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※本記事は鬼滅の刃の小説「風の道しるべ」の大半の『ネタバレ』を取り扱っています。閲覧する時は完全自己責任でお願い致します。









ある町の外れにある空き家の屋敷付近で

人が消えるという。

いなくなるのは必ず子供である。

鬼の仕業と鑑み、屋敷の調査に入った鬼殺隊隊士達も


3人を残しあとは全員消えた。


帰ってきた隊士曰く


屋敷には

鬼も見かけない

子供たちも

共にいた隊士達すらいない




誰一人その屋敷には残っていない。



階級が『甲』になった 不死川実弥と粂野匡近の2人に
狐につままれたような話の指令が持ち出された。

渦中の屋敷を2人が共同任務調査することとなる。







周囲を鬱蒼と生い茂る木々に囲まれた
静謐で陰気な町外れの古い屋敷。


庭一面に咲いた曼珠沙華(ヒガンバナ)の花すらも美しいというよりおぞましい。



陽が傾き薄暗い中、屋敷の敷地へ踏み入れると





屋敷の中に漂う香りは耐え難いほど甘く




生き物の死骸が放つ腐臭に似ていた。

















「うふふ、ダメじゃない。おいたしちゃ。」

概要

鬼滅の刃」の公式小説「風の道しるべ」に登場した
十二鬼月の一人で、この時点の下弦の壱」である。

【小説ネタ】先代下弦の壱さん


長い黒髪を玉結びにし、髪に朱色の花がささり、着物を着た小柄な女性の鬼。
町外れにある屋敷を根城にし、大量の子供や捜索に来た隊士を拐い、捕食している。一見すると傷を負った子供を慈しむように接する慈母の様に思えるが、その本性は拐った子供に傷を負わせ、自己満足の育児をしては衰弱させ、自分の胎内に還すという名目で喰らっている。逆に帰りたいという子供や隊士に対しては「母さんを裏切った」「何の価値もない」等の暴言を平然と吐いて殺そうとするなど、まさに毒親そのものである。実弥曰く「慈母気取りの糞鬼女」

彼女がターゲットとするのは親からの愛に恵まれなかった子供や隊士(本人曰く「とてもつけ入りやすい」とのこと)である為に、運良く助かったとしても精神崩壊や、彼女の愛を求めて自決したり、彼女を庇ったりするなど、ストックホルム症候群の兆候を見せる被害者もいる。

階級『甲』になった不死川実弥粂野匡近の2人と対決する。

能力

名称は不明だが特殊なお香を焚いて、嗅いだ者に幻術を見せる珠世と同じ幻惑系の血鬼術を使う。
また、血鬼術に頼らずとも下弦の壱の座を授けられた事や、多くの子供を捕食してその中には稀血を持つ者も含まれていたらしく純粋な基礎戦闘力もかなり高い。
再生速度も速く、作中では匡近に斬られた左腕を瞬時に結合している。

過去

人間だった頃の名は、弥栄(やえ)。数十年以上前に数人の使用人と共に屋敷で暮らしていた。早くに両親を亡くしていたので、寂しさから若くして結婚した。
役者のような容姿をしていた夫は、物静かで穏やかな男のように見えたが……













※ネタバレ注意!!













一人娘の紗江(さえ)が生まれた時、夫が本性を現す。
母子はいつも傷だらけで、おまけに弥栄が屋敷と共に両親から譲り受けた掛け軸や骨董品を売り払っては、賭け事や酒に湯水のごとく金を使ったという。彼女が咎めようものなら、それこそ失神するまで殴られ続けていたらしい。
これらの事もあり、使用人は皆、夫を恐れて逃げ出してしまう。
だが、ある大雨の翌朝、夫が近くの川で溺死しているのが町の者に発見された。その前日は視界が悪く、さらに足場も悪かった事から、足を踏み外して川に転落したものと思われる。町の者は誰一人として彼の死を悔やむことはなかった。

