「醜い鬼どもは俺が殲滅する」
それは、誰よりも鬼を滅する執念を持つ者
プロフィール
概要
鬼殺隊における最高位の精鋭「柱」の一人。
風の呼吸の使い手であり、「風柱」の称号を持つ。
鬼に対する“憎悪と殺意、鬼を滅する事への執念”は柱の中でも随一とされる。
その怨念の強さは公式の小説にて “怨讐だけで生かされている。たとえ自身が殺され、この身が首だけになろうとも、その生首で鬼の喉笛に食らいついてやる。”と考えている一節もあるほど。
産屋敷邸で鬼化した竈門禰豆子の処遇を巡る柱合裁判の際に初登場し、箱の外から彼女を刀で刺して傷を与え、さらに自らの腕を切りつけ血を流して挑発し、鬼の醜さを証明しようとした。だが彼女が強靭な意志でそれを拒絶したため、逆に禰豆子が人を喰わない鬼である事を証明する形となり、その場はやむを得ず引き下がった。
人物
暴風の如く鬼を屠る、好戦と殺気に溢れた隊士
悪しき鬼に対し人一倍の殺意と憎しみを向ける。
凶暴かつ狂気的な恐ろしい雰囲気を纏っており、また自他に厳しく、鬼のみならず他者を威嚇する態度が前面に出た好戦的な人物。
口調は「ェ」や「ァ」など母音を伸ばしたべらんめえに加えて不良のような荒々しい口調。また伸びた部分は多くがカタカナで表記される。
(なお目上の者や尊敬する者に対しては礼節を弁えた敬語口調となるほか、生来の口調ではないと明示されている)
普段の態度ゆえに鬼殺隊の中では一番に近く恐れられている。
暴力性の強い言動も相まって『血も涙もないと鬼殺隊内で最も多くの隊士達から怖れられている人物』らしい。
普段から鬼に対する並々ならぬ怨念と殺意は抑えきれないようで、とあるシーンでは「なんで俺は上弦と遭遇しねえのかねえ」と述べていたほど。
普段の凶暴な言動や印象とは裏腹に、本質は礼節をわきまえ空気の読める真面目な性格。協調性があり理性的かつ冷静でもあり、言い方こそ恐ろしいが主張は至極筋が通っている。規律も遵守する(違反スレスレを攻めた事件は起こしたが)。
外伝でも、柱合会議に代理参席した煉󠄁獄(当時甲隊士)を煽りながら攻撃したが、これも柱になると宣言した彼への腕試しであり、発言内容自体も挑発的だが激励だった。
また禰󠄀豆子に対しても、一悶着の後にはお館様の意向もあってか手出しはしていない。彼女が普通の鬼ではない理由(後述)も含め、理性的に受け止めている模様。
目上の人は敬っている描写もあり、悲鳴嶼をさん付けで呼び、またお館様一族には深い敬愛とともに非常に丁寧に接している。特にお館様への振る舞いは、目の当たりにした炭治郎が「知性も理性も全く無さそうだったのにすごいきちんと喋り出したぞ」と驚愕、柱就任前の煉獄杏寿郎も「暴れ馬のような彼を一声で制した」とお館様に驚いたほど。
また弟の玄弥から「誰より優しい人」と称される部分もある。主に幼少期には顕著だったようだ。
扉絵にて神社で自身のにぎり飯を野良犬に微笑みながら差し出すなど、苛烈なだけではない人間性は随所で描かれており、総じて心を開いた相手には親身かつ隠れた優しさを垣間見せる模様。
だが人からの評価を一切気にしない性分で、ぶっきらぼうなのでとにかく誤解されやすく、それを訂正する素振りも一切ない。加えて行動するのが速すぎる模様。
容姿
大抵の場面で目を血走らせたスカーフェイスの凶相。さらに体の至るところに大小を問わず傷痕がある。また長い上下のまつ毛と、無造作に跳ねる白髪も特徴。前髪は長く伸ばされている。
彼の顔の傷はとある事件にてできたもので、最も古い傷痕に当たる。
その他の傷痕には、後述の理由により自傷痕も結構な数が含まれている様子。
…実際には周囲を威嚇している分も上乗せされているらしく、威嚇をやめた顔はかなり印象が違う。
本来の笑顔は弟の玄弥曰く「母親似」かつ「とても優しい」とのこと。
能力
全集中 風の呼吸
「テメェの頸をォ 捻じ切る風だァ 」
鬼狩りの剣士が鬼を滅するのに用いる「全集中の呼吸」の流派の中でも、基本となる五大流派の一つ。
暴風のような激しい動きから、鋭く激しい斬撃を繰り出す超攻撃型の呼吸。他の呼吸では剣士が纏う気迫やオーラが炎や水や雷のエフェクトとして可視化されるが、この呼吸はただのイメージではなく、純粋な剣技によって起こした鎌鼬状の風の刃が実際に敵を攻撃する。
詳しくは当該項目を参照。
喧嘩殺法
スピードと技巧を合わせ、相手の間隙や意表を突く型破りな動きと戦い方も特徴の一つ。卓越した速度、柔軟性、軽快な身のこなしを全て用い軽業師のような動きに天性の戦闘における勘を総動員した、アクロバティックな戦い方を得意とする。
柱稽古では起き上がり様に掠っただけで炭治郎の耳たぶが切れるほど鋭利な蹴りを披露。
戦闘能力全般
入隊までの経緯と経験から変則的な戦闘への対応力も高く、いかなる環境においても臨機応変に立ち回る。また玄弥の日輪刀や南蛮銃を不意打ちに使ったり、火炎瓶を用いたりと、武器も一つの物には特にこだわらない。
また愈史郎の札の能力や使い方を瞬時に理解して使ったり、悲鳴嶼が赫刀を出したのを見てそのやり方を瞬時に把握し、冨岡との刀の打ち合わせで出したりと応用力と対応力が非常に高い。
入隊以前から多くの鬼と戦ってこられた天賦の才と数多の戦闘経験、機動性や咄嗟の判断力、そして後述の秘密など、総合的な鬼に対する戦闘力は作中上位。数多くの柱と戦った上弦の壱からも言及されたほか、公式ファンブック弐でも、彼が現柱の中でも上位の実力者と明記されている。原作や公式の媒体で柱上位の実力者である事が明記されている柱は、今のところ悲鳴嶼と彼だけである。
柱内の腕相撲ランキングは四位(ただし三位〜六位は良い勝負)、俊足ランキングでは忍びの宇髄に次ぐ二位。
剣術及び全集中の呼吸を主とした手合わせでは冨岡が対処できていたので、純粋な剣術の腕と呼吸の練度は彼と同格程度と思われる。
肉体
頑強な素地を激しい鍛錬や実戦で鍛え上げた極めて強靱な肉体の持ち主。ある程度傷や出血が発生しても容易には倒れない身体となっている。
その練度は極度の重傷を負っても筋肉を引き絞って臓物が傷から飛び出るのを防ぎ、血を呼吸で凝固させての止血が可能な領域に達している。
装備
鬼殺隊士の基本装備として日輪刀と隊服を支給され、鎹鴉をあてがわれている。
