妓夫太郎
ぎゅうたろう
「取り立てるぜ俺はなぁ やられた分は必ず取り立てる」
「俺たちは二人で一つだからなあ」
2本の鎌を得物とすることから、相対したかまぼこ隊からは「鎌鬼」または「蟷螂」と呼ばれる。基本の事柄は妹の堕姫に任せており、彼女が手に負えなくなった事態が発生した場合にのみその姿を現す。
それゆえに、作中でも堕姫の敗北後に堕姫の身体から出てくる形で初登場した。
彼こそが実力的には"真の上弦の陸"であり、「下弦の鬼」はおろか妹さえも比べ物にならない強さを誇り、113年もの間その地位に存在し続け、それまでに22人の柱を(内15人を自身が、7人を堕姫への援護で)倒し喰らってきた実力者。
『奪われる前に奪い、取り立て、人にされて嫌だった事、苦しかった事は人にやって返す』を生き甲斐とする、非常に陰険な性格。
劣悪な底辺環境で育ってきた(下記参照)だけにとにかく嫉妬深く、少しでも自分たちより幸せそうな相手に一切の例外なく激しい憎悪を向ける。そして自分と妹を傷つける者は誰であろうと許さず報復する、どこまでもひねくれた信念の持ち主。
それは他者の諭しに対してもそうで、下記のように真っ向から反論している。
「違うなあそれは 人にされて嫌だったこと苦しかったことを人にやって返して取り立てる」
「自分が不幸だった分は幸せな奴から取立てねぇと取り返せねえ」
「それが俺たちの生き方だからなあ 言いがかりをつけてくる奴は皆殺してきたんだよなあ」
(これらの台詞は堕姫の体を通してしゃべっており、アニメ版では兄妹が同時に喋る形で演出されている)
語尾に「~なあ」「~なああ」とすごむようにかつ間延びした口調で話し、気が高ぶると出血するのもおかまいなしで身体をかきむしる。
再生力を交えて尚体を傷付ける姿は、さながら“鬼”気迫る憎悪そのものである。
一方で、そうした性の悪さに反したある意味実直とも言える一面も持っており、宇随の人物像に関して妬み混じりながらも的確かつ賛美しているともとれる評をしたり、炭治郎の力及ばなさに対して「鬼の妹よりも弱いのは当然だから仕方ない」とフォローするような発言をするなど、意外にも無根拠な中傷を積極的に行うような様子はあまり見られない。
また、彼は劇中では猗窩座と並んで人間との対話が多い鬼でもあり、上述の善逸の諭しに対してもわざわざ妹の体を借りてまで律儀に反論するなど、その様子はともすれば人間との会話を楽しんでいるようにさえ見える。
しかし、これは戦う上での相手の出方をうかがい、観察的な駆け引きの側面も強い。人間時代に舐めさせられた辛酸と苦汁で培われた価値観と喧嘩の強さから、非常に用心深い性格だと見られる。天元との会話も敵を正しく知る為の物で、実際、天元の言動から「自分達の弱点を見抜いている」事をしっかり把握している。
そういう点では、非常に頭の良い鬼である。
兄妹仲
後述する悲惨な生い立ちからひどく歪んでしまってはいるが、妹に対する「愛」だけは紛れもなく本物。
彼女をいじめ泣かせる者は決して許さず、またその美貌を何よりの誇りにしている。
また堕姫も(その性分に反して)兄を強く慕って頼りにしており、互いの兄妹愛は非常に深い。
遊郭の劣悪な底辺の環境で「唯一の肉親」として互いに身を寄せあって生きてきたのだから、情が深くなるのも当然であろう。
無惨からの評価
「お気に入り。境遇と貪欲な性格を高く評価」
無惨は配下の鬼を基本的に信用していないので、贔屓されずとも肩入れされているという破格の値踏みである。
一方の妹・堕姫は「頭の悪い子供」であり、その評価はほぼ正反対。
彼も「おめぇは本当に頭が足りねぇなあ」と、堕姫は頭が悪いという認識をしている。
(ただそれは「素直で染まりやすい」=純粋な性格故に、お兄ちゃん子&彼に頼りきりになったのも一因ではある)
