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「美しくて強い鬼は 何をしてもいいのよ…!」


「不細工だねお前 気色悪い...死んだ方がいいんじゃない?」


「何?まだ何か言ってるの?もういいわよ不細工 醜い人間に生きてる価値無いんだから 仲良くみんなで死に腐れろ」


「柱じゃない奴は要らないのよわかる?私は汚い年寄りと不細工を喰べないし」


「お兄ちゃああん!!」


プロフィール編集

人間時の名前梅(うめ)
身長不明
体重不明
趣味不明
数字十二鬼月 上弦の陸
血鬼術
一人称私(わたし)/アタシ
CV沢城みゆき
初登場話原作単行本9巻 第73話「追跡」
公式人気投票第2回:40位(180票)

概要編集

吾峠呼世晴による漫画『鬼滅の刃』の登場人物。

鬼舞辻無惨配下の精鋭、十二鬼月の一人であり、上弦の鬼の紅一点。帯鬼

"上弦の陸"の数字を与えられ、その席位に従い右目に「陸」、左目に「上弦」の文字が刻まれている。

蕨姫花魁


である正体を隠し、江戸時代の頃から吉原を初めとした全国各地の様々な遊郭界隈を転々として名を馳せており、老いの無い美貌を疑われる頃には(おそらく身請けなどの形で)狩場を他に移し、数十年経って自身の事を覚えている者が消えた頃を見計らって、かつての狩場にまた戻ってくるという行動をローテーションで繰り返していた(上記の通り作中の時点では吉原にいた)。その為に、その存在は遊郭界隈では触れてはならない“災厄”として、一種の都市伝説的な存在として語られる事もあった。花魁として活動する時には、必ず『姫』と名のつく源氏名を名乗り、気に入らない事があると、首を傾けて下から睨めつけて来る独特の癖を持つ事なども、一部では語り継がれていた(最低でも100年以上前から遊郭にいた)。


現在は吉原遊郭の「京極屋」の看板である蕨姫花魁として評判を博している。


外見編集

蕨姫花魁センシティブな作品

普段は花魁の恰好をしているが、鬼としての姿はランジェリーじみた露出度の高いへそ出し衣装で、胴体に帯を巻き、三本歯の下駄を履いたセクシーな外見をしている。また、この時は右額や左頬に花の紋様が浮かび上がっている。

蕨姫花魁として活動する時などは黒髪だが、これは後述の分身の帯が分離して不完全な状態であり、分身の帯を取り込み完全体になると本来の髪色である白色(毛先は黄緑色のグラデーションになっている)に変化し、全身にヒビのような紋様も加わる。


アニメ版の回想では、蕨姫の前には屋珠姫という源氏名を使っていたことが判明する(浮世絵にその姿が描かれている)。


性格編集

下から睨めつけてくる 独特の癖

性悪を通り越した極悪で、サディスティックかつ癇癪持ちな性格。癇に障ることがあると物に当たり散らしたり暴力を振るって遊女を自殺に追い込んだりと性格は凡そ破綻している。

「京極屋」では怪我人・足抜け・自殺者が後を絶たず、お付きの禿達や他の遊女はおろか、店主でさえも頭が上がらない程に、常に周囲の人々を戦々恐々とさせているが、一番の売れっ子だけに誰も逆らえない(明らかに人とは思えないような力を見せる事もあったのだが、その恐ろしさと彼女が稼ぐ大金で誰もが見て見ぬふりをしていた)。自身が仕えている主にも劣らない程のパワハラ気質であるが、流石の彼女もその主を前にすると平身低頭し、評価の言葉を投げかけられて顔を綻ばせるなど従順な態度をみせる。


その美しさに懸ける執着も相当なものであり、食べる人間は必ず美しい人間であることに拘っており、不細工な者や年老いた者は侮蔑して食おうとしない。それは必ずしも遊女だけではなく、己を狙ってやってきた鬼殺隊の隊士であっても、美しくなければ食べないことを公言していた(食べるものは人間丸ごと1人とは限らず、赫灼の瞳を持つ炭治郎目玉だけを食べようとするほどの徹底ぶり)。