日輪刀
詳細は個別記事を参照。
実弥の刀身の色は深い緑で、風の呼吸への高い適性を示している。刀身の下側には柱だけがつけられる『惡鬼滅殺』の文字が刻まれている他、波打ち渦を巻く風のような刃紋が焼き入れられている。
拵については、鍔は緑色に銀色の縁取りがされた八つの菱形が円形に組まれた、風車を思わせる形状をしている。柄の柄巻は中間部分は緑色の標準的な菱巻だが、上方と下方はその上から巻いた白い片手巻となっている。鞘は黒地に荒傷が入った様な外観をしているが、意匠として元々付いているものだったのか、度重なる戦闘で付いたものかは不明。
隊服
背に「滅」の一字が大きく描かれた黒い詰襟。
特別な繊維でできており、通気性はよいが濡れにくく、燃えにくい。雑魚鬼の爪や牙ではこの隊服を裂く事すらできない程に頑丈である。彼の場合は詰襟の隊服を胸元から腹部まで大きく開けている。詰襟の隊服はアニメーションの描写から袖なしの可能性がある模様。理由については後述する内容を参照。
隊服の上から背面に『殺』の文字が刺繍された丈の短い白い羽織を着用。これはファンブックのコソコソ噂話によると“鬼は全て皆殺し”という意味を込めてのものとのこと。
なお、袖は長いものの動きやすさ重視のためか他の隊士より羽織の胴体の丈が非常に短くなっている。
他に見られない特徴として、足には脚絆代わりに大量の白いベルトを巻き付けている。
鎹鴉
雄の鴉で、名前は「爽籟(そうらい)」。意味は万葉集で“清々しく爽やかな秋の風”。
大口径南蛮銃
彼の武器ではなく、弟の玄弥が使う二連銃身の大型銃。
日輪刀と同じ猩々緋砂鉄・猩々緋鉱石で作られており、あまり強くない鬼ならば頚を正確に撃ち抜けば殺傷できる。上弦クラスの鬼相手では決定打になり得ないのであくまで不意打ちで使用。
その後、戦いの中で再び玄弥の手に戻り、彼の血鬼術の行使に使われた。
油とマッチ
隠し持っていた武器。無惨との戦いで不意打ちに使用。
過去
七人兄弟(歳の近い次男の玄弥以外の下の兄弟達の名前は「寿美」「貞子」「こと」「就也」「弘」)の長男。
東京府京橋區(現在の中央区の京橋)の長屋に大家族で住んでいた。
母子ともに父の暴力にいつも晒され、さらに大家の息子から「貧乏人の子沢山」と家族丸ごと馬鹿にされ妹が泣くほどに貧乏でもあった。
母・不死川志津は小柄ながら玄弥が「寝ている姿を見たことがなかった」と述懐するほど夜も寝ずに働いていた。
一方の父・不死川恭梧は玄弥の回想での実弥曰く「あんなのはいない方が清々する」であり、子供にも妻にも暴力を振るっており、最後は他人の恨みを買って刺殺される末路をたどった。
長男の実弥は次男の玄弥ともども日々母に付き添い支えて働き、同時に弟妹たちの面倒を見ていたという。
実弥は当時母に甘えもしなければ、不満や苦痛を訴えることもなかったという。
玄弥はそんな彼を“母ちゃんを一番側で支えて。子供ながらに働いて。弟や妹たちの世話をして。父ちゃんには頼れなくて。”“兄ちゃんは一体、誰に甘えられるんだろう。”と心配していた。
父の死後、実弥は「父親がいねぇとなると皆心細いだろうから」に続けて「これからは俺とお前でお袋と弟たちを守るんだ いいな?」と玄弥に話す。
それに対して「“これからは”じゃなくて、“これからも”だよな」と兄に答える玄弥。
聞いた実弥は驚いて、そして次には笑みを浮かべるのだった。
ある夜、あまりにも帰りが遅い母を実弥が外に捜しに出て、玄弥や弟妹たちは家で待っていた。
今までにない帰りの遅さを不安に思う妹、弟たちを玄弥が宥めて寝かせようとしたそのとき、家の扉を叩く音が響く。玄弥が異変を感じて大声で呼び止めるも、「母ちゃんが帰ってきた」と妹弟たちは、喜び勇んでみんな扉に駆け寄る。
その瞬間、正体不明のなにかが扉を破壊し、暗闇から家の中へと飛び込んで弟妹たちを惨殺。
玄弥以外が致命傷を受け、正体不明のなにかが再び玄弥を襲ったそのとき、外へ母を探しに回っていた実弥が鉈を片手に飛び込み、“なにか”を自分へ抱き抱えて家の窓を破って屋外へ落下。暗闇の中、実弥は無我夢中で応戦する事となる。
そして医者を呼びに外へ出た玄弥は、夜明けの陽が昇った外で、血まみれのまま呆然と立ち尽くす実弥と血のついた刃物を握った彼の下で、眠るように倒れ伏している母を発見。
弟妹の死もあり動揺した玄弥は母を抱え血まみれのまま茫然と立ち尽くしている実弥へ叫ぶ。
「何でだよ!!!!何でだよ!!!!」
「何で母ちゃんを殺したんだよ!!!!?」
「人殺し!!!! 人殺しーーーーーー!!!!!」
…突如として弟妹たちを殺したなにかの正体とは、鬼に成り果てた母だったのである。
日が昇って明らかにされた惨劇の中、泣き叫ぶ玄弥に抱きかかえられた母の身体は、陽光を受けて跡形もなく崩れ去る。実弥は血塗れの姿のまま、その場でただ呆然と立ち尽くしていた。
二人の顔に走る大きな傷痕はこの事件の時に付いたもの。
なおアニメ版では実弥の鉈に血が大量についており母も血まみれだったので、暗闇の中で母と判別も出来ぬまま刃物で戦っていた経緯がはっきり描かれた。
また、この事件の最速放送日は母の日で、再放送日は子供の日である。
この事件を経たがゆえに実弥は、夫の暴力から身を挺し子を庇っていた母ですら、鬼と化せば子を皆食い殺すことを知り尽くしており、それゆえに「禰󠄀豆子は人を襲わない」という炭治郎の言葉を「自身が鬼となって家族を襲った母を殺した現実」もあり頑なに信じなかったのである。
体質(ネタバレ注意)
「俺の血の匂いで鬼は酩酊する 稀血の中でもさらに稀少な血だぜ 存分に味わえ!!」
鬼にとって御馳走である“稀血”を持つ事が167話で判明。しかも彼の血の栄養の高さや希少さはその中でも群を抜いた「稀血の中の稀血」。
通常の稀血にはない特殊な効果があり、その匂いを嗅いだ鬼は泥酔したかのような状態に陥る。そのため、負傷して血液が大量に散れば散るほど強い酩酊作用が発動。鬼への致命的なカウンタートラップとなる。
そのため彼を“殺すため負傷させる”という事は、同時に“鬼にとって強いデバフが撒き散らされていく”という事になる。
彼の稀血は相手が強い鬼である程に高い酩酊効果を発揮する。
