「ボンレン・セギゾ・グスザベザ!!」(コノ眼ノ礼ヲ、スルダケダ!!)
データ
身長 | 203.0cm |
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体重 | 172.0kg |
主な犯行現場 | 東京・茗荷谷駅付近→護国寺→本郷三丁目→武蔵村山市内 |
死亡場所 | 青梅の廃墟 |
特色/力 | 身軽さと脚力、超スピードでの疾走、鋭いツメ |
呼称 | 未確認生命体第5号 |
登場話 | EPISODE 3「東京」・EPISODE 4「疾走」 |
演 | 白鳥智香子(元・全日本女子プロレス→JDスター女子プロレス) |
CV | 西條久美子 |
スーツアクター | 福沢博文 |
概要
未確認生命体(グロンギ)のうち、ズ集団に属するヒョウ種の怪人。警察からは未確認生命体第5号として扱われている。
グロンギの中でも数少ない女性型の個体で、怪人態は黒い肌とドレッドヘア、筋肉質の体躯が特徴。一方の人間態もその体躯の屈強さは共通しつつも、黒を基調としたワイルドな出で立ちが目を引くものとなっている。
タトゥーに触れられたり、片目を潰された際の反応からも窺えるように、その気質は誇り高さと血気盛んな面が目立ち、種族の掟に反してまでも報復に走ることも辞さない執念深さも備えている。
ヒョウがモチーフなだけあり、その身軽さと俊敏さを特性として持ち合わせており、人間態でも蹴り一発で人間をトンネルの天井に叩きつけるほどの脚力を発揮。走力に至っては、時速270kmの超スピードで疾走、段差の多い場所も難なく駆け抜けるほどである。作中では山梨県から文京区内茗荷谷駅付近までを、わずか1時間で駆け抜ける姿が山梨県警に目撃されている。
戦闘においては、鋭い爪を使った目潰しを得意とする他、格闘術も達人級であり、敵の肩に飛びかかって脚で首を捻って殺すという器用な技までも駆使する。
作中での動向
バルバの招集により、ズ集団のリーダー格であるザイン達と共に東京に姿を現したのが作中での初出であるが、登場早々その場を通りかかった不良達に軽々しくタトゥを触れられたのに激昂し、そのうちの一人を蹴り一発で惨殺。さらに逃げ去ったもう一人を単身追いかけ、茗荷谷駅の近辺でこれを捕捉するに至るが、そこに長野へ戻ろうと駅に向かっていた五代が駆けつけ、彼が変身したクウガとの戦いにもつれ込むこととなる。
両者の間で息詰まる攻防が展開される中、未確認生命体出現の報せを受けて警官隊も出動、彼等に包囲されたクウガとメビオはその場からの逃走を余儀なくされるが、その際メビオは警官隊からの銃撃で右目を負傷するというアクシデントに見舞われてしまう。
目だけではなく、プライドまでも傷付けられる格好となったメビオは、その恨みを警邏中であった巡査にぶつけて殺害に及び、さらに再会した同胞らからゲゲル開始前の殺人を咎められるも、記事冒頭にも示した台詞をもってこれに反駁し、そのまま彼等の前からも姿を消した。
なおも怒りが収まらず、その後も都内にて暴走を続けていたメビオは、白バイ隊員や五代からの追跡を受けながらもこれを振り切り、警官隊による再度の包囲に対しても、自慢の俊敏さと常人離れした体術で返り討ちにし、判明しているだけでも警官23名を殺害、警察車両11台と白バイ8台を破壊するなど甚大な被害を発生させた。
のみならず、後から増援として駆けつけた杉田らにも襲いかかり、同行していた警官4名を殺害に及んだ上、前夜の包囲に加わっていた杉田を捕らえて目潰しで報復しようとするが、そこに一条からトライチェイサー2000を託されたクウガが現着、すんでのところでこれを阻止されてしまう。
已む無くその場から逃走を図ったメビオだが、対するクウガもそのままトライチェイサーを駆って追跡、巧みなライディングテクニックで青梅市内の廃墟まで追い詰めると、再び直接対決に臨むこととなる。
バイクに乗ったまま攻撃を仕掛けるクウガに対し、メビオも真っ向からこれに挑んで車上から引きずり降ろし、肉弾戦に持ち込むと未だ戦闘経験の浅い彼に対し一時優位に立ってみせるが、徐々にクウガのペースに引き込まれて優位を覆された末に、一瞬の隙を突いて繰り出されたマイティキック(ローリングマイティキック)を喰らい、壁をぶち抜いて吹っ飛ばされそのまま空中で大爆発した。
ゲーム版
放送当時発売されたプレイステーション用格闘ゲームでは、使用可能キャラの1人として登場。
