概要
グロンギにおいてゲゲルを行う資格を有する3集団のうち、下級に当たる集団。グムンのように特殊能力を持つ者もいるが、基本は素手で闘う肉弾戦を得意とするメンバーが多い。
上位2集団に比べると、現代の人間社会への親和性はそこまで高い方ではなく、ごく一部を除いてグロンギ語での会話を主としリントの言葉を不得手とする他、服装も人間社会としては奇抜な部類に入るパンク風のものを基本としている。
劇中において最初にゲゲルを開始した集団であるが、ダグバを除きゲゲルに関係なく人間を殺す事はルール上禁止されているにもかかわらず、劇中に登場したメンバーの大半はこれを無視して好き放題人間を襲っていた上、(劇中で描かれなかった者も含めて)ゲゲルに参加したメンバーも1人を除いて失敗し続けた事が災いし、リーダー格であるザインにゲゲルの順番が回らない内にバルバに「ズではゲゲルの達成は無理」と判断されてしまう。結果、上位のメ集団へとゲゲルの権利が移ってしまい、ザイン自身もこれを不服として独断でゲゲルを実行した末にクウガとの戦いで死亡。これを境にズ集団がゲゲルの表舞台に立つ事はなくなった。
ザインの死後も、事実上バルバの下僕扱いとなっていたゴオマや詳細不明ながらもズ集団に属する多数の個体が生き残っていたが、ゴオマはダグバのベルト(ゲドルード)の破片を横領し肉体強化を図った末、ダグバに反旗を翻すも返り討ちに遭い死亡。
日本各地に潜伏していた他の個体たちもジャラジのゲゲル実行と時を同じくして、より下位のベ集団と共にダグバによる「整理」の対象とされ、順次粛清される形で全滅に至った。
外見
メンバーに共通して、グロンギ共通のベルト(ゲドルード)のバックルが銅色となっているのが特徴。集団の名前も恐らく「ブロンズ」が由来と思われる。
劇中で登場した個体
括弧内は警察からの呼称。B群は人間態に振られた番号。
リーダー格に当たるサイ型のグロンギ。人間態は屈強な体型の男性で、常に憤怒の表情を浮かべている。ゲゲルの資格を剥奪された事や警察にアジトが突き止められる原因とされ孤立した事への鬱憤から、独断でゲゲルを開始するに至る。
見た目に違わぬ怪力が自慢で、怪人態では頭部の鋭い角を武器とする。人間態でも五代雄介を圧倒し、容易に変身させないなど苦戦を強いた。
ズ・グムン・バ(未確認生命体第1号)
口から粘着性の糸を吐き、捕まえた相手を両腕の鉤爪で仕留める。
長野において多数の警察官を殺害、クウガとの戦いでも不完全な状態なままのクウガを圧倒した。
ズ・ゴオマ・グ(未確認生命体第3号、B群2号)
グムンとほぼ同時期に活動を開始した、コウモリ型のグロンギ。人間態は黒い傘を差し、黒づくめの服装に身を包んだ男性。
怪人態では飛行能力を持ち、人間の血を好むが、強い光を苦手とする。
ゲゲル開始以前に殺人に及んだ事がルール違反と見做され、事実上ゲゲルの資格を剥奪された後は、バルバや上位集団の個体たちからこき使われ虐げられているが・・・
ズ・メビオ・ダ(未確認生命体第5号)
東京で初めて殺戮を行ったヒョウ型のグロンギ。人間態は不良風の女性。
時速270㎞の素早い動きと両腕の爪が武器。プライドが高く、自身のタトゥーを他人に触れられた事に激昂し暴走、さらに警官隊によって傷を負わされてからは、ゲゲルを放棄して復讐に走った。
ズ・バヅー・バ(未確認生命体第6号、B群5号)
集団の中では最初に、かつ劇中で唯一ゲゲルの様子が描かれたバッタ型のグロンギ。人間態はアフロヘアーと茶色のマフラーが特徴の青年。
高いジャンプ力と素早さが自慢で、ゲゲルやクウガとの戦いでもこれを最大限に活用。
ズ・ガルメ・レ(未確認生命体B群4号)
身体を透明化する能力を持ち、長く伸びる舌で攻撃する。
劇中でゲゲルを成功させ、上位集団への昇格を果たした唯一の個体でもある。ゲゲルの際には警察に怪人態の姿を確認されなかった為、この時点ではまだ怪人態としての番号は振られていない。
ズ・ジャモル・レ(未確認生命体第13号)
ヤモリ型のグロンギ。人間態・能力共に不明。
ズ集団の中で最後にゲゲルを実行した個体であるが、劇中への登場は未確認生命体による事件を報じた新聞記事に、その不鮮明な姿が載った程度に留まっている。
タトゥーのモチーフは壁をよじ登るヤモリで、後述のガーゲのタトゥーに酷似しているが、こちらは爪や目の形状でヤモリと判別できるようになっている。
その他の個体
いずれの個体もバヅーの敗退後からメ集団によるゲゲル開始までの間に活動が確認されている。
※イラストはいずれもファンによるイメージ図。
ズ・グジル・ギ(未確認生命体第7号)
タトゥーのモチーフは背を向け、潮を吹いているクジラ。
ズ・ガルガ・ダ(未確認生命体第8号)
カンガルー種グロンギ。マイティキックで倒された。
タトゥーのモチーフは正面を向いたカンガルー。
ズ・ミウジ・ギ(未確認生命体第9号)
ウミウシ種グロンギ。マイティキックで倒された。
タトゥーのモチーフはアオウミウシ。
ズ・ガズボ・デ(未確認生命体第10号(※1))
ウツボカズラ種グロンギ。マイティキックで倒された。
放送終了後に刊行されたムック本「仮面ライダークウガボックス」内の「仮面ライダークウガ デザイン画集」には、検討用としてガズボの頭部のラフ画が2種類収録されており、企画の初期段階において劇中にも何らかの形で登場予定があった事が窺える。
漫画版にはゴ集団に昇格した上で登場。ウツボカズラ特有の捕虫袋を、口元より一対ぶら下げたような特徴的な出で立ちで描かれており、背中からツタを伸ばして攻撃する能力を持つ。
作中では商店街を訪れた際、ターゲットが現れないことに苛立ち、触手で建物を破壊していたところを、仮面ライダーG3の「GS-03 デストロイヤー」で真っ二つにされて倒された。
タトゥーのモチーフは正面を向いたウツボカズラ。
ズ・ダーゴ・ギ(未確認生命体第11号)
タコ種グロンギ。マイティキックで倒された。
タトゥーのモチーフは足を広げたタコ。
ズ・ネズマ・ダ(未確認生命体第12号A)
ネズミ種グロンギ。制限時間内に規定の人数を殺害出来ずゲゲルに失敗、警官隊の前で爆死(※2)。劇中においては警察が自力で倒したものとして扱われている。
タトゥーのモチーフはネズミの顔。
ズ・ネズモ・ダ(未確認生命体第12号B)
ネズマと同種のグロンギで、資料によっては兄弟と扱われる事も。マイティキックで倒された。
タトゥーのモチーフはネズミの顔だが、ネズマの物とは違い、耳や髭が逆立っているのが特徴。
(※1 『仮面ライダーディケイド』の「クウガの世界」では、ディケイドが「未確認生命体第10号」として扱われた事がある。恐らくは「10番目」繋がりによる、制作陣の一種のお遊びであろう)
(※2 プロデューサーの高寺成紀も後年、これを補強する趣旨のコメントを発している)