例として、小説「風の道しるべ」の任務では彼の喉が切り裂かれ、密室の和室部屋の畳へ彼が大量に吐血することによりカウンターが発動し不利だった形勢は一気に逆転した。
だがそれは諸刃の剣でもあり、人を食えなくなった鬼ですら稀血の人間の肉を食べると、生命力を筆頭に力が遥かに格上げ・強化されてしまうため、鬼であれ自傷であれ深手を負って出血多量になろうとも、鬼が強化されないよう戦場において彼は死んだり、体の一欠片でも鬼に食べられたりしては絶対にいけない。
さらには貧血や出血性ショックの恐れも常につきまとう(事実、小説「風の道しるべ」において稀血を使用したあとに親友とのいざこざの最中、貧血を起こし倒れている)。
この事実の発覚により、彼の稀血を間近に差し出され誘惑されるも耐えきった禰豆子の精神力の強さ及び特異性と、あれだけ異を唱えていた柱達や実弥自身が何故一度の実験のみで完全に引き下がったのかが判明した。
本人は稀血を使っての戦いを進んで行っていたようだが、周囲には実弥の自らの命を顧みない戦い方を心配する者もいた。粂野匡近やカナエがその例。
だが本人は自身の身や人生、ひいては命などとうにどうでも良いことを皮切りに、いくら咎められようとやめるつもりは一切なかったようだ。
ちなみに小説版の挿絵では普通の隊服姿だが、腕を捲っていたり、首元を開いたりと出血させる場所を確保していた。そこから自傷の場所を確保するためより露出が多い本編中の服装へと移行していった模様。
更なる過去
鬼となり家族を襲った母が、自分が出血した途端に動きが鈍くなった事で自身の血液が他の人間とは違う異常なモノであると気付く。
母を殺めたことで「この世の全てが急速に色を失い擦り切れて褪せていった」彼は、玄弥と離れて一人で鬼と戦い始める。そのやり方は大量の刃物を背負い、自分を食べにきた鬼を捕縛しては日光に当てる、というもの。 出血すれば鬼が酔うので、それも積極的に応用していた節がある(匡近との出会いのシーンで腕の怪我を処置しており、また小説『風の道しるべ』でも出会ったときに治療中だった)。
傷だらけなのは、この時期の経験から来る自傷も使った戦闘が関わっていると思われる。
やがて鬼を狩りながら治安の悪い各地を転々としていた実弥は、任務で鬼の討伐にやって来た鬼殺隊隊士・粂野匡近と邂逅。
彼に自身の命を危険に晒す戦いを咎められ、育手の紹介と鬼殺隊への斡旋を受け入隊。
実弥は鬼への怨讐から身を削る戦いを続けるが、そんな彼を匡近は常々気にかけ、鬱陶しがられるほど構い倒した。
底抜けに明るい彼の優しさに触れ続け、実弥も少なからず感化されるところはあったようだ。
実弥は自身の重体の身を押し、彼の死に水を取ることを決意。
息を引き取る瞬間まで行き先を気遣い、案じる匡近を腕の中で看取った実弥は切り裂かれた喉で慟哭するのだった。
かくして生き残った実弥は、下弦の壱を倒した功績により柱となった。
柱になった当初は産屋敷に強い敵愾心を向け、対面するなり「(自分は安全な場所から指示を出すだけで)いいご身分だなァ」などの強い言葉を連発。他の柱から顰蹙を買う。
しかし産屋敷は謝罪。さらに「自身は病弱で刀を振るえず戦闘で役に立たない」と語った後、「周囲が立ててくれているだけで自分は偉い存在ではない、実弥が嫌なら拘るよりも人を守ってほしい」と訴え、「隊員が捨て駒だと言うなら自分も捨て駒にすぎないと定義している」という覚悟を語られ、カナエから「お館様は当主就任以来、亡くなった隊員の名前と生い立ちは全て記憶している」という尋常でない隊士たちへの想いを知らされ、そして彼の優しい微笑みに母の面影が重なり、考えを改めて敬服するようになった。
また産屋敷から託された遺書にて匡近の本当の気持ちと考えを知り、涙した。
(その後、悲鳴嶼やカナエに心配され、宇髄からガミガミ叱られて小さくなっている様子が21巻おまけページで描かれた)
匡近の墓参りの際、実弥は供花とともに彼の想いを知ったこと、弟が鬼殺隊に入ったことを墓前で話す。
その際、玄弥がなぜやって来たかの理由も知っており、彼の言葉では少しも傷ついていない、とも心中で語る。
そして、玄弥は優しいから匡近と同じく誰かを庇って死んでしまうかもしれない、だから自分がどんなに恨まれようと彼の命を守るためならば、絶対に鬼狩りをさせないと決意を告げた。
余談だが、墓に供えられた白い百日草には“遠い友を思う”や“絆”などの花言葉がある。
対人関係
公式ファンブック鬼殺隊見聞録・弐にて柱内での互いの印象が明かされた。
性格と周囲から距離を取りがちな態度から、柱内での全体的な打ち解け度は60%と高くはないが、何だかんだ協調性もある為に低くもない。
対して一般隊士からの話しかけにくい柱ランキングでは1位に選ばれている。原因は荒々しい性格と強面な風貌らしい。
柱内の評価
かつての同僚である花柱・胡蝶カナエの妹。
実弥から見たしのぶの印象は「ちょいちょい声をかける(カナエの妹なので)」、しのぶから見た実弥の印象は「顔を合わせると元気か聞かれる」。傷を負いやすい戦い方から、少なくとも一般隊士のころにはよく蝶屋敷にて世話になっていたようだ。
彼なりに気にかけていたようではあるが、柱合裁判では禰󠄀豆子の入った箱を手放すよう彼女から要求されるも無視していた。
煉獄外伝では二人の初対面が描かれ、乱暴ではあるものの彼なりのやり方で柱就任への発破をかけた。
彼の訃報が届いた際には「醜い鬼どもは俺が殲滅する」と、怒りに燃えた弔辞を述べており、彼なりに実力も含めて信頼し、一目置いていたのが窺える。
実弥から見た煉獄の印象は「好き。いい奴。」、煉󠄁獄から見た実弥の印象は「風の呼吸の技術を一段押し上げた男!天晴れ!」。また、煉󠄁獄は外伝では実弥を「ツンケンしているが、熱い心の持ち主」と評していた。
初の柱合会議で彼が初対面の産屋敷に対して無礼な態度をとった件に対しては、「ないわー あれはないわマジで ひくわ初対面であんなん」と強く非難していた。
実弥から見た宇髄の印象は「普通。ちょいちょい兄貴ヅラされる」、宇髄から見た実弥の印象は「危なっかしい。ガキっぽい所がある」。
風の呼吸の派生である霞の呼吸を使う最年少の天才剣士。
