ビベングデビ バ バグドムセギジャジャバ(記念すべきファーストプレイヤーか)
データ
身長 | 204.0cm |
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体重 | 185.0kg |
主な犯行現場 | 杉並区阿佐ヶ谷→港区→品川区→杉並区桃井9丁目 |
死亡場所 | 杉並区井荻7丁目 |
ジャンプ力 | 25.0m(ひと跳び) |
走力 | 3.0秒(100m) |
特色/力 | 素早い動きと跳躍力 |
警察からの呼称 | 未確認生命体第6号、B群5号 |
演・CV | 小川信行 |
登場話数 | EPISODE5「距離」、EPISODE6「青龍」 |
概要
未確認生命体(グロンギ)の内、ズ集団に属するバッタ種の怪人。警察からは未確認生命体第6号(人間体としては未確認生命体第6号B群5号)として扱われている。
性格は挑発的な言動が目立つ自信家であり、自らを「キョクギンジャンママ」(脅威のジャンパー)と称している。戦闘では相手をじわじわと甚振り、自分を狙う一条薫にわざと両手を広げて銃撃を誘ったり、警官達をゲゲルとは関係ないやり方で虐殺して楽しむなど非常に陰湿かつ残忍である。仲間の前でも自分のゲゲルが上手くいっている事を自慢げに触れ回った挙句、辟易している一同に対して「飲むぞ」とウザ絡みをするなど、常に傲岸不遜な態度を崩そうとしない。
さらに好戦的でクウガも積極的に獲物として狩ろうとし、ドラゴンフォームに超変身したクウガを見て「ゴグザ ゴンガググギギ(そうだ、その青がいい)」と嘯き、ドラゴンフォームでの戦い方が分からずに必死で食らいつくクウガに対して、嘲笑しながら「ゴンチョグギザ(その調子だ)」と挑発的な発言を繰り返していた。これはおそらく超古代にてバヅーが、先代クウガが変身したドラゴンフォームに敗れた件もあったのだろう(EPISODE1の回想より)。
後に登場したゴ集団のゴ・バダー・バは実の兄であり、怪人態も人間態も外見はそっくりである。しかし、バダーもバヅーも作中では互いの事については一言も触れておらず、バダーはバヅーがクウガに倒された件を気にしているそぶりも見せないなど、グロンギらしくその関係性はどこまでも冷徹で淡白である(バダーを演じていた際に演者が「バヅーの為にもクウガを倒す」という旨の台詞をアドリブで入れたところ、オールカットされた程の徹底ぶりである)。
人間態はアフロヘアーの男性で、演者は兄のバダーと同じである。
東京にゲゲルの為に招集されて初めて入った際には、貨幣を使った売買や硬貨に関心を示しており、道端に落ちていた1円を拾って、それを道を歩く通行人に突き出すなど、彼なりに現代社会の文化を学習しようとするそぶりを見せていた。ちなみに兄のバダーもよくコイントスをしており、嗜好が似ている。
また、前述通り酒を好んでいたが、これは元々グロンギに酒を嗜む風習があったのか、現代で初めて酒の味を知ったのかは不明(少なくとも他のグロンギが酒をそこまで好んでいる様子はなかった)。
怪人態は茶色の体色に、白色の腰まで届くマントのように長いマフラーが特徴で、怪人態の特性としてはバッタの怪人である為に、やはり強靭な脚力が自慢である。
全身の筋肉がスプリングのような螺旋構造になっており、設定上では100mを3.00秒で走る速力と、ひと飛び25mのジャンプ力を発揮する。EPISODE5では明らかに建物13~15階分(概ね40~45m)の落差をひとっ跳びしており、設定以上の身体能力を見せつけている。加えて腕力にも優れており、片手でバイクの突撃を受け止めたり、自動車のロッカパネルを持ち上げて横転させるなどの荒業も見せた。
これらの身体能力の高さを活かしたヒットアンドアウェイの戦法を得意としており、素早い動きとジャンプ力で敵の目をくらまし、空中からのキック等でじわじわと敵を痛めつける戦法を好む。ちなみに相手を甚振る戦い方を好む残忍さと陰湿さも兄のバダーと同じである。
弱点は、工場の煙など特定の煙に拒絶反応を示す事で、風向きによってはゲゲルや戦闘を途中で中断せざるを得なくなる。グロンギは現代の汚れた空気は全般的に嫌がる傾向があるが、バヅーとバダーの兄弟はそれが特に顕著であり、大気汚染が進んだ現代ならではの弱点だと言える。
