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黒死牟

こくしぼう

黒死牟とは、漫画『鬼滅の刃』に登場するキャラクターである。
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「私の…言いたいことは…わかったか…」

概要

「私は…ここにいる…… 無惨様が…御見えだ…」

黒死牟


鬼舞辻無惨配下の精鋭・十二鬼月、その中の頂点たる“上弦の壱”───真に最強のである。
数百年を経ても尚不敗を誇る、同族殺しの剣士。

長い黒髪を後ろで縛り、六つ眼を持った異貌の鬼。
さらに額や首元から頰にかけて揺らめく炎のような黒い痣がある。

初登場したのは遊郭編で、十二鬼月の一角である妓夫太郎堕姫の兄妹が倒された直後の他の上弦らが無惨に呼ばれ無限城に集められた際にその姿を現す。
十二鬼月の序列を厳格に重んじており、猗窩座が自分を煽る童磨へ一撃を入れた際にはその左腕を斬り飛ばし、彼を諫めた。
次に登場したのは無限城での決戦編にて新たに上弦の陸となった獪岳が自身が鬼になった際の回想シーンで、自分と出会った時に土下座して命乞いをする彼に無惨の血液を与えて彼を鬼へと変えている。

腰に禍々しい鞘の刀を差しており、その姿は無惨の記憶に刻まれ、炭治郎が夢に見た“耳飾りの剣士”を彷彿とさせるが……?

詳細⇒ネタバレ注意

人物

常に冷静沈着かつ理知的な性格で、それに加えて無惨への忠誠心も厚く、配下をほとんど信用しないはずの無惨からも“相棒”のように扱われるほど信頼されている。

黒死牟



会話の節々に「…」を入れる独特の話し方は重々しいものの、口数自体はそこそこに多く必要な言葉は口にし、感情の起伏もそれなりに表す。
しかしながら余計な感情に振り回されることもほとんどなく、時に仲間内で諍いを起こす上弦の中においてはむしろそれを武力で持って収める組織のまとめ役としても強い存在感を示している。

この規律や序列を重んじる理性は黒死牟が戦国時代に武家の長男として生まれた事に端を発している――それは同時に室町安土桃山江戸、そして明治を経て大正に至る三百年以上“最強”の座に君臨していた事を意味する。

戦国時代を生きた武人ゆえ、敵である鬼殺隊のに対してもその実力や研鑽を素直に認めて賞賛する姿勢を示し、いつか己を殺す=超えると公言している猗窩座へはその成長に期待をするような態度も見せていた。

こと戦闘においても柱たちが繰り出す攻撃を冷静に分析し、血鬼術や再生能力にかまけた油断もせずに積み重ねた剣術や体術を持って、放たれた技に対応する剣士としての形質が強く表れている。

本質

表面こそ人食い鬼らしからぬ程に冷静沈着な黒死牟だが、その内面は人間の頃から抱いていた感情が複雑に絡み、黒死牟自身でさえ自覚していない心境を形成している。

人間の頃には「最強の侍」というその時代なら誰もが抱く夢を持っていたが、あまりにも身近に天賦の素質を有するの存在があり、それほどの才を持ちながら兄を立てる彼を認められず、幼少期からその一挙手一投足に凄まじい嫌悪感を抱くほどの“嫉妬心”。
目的の為ならば妻子などの人との縁も家督などの立場、最終的には自らの矜持すらをも切り捨てられる程の“無関心”。
技量の開きから自分達の技や呼吸法を次代に継承できない状況を焦り・悲観するなか、これを「自分たちの代だけが特別なのだ」と思い上がる“慢心”。

