「頭(こうべ)を垂れて蹲(つくば)え。平伏せよ」
概要
下弦の伍・累が倒された事で、下弦に見切りをつけた鬼舞辻無惨(別名・パワハラ上司)が下弦の鬼の解体を決定する。あらゆる思惑や反論や逃亡…果ては提案さえ封じ、唯一気に入られた下弦の壱・魘夢を除き、残る下弦達は無惨の手によって処刑された。一応は会議と呼ばれてはいるが、実態が無惨が一方的な理屈で下弦を処刑するだけの場に過ぎないので、はっきり言って会議としては全く成立していない。
コミック第6巻51~52話・アニメ第26話参照。
パワハラ被害者達
末席。無惨に下弦の実力の低さについて叱責された際に「そんな事を俺たちに言われても」と内心で口答えをした為にその思考を読まれ、「『そんな事を俺たちに言われても』。何だ?言ってみろ。」と凄まれ、驚愕の余り思わず「思考が読めるのか…?まずい……!」と心の中で思ってしまった事が引き金となって「何がまずい?言ってみろ」と激昂した無惨に触手で捕らえられ、必死に許しを乞うも聞き入れて貰えず、そのまま喰い殺された。
紅一点。無惨が女性化していた事に気付かなかったのを詫びただけで「誰が喋っていいと言った?貴様共のくだらぬ意思でものを言うな。私に聞かれた事にのみ答えよ。」と叱責された挙げ句、釜鵺が殺された直後に無惨から柱と出くわしたら逃げようと考えていた事を指摘され、「いいえ思っていません…!私は貴方様のために命をかけて戦います!」と涙目で弁面するも、「お前は私の言う事を否定するのか?」という言いがかりの下に噛み砕かれた。
釜鵺に続いて零余子まで殺されたのを見て、「駄目だ…!お終いだ……!! 思考は読まれ、肯定しても否定しても殺される……!! かといって(無惨に)戦って勝てる筈もない……!!」と絶望し、無惨の前から全速力で逃亡を測るも、気付けば無惨に頸をもぎ取られていた(無惨は一歩も動いていない)。そして頸は捨てられ、そのまま死亡した。尚、病葉は頸を千切られた後も暫くの間生きており、轆轤が無惨に粛清される様を魘夢と共に見て戦慄し、また最後に残った魘夢を見ながら「こいつも殺される…。この方(言うまでもなく無惨の事)の気分次第で全てが決まる。俺ももう死ぬ……。」と全てを諦め頸が溶け始め、そして下記の台詞を言い放った魘夢に顔を青ざめてドン引きしていた。この通り、彼は殺された鬼達の中でも、かなり出番が多い。
上記3人を処刑した無惨から、魘夢共々「最期に何か言い残す事は?」と遠回しに死刑宣告を言い渡され、それでも何とか粛清を免除して貰おうと「私はまだお役に立てます!もう少しだけ、御猶予を頂けるのであれば、必ずお役に……!!」と主張したが、「具体的にどれ程の猶予を?お前はどの様な役に立てる?今のお前の力でどれ程の事が出来る?」と問われ、「血を……!貴方様の血を分けて頂ければ、私は必ず、血に順応してみせます!より強力な鬼となり、戦います!!」と懇願するが、「何故私がお前の指図で血を与えねばならんのだ。甚だ図々しい。身の程をわきまえよ」と一蹴され、無惨が己の発言を「自分に指図した」と捉えた事に気付いた轆轤は、必死に「違います!違います!私は……!(貴方様に指図したつもりではありません!)」と弁明するが、当の無惨は「黙れ。何も違わない。私は何も間違えない」「全ての決定権は私にあり、私が正しいと言った事が正しいのだ」と意に介さず、極めつけに「お前は私に指図した。死に値する。」と言われ、殺された。尚、処刑シーン自体はカットされた為、どの様な粛清を受けたのかは不明だが、何かを噛み砕く様な音と、その後のシーンで轆轤の遺体が無かった事から、恐らく釜鵺や零余子と同様に、無惨の触手に喰われたのだと思われる。