しかし無惨は彼の兄妹愛に不快感を示し、遊郭編の後に「堕姫が足手纏いで、妓夫太郎は負けると思っていた」「始めから妓夫太郎が戦っていれば」「くだらぬ 人間の部分を多く残していた者から負けていく」などの厳しい評価と感想を述べている。
(事実上位の面々は“人間らしさ”を捨てた連中であり、無惨自身も昆虫に近いと評されるほど人間味のない怪物である)
尤もそれは、妓夫太郎と堕姫はまだ“人間らしかった”ということの証左である。
末位である陸の座に属するとはいえ、上弦に位列されるに相応しい、災厄の如き強さを誇る。
柱とかまぼこ隊を一挙に相手にしても余裕をもって斬り結ぶ脅威の技術や速度だけでなく、生来のものか恐ろしいほど頭の回転が速く、勘も良い上戦術眼にも秀でている等、知能、実力、厄介さといったあらゆる点でこれまでの鬼とは一線を画す。
それに自身の血鬼術を組み合わせることで初見殺しのオンパレードを確立させる程に、対人戦における殺傷力を持っている。
また血鬼術だけでなく、「妹と二人で一つである」事を生かした堕姫との連携こそ最大の武器。乱戦の中でも妹から得た情報を的確に処理したり自分と妹の戦いを並行して行うなど、常に並外れた情報処理能力の持ち主。
(この時自身の片目を妹の額に移動させて操る事もでき、信頼する兄の援護あってようやく彼女も本来の力を発揮することができる)。
そしてこの融合に加え、兄妹双方の頚を斬らないと倒せないという非常に厄介な特性を獲得している。
片方の頚しか斬り落とせていない場合、斬られた頚を繋げれば再生出来てしまうため、復活してしまう。したがって、それをさせる前にもう片方の頸も斬り落とす必要がある。
まさに「二人で一つの鬼」にふさわしい、厄介極まる能力である。
これらを総合するに、人の身で、かつ初見で彼らに勝つなど不可能に近い。
宇髄天元が彼らの討伐に成功した要因は、事前調査、情報収集を入念に行い、不測の事態が起きても冷静に対処できた事や、複数の人間達で対処した事が大きい。
血鬼術 『血鎌』
自身の血を二振りの鎌に変化させて戦う、妓夫太郎の基本戦術。
その刃には並の隊士では即死、毒物全般に強い耐性を持つ宇髄天元でさえも刻一刻と弱っていく程に致死性が強い猛毒が付与されている。
この毒は彼の使う血鬼術の全てに含まれている為、防御や回避に専念しなければ間違いなく毒で体を蝕まれる。
- 飛び血鎌(とびちがま)
「血鎌」から薄い刃のような血の斬撃を飛ばす技。
妓夫太郎の意のままに軌道が変わり、何かに当たって弾けるまで敵を追い続ける。
伊之助は肌感覚により「掠っただけで即死」と察しており、毒性は血鎌よりもずっと濃い。
なお技名を律義に言う事なく放つ事も可能で、天元との戦闘では息もつかせない剣戟の最中に放ち、血の斬撃と血鎌の挟撃を展開した。
- 跋弧跳梁(ばっこちょうりょう)
血の斬撃で天蓋を作る防御技。
発動時間が早く、全方位への防御だけでなく至近距離の迎撃にも使える攻防一体の技。
(元ネタは四文字熟語の「跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)」。鬼の力を好き勝手に振るう兄妹にお似合いの由来と言える)
- 円斬旋回・飛び血鎌(えんざんせんかい・とびちがま)
飛び血鎌を螺旋状、直線の軌道で放つ大技。
腕の振りや予備動作等もなく、その場で広範囲の斬撃を繰り出せる。
最大出力ともなると、辺り一帯を更地にする程の破壊力を誇る(事実、この技により吉原の遊郭は崩壊した)。
登場
天元に頸を斬られた上に「上弦の鬼じゃない」と侮られた堕姫の泣き叫ぶ声に応え、その姿を現す。
現れるなり堕姫をあやしてやりながら一瞬で天元の背後に回り、天元を観察しながら妬み言を並べ始める。
そこから天元がいる遊女屋の二階に逃げ遅れた遊女と客を急襲、そのまま戦闘に突入する。
天元は爆薬丸を使って床を吹き飛ばしつつ客と遊女を逃がすも、飛び血鎌による執拗な攻めと血鎌の毒によって徐々に体力を奪われていく。