無限城の上弦の壱戦では、共に戦い、彼を窮地から救い救われた。
実弥から見た無一郎の印象は「あんまり話したことない」、無一郎から見た実弥の印象は「狼みたい」。
実弥から見た甘露寺の印象は「あんまり好きじゃない(アホっぽい所が苦手)」、甘露寺から実弥の印象は「怖い!でもそこが素敵!よく怒られちゃう!」。
柱合裁判では、彼女は実弥を見て「不死川さん また傷が増えて素敵だわ」とときめいていた。
初の柱内会議でしのぶと対面し、隠に渡された隊服が異常であったことに大声で騒いでいた時も、あまりにも騒がしいからか(うるせぇ)と内心で思って青筋を若干立てていた(ただし、あくまで彼女のようなタイプが苦手なだけで、嫌ってはいない模様)。
鬼殺隊最強の剣士であり、実弥が敬語を使う数少ない人物の一人。
初の柱合会議で初対面の耀哉に対して無礼な態度をとった件で叱られたが、同時に「悪霊でもついているのではないか お祓いに行こう」と心配もされていた。
実弥から見た行冥の印象は「尊敬している。」、悲鳴嶼から見た実弥の印象は「強い精神の持ち主。根は素直。恥ずかしがり。カナエが好きらしい。」。
無限城における上弦の壱との戦闘では、柱稽古の成果もあって異なる呼吸の使い手同士にもかかわらず抜群の連携を見せた。
柱内では冨岡と並ぶ同い年の剣士。
実弥から見た伊黒の印象は「一番気が合う。」、伊黒からの実弥の印象は「気が合う。友達。」。鬼に対する姿勢や考えや彼らの状況なども近い為か、互いにかなり気が合っていたようである。
大正コソコソ噂話によると初対面から気の合う仲であったが、実弥は甘露寺のようなタイプの女性が苦手なので女性の好みは全く合わないと常々思っているらしい(悲鳴嶼がポロッと漏らした事で初めて伊黒が甘露寺を好きだと知ったらしく、実弥も恋愛方面はかなり鈍い)。
まさに犬猿の仲、公式でも実弥が嫌っていると明言されている。
実弥から見た冨岡の印象は「嫌い(自分はあなたたちとは違いますみたいな感じが鼻につく)」、冨岡からの実弥の印象は「怒りっぽい」(確実に冨岡のせいである)。
冨岡の言葉足らずな上に誤解を受けかねない発言や、柱として不真面目とも取れる言動は実弥には理解し難く、常に苛立ちを募らせていた模様。
一方で馬が合わないながらも手合わせをしたり、「失礼する」に対する「おい待てェ」やおはぎの件など、ボケ(冨岡)とツッコミ(実弥)のようなシュールなやりとりが繰り広げられたりもしている。また強敵を前には協力等、息を合わせるには問題がない模様。
小説によると冨岡にも怒らせている自覚はあるとのこと。
水と油の関係その1。
とはいえ、お互い家族と親友を鬼に奪われた身同士でもある。
その他
実弥の親友であり、同時に兄弟子。また育手を紹介して鬼殺隊への道を示した人物でもある。
匡近は「全てを投げ出した生き方をしている」実弥を心配し、自傷を見咎めては強引に蝶屋敷へ連れていき処置を受けさせ、時には殴り合いの喧嘩をしたり、はたまた恋愛や美食の話を持ちかけてみたりなど、生きていく希望を持たせようとしていた。
その気遣いや心配りは、かつて鬼に食われて死んだ弟と実弥を重ねていたためもあるようだ。
鬼殺隊で共に研鑽し、下の名前で呼び合うようになった頃には、気の置けない関係を築いていたようである。
なお小説版では実弥にかぶと虫相撲を持ちかけるシーンもあるなど、お互い趣味や好きなものも知った仲だったらしい。
胡蝶しのぶの姉であり、本編中では故人。彼女が存命の頃には匡近に引っ張られては蝶屋敷へ連れていかれて施術を受ける、を繰り返していた模様。またファンブック弐によれば、実弥の行動が早すぎるところを心配していたとのこと。
実弥も彼女に母のような優しさを見出し「良いヤツ」と認めると同時、大切な肉親である妹を鬼殺隊に所属させている点を理解しかね、内心で“どんな想いがあろうとも、妹を自分と同じ鬼狩りにするなど、実弥には到底、考えられない。”と小説にて考えている(「小説・風の道しるべ」第一話「風の道しるべ」p15より)。
弟及び妹へのスタンス、また鬼への感情についてこの二人は「守る」という想いを除いて完全に真逆である(カナエは妹を傍に置いて守るとし、また鬼を悲しい存在と見ていたが、実弥は弟を遠くから守るとし、鬼に激しい怨讐を隠そうともしない)。
ただしカナエも死の間際にしのぶへ「普通の女の子の幸せを手に入れて お婆さんになるまで生きて欲しいのよ」とも語っていたため、兄と姉で似通うところもあったようだ。
最悪の初対面を果たした後も衝突して接触禁止令が出された水と油の関係その2。
初登場時の件もあり、似たような境遇でありながらまったく反りが合わず、彼が禰豆子と鬼殺隊始まって以降の類稀な殊勲を上げた後も、態度は一貫して突き放す形かつ認めていなかった。
鬼になった妹を庇っての「善良な鬼と悪い鬼の区別もつかないなら柱なんてやめてしまえ!!」という炭治郎の発言、これが鬼となった母親を殺した実弥との噛み合わせが致命的に悪かった。柱合裁判の際に最も禰豆子や炭治郎に反発したのも母の事件が要因と見られる。
ただ、その後互いに相手の人となりを知った為か、柱稽古で再開した時には若干互いにトーンダウンしている。
一方で実弟、玄弥は関係良好。また玄弥に「鬼殺隊に入った事をすごく怒っていた。でも憎しみの匂いは少しもしなかった」と告げて実弥との和解を後押しし、また家族を守るために戦い続けている点も同じである事から、水と油ながらも「実弥の最大の理解者」とも言える。
そのシンパシーでもあるのか、冨岡との仲を深める計画を発案するなどをしていた。(ナレーションに「誰か止めてあげてください 喧嘩になるから」と言われていたが)
また炭治郎は匡近と外見や雰囲気が似通っており、彼らは共通して優しさが押し出される性格をしている。
実の兄と弟の関係にあるが、血縁を頑なに認めない上、事ある毎に彼を拒絶し続けている。また接触自体が禁止されている。
彼が鬼を食っていたと知った時には激怒して「今すぐ鬼殺隊を辞めなければ再起不能にする」と実力行使込みで凄まじい形相で言い放った。