隠しキャラの1体であり、ストーリーモードには登場しない。
モーションでは、目潰しや疾走するところが再現されている。
派生作品
『仮面ライダーディケイド』
「クウガの世界」ではン・ガミオ・ゼダに殺された人間が変異した個体が登場した。
「アギトの世界」でも登場。未確認生命体第48号と呼ばれていた(因みに小説版ではゲラグが48号である)。
しかし相方のメ・ギノガ・デがディエンド・ドレイク・デルタの一斉射撃で爆死した後、自身は逃げようとしたところをアントロード達に捕まり殺害されてしまった。
劇場版「オールライダー対大ショッカー」にも大ショッカーの一員として登場。
漫画版(てれびくん)
幼年誌向けのコミカライズ版で、こちらでは第2話に登場。人間態は毛皮のコートを着た女性として描かれていた。
漫画版(HEROES)
「ゴラゲ・ギサギサ・グス」(訳:お前イライラする)
2014年から月刊ヒーローズで連載されたリメイク漫画では、TVシリーズよりも顔が大きく髪も短い、いかつい外見をしている。
人間態はやや暗い印象を受ける細身の女性で、リントを特に蔑んでおり、バヂスがリントの文化に染まっていることに腹を立てていた。
一応、彼の持っていたものを自分も試しに使ってみる場面もあったのだが、タバコを吸えば口に合わず咳き込み(グロンギ族は古代人なので汚れた空気に弱いため。バヂスにも涙目で「やめた方がいい。身体に悪そうだ」と抗議とも取れる忠告をしている)、けん玉は使い方すら分からないという始末。
チンピラから奪ったスケボーに乗ってみるも、自分の足より遥かに遅い玩具の何が楽しいかを理解できず首をかしげるなど、コミカルな場面が目立っている。かわいい
また事あるごとに口癖のように「イライラする」と呟いており、けん玉を思うように扱えない時や、後述するまさに豹変とも言えるシーンでも口走っていた。
ただし悪態をつきつつもとりあえず同胞や標的が触れていたリントの文化を自分も一度は試してみるあたり、好奇心はどちらかといえば強い様子。かわいい
TVシリーズとは異なり、バヅーが赤のクウガにやられて死亡した後に薔薇のタトゥの女から命令され「2日で30人を殺す」ゲゲルを実行する(なお、これ以前にも絡んできた不良を返り討ちにしているがペナルティを課せられない様に目潰しに留めている)ことになり、「メに昇格してやる」と意気込む。
とりあえず人間態でぶらついて、公園でけん玉相手に四苦八苦してきたところでナンパしてきたチンピラを瞬殺、更に原作通りの健脚を活かして車を手当たり次第に襲い運転手を撲殺するというゲゲルを開始する。
駆けつけたクウガと戦闘になるが、警視庁の応援に来た傭兵「駿河徹也」により(TVシリーズと同様に)右目を撃ち抜かれて逃走。ダメージを受けて川端で人間態に戻っている所を五代に発見される。
その際五代に「人を殺す事で強さを証明なんて意味がない。人間と仲良く出来ませんか?」と優しく問いかけられ、ダメージのせいで怪人態へと戻れなくなっていた事とたまたま川周辺で生活していたホームレスの集団に負傷した右目の手当てをされた事がきっかけで五代たちと一晩を過ごすことになった。
その時にホームレス達が振舞った酒盛りや紙相撲など、当初は嫌うか無意味に思っていたリントの文化を「もてなし」という形で受け、さらにメビオ本人もそれらを楽しいと感じた事で、ふと「なぜリントは他人と仲良くするのか」という疑問を抱く。
紙相撲に無邪気に興じるその姿は五代に「もしかしたらグロンギとも分かり合えるのかもしれない」という一縷の希望を与えた。
しかしその夜、自身の元にバルバが現れ、「ゲゲルのリミットが迫っている」と告げる。
本来の目標を思い出した事で自発的にゲゲルを再開し、手始めに様子を見に来たホームレスを手厚くもてなして貰ったうちの一人であるにもかかわらず、上記の口癖を呟きながら冷徹に惨殺する。その後人数稼ぎとして周りのホームレス達も同様に殺害したあと、再び街中にくり出して次々と殺戮を繰り返す。
皮肉にも惨殺したホームレス達の手厚い看護のおかげで右目を含む元の能力を取り戻した事もあり、ついにゲゲルの達成まで残り3人というところまで到達するが、ほんのわずかにでも抱いた希望を裏切られたことで怒りに燃えている上に戦力としてトライチェイサーを入手したクウガに追いつかれ再び交戦。
