概要
漫画『鬼滅の刃』に登場する用語。人喰いの怪物・「鬼」に対抗する為の武器・日輪刀が、特定の条件下においてその刀身を赤く染め上げた状態。作中では、剣士毎に様々な方法で発現させている。
最初に言及されたのは、原作113話「赫刀」にて。
呼び名は、他にも「赫刀(しゃくとう)」や「赫い刃」などがある。
特徴
「色変わりの刀」とも呼ばれる日輪刀は、刀身が持ち主の呼吸法の適性に応じた色に染まるという特性を持つのだが、それとは別に後述する条件を達成すると、刃は呼吸の適正に関係なく真っ赫に色を変える。
これが「赫刀」と呼ばれる状態であり、この状態の刀身は変色だけでなく熱も放つようになる(悲鳴嶼行冥は「灼けるような匂いと熱」を感じ取っていた)。
日輪刀は、その刃に宿る日光の力で不死身とも言える鬼を殺せる特性を持つ唯一の武器だが、赫刀の状態になるとそれに加えて、鬼の再生力の阻害、発する熱による攻撃力の増強、突き刺すだけで鬼に強烈な苦痛を与える力を発揮するようになる。
原理としては、赫刀は刃に宿る日光の熱を完全に呼び起こした状態で、その力で鬼の細胞を焼く為だという説が有力視されている(実際に通常の日輪刀自体にも、申し訳程度ではあるが再生阻害効果はあるので、赫刀はその力を完全に覚醒させた状態だと言える)。
その為、原典の縁壱すら日輪刀以外を赫刀化させた描写が無い事もあって、赫刀は日輪刀と同じ材料を使った武器でしか発現できないと思われる。
赫刀の発現
物語終盤、上弦の鬼・黒死牟や鬼舞辻無惨という強敵との死闘の最中、鬼殺隊士達は日輪刀を「赫刀」へと変える術を見出していく。
赫刀の発動条件としては、大まかに纏めると高い膂力によって、刀身に圧力をかけて温度を上げる事で発現する。
剣士達はそれぞれに工夫し、この条件を大まかに2つの方法で達成していた。
ただし、いずれにせよ赫刀の発現には高い膂力と熱が必須である為、赫刀の発現は急激な身体能力の向上や体温の上昇等をもたらす痣を覚醒した痣者にしかできない可能性が極めて高い(実際に作中で赫刀を出せたのは痣者だけである)。
かといって、痣者であれば赫刀を発現させられるかというとそうでもなく、あくまでここも個人の才覚に左右される。
ちなみに黒死牟によれば、日の呼吸の使い手(話の流れからしてもこの人の事)以外が赫刀を発現させた例はこれまで無かったらしく、始まりの呼吸の剣士ですら一人を除いて誰も赫刀を出せなかった模様。
原典の耳飾りの剣士と炭治郎が握力で自由自在に赫刀を扱っている事から、本来は柄に握力等で圧力を加えて出すのが正規ルートだと思われるが、無一郎も伊黒も赫刀化させるだけで精一杯で直後に酸欠で昏倒しかけていた。この事から、正規ルートで赫刀化させられる人間はかなり限られると思われる。
鬼殺隊の柱の中でも最も筋力のある悲鳴嶼行冥ですら、刀同士を打ち合わせるという別の方法をとらなければ発現できなかったという点からも、その難易度は窺える。
加えてその“工夫”に関しても、衝撃の具合で簡単に折れてしまう刀を壊さないように強くぶつけるという方法なので、いずれにせよ達成する為には卓越した技量が必要となる至難の業と言ってよいだろう。
一方で、一度発動させれば一定時間赫刀状態が維持されるようで、常時圧力を加え続ける必要はない(常時力んでいると手首の柔軟性が損なわれるので、剣術に於いて致命的な欠陥となってしまう)。
これらの条件は痣を発現させた柱級の剣士であっても非常に困難で、いずれも死地における極限状態によって漸く発現させている。
これを竈門禰豆子の鬼殺しの血鬼術である“爆血”の熱で、擬似的に再現したものが爆血刀ではあるが、こちらは禰豆子の術の効果が切れれば効力は無くなってしまうので、本家の赫刀に比べると使い勝手は悪い。
また、上弦の鬼・猗窩座戦後に冨岡義勇が日輪刀を火で熱した時には赫刀にならなかった事から、日輪刀を赫刀に変化させる為に必要なのは単純な熱ではないらしく、恐らく生物の体温が必要なのだと思われる(爆血で赫刀に出来たのは、爆血は血液の温度を上昇させる為に、性質的には体温に近かった為なのかもしれない)。
余談だが、赫刀の最初の使い手である耳飾りの剣士は、その神域の身体能力と特異体質故か、当たり前のように赫刀を発動・維持していた上に、その効力も竈門炭治郎達のそれとは桁違いに強かった。
関連タグ
爆血刀……竈門禰豆子の血鬼術によって擬似的に発現した赫刀。効果自体は同じものなのだが、あくまで禰豆子の術の効力が続いている間しか使えず、効力が切れれば再度禰豆子から血か爆血で発生した炎を受ける必要がある。
赫刀使用者