過去に心ない言葉を混乱していたとはいえぶつけた悔恨に苛まれ、「かつて罵倒したことを謝りたい」という思いから鬼狩りを同じく志した玄弥。実弥は激しく拒絶して辞めさせようとしたが、玄弥は逆に「柱になって兄貴に認められれば謝罪ができる」と考え、功を焦るようになった。
なんとしてでも謝りたい玄弥に「テメェみたいな愚図 俺の弟じゃねェよ 鬼殺隊なんか辞めちまえ」と自分と別れて以来の彼の行動原理を全否定してまで冷たく突き放し続ける。
だが、それは鬼の恐怖がない場所で平和に暮らし、幸せになってほしいから、自分が守るという願いと誓い故であり、後に「お袋にしてやれなかった分も 弟や妹にしてやれなかった分も お前が お前の女房や子供を幸せにすりゃあ良かっただろうが」「そこには絶対に俺が 鬼なんか来させねぇから……」と玄弥へ語っている。
弟の玄弥と同期隊員だが、炭治郎と違って実弥本人との接点は作中では殆ど無い。
ただ、柱稽古にて実弥との稽古から逃げ出し、無限列車以降駄々をこねなくなり、遊郭へも震えながらも挑む程までビビりが収まったのがご破算になる勢いで泣き喚いて炭治郎に助けを求めた所を捕まり、「選べェ。訓練に戻るか、俺に殺されるかァ」と実弥に凄まれ、尚も泣き叫ぶも手刀を喰らって気絶した挙句、炭治郎に稽古に連れ戻された。
その後の「乱闘騒ぎ」にも遭遇し、善逸は激怒した実弥から「捻じ曲がった禍々しい音」を聞き取り今まで以上に怯え、炭治郎の頼みでその場から連れ出した玄弥に兄を異常者呼ばわりをしたために殴られた。
またとあるエピソードをきっかけに一方的に実弥を敵視するようになった。
キメツ学園
18巻でキメツ学園世界での設定が公開。
キメツ学園の教師で、担当教科は数学。腕の傷だけは本編とは異なり無い模様(だが何故か顔と胸には傷がある)。ツッコミ担当
首回りが詰まるとストレスになるらしく、襟元は常に全開で冠婚葬祭でもボタンは留めない主義。
短気で怒りっぽいが数学をバカにされた時以外は良識的。
生物教師の胡蝶カナエとはよく話しており、学園のマドンナ的存在である彼女のファンの間で殺害計画が練られたそうだが、彼の前で「数学なんて将来使わねーし!!」と言った生徒が窓から飛んで行った事件が起こって以来その話はパッタリと無くなったという。
19巻おまけにて「算数ができなくても生きていけるから大丈夫ですワハハ」と笑う作者に狂気の形相で迫る通りすがりの数学教師が描かれている。
お年寄りに女性や子供にはとても優しいが、子供に近づくと泣かれる。
なお、アニメ版キメツ学園のバレンタイン編ではチョコの個数などは判明しなかったものの、廊下を猛進する伊之助を追って「廊下を走るな!!」などと叱りながら爆走する様子が描写された。
アニメの内容と周囲の様子を鑑みるに、両者の瞬足が取り上げられたシーンのようだ。
弟の玄弥をいつも数学の点数で叱っており、ついには射撃部の大会優勝で彼が表彰された際には、横から出てきて「こんなもんより数学を勉強しろ」と壇上で賞状を破り捨てた。更には小説版にて飲み会の席で携帯を使って彼を叱る姿も披露。
とはいえその後には母親を迎えに行ったり弟妹の面倒をよく見たりしている描写もあり、大の家族想いなところも変わっていない。ちなみにこちらの世界では父親がすでに他界している母子家庭。
数学教師。家族や生徒想いだが、顔と指導のスパルタ振りから怖いと思われ、本質が伝わらないことが多い。生活指導であるはずの冨岡以上に生活指導を請け負うことがある。
登場早々着席するよう怒鳴り散らしたり、廊下を走る炭治郎&善逸(+2人を追いかけていた義勇)にクレームを叩き付けたり(しのぶに授業再開を求められた)とキレながらツッコんでいる描写が多い。
煉獄の主役回では学園にピザの配達が来た際、対応しようとした後藤に先駆けて向かい、ピザを律儀に受け取ってから校内放送で注文者の呼び出しを指示し、あっさり自首した煉獄に「お前かよ!」とツッコんだ。また悲鳴嶼の主役回の最後のコマで〆に出てきたり、といった具合で貴重なツッコミ役として出番はかなり多い。
このようにかなりの頻度で怒っている彼だが、理由は真っ当であり、彼に対して「ピリピリしていて」苦手意識を抱いていたとある図書委員は図書室の本が原因で起こった騒動をきっかけに不死川が怒りっぽいのではなく周りの人間が適当すぎるのではないかと思った。
また、主役回は主要人物の紹介を兼ねた第一話の次、第二話と教師陣では最速。数学の中間テストで赤点を取った善逸、伊之助、村田へ補習授業を行う。
ちなみに彼のテストの赤点の基準は平均点の半分ジャストで、作中では平均点88点のテストに対する44点が赤点のラインであり、それぞれ38点と6点だった赤点2人(善逸と伊之助)は補習となったが、46点でギリギリ回避した炭治郎は見逃すなど、判定はキッチリしている。
そして赤点を取った者への地獄の補習は『数百枚のプリントを解きながらのマラソン』(曰く「頭で理解できないなら筋肉に叩き込め」とのこと)。三人はあの手この手で不条理すぎる補習を普通の補習に変えさせる羽目に。
なお不死川先生の少人数で行う補習授業は大変丁寧であり、「最初からこうしてくれ」と嘆かれた。
善逸からは『数学モンスター』と陰で呼ばれている。
第一巻の幕間の四コマにて、善逸が玄弥に自宅での様子を聞いた際は、家でも採点などをするほど仕事人間な様子のほか、弟妹達の面倒を見たり、寝間着代わりのジャージには背面に『殺』の文字が書かれている(ちなみにこの四コマの題名は「センス」である)ことに先駆け、「よく成績について叱りつけてくる」と軽めに語られている(回想で「もっと点とれんだろ」と叫んでいるため、玄弥の成績が悪くないとは認めている様子)。
玄弥に対する人一倍の厳しさは炭治郎曰く「先生が玄弥の点数に厳しいのは心配だから」「玄弥に特別厳しいのは逆にえこひいき」(第八話より)。その推測は嘘ではないようで、玄弥のバンド活動の際に音楽室を通る度にこっそり見守っていた。
第八話、玄弥の主役回において彼への厳しさを改めて露わにした。
玄弥が期末テストで総合ではやや上位に入ったものの(90人中13位)、数学の点数が悪かったために彼を叱責。さらには夏期講習の数学の実力テストの出来が悪ければ“夏祭りで射的屋の景品を無料で全てコンプリートをするためにかき集めた出店のタダ券”(その話を打ち明けた玄弥に対し、かまぼこ三人曰く「切実な顔ですげえ迷惑なこと考えてんな」)を没収する、と宣言。玄弥へ多大な衝撃を与えた。