人間の時代から抱いていたこれらの感情が鬼と化したことで変質。
柱たちへの賞賛は紛れもない本心なれど、それは「その領域(技)に至るまでの苦難への二心無き賞賛」ではなく、「共感はすれどその技が我が身に届く道理なし」という最強たるが所以の余裕----否、“傲慢”に満ち溢れたものである。
鬼、引いては上弦の壱たる自分こそが最強であると信じ、真に追い詰められた時には人の身で血鬼術を使う者肉体を両断されても刀を離さなかった者その高みを超えんとする者達への賞賛など欠片も無く、胸中に渦巻くのは弟に抱いていた嫌悪感と同質の物のみである。

総じて黒死牟の根幹を成すのは日輪のごとき全てを照らす弟への劣等感と憧憬にある。
その歪み淀みは下記の技や能力、己が身の変容という形で顕現している。

技・能力

その実力は対峙した無一郎が「他の上弦とは比べものにならない」とまで評するほど正に別格である。使う技のほとんどが純粋な物理攻撃であり、これまでの幾つかの鬼のような毒をはじめとした搦手は一切持たない極めて武闘派のスタイルとなっている。

黒死牟さん



全集中 月の呼吸

黒死牟さん


最強の鬼であると同時に最強の剣士である黒死牟が辿り着いた、“血鬼術”と“全集中の呼吸”という対極を合一して至った太極。
詳しくは当該項目を参照。

武器精製

自身の肉体から刀を生み出す。
この能力こそは一般の鬼が持つ肉体操作の能力の延長線上にあるものといえるが、これにより、武器の破壊による剣士として戦闘不能に陥る状態を実質的に封じている。
以下、黒死牟が作中で精製した武器。

黒死牟


通常は日本刀(及びそれを収めた鞘)の形をしている。
その刀身には、血走った血管の様な模様と共に瞳が無数に付いており、刀身の色自体は黒い色をしている。
日輪刀の材料になった鉄には弱いが、幾らでも再生できるという特徴を持ち、更には刀身には三日月形の刃を形成する能力を持つ。

  • 祭具状の刀

'The Upper Moon One'


強さを認めた剣士の前では日本古来の祭具にも似た大降りの剣となる。
謂わば、“祭具”を見せてからが真の地獄である。

攻撃範囲拡張

斬撃を衝撃波として飛ばすほか、剣の軌跡に付随する自立した三日月状の細かな斬撃を発生させる。
人間であった頃から比類なき剣士であった彼が、この二つの力を自身の剣術と融合させた結果、上記の戦技へと至らせた。

透き通る世界

相手の状態を見通すことで、相手の初動を潰し一方的に攻め立てる先の先を現実のものとする。
を発現させた上で更に身体能力を高めないと得られない視界であり、限られた者しか使用できない。(作中で黒死牟の他に発現させたのは生まれつきその視界を持つ継国縁壱の他、竈門炭十郎竈門炭治郎悲鳴嶼行冥時透無一郎ら数名のみ)

最終決戦

対柱戦

猗窩座が倒された直後、鳴女によって空間移動させられた時透無一郎と邂逅。
彼が上弦の伍・玉壺を一人で仕留めた際の痣を発現させた全力の状態で挑んだにも関わらず、瞬く間に片腕を切り落とし、無一郎を自分の子孫だと見抜いた上で今度は彼を鬼にしようと城の柱に刀ごと磔にしてしまった。

更に不死川玄弥による銃撃を高速移動でかわしながら左腕を切り落とし、返す刀で右腕を、そして一瞥する間に胴を両断し戦闘不能に追い込んだ。
そして「鬼擬きを生かしておく理由は無い」と首を切断しようとした瞬間、玄弥の兄・実弥によりそれを阻止される。

その実弥との戦いでもまるで彼を寄せ付けず、あと一歩まで追い詰めるが、今度は悲鳴嶼行冥が現れ、悲鳴嶼に対して呼吸の痣の実態について話すも彼からは既に承知及び覚悟の上と一笑に付され、悲鳴嶼と実弥との戦いに突入。柱二人を相手にしてもむしろ逆に圧し込むほどの戦闘能力を見せつけるが、二人も黒死牟の攻撃を即座に読んで対抗し、一進一退の激戦を繰り広げる。

