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梅毒

ばいどく

梅毒とは、梅毒トレポネーマによる感染症。性行為感染症の代表格の1つでもある。
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もしかして梅毒(pixivユーザ)


※後述する理由により、検索するとグロい症状の画像が出る場合もあり、pixivにもR-18G作品が含まれるため閲覧には要注意のこと。



概要編集

梅毒とは、性行為感染症の代表格の1つである。

梅の字が使われているのは、症状として見られる赤い発疹が楊梅に似ているからとされている。

真正細菌の一グループであるスピロヘータの一種である梅毒トレポネーマが病原体。

治療しないで放置すると、十数年かけて徐々に進行し、全身の臓器がおかされる。

性行為で感染するケースがほとんどだが、口の中の傷を通してキスで感染する事例や、母子感染で子供が先天梅毒となってしまう場合もある。



歴史編集

もともとアメリカ大陸の風土病であったが、15世紀にコロンブスと彼が率いた船員が黄金や奴隷・カボチャ・トウモロコシなどと一緒にヨーロッパに持ち帰ってしまい(コロンブス交換)、わずか20年弱で地球を席巻したというのが最も有力な説。エロパワー恐るべし。

ヨーロッパではシューベルトスメタナアル・カポネなどが、日本では結城秀康前田利長浅野幸長などが命を落としている。花柳病の別名もあることから、健康マニアでも知られる徳川家康は梅毒を避けるため遊郭遊びをしなかったという。


...と、このように書くと過去に流行った病に聞こえるが実際は近現代でもバリバリに蔓延している感染症である。特に戦後などは経済苦から売春が横行して蔓延していた。

現代でも、COVID-19の蔓延により経済苦に陥った女性がパパ活(売春の婉曲表現)を行う事で、蔓延している。


症状など編集

感染後約1週間から13週間で発症。

第1期、第2期、潜伏期、第3期、第4期の5段階を経由して症状が進行。段階の進行はゆっくりで年単位。潜伏期には文字通り一旦症状が表面的には治まっているが病原体が消えたわけではない。

第1〜第2期にも発疹や膿の症状が出るが、第3期以降はゴムのような腫瘍が出来見た目にもかなりエグくなる。さらに進行すると内臓にまで症状が及び神経症状なども起こし死亡する。

感染して第1期の症状が出始めるのは2〜3週間後である。

4期は10〜30年後であるがここまでくると心臓や脳にも悪影響が及び、認知症のような症状が出たり心臓発作で死亡することもある。


母体が梅毒に感染していることで発病する先天梅毒は、生涯症状が表に出ないこともあるが生後3ヶ月以内〜2年後と発症の時期は幅広く、知的障害や麻痺、失明を起こす場合もある。


感染症法により第五類感染症(全数把握対象疾患)と規定されており患者数を逐一把握することが必要な病気であるため、梅毒を診断した医師は7日以内に保健所への届け出が義務づけられている。


現在では治療薬が進歩し1〜2期までに完治させることが十分可能なため、日本国内では医療関係者ですら3期以降を見ることは稀である。しかしまともな治療法がなかった昔は遊女が感染していても妓楼の経営者が平気で客を取らせるなどしており、見た目にも酷くなるまで進行することもよくあった。


江戸時代、お江戸では2人に1人が梅毒患者だったという学説がある。実際、梅毒によって穴が開いた頭蓋骨が江戸時代の遺構から出土している。

これは江戸が男性の多い都市だった(一、火事が多い新興都市のため建築業の需要があり、周辺地域からの労働力を必要としていた 二、参勤交代による単身赴任の男性もいた)うえ、娯楽として重要だった花街の遊女は7~8割が梅毒にり患していたため、遊郭遊びにより梅毒が江戸に蔓延したのではないかといわれている。