そこで玄弥は炭治郎、善逸、伊之助、無一郎など周りと協力して良い点を取るために努力し、100点をマーク。玄弥の答案に「100」と記す際の表情は窺えなかったが(炭治郎たちも軒並み点数が上がっていたことには首を傾げていた)。
夏祭り当日、玄弥が家に帰ると机の上には、溜め込まれたタダ券の下に“ケチくせぇことしてないでこれ使え。”と書いたメモと共に5千円を封入した封筒を置いていた。
そして玄弥が炭治郎たちと5千円札を持って笑顔で縁日へ駆け出す様子を、上の階から眺めているところを姉弟達から不思議に思われながら祭りに誘われた。
結果、玄弥はタダ券ではなく貰った5千円を射的屋に注ぎ込んだため、射的屋が得をした。
さらに第十一話のショート三本詰めでは三本目のラストに登場。
内容は購買及び食堂を担当する宇髄の嫁たちが、商品入荷のリクエストを受けつける箱からリクエストを集計する、という話なのだが、その中で「おはぎ」の三文字を徐々に大きくして詰め寄るようにリクエストする通称「おはぎ星人」が話題に上り、三年以上前から投函されている点から雛鶴が「教師なんじゃない?」と看破。
そして試しに入荷されたおはぎをほうじ茶つきで数パック購入していったため、三人の間で「おはぎ星人」のあだ名が決定した。
また単行本三巻での幕間の四コマでは、出し忘れたリクエストの紙をくず籠のゴミ回収に来た玄弥に見られ、「いくらおはぎが好きだからって自宅でこんな写経みたいな真似することある!?」「もう買ってきて食えよ!!!」と心の中で叫ばれ、その日の夕飯には彼の買ってきたおはぎが供された。
第十三話では、汚れ放題になった職員室の冬休み前の大掃除に他の教員とともに乗り出す。
火薬を持ち込んでいる宇髄にツッコミを入れたり、カナエの造花を使ったドッキリに引っかかったり、図書室から借りた本で机が要塞状態になった響凱に驚いたりしつつ、自身は真っ先に机周りの清掃を完了。
そのやり方は教師用の巨大三角定規で机の上にある物全部をゴミ袋に流し込むという豪快極まりないもの。それから必要な物だけを復帰させるやり方に後藤が「二度手間では?」と疑問を呈するが、対する返答は「片づけってのは何を捨てるかじゃなく何を残すかだ!!」(悲鳴嶼は「不死川には断捨離の才能があるな」とコメント)。
なお本編での親友・粂野匡近は中学以来の親友であり司書教諭として同じ学校に勤務している。
ノベライズ
小説『風の道しるべ』内の「風の道しるべ」では主役の片方を担当し、『片羽の蝶』では甘露寺の物語にチョイ役で、柱全員での回では〆を担った。
また『風の道しるべ』のキメツ学園にもチョイ役で出演。
外部出演
コトダマン
木属性・英雄族のコラボユニットとして登場。
魔族特効の持ち主で、他にも編成に縛りが入るもののリーダー特性も発動できれば汚染状態を確実に防ぐ事ができる、弱体マスやコピーマスの無効化にすごわざ「ありえねぇんだよ!」によるデバフ効果など、バランスの取れた扱いやすい性能となっている。
白猫プロジェクトNEW WORLD'S
無属性の「剣神」(従来の剣士やソードマスターに相当する職業)として登場。
コラボイベント第3弾にて登場、他の柱たちとともにキャラガチャで入手可能。
アクションスキルは、風の呼吸のうち、「弐ノ型 爪々・科戸風」「肆ノ型 昇上砂塵嵐」を使用する。本イベントの開催前日、アニメ「柱稽古編」の第1話で、戦闘シーンが描かれ蛇の呼吸の映像が放送されている。本作で初めて、戦闘シーンがゲームで再現された。
転生された時系列は、柱稽古編の直前。天元・無一郎・小芭内とともに見知らぬ世界に移動し、かつて訪れたことのある世界だと天元から説明を受けるが、どこぞの鬼の血鬼術と疑う小芭内に同調。すぐに炭治郎・しのぶ・義勇・蜜璃・行冥と合流し、鬼を滅する姿勢を変えることなく、元の世界に帰るために奮闘することになる。
また、イベント「みんな歓迎!飛行島」では、同声優がCVを担当するムラクモ・ホウライと共演。
『大暴れした異世界の剣士』として、我が軍に入れとスカウトを受けるが、ムラクモの馴れ馴れしい態度に腹を立て、一貫して誘いを断った。
最終的にとっきおきとして、部屋の外から太鼓の音色を夜通し聞かせられ、「なんてェ絵面だァ…」と驚愕。翌日以降、ムラクモの前に姿を見せることは無かった。
余談
ファンブック
鬼殺隊見聞録一巻にて、作者に胸元を大きく開ける着こなしに対しての「胸筋がご自慢なのかな?スケベですね。」とのコメントをされた。
また「入隊前と入隊後で口調が変わった理由は?」という質問に対して「玄弥と離れてから鬼殺隊に入るまで治安の悪いところを転々としていたためです。周囲を威嚇しているのもあると思います。」という回答がなされた。
鬼滅の刃関連
TV番組「お願い!ランキング」での関智一氏の裏話によると、実弥役はオーディションでなく指名であったと語っている。
どんな役かも知らずに本番にそのまま直で呼ばれたため、キャラデザを見て特徴を誇張した犬神家の一族のスケキヨをイメージして演技してみたところ「(実弥は)そんな役じゃありません」「もっと二枚目(キャラ)でやってください」と突っ込まれたとの事。
そして「またどこもかしこも“2枚目にしろ2枚目にしろ”って発注かよ。つまらねぇな。」と内心は思いながらやった模様。しかし原作を読み「これはそりゃ2枚目だわ」と納得。
なおその時、関氏はもう自身の素に近い形で演じたらしい。なお鬼滅の刃を演じる前から少し近しいところがあるのか…名指しとされる所以なのか……彼の喋り方やその他が実は…。
そして終わった後、伊黒小芭内役の鈴村健一氏から「いや俺はあの時の(最初の演技も)好きでした」と励まされたとのこと。
鬼滅の刃以外関連
僕のヒーローアカデミア第5回人気投票では、他作品にも拘らず何故か1票獲得していた(ちなみに彼以外にも善逸が4票、村田が1票を獲得)。
関連イラスト
関連動画
アニメ『鬼滅の刃』キャラクターCM
関連タグ
不死川実弥誕生祭(誕生祭タグ)
姑獲鳥(鬼滅の刃)…不死川実弥が深く関わったとある事件の下弦の鬼。リンク先を参照(風の道しるべの大半のネタバレ注意)