作中での動向
作中における2000年2月3日に、ラ・バルバ・デがゲゲルの開始を宣言した際、現代における最初のプレイヤーとして名乗りを上げた(ズ・ゴオマ・グのように既に暴れていたグロンギは複数いたものの、いずれもゲゲルとは関係なく最初のプレイヤーはバヅーである)。
この時に目標として掲げた殺害人数は2日で81人。「獲物を捕らえ高く跳躍し、高所から突き落として地面に叩きつけ殺害する」という方法で犯行を重ねていった。
クウガとの初戦では自慢の跳躍力を活かし、高層マンションの合間にクウガを誘い込み、追いすがってくるクウガを何度も突き落としたり、高所からのキックなどでクウガを甚振り戦局を優位に展開。
その途中でクウガがドラゴンフォームへと初変身し、機動力という点でこそアドバンテージを失うも、クウガがその能力の変化に順応しきれていなかった為に(※1)、結果としてバヅーの優位が崩れる事はなかった。しかし、その後も一方的にクウガを甚振り続けながらも、止めを刺そうとしたところで何故か突如その場から離脱してしまう。
翌日に現場検証を行った一条薫が、周囲の状況からこの時のバヅーの謎の離脱を「工場の煙突から出る煙を嫌った為」であると推測。これによって後に対未確認生命体用のガス弾開発の切っ掛けを与えてしまう。
その間にも順調にゲゲルを進めていたバヅーは、前述した推測を元に犯行エリアを絞り込んでいた警官隊からの攻撃を受けるもこれを一蹴、さらに一条もしばし行動不能に追い込んでいる(この時にはゲゲルのルールとは関係なく、純粋に警官隊を虐殺して楽しんでいた)。
直後のクウガとの再戦では、依然として五代がドラゴンフォームの能力の全容を把握していなかった事もあり、初戦と同様にクウガを圧倒していたが、現場に駆けつけた沢渡桜子がもたらした碑文の解読結果により、クウガが鉄柵からドラゴンロッドを生成(※2)した事で形勢が逆転。
今度は自分が一方的にロッドの連撃で打ち据えられ、右胸に炸裂したスプラッシュドラゴンによって封印エネルギーがゲドルード(ベルトのバックル)に達し、爆散するという末路を迎えた。
※1、ドラゴンフォームは機動力にモーフィングパワーを回している分、素手での攻撃力や防御力が基本四形態中最も低いが、この時の五代はそれに気付かないまま、マイティフォーム同様の感覚で殴りかかってしまった。
※2、作中では描かれていないが、この時ドラゴンロッドへと変化した手すりは戦闘終了後元の姿に戻り、きちんと元の場所に戻されたという。
ゲゲルのファーストプレイヤーとして敢え無く散っていったバヅーであるが、後にその兄であるゴ・バダー・バが、クウガの前に強敵として立ち塞がる事となる。
漫画版
2014年から月刊ヒーローズで連載されているリメイク漫画では、ズ・メビオ・ダらに先駆けて登場。人間態のパンチ一発で突っ込んできた乗用車のボンネットを叩き潰し停車させるという、鮮烈な初登場シーンを飾った。
人間態は逆立った髪にジャケットを着てマフラーを巻いた男性で、怪人態はタトバコンボのように長く伸びた脚が逆関節になっており、股下はなんと身長の2/3を占める。はっきり言って超キモい。
偶然にも、柳田理科雄が『空想非科学大全』で示した「25mの跳躍が可能な改造人間の理想図」は、このリメイク版バヅーにソックリな16頭身である。
原典のバヅーよりも冷静な野心家であり、原典のバヅーと違ってゲゲルと関係のない無駄な虐殺等はしていない。クウガに対してもゲゲルを優先して当初は特に関心を示していなかったが、バルバがクウガを倒せばボーナス点を与えると宣言した為、クウガをターゲットに定める。また、ボーナスの内容として「赤のクウガ」を倒せばゴ集団に昇格させるようバルバに要求した。
一方で、人間同士の絆や愛に興味を持っており、ゲゲルの際には親しい者同士を攫って相手を殺せば片方は助けると唆し、友人同士(両者共にもみ合いの末に転落死)、恋人同士(あっさりボーイフレンドを突き落とした女性も殺す)などリントの愛を試して弄ぶような行動を繰り返すなど、より残忍性が強調されている。
一方で、本人がこういった人間同士の殺し合いを見て楽しんでいるといった様子はなく、唆した後は横で冷静に人間達の反応を観察するだけである。実際に上記の恋人を突き落とした女性を殺した際にも「リント自慢の愛とやらも大した事はないな」と、淡々とコメントしただけである。
