※当記事は「鬼滅の刃」単行本23巻(最終巻)のネタバレを取り扱っています。特にアニメでこれからを楽しみにしている人達(アニメ&劇場派)は閲覧注意です。
概要
漫画『鬼滅の刃』第204話のサブタイトル。
ついに宿敵である鬼舞辻無惨を倒した炭治郎達の後日談が描かれた回。
柱稽古終盤からの殺伐とした雰囲気とは一転した、ほのぼの回でもある。
ストーリー
柱を始めとした多くの隊員達が犠牲になる中で、なんとか辛くも勝利を収めるという結果となった。
あれから三ヶ月後。時は経ち、桜が咲く季節になった。
炭治郎は、先の戦いで無惨に斬られた右目は再び視力を失い、一度は再生した左手も老人の様に干からび、殆ど動かせず感覚も失われてしまっていた。
そして、禰豆子も怪我を負ってしまったため、炭治郎は傷跡が残ることを含めて謝罪する。
しかし、当の禰豆子はそんな事を気にせず、逆に「今度謝ったらおでこをはじく」と伝えた。
(補足:直接触れられる機会はなかったが、実は単行本にて「禰豆子のデコピンはめちゃくちゃ痛い」という設定がある)
少し時は戻り、戦いが終わり蝶屋敷に運び込まれて間もない炭治郎の前に愈史郎が現れ、炭治郎が人間に戻れた理由を語る。
愈史郎によると炭治郎が人間に戻れたのはしのぶの薬の効力だけではなく、実は禰豆子の体内には無惨の血を克服した事で抗体が出来ていて、禰豆子に噛み付き彼女の血肉を取り入れた事が却って事態の好転に繋がった。
つまりしのぶの薬と禰豆子の血、両方が揃ってこその結果だったのである。
「本当によく頑張ったな えらいよお前は」という労いの言葉を添えて(直後に「冗談だ」と否定していたが)部屋を出ていこうとする彼に対して、炭治郎は「死なないでほしい」「珠世のことをずっと覚えていられるのは愈史郎だけ」という事を伝えた。
ところ変わって、鬼殺隊本部である産屋敷邸。そこでは、最後の柱合会議が行われていた。
出席者は、当代のお館様である産屋敷輝利哉と、その付き添いである女人、そして無限城の決戦で生き残ることが出来た唯二人の柱…冨岡義勇と不死川実弥の5人のみであった。
輝利哉は今まで自分達や鬼殺隊を支えてくれていたことへの感謝、そして本日をもって鬼殺隊を解散する旨を伝えた。
そして、柱の二人も産屋敷一族へ鬼殺隊を導いてくれたことと輝利哉のお館様としての役目を果たしたことに対する敬意を伝える。
二人からの言葉を受けて年相応の涙を見せる輝利哉、その様子をみて柱…元柱である二人はお互いに優しい笑顔を交わしていた。
場面は再び蝶屋敷。
宇髄とその妻達がやってきて、見舞い兼翌日実家に帰る炭治郎達へ別れの挨拶を伝えに来ていた。
感謝の礼を伝えている炭治郎達の横で、煉獄杏寿郎の弟である煉獄千寿郎と気まずそうに奥に隠れていた父・槇寿郎が息子に引っ張られる形で見舞いにやってくる。
槇寿郎は、亡くなった息子であり炎柱であった杏寿郎の刀の鍔を炭治郎がつけて戦ってくれた事に対して礼を伝えた。
そして、炭治郎は自分があの時の杏寿郎の言葉に支えられていたことを伝えた。
その後も刀鍛冶の里の人達やら隠の人達やら村田をはじめとした他の鬼殺隊員やら、病室が密集する勢いで様々な人達が見舞いに来る(ドアから顔だけを出していたので、軽くホラーだった)。
一方、厨房では入院している炭治郎達のために神崎アオイが病院食を作っていた(無限城での戦いで亡くなった蟲柱・胡蝶しのぶに代わって蝶屋敷を切り盛りしている模様)。
そこにやってきた伊之助のつまみ食いを阻止すると盆に乗せたおにぎりを渡し、今後はこの盆に乗ったものはいつ食べてもいい、と“伊之助用”を約束する。
この時、伊之助はアオイが毎回つまみ食いを見抜くため、ただ者じゃないと気にしていた。
蝶屋敷の庭先では栗花落カナヲが桜の木を眺めていた。
炭治郎はその横に来て、彼女からその桜の木がかつて初代の花の呼吸の剣士によって願掛けで植えられた「必勝」という名前がついている事と、その人に想いが叶ったことを伝えたい事を話す。
そんな彼女をみて炭治郎は「やさしい」と思う。
己の目が完全な失明には陥ってはいない事と、風柱である実弥が見舞いに来て鏑丸をくれた事を伝えた。
人間に戻った彼女に、実弥は今までの非礼と無惨を倒した後の戦いに参加できなかった事を謝罪するのであった。
一方の禰豆子はそんな実弥の怪我を心配し、そして上記のことを全然気にしていない事を伝えた。
その中で「寝るのが好き」ということを笑顔で話す彼女に、実弥は「寝るのが好きだ」と言っていた自分の弟の姿を重ねる。
彼は母に似た穏やかで優しい微笑みをこぼし、禰豆子の頬へ母の志津と同じ手の添え方をして頭を撫でた。
「元気でなァ」と言い残しその場を去って行く(たまたま背後で見ていた善逸が嫉妬していたのは言うまでもない)。
同じく蝶屋敷の廊下で炭治郎と禰豆子は師である鱗滝左近次と義勇にも挨拶をし、彼が髪を切ったなどの何気ない会話を交わしていた。
その後善逸と伊之助も合流して亡くなった多くの鬼殺隊員のお墓参りを行い、そして炭治郎の実家に帰った(余談だが、この時第1話以来久々に三郎爺さんが登場している)。
無事に炭治郎の実家に着き、炭治郎の家族に墓参りという形で挨拶を行った後、しばらく皆で仲の良い生活が始まる。
余談
- 本誌では、ラストページの皆と暮らしているコマで炭治郎が普通に左手を使っているシーンがあったが、204話が掲載されたジャンプの巻末コメントにて吾峠呼世晴先生自身から「渾身の作画ミス」であることが謝罪された。単行本では修正されている。
- 単行本23巻で同話が収録された時、ジャンプ本誌で公開していた内容に更に補完的なエピソード(炭治郎達が実家に帰った後の話)が加筆されている。
関連イラスト
※作品投稿者へのお願い
この回は激しいネタバレを含むため、関連イラストには必ず本タグの使用をお願い致します。
特に単行本未読者やアニメ派の方々は、ネタバレを踏まない様お気をつけ下さい。