だが、弥栄の悲劇はこれで終わらない。
娘の紗江が病に倒れてしまう。町の人々は皆、母親を気の毒がり、なんとか力になろうとした。ある者は、紗江と年齢が近かったこともあり、見舞いの品を手に、何度か屋敷へ上がっていた。
弥栄は紗江の頭を冷やしたり、重湯を呑ませたり、体を拭いてやったり、吐いた物を片付けたりと休む暇もなく働いた。薬湯や消毒薬の匂いを消すためか、病床の娘の心を癒やすためか、彼女の屋敷には常に、芳ばしいお香が焚かれていたという。
そんな献身的な看病も虚しく、紗江の容態は回復に向かったどんでん返しに、急速に悪化。やがて声を出すこともままならなくなり、十歳を迎える前に息を引き取ってしまう。通夜の晩、弥栄は紗江の部屋の座鏡の前で泣き崩れていた。
葬式が終わって間もなく、庭に埋めた紗江の遺体が掘り起こされ、現場には少女の着物のみが遺されていたという。弥栄は悲しみのあまりふらりとどこかへ行き、行方知れずとなってしまう。
その後、鬼舞辻無惨と出会い、鬼となる。



ここまでだとあくまで悲劇の女性のように聞こえるが、実態はまるで違っていた。













※以下、更にネタバレ注意!!

















屋敷のどこかに飛ばされた匡近が、弥栄のその後の手がかりを探すべく座鏡の引き出しを開け、利き手を中へ突っ込むと、不格好に折りたたまれたざらがみを発見する。
そこには、どす黒く変色した血文字がのたうっていた。













お母さんが私にどくをのませた。
お母さんが私ののどをやいた。
お母さんが私の耳をつぶした。
お母さんが私のかみをむしった。
お母さんが私のつめをはいだ。
お母さんが私のほねをおった。
お母さんが私をだきしめてなく。
お母さんが私をいらない子だという。
お母さんがわたしをだいじだという。
おかあさんはわたしをころそうとしてる。
助けてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけて———————————————————










「私はね、ただ幸せになりたかっただけなの。」


病で息を引き取ったと思われていた紗江は、実は弥栄による虐待という表現ですら生温い程の拷問を受け続け、必死に逃げようとしたところを運悪く彼女に見つかり殺されていたのが真実であった。
後に弥栄が夫を事故に見せかけて殺害した事や、鬼になって最初に喰ったのが紗江の死体だという悍ましい事実を姑獲鳥本人が暴露している。
なお夫を殺した動機は、賭場で出会った女と駆け落ちして幸せになるべく家族を捨てようとしたからである。後の所業から擁護の価値はないがこの件に関しては夫の自業自得と言える。

つまり弥栄__もとい姑獲鳥の正体とは「家族という悲劇に見舞われた慈母」などではなく「家族という安心を得る事で自分自身が幸せになりたいが為に、その家族含む他者を踏みつけにできる利己主義にまみれた毒親」という怪物であった。

夫の暴力に耐えていたのも「夫に暴力を振るわれる哀れな妻」、娘の体を無理矢理壊しながら看病していたのも「病弱な娘を必死に看病する健気な母親」という虚像を演じる事に酔っていたからであり、2人を殺したのも2人が自分から離れようとしたからである。

このように、その本性は人間時代から驚く程に何も変わっていない。無惨の事は「初めて自分を理解して望むものをくれた御方」として崇拝している。

ちなみに彼女は、人間時代の記憶をハッキリと保っている珍しいタイプの鬼でもある。

作中の活躍

屋敷に調査に訪れた実弥と匡近の内、実弥が親に恵まれなかった(父親に虐待を受けていた)事を一目で見抜いて気に入り、彼を新たな自分の子供にしようと幻術の中に閉じ込めて分断する。しかし、厄除けの鏡とそこに残っていた紗江の遺志に導かれた匡近によって幻術を破られて2人の合流を許してしまう。

当初は純粋な戦闘力で2対1でも優勢を保っていたが、実弥の喉を切り裂いて声帯を潰した時、強力な稀血にあてられた事で酩酊状態に陥り形勢は逆転。ところが、そこで姑獲鳥にマインドコントロールされた少女が彼女を庇って間に割って入り、この機を逃さなかった姑獲鳥は少女ごと匡近を殺す攻撃を放つ。

結末

匡近が少女を護るべく姑獲鳥の斬撃から身を呈して庇った事で、彼に致命傷を負わせる事に成功する。しかし、その事で激昂した実弥に次の瞬間には頚を斬り飛ばされてしまい、最期まで作り物めいた笑顔を浮かべたまま絶命した。

