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妓夫太郎

ぎゅうたろう

漫画「鬼滅の刃」の登場人物。 十二鬼月の一人。
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概要

 鬼舞辻無惨配下の精鋭、十二鬼月の一人。鎌鬼。
 妹の堕姫と二人で一人として、「上弦の陸」の数字を与えられている。
 ボサボサの髪、猫背でガリガリに痩せ細った体、陰気な顔には血の染みのような痣がある醜い容貌。
 『奪われる前に奪い、取り立てる』ことを信条としており、人にされて嫌だったこと、苦しかったことを人にやって返して取り立てるという歪んだ考えを持つ。

 彼の名前の「妓夫」とは遊郭にて主に客の呼び込みや集金をしていた下働きの者達の役職である。
 人間だった頃の彼は親からも厄介者扱いされ、名前すらも与えられず、彼が「妓夫」の仕事をするようになって、ようやくその役職が名前となるという有様。
 地獄のような日々を過ごした彼は、全ての幸せそうな人間を妬み、憎み、暴力で取り立てることで生き延びてきた。その性質は鬼となった今でも変わらず、特に最愛の妹である堕姫を泣かせる者は決して許さない。
 性格は陰険で嫉妬深く、残忍。

 「~なあ」「~なああ」とすごむような口調が口癖で、感情が高ぶると身体をかきむしる癖がある。
 普段は妹と融合して、その中で眠っており、首を容易く斬られるなど、彼女が手に負えなくなった場合に姿を現わす。
 実力は妹とは比べ物にならないほどに高く、今までで、柱を十五人葬ってきている。

 単純な戦闘能力の高さのみならず、頭の回転の速さや戦術眼にも秀でており、作中では、乱戦の中で的確に妹を援護したり、天元の放った火薬玉の迎撃に気づいて、瞬時に攻撃の手を止める、妹から得た情報を的確に処理し、その場に応じた判断を下すということをしている。
 また、能力も多岐にわたり、上述の妹との融合の他に、自身の片目を妹の額に移動させることで彼女を操る、妹と同時に頸を切られないと(厳密には、二人の内、片方の頸が日輪刀で切られたことで離れている間に、もう片方の頸を切る)消滅しない、と上弦の鬼に恥じない厄介なものを備えている。


能力

血鬼術『血鎌』
 自身の血を鎌に変えて戦う。妓夫太郎の戦法の基本となる血鬼術。
 この鎌には猛毒があり、通常の鬼狩りであれば、致命傷でなくとも掠れば確実に死に至る。
 毒物全般に強い耐性のある、元忍びの宇髄天元でさえも即死を免れる程度で、毒が回るにつれ、刻一刻と弱っていった。
 なお、後述の血鬼術すべてにこの毒の効果が付与されている。

血鬼術『飛び血鎌』
 薄い刃のような血の斬撃を飛ばす技。
 妓夫太郎の意のままに軌道が変わり、何かに当たって弾けるまで敵を追いかけ続ける。

血鬼術『跋扈跳梁』
 血の斬撃で天蓋を作る防御技。
 出だしが早く、全方位への防御、至近距離の迎撃にも使える。

血鬼術『円斬旋回・飛び血鎌』
 飛び血鎌をらせん状、直線の軌道で放つ技。
 腕の振り、予備動作もなしに、その場で広範囲の斬撃を繰り出せる。
 最大出力ともなると、辺り一帯を更地にするほどの破壊力を誇る。


彼の過去と心残り。


 概要の項でも述べてある通り、彼の過去は凄絶の一言に尽きる。
 劣悪な遊郭の環境の中で生まれた彼は、生まれた時から醜い姿をしており、それ故に親を含めて周囲の人間からは酷い扱いの元で暮らして生きた。
 日常の食事はそこらで捕まえた虫やネズミを食べて生き、何処かの客が忘れていって鎌を玩具代わりに使う毎日。

