予告
仮面ライダー剣、最終回。
「アンデッドは全て封印した…。お前が最後だ、ジョーカー!」
「俺とお前は…、戦う事でしか解り合えない!」
「変身!」
前後のストーリー
『仮面ライダー剣』第49話(最終話)のサブタイトル。2005年1月23日放送。
あらすじ(ネタバレ注意!)
この先、作品内容についてのネタバレがあります。
未見の方はご注意下さい。
相川始=ジョーカーアンデッドがバトルファイトの勝利者となった事で無数のダークローチが発生し、世界は滅亡に向かおうとしていた。最早彼を封印するしか人類が救われる道は無い。
だが、剣崎一真はそれでも尚始を救おうとし、彼を封印せずに敢えてキングフォームに変身してダークローチ達と戦い続けていた。
その後、彼と決着をつけるべく、剣崎は始と山小屋で再会。そこは、二人の絆が生まれた思い出の場所だった。
ブレイドとカリスに変身し、ぶつかり合う剣崎と始。だが、カリスは必殺技を使わず、わざと封印されようとしていた。愛する人々を、世界を守るために。
もうどうしようもない運命。「俺を倒せるのは、お前だけだ」と言う始。
始の悲痛な決意。その思いを受け、剣崎はブレイドに変身する。
剣崎「アンデッドは全て封印した…。お前が最後だ、ジョーカー!」
始「俺とお前は…、戦う事でしか解り合えない!」
ぶつかり合うキングフォームとジョーカー。
血を流し、必殺技をぶつけ合い、全力をぶつけ合って戦う。
そして、いつ終わるともしれない果てしない殴り合いの中、剣崎の身体に異変が。彼の身体を覆うアンデッドの紋章が次々に妖しく鼓動する。
同時に、あれ程沢山いたダークローチは全て呆気無く消え去ってしまった。
その後、変身を解いた剣崎を見て、始は驚愕する。
剣崎の傷口からは、己と同じ緑色の血が流れていたのだ。
剣崎は、自らアンデッドとなることでバトルファイトを止めたのだ。
二人のもとに現れる統制者。
アンデッドを2体確認。バトルファイトを再開しろと、統制者は2人に戦いを促す。
だが、
剣崎「俺は…、戦わない!」
剣崎はその拳で統制者を打ち砕く。それでもすぐ様、統制者は再生してしまう。
剣崎に駆け寄ろうとする始だが、剣崎は「来るな!」と一喝した。どちらかを封印しない限りバトルファイトは決着せず滅びる日も来ない。だから自分達は戦ってはいけない。近くにいてはいけない。
「幾ら離れたところで統制者が俺達に戦いを求める。本能に従い戦う。それがアンデッドの運命だ」と始は運命を嘆くも、剣崎は力強く返した。
「俺は運命と戦う! そして勝ってみせる!」と。
「お前は…、人間達の中で生き続けろ…」
剣崎は何処かへ去って行った。「俺達は二度と会う事は無い、触れ合う事も無い。それで良いんだ」と言い残して。
始は剣崎を探す。
剣崎を止めようとしていた橘朔也、上城睦月も駆け付けるが、剣崎の姿を見つけることは出来なかった……。
橘は、剣崎が住んでいた屋根裏部屋にて仲間達の映った写真を手に取る。彼は剣崎への思いを綴った。
橘「剣崎が何処に行ったのか、それは分からない。奴は人である事を捨てる事により人を…世界を守った。だが、彼は今も戦い続けている。何処かで…運命と…」
そして、始は平和な日常を取り戻す。
彼の守りたかった、一人の少女の笑顔も守られたのだ。
ある日、栗原遥香におつかいを頼まれた始はベンチに一人の男が座るのを目にする。
始「剣崎…?」
剣崎「始」
始「剣崎…!」
懐かしい友の笑顔を見て、その声を聞き、思わず駆け寄る始。だが、それは幻だった。
剣崎『お前は…、人間達の中で生き続けろ…』
友の言葉を噛み締め、始は銀杏並木の道を歩いてゆく。
そして何処かの砂浜に、一本の轍がどこまでも続いていた……。
解説
その衝撃的で切ない結末の最終回からか、現在でも賛否両論あれど、その評価は平成ライダーシリーズの中でも非常に高い。平成ライダーの最終回の話題になると、必ず本作の最終回が挙げられる程である。
ラストシーンで始は花束を抱えて歩いているが、この花はグラジオラス(花言葉は「剣または切札」)またはアマリリス(花言葉は「誇り」)であるとファンに解析されている。いずれにせよ、この花束は始に芽生えた人間としての心、そして剣崎に対する想いを暗示するものであろう。
脚本の會川昇によれば、剣崎はこの最終回を通して、「職業ライダー」から本当の意味での「仮面ライダー」になったのだと言う。
これは恐らく、石ノ森章太郎による仮面ライダーシリーズの原作漫画以来のテーマ「改造され、人間でなくなってしまった者の孤独」を、本作のような変身アイテムを使うだけの普通の人間が文字通り「変身」していった過程を描くことで踏襲したという意図なのだろう。
尚、最終回後の剣崎の行方については、「仮面ライダー剣 超全集」収録の、會川昇執筆の小説「たそがれ」に詳しく記されている。
劇中から数十年後の世界を描いた同小説によると、人とも獣ともつかない怪物が戦災孤児を救う活動を続けるというニュースが報道されている描写がある。
剣崎は、今も運命と戦い続けているのだ。
余談
- 脚本の會川は、当初は映画と繋げるため、「始を封印するラストにする」構想があった。その後、長石監督との話し合いの末に上記のラストに落ち着いたという。
- 『語ろう! 555・剣・響鬼』では、「この最終回は平成ライダーでも一二を争うレベル」と、インタビュアーに賞賛されている。同書籍では、井上伸一郎や鈴村健一などもこの最終回を高く評価するコメントが記されている。
- 剣崎を好演した椿隆之は、最終回の剣崎の行動について「あれは剣崎なりのハッピーエンドだったんですよ」と語っている。
- 彼曰く、最終回後に剣崎はアメリカに行ったらしい。橘さんが海に向かって剣崎の名を叫ぶシーンのせいでネタにされがちだが、カモメにはなっていないのでご注意を。
- 一方で始役の森本亮治は、「始はこれからも、栗原母娘に寄り添い、その生涯をずっと見守ってゆく」と涙ながらにコメントしている(やや冗談めかしてはいるが)。
- 特救指令ソルブレインの結末はこの対極として語られる。
- 『仮面ライダージオウ』第29・30話(通称:「ブレイド編」)は、ある意味で、このエピソードのアンサーにして「運命に勝った瞬間」とも言える内容になっている。
- 前期OP『ROUND ZERO~BLADE BRAVE~』には「切り札は君の中」、そして後期OP『ELEMENTS』には「切り札は自分だけ」というフレーズがある。いずれも、剣崎が自分を切り札として事態の打開を図り、文字通り切り札(ジョーカー)になってしまう内容と重なる歌詞であるが、このプロットが決まったのは劇場版公開の後であるため、どちらも偶然である。
- 虚淵玄はこの回イメージして魔法少女まどか☆マギカの最終回を作った(『新房語』より)。似たような結末(主人公が人としての存在を捨てることで親友を救う)を迎えており、最終回を本作になぞらえたイラストも存在する。
関連イラスト
基本的には最終回の内容、剣崎一真や相川始、そしてキングフォームのイラストを描いたものが多い。
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新番組予告
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乞うご期待!!