美しくて強い鬼は 何をしてもいいと言うなどどこかの海賊女帝のような傲慢さを持っており自身の美しさと強さに酔いしれている。


しかし、自分の思い通りにならない事態が連続する事で限界に達した途端、突然駄々っ子のように大声で泣きじゃくり始めるなど、負けず嫌いで子供っぽい一面も存在する。


能力編集

血鬼術 『帯』編集

センシティブな作品

自分の体から生成する帯を自由に操作する能力。帯は硬質と柔軟性を併せ持ち、容易く人間や家屋などを損壊させる鋭さをもつ。

攻撃手段の他、帯の中に人間などを取り込み保存しておくこともできる。但し、保存されている人間は、日輪刀で帯を斬ることで解放することが可能。

また帯を自分の分身として切り離して操作することも可能で、その際に帯には目と口が浮かび上がる。(帯鬼


遊郭に食料である人間を閉じ込めておく貯蔵庫を作る、遊郭を密かにつなぐ通路を作ると言った細工を施したり、自分に少しでも不信感を抱いた遊女は監視し、容赦なく始末すると言った搦め手を使い、鬼殺隊士を翻弄する。

長年遊郭に巣食っていたその身の隠し方は折り紙付きで、優秀な元忍である宇髄とその妻の三人くノ一でさえ、その正体を掴み切れなかったほど。


  • 体を帯化

弱点の一つ「日輪刀での頸斬り」を緊急回避するため、首を帯化させて切断を困難にする芸当も出来る。但し、決して斬れないわけではなく、帯化が間に合わない不意打ちの斬撃、鋸みたいに削る攻撃、帯の柔軟性を上回る一閃や別方向から挟み込んで斬る攻撃、といった手段で攻略もされている。

また関連は不明慮だが、風に靡く帯のように人間一人を帯で包みつつも堕姫が空中浮遊している場面があった。


  • 八重帯斬り(やえおびぎり)

無数の帯を交差させ、逃げ場を塞いだ上での斬撃。この時点で花街を支配するために分裂させていた、自分の体の一部でもある帯を一つに集結させているため、硬度と反射速度はそれまでの比ではない。


実力編集

その戦闘力は炭治郎、伊之助善逸がこれまで戦ってきた鬼達とは段違いであり、ヒノカミ神楽で反撃するも、限界を超えてしまった炭治郎は生命の危機に直面する。

だが、そんな彼女ですら歴戦の猛者である音柱・宇髄天元の敵ではなく、あっさりと頚を刎ねられた。宇髄の見立てでは、彼女は三人の嫁を使って本来探していた相手ではなく、上弦の鬼じゃない」「弱すぎ」という評価であり、彼は堕姫を偽物だと断定する。

「もうお前に用はねぇよ、地味に死にな」等、散々に軽侮された堕姫は「あたし上弦の陸だもん!」と駄々っ子のように泣き喚き始める。そして大声で「お兄ちゃああん!!」と叫んだその時……彼女の背中から真の恐怖が姿を現した。


兄の妓夫太郎二人で一人の鬼

真に"上弦の陸"の座を与えられているのは兄の妓夫太郎の方であり、堕姫は実質おまけのようなものである。

確かに下弦の鬼に比べれば遥かに強いが、上弦の鬼としては力不足。また、直情的で頭もあまり回らないため、兄が目覚めた後は常に兄のサポートと指示を受けて戦う。


彼女の手に負えない事が発生した時には、体内に眠る兄が背から出てきて敵から“可愛い妹を泣かせた落とし前を取り立てる”

また、兄の頚も斬られなければ死ねないという特殊な体質である。そのため、兄の頚も斬り落とされない限り死ぬことはなく、両方とも倒さなければいけない。どちらか片方しか斬られてない場合、頚を繋げて元に戻すことが可能であるため、それをさせる前に倒さなければならない。これが討伐の難易度を上げている。非常に厄介な性質をもつ。更に、兄は妹を操りながら戦う事も出来る(その状態の時には額に妓夫太郎の目が現れる)。兄との連携とこの特殊体質をもって、過去には2人で合わせて22人ものを屠ってきた(過去に倒された22人の柱達は、恐らく単独で戦ったと思われる。この兄妹の性質上、倒すためには最低2名は必要で、天元がかまぼこ隊を同行させてた為、討伐に成功した)。


本質編集

百年以上生きている鬼だが、本来の性格は非常に幼く、気に入らないこと・手に負えない事態が起きると「お兄ちゃんなんとかして!!」と泣きわめく。

その本質は一言で言うと、わがままで甘えん坊でお兄ちゃん子な女の子であり、無惨からも表向きは彼女を大事にしているように装っているが、本音は「足手まとい」、または「頭の悪い子供」としか思っておらず(単行本12巻&公式ファンブックより)、兄妹が敗北した後に開かれた上弦の鬼達を集めた会合において、その敗因が堕姫であったと非難していた。