自身の最大の持ち味である健脚に匹敵するトライチェイサーの速度と、それ以上の機動力に翻弄された事でトドメを刺される一歩手前まで追い詰められるが、クウガの脳裏に「人間との交流を楽しんでいた時にとっていた人間態のメビオの顔」がよぎった事で急所を外される。
その後公園の花壇まで命からがらで逃げ果せ、子供たちが飛ばしていた紙飛行機を拾って見よう見まねで飛ばし再びあの笑顔を見せたのも束の間、とうとうゲゲルのリミット間近になった事でもがき苦しみながら怪人態と人間態が入り混じった半人半獣の姿でバルバに助けを乞いながら、最期はタイムリミットによる自爆という形で花に囲まれながら死亡した。
『クウガ』という作品において、時間切れによるゲゲル失敗者の爆死が描かれたのは、派生作品などを含めてもこれが初のケースとなる。
上述した通り、ゲゲル達成まであと3人というところで逃げ込んだのは子供や家族連れが多数遊んでいる公園という場所であったが、メビオはそれらの人物には一切手を出す事なくタイムリミットを迎えている。
クウガとの闘いで重傷を負っていたとはいえ、グロンギである彼女ならその中からたった3人ほどを殺す事など容易だったはず(そもそも「2日で30人」というゲゲルの難易度自体が低め)であり、その事もあってか死の間際にはバルバに「愚かな」と吐き捨てられている。
そして、雄介がメビオに抱いた「人間とグロンギが仲良く手を取り合う」という幻想は、後に意外な形で実現することになった。
ちなみに一部書店でのコミックス購入特典の色紙ではセーラー服姿を披露している。
備考
デザインは青木哲也が担当。走りが早い女怪人ということで、当時活躍していた陸上選手(これについて青木は「フローレンス・ジョイナーだったかも」とコメントしている)をモデルにしつつ、スピーディな感じを出すために小尻のデザインにしたという。
プロデューサーの髙寺成紀は、メビオをなぜ女怪人にしたのかについて、恐らくはハチ女的な要素をシリーズに盛り込みたいという思いと、「女豹」という発想の合せ技だったのではないかと後に語っている(参考リンク1)。また、モチーフをヒョウとした理由についてはこれ以外にも、トライチェイサーの呼び水で俊足が前提条件としてあったことや、同様に初期話数にてヒョウモチーフの怪人が登場した『仮面ライダーBLACK』へのリベンジ的な意味合いもあった気がするとも述懐している(参考リンク2)
演者のうち、人間態を演じた白鳥智香子は出演当時現役女子プロレスラー(全日本女子プロレス出身、2001年6月引退)で、のちにプロレスラー・タイガースマスクこと丸山敦(大阪プロレス⇒フリー)と結婚している。
また、怪人態のCVを担当した西條久美子は、特撮テレビドラマへの参加は本作が初であり、以降も忍風戦隊ハリケンジャーや爆竜戦隊アバレンジャーにて俳優として出演している。
EPISODE4のクライマックスにて、メビオとトライチェイサーを駆るクウガとの追撃戦の舞台となった「青梅市内の廃墟」は、栃木県佐野市に所在していた「佐野レジャーランド」の跡地がロケ地として使用されている。
1970年代にスパリゾート施設として開業した同所は、1990年代までには閉業・廃墟と化していたようで、本作以外でも『救急戦隊ゴーゴーファイブ』(第4話のクライマックスにて使用)や『仮面ライダー剣』(橘朔也が烏丸啓を匿った場所として登場)、『ULTRAMAN』(ウルトラマン・ザ・ネクストとビースト・ザ・ワンの室内戦の舞台)など、複数の作品にて同様にロケ地として使用された実績を持つ。同所はその後2008年に解体され、現在では往時の面影は殆ど残されていない状態にある。
黒豹をベースにした女怪人であるせいか、Pixiv上ではかなりセクシーに描かれているイラストが多い。
関連イラスト
関連タグ
東映特撮 怪人 女怪人 ライダー怪人 未確認生命体 5号 グロンギ グロンギ語 ズ集団 仮面ライダークウガ ヒョウ
関連・類似項目
- メ・ガドラ・ダ ゴ・ライオ・ダ:メビオと同様に、ネコ科の動物をモチーフとしたグロンギ達
- メ・ガリマ・バ:漫画版で五代と交流したグロンギ。こちらはメビオと違い最初からゲゲルを疑問視していた事もあり、五代と通じ合うことに成功している。
未確認生命体第○号
クウガ(4号) → ズ・メビオ・ダ(5号) → ズ・バヅー・バ(6号)
外部リンク
Web archive「仮面ライダークウガ」公式サイト kuuga dimension GURONGI