概要
国語の教科書にも載った哀しいお話であり、これを知らない人はそうそういないと思われる。
あらすじ
ある山の中に赤鬼が住んでいた。心優しい赤鬼は村の人間たちと仲良くなりたいと思っていたが、その恐ろしい姿のため誰も友達になってくれなかった。
ある日赤鬼は友達の青鬼と再会し、このことを話す。すると青鬼は「オレがわざと村で暴れ回るから、キミはオレをやっつけるフリをしてくれ。そうすればキミは人間たちのヒーローになれるぞ」と提案する。それじゃあいくらなんでも青鬼に悪いと断ろうとする赤鬼だったが、青鬼は強引に赤鬼を引き連れ村へと向かう。
青鬼を赤鬼がやっつけ(るフリをし)てから数か月がたった。
赤鬼は今では村の人気者。あれほど自分を恐れていた子供達も、みな赤鬼のことが大好きになっていた。しかし赤鬼は、青鬼を見かけないことを心配していた。
気になった赤鬼は自宅に戻るが、そこに青鬼の残した張り紙を見つける。
張り紙には、「オレとつるんでいるのがバレたら、赤鬼くんまで悪い鬼だと思われてしまう。オレはもうこの村には立ち寄らないことにした。だが、オレはいつまでも赤鬼君の友達だ」と書いてあった。
赤鬼は、張り紙を何度も読み返し、涙を流すのだった。
関連項目
もののけ島のナキ:本作を元にしたアニメ映画。
仮面ライダー剣:イメージカラーが青の登場人物が自己犠牲によってイメージカラーが赤の登場人物を助けるも、そのせいで仲間の元に居られなくなり消え失せてしまう、という内容の最終回がよく本作に喩えられる。
モモタロス:『仮面ライダー電王』に登場する赤鬼がモチーフの怪人で、もう一人の主人公。口や態度こそチンピラや不良じみているが、義理人情に厚く、非常に涙脆く、消えたハズだった仲間達が実は生きていたと知った時は誰よりも喜び、密かに泣いていた。ちなみに、仲間に青色の怪人がいるが、浦島太郎の亀がモチーフ。
バイス:『仮面ライダーリバイス』に登場する主人公・五十嵐一輝の悪魔。家族との思い出を全て忘れてしまった一輝のためにわざと悪役を演じ、彼の手で消滅してもらおうとし、最終的に一輝だけではなく大勢の人々に見守られながら消滅した。奇しくも、イメージカラーは青鬼と同じく青色である。
まじめにふまじめかいけつゾロリ : 第83話が,泣いた赤鬼をモチーフとした内容になっている。また,青鬼のポジションはイシシ,ノシシが操縦したメカとなり,最後赤鬼はマルチーヌのガードマンとなった。
進撃の巨人:ネタバレになるため詳細は割愛するが、結末がこの童話に似ていると指摘する声も。
Re:ゼロから始める異世界生活:作中で主人公がこの話を読み聞かせする。メインキャラクターに赤鬼と青鬼がいる。
秋田赤鬼ラーメン:秋田のご当地ラーメン。「赤鬼も泣いてよろこぶおいしさ」という宣伝で有名であり、CMに登場する赤鬼は離別もなく青鬼と仲良く生きている。
稲妻(原神):荒瀧一斗の伝説任務で、ほぼ同一の話があることが判明している。また、任務を最後まで進めると、この話の続きが語られる。