醜いものを何よりも嫌う彼女だが、兄だけは例外である。

因みに「お兄ちゃああん!!」と言う台詞が非常に印象深い為に普段から兄の事を「お兄ちゃん」と呼んでいる様に思えるがそれは癇癪を起した際に限るようであり、ある程度冷静になれば「兄(にい)さん」と呼んでいる。


アニメ版では、堕姫が「お兄ちゃん」と呼ぶ様から、竈門炭治郎が上陸兄妹の姿を自分たち(竈門兄妹)と重ねる心情が強調されている。


最期は善逸の切り札霹靂一閃・神速に翻弄され、頸を斬られ掛かるも「あんたがあたしの頸を斬るよりも速く、あたしがあんたを細切れにするわよ!」と高を括っていた。しかし、臓器の位置をずらす離れ業で内臓へのダメージを避け、加勢に入った伊之助そして善逸の二人によって兄と同じタイミングで頸を斬られた。


鬼殺隊に敗れ、頸だけになった時、暫く互いに兄と罵倒し合っていたが、討ち取った事を確認する為捜していた炭治郎に「君達のしたことは許されることではない、これまで殺した人達に地獄で非難されるだろう。だからこそ二人はお互いを罵り合っては駄目だ」と諭され、炭治郎に強がりを見せるもすぐに本来の駄々っ子の甘えん坊に戻って、兄に甘えるかのように泣き喚きながら消滅していった。


その際、禰豆子が傍らで最期を見届けたが、激しく兄と自分を痛めつけた相手であるのにもかかわらず、涙は見せなかったが、悲しげな面持ちで見つめていた。



過去編集

何度生まれ変わっても

容姿は、キメツ学園堕姫を幼くしたような風貌の絶世の美少女。

堕姫との違いは目の色で、アニメ版の描写では兄である妓夫太郎の人間時代と同じ青い目の持ち主であった事が分かる。


遊郭の最下層に生まれた娘で、母親の病名から梅(うめ)と名付けられていた。

当然実父が誰だったかも不明で、作中での描写から、実母も病気の進行で兄妹が幼い内に死亡した模様。

母親からは兄同様に疎まれており、梅の髪と目の色を気味悪がった母親に赤子のうちに手に掛けられそうになったところを兄・妓夫太郎に救われた。

妓夫太郎にとっては自分を慕って回り、離れると泣き喚く妹・梅が可愛くて仕方なかったという。

鬼滅の刃・マンガや落書き⑥


その後も母親からは散々に扱われていたが、梅に暴力を振るった挙句剃刀で髪を切った事がきっかけでとうとう堪忍袋の尾が切れた妓夫太郎が怒り狂って暴れた日以来、親子の力関係が変わり、母親は妓夫太郎に怯えて距離を取るようになっていった。

醜い風貌の兄とは裏腹に、年端もいかないうちから大人をたじろがせるほどの美貌を持つ妹・梅は、道を歩いているだけで声をかけられ、笑ってみせれば物を貰える程美しかった。


鬼灭之刃 十二鬼月 堕姬/蕨姬

それを自覚して上手く立ち回れるようになると飢えることもなくなり、少女は「白梅ちゃん」と呼ばれるようになる。


しかし十三の時、兄妹を凄惨な時代(遊郭)の闇が襲う……。


上弦の陸 堕姫 梅 鬼滅の刃ファンアート

客として店を訪れた侍が妓夫太郎を侮辱した事に激怒した梅は、簪で目玉を突いて失明させる事件を起こしてしまったのだ。

梅

その報復として梅は生きたまま火炙りにされるという非情な罰を受け、全身に大火傷を負う。

謝花家のある日


しかも梅にこの侍を引き合わせた店の女将は、兄である妓夫太郎の過剰な取り立てを元々快く思わず、侍と結託して最初から梅をおとりに妓夫太郎をおびき寄せ、2人まとめて厄介払いをしようとしたのだ。

しかし虫の息の梅は客の侍と自分達を売った店の女将を殺した妓夫太郎に連れられ遁走。その道中で童磨と出会った事で共に鬼となり、生き延びた。



生まれてから毎日、過酷な環境を兄と助け合って生きてきた過去から、兄・妓夫太郎を何より頼りにしている。すぐに泣き喚き兄に頼る性格も、精神年齢が鬼になった十歳前後の頃で止まっていると考えればわかりやすい。