当初こそ過去の記憶と照らし合わせて戦いを楽しむ余裕を見せていたものの、深手を負いながらも気力で喰らいつく実弥、戦いの中で“透き通る世界”を開眼するほどの成長を見せた悲鳴嶼の前に次第にその差を詰められていき、そして無力化したと思っていた無一郎と玄弥の決死の攻撃を受けて動きを止められたことでその均衡は崩壊する。

予想外の苦境の中で想起したのは今から数百年前、人を捨てて鬼になってから60年近く経ったある夜に果たした、とうの昔に痣の後遺症で死んだと思っていた弟とのまさかの再会。その弟の齢80以上の老いさらばえた身体から想像もつかないの凄まじい動きで為す術もなく追い詰められながらも、弟は自身を仕留める前に寿命で事切れており、結果的に自分は最後の最後まで弟に実力で勝つことは出来なかったという苦い記憶。

憤怒で猛り狂う意識の果てに、全身から刃と斬撃を突き出すというこれまでの剣士としての矜持を捨てるかのような雑派な反撃で玄弥、無一郎の身体を切り裂くも、それをも躱した悲鳴嶼達によって遂にその頚を刎ね落とされる。

黒死牟刀鬼顕現(こくしぼうとうきけんげん)



最期

それでもなお凄まじい執念で頚を再生させ、さらに身体も大きな変化を見せる。
人間達の手によって追い詰められた黒死牟が、どこまでも独り越えに超えて成った理想。
誰よりも黒死牟自身が想い焦がれて止まず、遂に顕現させた誰をも寄せ付けない真の“最強”。
全身に纏った黒刃から無数の月輪を全周囲に放ち、如何なる存在をも歯牙にかけずして蹂躙する……其の光景を、少なくとも彼は信じて疑わなかった。

しかし、実弥の刀に写ったのは――…

これは侍ですか?



何だこの醜い姿は……。

異形の「侍」ではなく、醜い「化け物」の姿と成り果てた自分の姿。

侍の姿か? これが…。
これが本当に俺の望みだったのか?

2019.10.04-29



頚を落とされ、体を刻まれ、潰され、負けを認めぬ醜さ。
生き恥。

「兄上の夢はこの国で一番強い侍になることですか?」
「俺も兄上のようになりたいです」
「俺は この国で二番目に強い侍になります」

とどめを刺さんと攻撃の手を緩めぬ悲鳴嶼と実弥の猛攻で身体を粉砕されてゆく中で、

こんなことの為に私は何百年も生きてきたのか?
負けたくなかったのか? 醜い化け物になっても
死にたくなかったのか? こんな惨めな化け物に成り下がってまで

違う 私はただ
縁壱
お前になりたかったのだ

太陽の如き 君に



そして消えた。
不敗でも不死にでもなく、"日輪"になりたかったことを思い出しながら。

自らの敗北を認めたことで黒死牟は塵と還った。
残されたのは僅かな衣服と、かつて縁壱に渡した音の鳴らない笛だけが転がるのみ。

余談

無惨との関係

無惨からはビジネスパートナーと見られている。あの無惨が対等に近い存在として見ていることに衝撃を覚えた人も多い。無惨は呼吸の剣士に興味を持ち、痣により寿命がわずかとなったに「鬼になればいい」と声をかけた。縁壱の圧倒的強さによりトラウマを刻み付けられた無惨はその後引きこもり、"日の呼吸"の剣士を根絶やしにする命を黒死牟に下している。縁壱に強い劣等感を持っていた黒死牟は同士とも言える存在であり、そこからビジネスパートナーという言葉が出たと考えられる。
ただ、そんな黒死牟のほうは現状、無惨に対しては「あの御方」と呼ぶ、無惨の血液を「一滴たりとも零すことまかりならぬ尊き血」と語るなど、敬意を通り越して尊崇に近いほどの敬い方で接しており、明確に無惨を主、己を配下とする形を崩さず仕えている。
上記の通り「鬼舞辻無惨を滅ぼすための存在」である鬼狩りの剣士、それも無惨を特に追い詰めたとされる鬼殺隊の祖たる呼吸使いの剣士たちの一員であったはずの彼が、そこまで無惨に仕えているのは寿命、弟への強すぎる憧憬など、しがらみや感情全てから解放してくれたという感謝の念があるからと思われる。