主人(鬼殺隊当主)
産屋敷耀哉(97代目当主)
悲鳴嶼行冥 甘露寺蜜璃 伊黒小芭内 (胡蝶カナエ 煉獄槇寿郎)
家族
その他
長男 忠臣 復讐鬼 母殺し スカーフェイス 惨劇 どう見ても悪役 風属性 ツンギレ ツンデレ 自傷
シャーロット・ペロスペロー…ジャンプ作品の長男にして苦労人繋がり。
不気味な外見とは裏腹に、常識と身内に対しての優しさを持っている、敵に対しては一切の容赦がないという点も似ている。
『柱稽古編』にて(ネタバレ注意)
柱稽古の実弥の稽古場で、玄弥が直接訪ねてきた際には、実弥は「テメェは見た所何の才覚も無ェから鬼殺隊辞めろォ 呼吸も使えないような奴が剣士を名乗ってんじゃねえ」と、厳しくも冷静に玄弥の呼吸の能力の無さを看破した上で辞めるように通告。それでも「あの日のことを謝りたくて」と食い下がる彼へ「心底どうでもいいわ 失せろォ」と背を向けた。
しかし玄弥が「鬼を食ってまで戦ってきた」と思わず漏らした事で、とうとう無理矢理にでも除隊させるべく目潰しを仕掛けた。
そこに炭治郎が介入し、「玄弥がいなかったら上弦に勝てなかった!!」と玄弥を庇い、実弥が激昂して大暴れ。
これが柱稽古の際の不死川による乱闘騒ぎの流れである。
その後、炭治郎が悲鳴嶼の稽古に向かっており、また実弥に蹴りを一発入れられた点も加味すると、どうやら実弥の柱稽古は(多少強引だが)クリアした扱いになった模様。
ちなみにアニメ版の柱稽古編1話では、オリジナル展開で伊黒小芭内と共に任務へ赴く様子が描かれた。
伊黒との共闘で古城に巣食う鬼の大群(鬼は基本群れない為、この光景には疑問を抱いていた)を蹴散らし、女性を攫って逃げていた主犯の鬼を追い詰めるが、後一歩の所で無限城に逃げられてしまう。
このためアニメ版においては、実弥と伊黒が無限城に入った最初の隊士となった。
彼とは最も気が合うという評価に相応しいコンビネーションを見せた。
また、序盤では襲い来る鬼達に苦戦する一般隊士に「邪魔だっつってんだよ さっさと消えろォ」と吐き捨て帰還させている。善意か本心かは不明ながら、柱と一般隊士の力量差を明示するシーンとなった。
『無限城決戦編』にて(更にネタバレ注意)
※「無限城決戦編」は『鬼滅の刃』の最終章に当たる為に、見出しからのネタバレ(当キャラの生死含む)防止目的であえて下記のように表示している。
ネタバレA
無限城での戦いが開幕する直前、忠誠を誓った主君・産屋敷耀哉が無惨との戦いにて自爆する光景を、柱の中で最も近い場所で目撃(悲鳴嶼だけは自爆することを予め聞かされていたが、実弥や他の柱達は何も聞かされていなかった)。
無限城に引きずり込まれた後は、主君を守れなかったことに涙を流し、打ちひしがれながらも一層鬼への恨みを募らせ、恐ろしい表情とともに無惨を打倒するために立ち上がる。
その後、十二鬼月最強の鬼である"上弦の壱"黒死牟と遭遇して窮地に陥った無一郎と玄弥の前に現れる。
「……テメェは本当に どうしようもねェ弟だぜぇ」
「“何の為に俺がァ母親を殺してまで お前を守ったと思ってやがる”」
「テメェはどっかで所帯もって 家族増やして爺になるまで生きてりゃあ良かったんだよ」
「お袋にしてやれなかった分も 弟や妹にしてやれなかった分も お前が お前の女房や子供を幸せにすりゃあ良かっただろうが」
「そこには絶対に俺が 鬼なんか来させねぇから……」
この際、鬼殺隊を辞めるよう才能の無いことの忠告だけでなく、何故苛烈に拒絶し遠ざけようとしていたのかを告白する。その本心は「どこかで所帯を持ち家族をたくさん作り、死んだ家族にしてやれなかった分、妻子を守り年老いるまで生きて欲しい。そこには鬼は近づかせない」という“鬼と関わりなく命の危険のない普通の人間の人生を歩んで欲しい”と想う兄心故だったのだ。
目潰しという強行手段を取った理由も、優しすぎるが為に人を庇い殺されてしまった匡近と玄弥の姿を重ね、彼もまた仲間を庇って死んでしまうのではと考え、なにがなんでも止めるつもりだったからである。
そして弟を斬られたことへ怒りを露わにし、黒死牟との戦いを開始。
刀を抜かせるまで善戦するも、体の前面を斬り裂かれて「動けば内臓が転び出る」ほどの重傷を負う。だがそこで稀血が作用し、一瞬の隙を起点に戦闘を継続。さらにやって来た悲鳴嶼が相手を受け持っている間に傷を縫合、痣を現出させて戦線に復帰。
だが二人で戦ってなお余裕を持って対処され、右手の指二本(人差し指と中指)を斬り落とされ、稀血の効果も薄いままでどんどん追い詰められていく。
それでも戦い抜く実弥と悲鳴嶼。二人を助けるために無一郎が決死の特攻を、玄弥が黒死牟の肉で出来た刀を喰っての鬼化を決行。無一郎の攻撃は大きな隙を作り、玄弥の放った銃弾は弾かれても敵に当たり、その体に巨大な樹木を生み出して動きすべてを封じる。
だが死の危険を察した黒死牟の足掻きにより、無一郎は横に、玄弥は縦に真っ二つにされてしまう。
悲鳴嶼に「時透と玄弥の犠牲を無駄にするな」と鼓舞された時、実弥は眼から大粒の涙を流し、咆哮を上げて戦うのだった。
やがて黒死牟の消滅によって戦いは終結。だが、実弥は意識を失っても戦いを続行。
やがて悲鳴嶼に抱えられた彼は一旦気を失い頃合いを見て真っ二つになったままで意識を保った玄弥の横へと横たえられる(この際に悲鳴嶼が「鬼化が解けているから稀血の兄を横に置いても大丈夫だろう」と述懐していたため、二人の接触禁止は互いの体質も関わっていたとも推測される)。生き残った兄を見た玄弥は、ただ兄の生存を喜ぶ。
だが、失神から目を覚ました実弥は、目の前におかれている真っ二つになり鬼のように体の崩壊が始まった玄弥に絶叫。
「大丈夫だ」「兄ちゃんが何とかしてやる」と必死で呼びかけ、崩れていく彼を泣きながら守ろうとする。
それでも玄弥の消滅は止められない。
彼は兄へ「迷惑をかけて申し訳なかった」「兄もそうなら自分だって守りたかった」「今までずっと辛い思いをしてきた兄ちゃんには幸せになってほしい。この世で一番優しい人だから」と想いを吐露。
対し「迷惑なんかかけてない」と返し崩壊を止めようと泣き叫ぶ。
その言葉のすべては実弥の玄弥へ向ける想いと重なりすぎていた。