妓夫太郎曰く、素直で染まりやすい性格。その為、良家に生まれていれば上品な娘として幸せに暮らせたのではないか、客の侍に従順にしていれば違った人生があったのではないか、「奪われる前に奪え」と教えて育てた為にこうなってしまったのではないか、自分といたせいで良くない方へと向かわせてしまったのではないかというのが、兄の唯一の心残りだった。



兄共々死後、黄泉路で再会する二人。そこで兄・妓夫太郎から突き放される言葉を投げかけるが―

自分を一人明るい方に行かせて地獄に落ちようとする兄の背にしがみつき、


「離れない!絶対離れないから」

「ずっと一緒にいるんだから!」

「何回生まれ変わってもアタシはお兄ちゃんの妹になる 絶対に!」

約束


わぁぁあん ずっと一緒にいるんだもん ひどいひどい 約束したの覚えてないの!?


泣きじゃくり、兄に背負われたまま共に暗い地獄の中に進んでいく。

その姿は、どことなく彼らを倒した兄妹の在りし日の姿に似ていた。


作中にて描写された「事件が起きた13歳の時」というのは、妹・梅(うめ)とも兄・妓夫太郎とも言われていた。理由としては兄が物心ついてから妹が生まれているので妹はギリ10歳前後、この幼さで遊女は今より大人になるのが早いとされる当時の価値観でも流石にアウトではないかという説や、兄は自分の年齢も誕生日も知らないが妹の誕生日だけは数えて覚えていたという説があった為。しかしナレーションの背景に梅の顔が描かれている事もあり、兄妹のどちらが13の時かは長らく不明慮だったが、アニメ版11話での妓夫太郎の独白で妹の方だと判明した。

どちらにしても客を取らされる年齢としては昔の遊郭でも早い方であり(江戸時代の高級な店の新造でも16,7が普通だったが、漫画でも布団が敷かれており、アニメでは布団に二つの枕が描かれている)、侍を客として付ける段取りをした女将もタチの悪い人物だったことが窺える。



余談編集

公式ファンブックの大正コソコソ噂話によると、堕姫の人気は遊郭で不動のナンバーワンであり、およそ十年ごとに顔や年齢、店をかえて遊女をしているとの事。堕姫の美貌は気の弱い男性なら失神する程であり、耳に息を吹きかけられた男性は基本的に失禁するらしい。


その重厚なキャラクター性と圧倒的な存在感とインパクトで、とにかく上弦の鬼というものを読者やファンに刻み付けた鬼であり、その過去や最期も含めて高い人気を誇っているキャラクターである。また、妓夫太郎が出てきてからのお兄ちゃん子全開な子供のような言動や、人間時代の可憐なビジュアルなど当初の女王様然としたイメージとのギャップが凄まじく、多くのファンに衝撃を与えて、そういう方向性でも人気が急騰した。

公式で行われた第二回人気投票では、退場から既にかなり期間が過ぎていた敵キャラクターであるにもかかわらず、180票を獲得して40位となった。

ちなみに妓夫太郎は158票で42位だった為に、2人合わせると338票を獲得している(票数で言えば25位のカナエ村田と26位の愈史郎の間になる)。


TVアニメ版『遊郭編』の放送終了後に日清食品のコラボレーション企画で堕姫が描かれたパッケージの日清焼そばU.F.O.が販売された。


演者の沢城女史の実弟である沢城千春氏が柱稽古編に出演し、姉弟で『鬼滅の刃』に出演することとなった。


関連イラスト編集

センシティブな作品センシティブな作品センシティブな作品堕姫堕姫堕姫ちゃん


関連動画編集


関連タグ編集

鬼滅の刃 鬼舞辻無惨 鬼(鬼滅の刃) 血鬼術 十二鬼月 上弦の鬼 上弦の陸 紅一点

妓夫太郎 上陸兄妹 謝花兄妹 遊郭編 妓梅

鬼滅の刃の登場キャラクター一覧


哀しき悪役 サディスト 外道 悪女 女王  遊女 花魁


上弦の鬼

黒死牟(壱) 童磨(弐) 猗窩座(参) 半天狗(肆) 玉壺(伍) 妓夫太郎堕姫(陸)


関連キャラクター編集

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