その様子は、人間の愛や絆がどの程度なのかを純粋に検証しているといった様相であり、当然ながらこんな行為は本来ゲゲルを進める上では全く不要なので、バヅーが人間の繋がりに対して強い好奇心を持っている事が窺える(バヅーに限らず本作のグロンギは全体的に人間達の繋がりや感情に関心を持ち、あらゆるやり方でそれを深掘りしようとする者が多い)。
また、高い場所を好んで事ある毎に「俺は高い所が好きだ」と発言しており、その理由は「どこまでも遠くを見渡せるから」という事らしい。その為に、高層ビルが立ち並んで遠くの景観を見渡すのが困難になった現代については、「リントは狂ってしまったのか...」と嘆いていた。加えて、バルバに踏んで欲しいとドM発言をするゴオマを「こうか?」と聞きながら踏んでみるなど意外にノリが良く、本作のグロンギの例に漏れずコミカルで人間味を感じる描写が増えている。
同作でバヅーに課されたゲゲルは「8時間で20人を殺害」。前述通り原作の殺害方法だけなく、人間の愛や絆を弄ぶようなゲゲルを行い、最終的には親子連れにも殺し合いをさせようとするが、こちらは警察の乱入により止められた。そして、その驚異のジャンプ力で白のクウガを追い詰めるが、最期は赤の力に目覚めたクウガのマイティキックを胸に受けて爆死した。
備考
デザインとオマージュ
バッタの目に当たる部分は側頭部付近にあり、所謂人間の目に相当する部分は目元から口に掛けて走るバッタの黒い筋や口器がモデルである。原画の段階では仮面ライダーBLACKRXを思わせるデザインであり、複眼に相当する部分に黒いラインが走っていた。
モチーフがモチーフなだけに、前述した二つ名やライダーキックを思わせる蹴り技、さらにはモチーフを同じくする仮面ライダー1号よろしく首にマフラーも巻いているという、初代を意識している要素も随所に見られる。
ショッカーライダーのような特殊なケースを別にすれば、もっぱら仮面ライダーのモチーフとしてのイメージが強かったバッタの怪人が、通常の怪人として登場するのはシリーズ初の事であり、登場時から大いに話題を呼んだ。
当初は目のようにバッタの模様を解釈したデザインで決定したが、本家にしか見えなさすぎるということでバッタの口を顔にアレンジしたデザインとなった。また、当初緑だった体色もドラゴンフォームと共に出るということでブルーバックではなくグリーンバックを使用する都合上、緑色を避けて飛蝗現象を参考にした茶色に変更になり、マフラーはバッタの羽をモデルに白く長いものとなった。
そして、これらのオマージュとして不完全燃焼だったデザイン担当の阿部卓也の思いが、後のバダーの登場とバダーのデザインに繋がった。
その他
助監督の一人である鈴村展弘は、第5、6話の演出を担当した長石多可男もバヅーが好きであったと証言しており(参考リンク)、またプロデューサーの髙寺成紀は、撮影当時長石からバヅーがマフラーを巻いている点について問われた際、「本来は仮面ライダー(ヒーロー)のものなのに悪ふざけをするな」と怒られるのかと思いきや、「面白い」といった趣旨の反応をもらい安堵した事を、後年のネット配信の際に述懐している(参考リンク)。
テレビ朝日系列で放送されていたバラエティ番組『決定!これが日本のベスト100』にて「決定!特撮とアニメのヒーロー&ヒロインベスト100」(2002年9月8日放送分)が放送された際、スタジオにメ・ギイガ・ギ、メ・バヂス・バ、ズ・ゴオマ・グ、ズ・メビオ・ダを引き連れて乱入するという一幕も盛り込まれており、後から登場したクウガのマイティキックに敗れるという、ヒーローショーが展開された。
関連タグ
スネークロード(仮面ライダーアギト):『仮面ライダーアギト』に登場する敵怪人の一体。方法こそ異なるものの、バヅーと同様に上空から人間を転落させて命を奪うという共通項を有する
未確認生命体第○号
ズ・メビオ・ダ(5号) → ズ・バヅー・バ(6号) → ズ・グジル・ギ(7号)
未確認生命体B群○号
メ・ガルメ・レ(B群4号) → ズ・バヅー・バ(B群5号) → メ・ガリマ・バ(B群6号)
外部リンク
Web archive「仮面ライダークウガ」公式サイト kuuga dimension GURONGI