 そんな中で、彼の生活を変えたのは妹の梅だった。
 
 梅という名前は死んだ母親の病名から付けられたもので、その事を妓夫太郎は酷いものだと愚痴ったが、それでも、年端もいかない頃からその美貌で周囲の人間をたじろがせるほどの彼女の存在は、その醜さから忌み嫌われていた彼にとって救いとなった。
 その頃には、自分の剣の才能に気付いた彼は、幼いころから使っていた鎌を利用して遊郭の取り立てを始め、今までの悪いことが全ていい方向に転がるような気分になっていた。

 そんな幸福な時間は唐突に終わりを告げる。

 いきさつは不明ながら、梅は或る日、侍の目玉を簪でつついて失明させてしまう。
 そして梅は、縛り上げられた後に生きながら焼き殺されるという凄惨な方法で報復される。

 妓夫太郎がその場に駆け付けた時には、未だに梅の息はあったものの、全身を丸焦げにされて息をするのがやっとの有様の変わり果てた妹の姿に、思わず彼は絶叫する。

「わあああああああ!!やめろやめろやめろ!俺から取り立てるな!」

「何も与えなかったくせに取り立てるのか!許さねえ!許さねえ!」

「元に戻せ俺の妹を!でなけりゃ神も仏も皆殺してやる!」


 そう言って全身が黒焦げになった梅の身体を抱きしめながら絶叫する彼の背後から、梅に目を潰された侍が襲い掛かり、遊郭の女将と共に彼を殺そうとする。

 侍と共謀して自分を殺そうとする遊郭の女将と妹に手を掛けた侍の姿を見て、心の何かが切れた彼は、そのまま愛用の鎌を手にして、嫉妬と怒りを剥き出しにてその侍と女将を手に懸ける。

 結局、人間であった頃の彼を助けてくれる『人間』など、何処にもいなかったのだ。

 そうして、瀕死の梅を連れて、冬の街の中を当てども無く歩き回っていた妓夫太郎の前に現れたのは、当時から既に上弦の鬼として活動していた童磨であった。
 命の大切さを説きながら遊女を喰っていた彼は、死にかけた梅の姿とボロボロの妓夫太郎に鬼になる様に誘いをかけるが、その誘いに乗るままに、妓夫太郎は鬼となる。

 今際の際においても尚、彼は自分の人生において鬼になったことに後悔は無かった。

 奪われるだけで与えられることの無かった自分が、幸せそうな他人から奪い、取り立てることのできる鬼という存在に成れた事は、生まれ変わっても鬼になる事を決意させるほどの人生だった。


 そんな彼が、鬼となっても捨てきれなかった唯一の心残り。



 それは、妹の梅だった

 

 奪われる前に奪え、取り立てろ。そんな教えで梅を育てたために梅は、侍に焼き殺され、自分と同じ鬼になってしまった。

 自分が育てた所為でそうなってしまったが、素直で染まりやすい性格をした梅ならば、もしかしたら真っ当な花魁や上品な娘になれた、違う人生があったかもしれない。

 その思いだけが、彼に残る唯一の心残りだった。

 そんな中、かつての姿を取り戻した梅と共に黄泉路に渡った妓夫太郎は、一人で梅とは兄妹の縁を切り、一人で暗い場所に向かおうとするが、そんな兄の背中にしがみつき泣きじゃくりながら訴える。

「離れない!絶対離れないから」

「ずっと一緒にいるんだから!」

「何回生まれ変わっても私はお兄ちゃんの妹になる絶対に!」

 そう泣き喚く梅の姿に、かつて人間だったころに妹と一緒に過ごしたことを思いだした妓夫太郎は、背中にしがみついた妹を背負いながら暗い地獄の中に歩いて行った。

余談


 その過去から主人公である炭治郎に重なる部分も多く、炭治郎自身、妓夫太郎と自分を重ねていた部分もあった。
 実際、竈門兄妹と上弦の陸の二組の兄妹には、境遇や人生における転換期などに共通点も多く、大きな対比となっている存在である。

関連タグ

鬼滅の刃 十二鬼月 堕姫

魔王サイコ&戦士サイコラーガルファ&ゼロ…同様に「対になる二体を同時に斃されない限り斃された方をもう片方が復活させる」形の不死身ギミックを持ったキャラクター達。

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