…かつて降りかかる暴虐から自ら覆い被さって子を守っていた母と同じように玄弥に覆い被さり、「弟を連れて行かないでくれ」と泣き崩れ絶叫する実弥。だがその最後の願いも涙も空しく…
あり…が…とう… 兄…ちゃん…。
最後に残った家族は、兄への感謝を遺し、実弥の腕の中で鬼として散っていった。
慟哭する実弥。そんな彼に寄り添いながらも悲鳴嶼は「まだ終わりではない」と叱咤激励する。
そして実弥は再び立ち上がざるを得なくなる。
今まで喪った者すべてを無駄にしないために。
ネタバレB
「ブチ殺してやる このゴミ屑野郎」
"上弦の壱"の黒死牟を倒し無限城崩壊後は、悲鳴嶼と共に無惨との戦いに合流。その際に音も無く背後から無惨を頭から股裂まで一太刀で真っ二つにし、オマケで刀身を口に咥えたまま火炎瓶の一撃も加えるなどこれまでの怨念を込めると同時に型に捉われない戦い方をまた一つ披露した。
戦いの最中に悲鳴嶼の行動を見て、冨岡と互いの日輪刀を打ち合わせ、無惨戦において鍵となる赫刀を互いに発現。
しかし、無惨の全方位攻撃によって重傷を負わされ、一度は戦闘不能にされてしまう。
それでも他の仲間達と同様に立ち上がり、激闘の末に無惨を倒す。
だが他の柱や隊士たちと同様、力の限界を迎えて救護を受けながら生死の狭間を彷徨う。
その際、天国にいる玄弥及び弟妹たちを発見。同時に暗闇に佇む母に気づく。
「一緒に行こう」と呼びかけるが、母・志津は「我が子を手にかけて天国へは…」と涙する。
それを聞いた実弥は「わかった。じゃあ俺はお袋と行くよ」「お袋背負って地獄を歩くよ」と優しく笑い、母に寄り添う。
だが手を伸ばした瞬間、父親が介入。割り込んだ彼は「志津は俺と来るんだ」と実弥を突き飛ばし、妻を抱いて「お前はまだあっちにもこっちにも来れねぇよ」と言い放つ。
闇へ落ちていった実弥は意識を取り戻し、生還を果たした。
「く そ が……」
皮肉にもかつて家族を散々痛めつけて苦しませた父親、そして彼譲りの頑丈な肉体が実弥を生き残らせたのだった。
なお、その後の真の最終決戦には疲労困憊で眠っていたため参戦できなかった。
ネタバレC
戦いの終結後は、最後の柱合会議に同じく生き残った冨岡と集合。鬼殺隊の解散、並びに一族の悲願を果たした感謝を産屋敷一族より伝えられ、二人で「産屋敷一族の力があってこその隊」と返し、年相応に涙を流す彼らに顔を見合わせて微笑んだ。
また蝶屋敷にも顔を出し、通路で禰豆子と遭遇。炭治郎が鬼化した時に昏睡して参戦できなかったことを謝罪。
しかし、明るく笑って流してくれる彼女の姿に幼い頃の玄弥の面影を重ね、穏やかで優しい微笑みを浮かべて禰豆子の頭を撫でた。そしてその後は「元気でなァ」と告げて去っていった。
(ちなみに頭を撫でられた禰豆子は赤面しており、後ろから見ていた善逸からは敵視された)。
また、裏ではカナヲに伊黒の蛇・鏑丸を引き渡していた。とある事情で弱視になったカナヲと、友であり主を喪った鏑丸、それぞれを慮っての行動と思われる。
その後の行方は不明だが、微笑を浮かべながら街を歩く姿も描写されていた。
最終回の現代には、彼の子孫である瓜二つの警察官・不死川実弘が玄弥とそっくりの後輩警官と共に登場する(子孫でありあくまで別人である為、詳細はリンク先を参照)。
この事から、炭治郎達や冨岡同様に第204話後に結婚して子供を授かった可能性がある(ただし炭治郎とカナヲ、伊之助とアオイ、善逸と禰󠄀豆子のように相手は明かされていない)。
最終回のラストシーンのネタバレ
最終回ラストシーンの大正時代の鬼殺隊全員集合写真では、人に囲まれ宇髄に肩を組まれていながら、一人だけ笑わずにそっぽを向いていた。
また以降は服装も前をきっちりと閉めた着物に変わる(鬼がいなくなったため、不要な露出をしなくてもよくなったためと思われる)。
同じく追加されたその後の炭治郎達の様々な思い出と姿が描かれた場面の中には、表情こそ微妙だが冨岡と横に並び、一緒にうな重を食べている実弥の姿が描かれている。
最終巻の追加ページでは、微笑む彼の姿と“自分のことが不幸だなんて 思ったことは一度もない”という言葉が添えられていた。
『鬼殺隊見聞録・弍』のネタバレ
最終巻後に発売された鬼滅の刃公式『鬼殺隊見聞録・弍』では、短編漫画と大正コソコソ噂話により、実弥に関する解説や本編中に明かされなかった設定、また最終回後の彼の姿が描かれている。
実弥の性格傾向については、コソコソ噂話より
“『泣いた赤鬼』 を地で行く人です。大切な人達を守る為なら、自分が死んでも、嫌われても、悪者となって追放されても構わないというタイプ”
とある。
なお「ぶっきらぼうで誤解されやすく、行動をするまでが速すぎる」という記述の出処はここ。
同時収録である、本編のその後を描いた漫画「炭治郎の近況報告書」では、行方や動向については明記されていない。炭治郎は実弥にも手紙を出すが一切手紙の返事が返ってこない。それについては鎹鴉の説明によると、理由の一端は実弥は『字は読む事はできるが書く事ができない』ため。
大正時代は識字率が高く、山育ちの炭治郎も字が書けている。加えて鬼殺隊には独自の指文字があり、これを使用し鬼の能力に関する情報を鬼に悟られないよう仲間へ残すことがある。
煉獄零巻の特別読み切りにおいて初めて任務をこなす新人隊士達も指文字を使用していた事から、鬼殺隊では隊全体の情報共有力を高める為に積極的にこの指文字を広めていた模様(指文字は育手などが教えているのだと思われる)。
実弥は柱に就任する前に匡近の遺書を読んでいることから、貧しい育ちながら文盲でないのは確実なため、最終決戦後の実弥が文字を書く事ができないのは、利き手の指の欠損が理由である可能性が高いと思われる(しかも欠損したのが人差し指と中指である)。
だが、少なくとも炭治郎の手紙を厭ってはいなかった様子で、ある日禰豆子が縫い物をしていると、背後の縁側に風呂敷が置かれていた。風呂敷を嗅いだ炭治郎は実弥の匂いがした為にすぐに彼からの贈り物と判断。敵視している善逸以外は喜んだ。
なお、鬼殺隊見聞録弍によるところ彼は恥ずかしがり屋とのこと。ちなみに置いていく際は気配を悟れないほどの凄まじい抜き足をした模様。