他の鬼との関係

無惨を頂点とし彼に仕える十二鬼月の「上弦の壱」として、無惨に招集された他の上弦の鬼たちが無惨に対して失礼に当たるであろう振る舞いや諍いを起こした際には激昂こそしないが、寡黙かつ威圧的なその佇まいと制裁で彼らを窘めている(黒死牟に言わせると、これも無惨を頂点とする集団の序列のけじめをつけるため、とのこと)。他者の素行や趣味嗜好には特に何も言わず童磨のように積極的に絡んだりもしない。

鬼殺隊士であった獪岳と相対したときには、必死に命乞いをする彼を何故か殺さずに無惨の血を分け与えた。その後の関係は不明だが獪岳を鬼にしたのは、何か思うところがあったと推察される。
また十二鬼月の中でも元から武人肌で貪欲に強さを求め続け「参」まで昇ってきた猗窩座には同じ武人としてそれなりに期待もしていたようで、「俺は必ずお前を殺す」と宣言してきた猗窩座に対しても、反感や不快の意を向けるでもなく淡々と「そうか… 励む…ことだ…」と応じ、無限城決戦で彼が義勇&炭治郎組に敗死した事を知った際は「私に… 勝つのでは… なかったか…」と落胆の言葉を零していた。

縁壱との関係

内心では「頼むから死んでくれ」とまで思っていた反面、縁壱が最期の時まで自身がかつて与えた笛を持っていた事を知り涙を流すなど、縁壱に対し抱いた感情は憎しみや妬みだけでは決してなかった事が伺える。縁壱の実力を知る前は彼のことを憐れんでおり、笛を作ってあげたりと思いやりのある子供だった。単行本のカバー裏イラストでは、凧糸が絡まってしまった縁壱とそれを笑顔でとってやる巌勝という子供の頃の二人の微笑ましい様子が描かれている。

名前について

上弦の鬼は鬼として使われる名前にその鬼の本質を表す文字を入れている。
役立たずの狛犬に引っかけた猗窩座しかり、子供のころから死ぬまで一切成長することの無かった童磨しかり、黒死牟もまた鬼としての特徴を名前の中に隠されている。
黒死牟は恐らく人類史上最多の死亡者数を出した疫病である黒死病と引っかけているのもあるが、牟という字には瞳という意味と同時に“貪る”、“奪う”という意味があり、更には“多い”、“大きい”という意味もある。
つまり、「多く」の「瞳」を持ち、「多く」の命を「奪い」「貪った」鬼という意味を持つ、正に上弦の壱を現した名前である。

彼が鬼になったことは当時の鬼殺隊にも確認されていたにもかかわらず、現代の鬼殺隊はそのことを知らなかった。公式にも鬼殺隊には一切記録がなく、謎の鬼と呼ばれている。
日の呼吸の詳細が伝承されていないのと同様に、彼らは災いをもたらす忌むべきものとして、鬼殺隊の記録から抹消された可能性が考えられる。

関連イラスト

黒死牟さんと月明かり(多分)
黒死牟さんまとめ【本誌】


上弦の壱
上弦の壱



関連タグ

鬼滅の刃 鬼舞辻無惨 鬼(鬼滅の刃) 十二鬼月 上弦の鬼
月の呼吸 多眼 忠臣 此方も抜かねば…無作法というもの…

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