パワハラ会議唯一の生存者。「あなた様直々に手を下して頂けて光栄です」「他の鬼達の断末魔が聞けて楽しかった、自分を最後まで残してくれてありがとう」という言葉を本心から言った事により(上記のように、無惨は相手の思考を読めるので嘘は一切通じない)、その異常な精神性を無惨に気に入られて血を分け与えられる。そして「柱と耳飾りの剣士を殺してくれば、もっと血を与えてやる」と命じられて解放された。ただし、血に順応できなければ普通に死んでいたので、やはり生き延びられたのは殆ど運に過ぎない。
第2回パワハラ会議
上弦の陸である妓夫太郎・堕姫の敗死を受けて、上弦の鬼達を招集して行われた2回目のパワハラ会議。上弦の鬼を招集して会議を開くのは実に113年ぶりとの事(それ程の間、最高幹部による会議が開かれる事すら無かった辺りに、無惨の組織運営の雑さが窺える)。
113年ぶりに上弦を殺されて不快の絶頂に達していた無惨に、青い彼岸花をまだ見つけられていない事や、鬼殺隊の壊滅や産屋敷家の殲滅も上手くいっていない事をまくしたてられた挙句、「私はもうお前たちには期待しない」だの「もっと死に物狂いになった方がいい」だのと圧力をかけられた。おまけに玉壺が見つけてきた情報も「まだ、確定もしていない情報を得意げに喋るな」と、玉壺の頸をもぎ取って一蹴してしまう。
ただし、その後に「情報が確定したら、半天狗とそこへ向かえ」という方針も決定したので、割と会議はしていたような印象を受ける(1回目が酷過ぎただけなのだが)。
また、さしもの無惨と言えども流石に上弦レベルの鬼を感情のままに切り捨てる訳にはいかなかったので、玉壺も頸をもがれただけで殺されてはおらず、あくまで圧力をかけるだけに終わった。
しかしこの2回目の会議については、無惨にパワハラをされても「そこが良い…」と内心では喜ぶ玉壺や、自ら目玉を穿り出す事をワクワクしながら進言する童磨など、上弦達の異常性の方が目立っている。さらに上司である無惨本人のパワハラよりも、童磨の頭を吹き飛ばす猗窩座や、その猗窩座の腕を切り落とす黒死牟など、最早ライバルという域を通り越した敵対関係レベルの上弦の仲の悪さの方が際立っており、ぶっちゃけ無惨本人のパワハラはそれ程印象には残らない。
異空間・無限城の主である鳴女も、無惨が去った後も諍いを続ける上弦達に「はやく帰ってくれないかな」と内心では思っていたようである。
これらの事から、基本的にパワハラ会議として挙げられるのは1回目の方であり、2回目の方はファンの間でもあまりパワハラ会議としては認識されていない。
余談
所謂「悪の組織」において、失態を見せた者や成果の上げられない者を粛清するという展開自体は珍しい事ではないものの、一方でその時点では問題を起こしていない部下(しかも幹部クラス)を、「先が期待出来ない」というだけで序盤で纏めて抹殺してしまうのはかなり稀、というかぶっちゃけ前代未聞である。
一方で、鬼舞辻無惨という男の本性を、これ以上ない程分かり易く描いたシーンとして高い評価を集めている。
アニメでは、1話限りのゲストの鬼から名の知れたベテラン声優を起用する豪快さも話題になっていたが、パワハラ被害にあう為だけに登場した下弦達の、無駄に豪華な声優陣に度肝を抜かれた視聴者は多い筈である。レギュラー陣からさえ「意味がわからない」「鬼滅おかしいよ」とラジオでネタになる程である(下弦とはいえ、主人公をあれだけ苦戦させた累と同等の実力者であり、己達のボスの前で命乞いするシチュエーションでも小物になり過ぎないように、という複雑なオーダーに応えられる力量が必要だった、とのフォローも入っている)。
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ヴィランズミーティング:悪役会議。「悪役はこういう目的でこういう悪事をしますよ」という説明パートのお約束であるが、こんな粛清大会が起こることは普通は無い。