この件の功績で、不死川実弥は新たな風柱として就任する事が決定した。
しかし同時に匡近が殉職した事で、彼の心に大きな傷と、鬼へのさらなる憎悪を残してしまった。

余談

  • 小説版での登場の為、元を含め十二鬼月の中で唯一キャラクタービジュアルがない。

原作3巻24話の響凱の回想シーンに台詞で顔の隠れた着物の人物が登場しているが、彼女本人なのかは不明。また同じくそのコマには、台詞で顔が見えないが服装の特徴から後に下弦の壱になると思われる鬼もいる。

  • 年齢について
小説版にて、屋敷の前にいた老人は匡近に彼女の悲劇的な過去(前述)について語るが、その時にその老人が自分と彼女の娘の紗江の年が近いとも語っている。
老人の「自分はまだそんな歳じゃない(頑固)」という発言から老人は60〜70歳程と仮定し、紗江の歳を10歳弱、そこから当時の彼女が30歳前後仮定すると、小説版時点の彼女は人間時代を含めると80歳〜95歳、鬼としては55〜70歳程と推定でき、江戸時代後期の鬼である事が分かる。

関連タグ

鬼滅の刃 風の道しるべ 
鬼(鬼滅の刃) 血鬼術 十二鬼月 下弦の鬼
鬼滅の刃の登場キャラクター一覧

姑獲鳥 母親 ホラー 伝奇 狂気 みんなのトラウマ
不死川実弥 ストックホルム症候群
サイコパス 毒親


代理ミュンヒハウゼン症候群(MSBP) :実在する精神疾患。わざと子供を傷つけて、熱心に看病しているふりをして周囲の人の注目を集めようとするといった彼女の行動は現代で言うとまさにこれ。ハッキリとした原因は未だに不明だが、幼少期におけるトラウマや家庭環境が関係するものと考えられている。

関連・類似キャラクター

  • 不死川志津:不死川家の母であり実弥が殺した最愛の母親。「夫から暴力を受けていた」「母親でかつ鬼となり子供を複数殺した」繋がり。凡そ条件としては最も近いであろう。奇しくも母親殺しの実弥は、『姑獲鳥』という同じ条件の母親とあたり、皮肉にも「二度目の母親殺し」という業を背負ってしまった。
  • 魘夢:後の「下弦の壱」。こちらも人間時代から同じ気質の人間だった鬼であり、幻惑系の血鬼術を使用する。また、作中で姑獲鳥が血鬼術で見せたものを実現させている。
  • 響凱佩狼:元「下弦の鬼」だった者達。こちらは姑獲鳥と違い同情できる過去がある。
  • 童磨:同じ十二鬼月の上弦の弐」。「人を幸せにするという名目で捕食する」「捕食対象を厳選している」「他人を逆撫でする言動」「人間時代から本性は全く変わっていない」、さらに「人間時代の記憶をハッキリと保っている」等の多くの共通点を持つ。
  • 鳴女:同じ十二鬼月の上弦の肆」「夫が最低な人物だった」「その夫を殺害してしまった」「しかし本人も人間時代からとんでもない女性だった」といった共通点を持つ。
  • 珠世:母親鬼であり同じ幻惑系のお香の血鬼術を扱う女鬼にして逃れ者。人間だった頃夫と子供がいたのを共通しているが姑獲鳥と違い「余命わずかであるにも関わらず家族を愛していた」「そこを無惨に漬け込まれ、鬼にされた挙げ句家族を殺してしまう」「その贖罪として無惨を倒す方法を研究する」という違いがある。
  • 嘴平琴葉:「夫から暴力を受けていた」母親繋がり。ただし、琴葉の場合は姑獲鳥とは違い息子を心から愛しており、腐らず虐待する事がなかった母親の鑑であり、ある意味正反対の存在である。また上記の童磨とは因縁がある。
  • 大聖母:自らの目的のために子どもを誘拐、洗脳していた、ターゲットとして母親絡みのトラウマを抱えた主要人物に目をつけるが最期はその人物に引導を渡された点が共通。違いは「自分が幸せになるために」子どもを拐った姑獲鳥に対して、大聖母は野心を叶えるための手駒がとして子どもをコントロールしていた。
  • エンジェル:似たような思想を持った狂人繋がり
  • :姑獲鳥のような似た条件状況や幽霊が出現する純和風ホラーゲームシリーズ。
  • 影廊:和風の屋敷の中で鏡や怪異といい近しい雰囲気を感じるホラーゲーム。
  • 姑獲鳥の夏:共通の題材を扱った京極夏彦の伝奇ミステリー小説。

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