決戦
鬼兄妹の倒し方を天元が看破したことで、本格的な頸取り合戦の幕が上がる。
毒で疲弊する天元と、堕姫との戦いによる消耗が激しい炭治郎を相手に圧倒する。堕姫もまた妓夫太郎から左眼を借り力を上げて善逸と伊之助を翻弄する。
飛び血鎌と帯の連携が戦場を縦横無尽に飛び交う中、
雛鶴の忍具による無数の対鬼用の毒苦無による弾幕を展開。妓夫太郎の動きが鈍った隙に天元と炭治郎の連携が頸を狙う。
それを解毒と脚再生で対応、「円斬旋回・飛び血鎌」によって弾き飛ばす。その後雛鶴に狙いを定め、顔を鷲掴みにして迫るも炭治郎に防がれ、隙を逃さず食らいついた天元との激闘の後、屋根から飛び降りて一対一の戦いへと移行。
そんな中でもかまぼこ隊の堕姫狙いを見逃さず、頸を取って離脱しようとした伊之助を背後から心臓へ鎌を一突き、さらに血鬼術で周囲一帯を吹き飛ばす。
鬼殺隊壊滅
天元の左腕を斬り瀕死に追い込み、胸を刺された伊之助は虫の息、善逸も倒壊した家屋の下敷きと、鬼殺隊を壊滅寸前へと追いやる。
気絶から目を覚ましたばかりの炭治郎の指を折り、嘲笑と罵倒を浴びせる。
その場から逃げ出した炭治郎を袋小路に追い込み、無様と笑いながら鬼に誘う。
だがその身を寄せた隙を狙われ渾身の頭突きを食らい、尻もちをついて立てなくなる。
自身に起きた異変に「頭突きと同時に毒苦無を足に刺されていた」ことを悟る。
すかさず頸を狙われるも、自身の硬度と血の刃で日輪刀を押し戻す。
決着
兄の異変に気付いた堕姫が救援に入ろうとした瞬間、瓦礫の下にいた善逸が復活して雷の呼吸壱ノ型「霹靂一閃・神速」で堕姫の予測をはるかに超える速度で頸を狙いに行く。
一方の妓夫太郎も炭治郎を始末しようと本気で襲い掛かるが、死んだふりで体力を回復させた天元に妨害される。そこから「天元の戦術思考<譜面>」によって、攻撃の律動を完全に読まれて五分の勝負に持ち込まれてしまう。
どちらも死力を尽くした勝負の中、あと一搾りの力の足りない善逸の下へ、心臓の位置をずらすという離れ業で一命を取り留めた伊之助が加勢、再び堕姫の頸を斬られてしまう。
そして妓夫太郎も炭治郎と天元との激しい激突の末、炭治郎の全身全霊を超える力によってついにその頸を刎ね落とされる。
だがその時既に「円斬旋回~」を放つ寸前であり、血鎌の毒で瀕死の炭治郎と天元の真横で、その肉体から周囲一帯を吹き飛ばすほどの血鎌が暴発する。
そして偶然近くに転がっていった二つの頸は、互いを激しく罵り合いはじめた──。
堕姫「アンタみたいに醜い奴がアタシの兄妹なわけないわ!!!」
妓夫太郎「お前さえいなけりゃ俺の人生はもっと違ってた」「何で俺がお前の尻拭いばっかりしなきゃならねえんだ!!!」「お前なんか生まれてこなけりゃ良かっ…」
そこに炭治郎が現れ二人に語りかける。
「嘘だよ。」
「本当はそんなこと思ってないよ。全部嘘だよ。」
「仲良くしよう この世でたった二人の兄妹なんだから」
「君たちのしたことは誰も許してくれない」
「殺してきた沢山の人に恨まれ 憎まれて罵倒される」
「味方してくれる人なんていない」
「だからせめて二人だけは お互いを罵り合ったら駄目だ」
炭治郎に心にもない罵倒をしている事を察され諭される中、消えゆく妹の姿を見た妓夫太郎は、忘れていた妹の名前と過去を思い出す。
「梅!!!」
容姿は、鬼やキメツ学園の妓夫太郎を幼くしたような風貌の少年。
鬼としての妓夫太郎との違いは、髪と目の色。
アニメでは、人間時代は黒髪で青い瞳は妹の梅とお揃いだった。
本編から100年以上前に吉原の最下層たる羅生門河岸で生まれた彼は、食い扶持を減らすために生まれる前から親に殺されかけ、そして生まれてからも何度も殺されそうになった。
梅毒の症状が顕著に表れたのもあり、生まれた当時から醜い姿をしており、美貌が重要な遊郭では親を含めて周囲の人間から蔑まれ、酷い扱いの元で暮らしてきた。