背中が見えるデザインのウェディングドレスなどの衣服は、「自分は梅毒に感染していない綺麗な体である」という事を示すために作られたという説もある。


早期に治療できることが可能になったとはいえ、現在の日本でも風俗遊びでもらってくる事例は散見され、2014年以降は増加傾向にある。このため決して油断はできない病気である。


診断編集

「性行為をした相手から梅毒になったと連絡が来た」「風俗遊びした後にブツブツができた」などという場合には他の病気の可能性も考え、速やかに受診することが望ましい。

「配偶者や恋人が浮気や風俗遊びしていたことが発覚」という場合も心配なら早く検査しよう。

「性感染症外来」「性病科」の看板を掲げている内科や皮膚科、女性の場合は婦人科も多く、性感染症外来の方が検査や治療を多くこなしているためベター。

それ以外の一般皮膚科や、症状が陰部に出ている時は泌尿器科でも良い。


昔は外見の症状で判断していたが、現在は血液検査を行う。

ただしAIDS同様感染直後検査に引っかかりにくい「ウインドウピリオド」があるため注意。


治療編集

治療にはペニシリン系、セフェム系の抗生物質を使う。

早期でも半月ほど、2期になると2ヶ月ほどの治療期間がかかる。


抗生物質を使う以上、適当な使い方をしていると耐性ができてしまうため医師の指示に従い飲み忘れないようにすること。症状が消えても自己判断で服薬をやめるのは厳禁である。

当然完治まで風俗遊びなどもってのほかである。


予防編集

多くの性感染症同様、コンドームの着用が基本。

ディープキスなどでも感染するため、「野放図な遊びをしない」「ゴムなし接客を売りにする風俗店利用は論外」と心得るべきである。



フィクションに登場する梅毒のエピソード編集

  • 漫画『動物のお医者さん』で菱沼聖子が研究中、培養ミスで全滅させ「パリダちゃんが死んじゃったの」とべそをかいていた病原体「パリダちゃん」とはこの梅毒トレポネーマである(学名のTreponema pallidum subsp. pallidumに由来した呼び名)。
  • 漫画『JIN-仁-』の主人公・南方仁は、江戸時代後期の吉原で梅毒に苦しむ遊女のためにペニシリンを作ろうと奔走する。また、作者は遊女の実態を知ったショックから、彼女たちを救えたらと考えたのが同作を執筆する動機だったと述べている。
  • アメリカのブラックジョークアニメ『サウスパーク』では、ケニーがタミーという同年代の女の子と付き合った後にフェラチオをしてもらい、梅毒で死亡したというエピソードがある。もっとも、この話には梅毒よりも恐ろしいものが描かれているのだが…
  • 漫画『鬼滅の刃』作中に登場するの兄妹妓夫太郎堕姫は遊郭の最底辺で梅毒に感染した母親から産まれたという設定。妓夫太郎が先天梅毒の症状と思しき容姿をしており、妹の堕姫の本来の名前「」の由来が病名からという壮絶な過去を持っている。
  • コウノドリ』では「風俗嬢の産婦から生まれた赤ん坊が先天性梅毒に罹患していた」「夫の風俗遊びのせいで梅毒を移された妊婦」が登場する。
  • 小説『薬屋のひとりごと』では主人公・猫猫の母親とされる妓女「鳳仙」の現在の外見の描写に「鼻の欠けた」などの記述があり梅毒に侵されていることが示されている。
  • 漫画『ONEPIECE』作中に登場する青玉鱗という架空の病が、その感染経緯(ある作中人物天竜人に連れ去られ妊娠、その前後に発症)や病状(全身の皮膚が青い鱗のように徐々に硬化する、感染者の娘も発症)などから梅毒がモデルとなっているのではないかと読者間で推察されている。

関連タグ編集

病気 感染症 性行為感染症 / 性病 / 花柳病

遊郭 遊女


外部リンク編集

Wikipedia

Internet museum 江戸人展

バッタもん日記 ドキッ! 男だらけの江戸しぐさ! (鼻)ポロリもあるよ!

東京都感染情報センター

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