O型とは
ABO式血液型判別法により分類される血液型の一つである。輸血等医療において重要な要素である(Rhの型が一緒であれば、ボンベイ型以外のどの血液型にも輸血が可能な為。但し、一般的には行われていない)。日本人の約3割を占める。
ボンベイ型という特殊な血液型もABO式で分類するとO型となる。(ボンベイ型はボンベイ型のみからしか輸血ができない)。
A型、B型、AB型は優性(顕性)形質に該当するが、O型のみ劣性(潜性)形質である。
なお、O型とボンベイ型、および他のABO式血液型が違いは下記のようになる。
- A型:赤血球表面の細胞膜に有るオリゴ糖鎖(H物質)にN-アセチルガラクトサミンという物質が含まれる。
- B型:赤血球表面の細胞膜に有るオリゴ糖鎖(H物質)にガラクトースという物質が含まれる。
- AB型:赤血球表面の細胞膜に有るオリゴ糖鎖(H物質)にN-アセチルガラクトサミンとガラクトースの両方が含まれる。
- O型:赤血球表面の細胞膜にオリゴ糖鎖(H物質)は有るがN-アセチルガラクトサミンとガラクトースのどちらも含まれない。
- ボンベイ型:赤血球表面の細胞膜のオリゴ糖鎖(H物質)が作られない。
- パラボンベイ型:赤血球表面の細胞膜のオリゴ糖鎖(H物質)が作られない点は同じだが、原因となる遺伝子がボンベイ型とは異なる。
喩えるなら、赤血球表面のある構造の「土台」のみが作られるのがO型、「土台」の上に更に別の構造が有るのがA型,B型,AB型であり、「土台」そのものが作られないのがボンベイ型/パラボンベイ型である。
もし、パラボンベイ型を含むボンベイ型の遺伝子+ABいずれかの遺伝子を持っていた場合、上記の喩えでは「土台を作る設計図に欠陥が有るので、土台の上に更に作られる構造物の設計図が正常でも、その設計図には意味が無い」ような状態となり、結果的に血液型がボンベイ型となる。(ただし、これは、両親の両方からパラボンベイ型を含むボンベイ型の遺伝子を受け継いた場合のみとなる)
また、輸血の際の拒絶反応は、基本的にABO式については「上記の物質の内、自分の血に含まれない物質が含まれる血を輸血された場合に起きる」と考えてよい。(ただし、あくまでも「基本的には」である)
他によく血液型による性格判断などがよく言われるが、遺伝子的な傾向はあると思わるが科学的な実証を含んだものではない。また血液型判断が当たっていると思ってしまう理由に「バーナム効果」の影響が大きく関与していることも指摘されているので、あるあるネタ程度に留めておいて必要以上に信じこまないようにしておいた方が良い。
かつての名称は「C型」で、O型と言われるようになったのは元々が赤血球抗原を持たないタイプの血液型=赤血球抗原がゼロ=「0(ゼロ)型」と命名されたのが、「0(ゼロ)」を「O(オー)」と読み間違えられたのが理由であると言われている。
因みに A型とB型には、O型の血液型を併せ持つタイプ(AO、 BO)が存在する。しかし劣性(潜性)形質で両親の血液型を考慮しても判別が困難なパターンがかなりの多い影響なのかO型として扱われる事はほぼ無い。
O型への偏見
O型は血液型の中で馬鹿にされやすい。
その理由は「A型は几帳面」、「B型はクリエイティブ」、「AB型は天才」等を対し「O型は大雑把」や「A型とB型、AB型は優等でO型は劣等」だからだという。
その為、社会では「A型やB型、AB型は優等種でO型は劣等種」や「O型は大雑把で全く仕事できない」と悪口を言われることが多い。
最悪の場合では、差別されたり、見下されることも。
これはA型が多いのだが、中にはB型やAB型からされることも。
確かに前述の通り、A型とB型、AB型は優等でO型は劣等と科学では証明されているのだが、「O型は大雑把」というのは勿論、科学的根拠は無いのでO型だからだと言って、馬鹿にするのは愚かなことである。