妓夫太郎は風呂はおろか行水すらできないのか、いつもフケと垢まみれで、腹が減ればそこらで虫やネズミを捕らえて食べるという、最早人間以下の暮らし。
当然遊び道具なども与えられないので、どこかの客が忘れていった鎌で遊んでいた。
そんな中で、彼の生活を変えたのは妹・梅(うめ)が生まれたことだった。
「梅(うめ)」という名前は死んだ母親の病名から付けられたもので、その事を妓夫太郎は酷いものだと愚痴った。が、それでも年端もいかない頃から周囲をたじろがせるほどの美貌を持って生まれた彼女の存在は、その醜さから忌み嫌われていた彼には自慢となっていた。
だが母親は、美少女にもかかわらず梅の髪や目の色が気味悪いからと赤子のうちから散々に扱っていた。遂には梅の髪を剃刀で切った際に、妓夫太郎が逆上し大暴れした事件をキッカケに、息子に怯えた母親は二人に近づかなくなり、親子の立場も逆転していったという。
その頃には自身の腕っ節が強い事にも気付き、幼いころから使っていた鎌を利用し妓夫として遊郭の掛け金回収の取り立ての仕事を始める事に。誰もが彼を気味悪がった為に仕事は上手く進み、今まで悪い事ばかりだった人生も何とか良い方向に向かい始めたかに見えた。
だがようやく得た平穏な時間は、唐突に終わりを告げる。それは梅が13歳のある日……。
ある日の仕事中、激昂した梅が客の武士の片目を簪で突き、失明させる事件を起こす(激怒した理由は兄の妓夫太郎を侮辱されたため)。その懲罰として梅は縛り上げられた後に生きながら火炙りにされるという凄惨な仕打ちを受けたのである。
妓夫太郎がその場に駆け付けた時、梅は辛うじて生きていたものの、全身が丸焦げになっている状態で息をするのがやっとの有様。最早死を避けられない有様に変わり果てた妹の姿に、堪らず兄は絶叫する。
「わあああああああ!!!!!やめろやめろやめろ!!!俺から取り立てるな!!!!」
「何も与えなかったくせに取り立てやがるのか!!許さねえ!!許さねえ!!!」
「元に戻せ俺の妹を!!!!でなけりゃ神も仏も皆殺してやる!!!!!」
妹を抱きしめながら絶叫する兄の背後から、梅に目を潰された侍が襲い掛かり、遊郭の女将と共に妓夫太郎を殺そうとする。実は客に対してあまりに強引すぎる掛け金回収を行う妓夫太郎を女将は陰で厄介者だと思っており、これを機に客である侍と共謀し厄介払いで兄妹を始末する気だった。
大人二人の邪な姿を見て心の何かが切れた妓夫太郎は、そのまま愛用の鎌に嫉妬と怒りを込めて反撃。その結果として彼らを手にかけることとなった。
結局、人間であった頃の彼を助けてくれる『人間』など、何処にもいなかったのだ。
瀕死の梅を連れ、雪が積もる冬の遊郭を当てども無く歩き回り、やがて妓夫太郎は侍によって負われた怪我も相まって、力尽きて倒れる。
最期まで、幼い兄妹を助けてくれる『人間』はいなかった。
そう、二人を気にする『人間』はいない……
どうしたどうした 可哀想に
俺は優しいから放っておけないぜ その娘 間もなく死ぬだろう
兄妹の前に現れたのは『鬼』。
当時"上弦の陸"として活動していた童磨であった。
命の大切さを説きながら遊女を喰っていた鬼は、死にかけている梅と妓夫太郎へ鬼となる様に誘いをかけ、そしてその誘いに乗るままに、兄妹は鬼となって生き延びた。
彼が「他人から取り立てる」事にこだわるのは、彼の名前―「妓夫」とも関係している。
(妓夫とは遊郭にて客の呼び込みや勘定徴収、またそれに伴う掛け金の回収などを担当していた下働きの者達の役職名)
彼も遊郭に住む妓夫の一人であったが、親からも厄介者扱いされて名前すら与えられず、仕事における便宜上の役職がそのまま彼自身の「名前」となった経緯がある(たとえるなら「事務」とか「清掃」、「営業」といったものがそのままその人の本名になっているようなもの)。
(ちなみに「妓夫」はただの短縮形なので、「妓夫・太郎」ではなく「妓夫太郎」でワンセット)
