概要
構成員には上弦とは異なり、下弦の「下」と席位に伴った数字が片目にのみ刻まれる(例:左目に"下伍")。
実力は上弦に比べると遥かに低く、鬼殺隊への敗北や上司の無惨のパワハラにより度々欠員が生じる。加えて(無惨に判断された)実力に応じて繰り上がり・補充される為に、度々構成員自体が入れ替わっている。鬼殺隊の柱への昇格条件の一つは十二鬼月を狩る事である為に、その頻度はかなりのものと推察される(柱の人数は九人。最年長の悲鳴嶼行冥が柱に就任したのは八年前で、現柱達は全員が十二鬼月を倒した功績で柱になった者達である為、単純計算で一年に1人以上のメンバーが敗死している事になる。ちなみに上弦は百十三年間も構成員が変わっていない)。
これらの事と片目しか数字が刻まれない事から、上弦の鬼達からは蔑まれ見下されている。
通常の鬼からはその立場を羨望されるが、実態は薄氷を踏むが如しであり、無惨の機嫌や思い付き程度で簡単に命運が左右される。また、無惨の能力について把握できている情報は通常の鬼と大差ない。
上述の通り、多少の自由裁量が認められるとはいえ、下弦の鬼として一般隊士を殺していけば柱にぶつけられる可能性も高まることから、生存目的からすればデメリットの方が明らかに大きいと言える。しかしながら、下弦とはいえど十二鬼月には違いない為に、元"下弦の陸"である響凱が心の底から復席を望んで行動していた事や、笛鬼などの例からも鬼にとっては十分な目標となっていると考えられる。
しかしながら、柱級の隊士以外にはまず負けない程の力がある彼らを切り捨てた事による戦力の低下は作品が進む毎に顕著になっていき、特に上弦の戦力と組み合わせる事でより戦略の幅を広げられて、もっと戦いを優位に進められたであろう事は疑いようもない。無惨は後に一般の鬼達に知性などと引き換えに、無理矢理下弦相当の力を持たせようとしたが、完成したのはただ身体能力が下弦相当なだけで、知性も無ければ血鬼術も使えない雑魚鬼であり、本来の下弦には戦力としては遠く及ばなかった。
結局、原作漫画及びアニメ本編で主人公側とのまともな戦闘シーンが描かれた下弦の鬼は累と魘夢のたったの二人だけである。とはいえ、元下弦の響凱や実力が本来は下弦相当の堕姫を入れれば4人分と言えなくもない。
一部の読者からは、「敵とはいえもうちょっと下弦達が長生きしていれば鬼殺隊側の出番が少ない味方キャラ(主に柱)の活躍を描くことができたのではないか?」という声がでることもあるが、累が瞬殺されたり堕姫があっさり首を落とされたりしたことからわかるように、下弦は柱なら簡単に処理できる程度の強さでしかない。下弦を柱が瞬殺する様を6人分描写するのはいささか単調で冗長ともいえるし、かといって下手に柱が苦戦する描写を入れられたらその先に控える上弦との闘いへの不安要素にしかならないので、本篇くらいのざっくり感がちょうどいいのかもしれない。
そして下弦の鬼は彼の訃報により解体へ…。
歴代の鬼殺隊の柱を葬ってきたのは常に上弦の鬼達であり、上弦の鬼に比べて大きな成果を上げられていなかった事に加えて、構成員の中で無惨のお気に入りであった累が彼ら倒された事をきっかけに無惨からとうとう見切りをつけられて、炭治郎達が蝶屋敷で機能回復訓練を行っている時期に正式に下弦の解体を通告されてしまい、弐・参・肆・陸は無惨自身の手で粛清され(通称:パワハラ会議)、唯一それを免れた壱の魘夢も後に炭治郎達に敗れた事で完全に壊滅した。下弦そのものが解体された為に当然ながら後任もいない。無惨は向上心の高い鬼や明確な打開策を立てられる鬼、便利な鬼を好む所がある為に、当時の下弦達は碌な構想も野心もなく考えが甘すぎた所は否定できない。
構成員
※弐・参・肆・陸は本編内では名前は出ず、後に公式ファンブック「鬼殺隊見聞録」にて明かされた。
下弦の壱 魘夢(えんむ) | 下弦の弐 轆轤(ろくろ) | 下弦の参 病葉(わくらば) |
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CV:平川大輔 | CV:楠大典 | CV:保志総一朗 |
下弦の肆 零余子(むかご) | 下弦の伍 累(るい) | 下弦の陸 釜鵺(かまぬえ) |
CV:植田佳奈 | CV:内山昂輝 | CV:KENN |
元構成員
余談
- 累以外の下弦の鬼は、アニメにおいては第一期最終回のAパートのみの登場なのだが、唯一粛清を免れた魘夢はともかく、それ以外の4人はアニメ第一期の最終話にて殺される為だけに登場した事になり、その際の下弦の鬼達の豪華声優陣に多くのファンが自分の目と耳を疑った。
- 無惨が下弦を無闇に処刑してしまった事による戦力低下は上記の通り明白だが、さらに鬼殺隊に力を蓄える時間まで与えてしまう結果となり、最終決戦の際には上記した単純に身体能力だけが下弦に匹敵するだけの無知性の雑魚鬼達ならば、一般隊士でも集団でなら何とか対処できる程に戦力が上昇してしまった。
- スピンオフ四コマ漫画「きめつのあいま!」では、上司のブラックぶりに耐えかねた轆轤・病葉・零余子の3人が労基に駆け込もうとしたが、受付は17:30で終了していた為に、それを見た3人は言葉を失い絶望していた。
- ファンブック弍にて、累が下弦の伍の位にいたのは彼が入れ替わりの血戦で昇格する事に興味が無かった事に加え、配下の鬼達に自身の力を分け与えていたからであるが、本来の実力は下弦の壱・弍相当であると判明する。鬼になって二十年弱で家族にした人数分をカウントするにしても、家族に力を分け与えただけで位が数段落ちてしまうため、下弦の上位と下位では実力にそれほど差がないと考えられる(上弦の場合は違い、参以上と肆以下で大きな力の格差がある)。