遇する事が多く、重すぎる程の精神的ストレスになり、ストレスゆえに酒に頼ってしまい果てはアルコール依存症に陥ってしまうカメラマンも少なくは無い。
娯楽作品では現実には先ず存在しないような戦場カメラマンが登場することもあり、現実に存在する戦場カメラマンを見て違和感を感じるというのはよくあること。