彼の取り立て率は百二十%という、驚異で苛烈かつ必要以上に取り立て率であった(公式ファンブック)。
今際の際においても、妓夫太郎は自分の人生において鬼となったことへ悔いは無かった。
彼は人の素晴らしさなど一欠片すら見た事がなかったし、そもそもゴミとして扱われ続けた彼が人だった事など産まれてこの方一度としてなかったのだから。
奪われるだけで与えられることの無かった自分が、幸せそうな他人から奪い、取り立てることのできる鬼という存在に成れた。
彼は生まれた時から人に助けられたことなど一度もなかった、全てが彼等から搾取し、結局唯一助けてくれたのは人喰いの鬼のみ、それは何度生まれ変わろうとも鬼になる事を決意させるほどの凄惨な人生であった。
だが妓夫太郎は、鬼となっても捨てきれなかった唯一の心残りがあった。
それは、妹・梅(うめ)の事だった。
「奪われる前に奪え、取り立てろ」
そんな教えで育てたために、梅は客としてやって来た侍を簪で刺し、それにより復讐として焼かれ、自分と同じ鬼になってしまった。
自分が育てた故にそうなってしまったが、素直で染まりやすい性格をした梅ならば、もっといい店にいたなら真っ当な花魁に、普通の親元に生まれていたなら普通の娘に、良家に生まれていたなら上品な娘に、そしてあの時の客の侍に従順にしていればもっと違う道があったのかもしれない。
その思いだけが、彼に残る唯一にして最大の心残りだった。
妹共々死後、黄泉路で再会する二人。そこで妹・梅を突き放すが―
妹を一人明るい方に行かせて地獄に落ちようとする自分の背に、妹がしがみつき、
「離れない!!絶対離れないから!!」
「ずっと一緒にいるんだから!!」
「何回生まれ変わってもアタシはお兄ちゃんの妹になる 絶対に!!!」
わぁぁあん ずっと一緒にいるんだもん ひどいひどい 約束したの覚えてないの!!!?
泣きじゃくった妹を背負ったまま共に暗い地獄の中に進んでいく。
その姿は、どことなく彼らを倒した兄妹の在りし日の姿に似ていた。
第二回人気投票
妓夫太郎は「42位(158票)」にランクインしている。
妓夫太郎、堕姫の重厚なキャラクター性、猗窩座と同様の上弦としての圧倒的な存在感とインパクト、そして単身では歴代最高とまで謳われる柱ですら対抗できない圧倒的な強さ、ただどちらかの頚を斬るだけでは終わらない理不尽さ、鬼になるまでに妹共々辿った目を覆いたくなるような凄惨極まりない生い立ち等が挙げられ、妹共々高い人気を誇っている(ちなみに妹と合計で300票ほど獲得している)
アニメにおいて
本格的に登場する前からOP映像に一瞬ではあるがシルエットとして登場しており、遊郭編の大ボスが堕姫だけではないことが早い段階から示唆されていた。
またキャストについては初登場回が放送されるまで様々な面で完全に伏せられ、原作ファンの間では大きな注目を集めていた。
逢坂氏は上弦の鬼を演じるキャスト陣では最年少である。
そして放送されるや否や、彼の独特の話し方やイントネーションを見事に表現した怪演と共にエンドクレジットで名前を確認するまで誰が演じているのかわからなかったという視聴者も多く、翌朝まで検索ワードやツイッターのトレンドに関連ワードが多く上がった。
(妓夫太郎役は大規模なオーディションを敢行しており、花江氏はラジオで「遊郭編を見終わったら妓夫太郎の真似をするんじゃないか?」と逢坂の演技に圧倒されていた)
また映画化もしているということもあって、ファンの中には「無限列車編よりは戦闘シーンの作画クオリティが落ちるのでは」と危惧する声もあったようだが、むしろ劇場版を超えてきたとまで言われるほどの戦闘シーンとなり称賛を浴びた。
テレビであっても手を抜かないあたり流石ufotableである。
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