※本記事は劇場版『鬼滅の刃 無限列車編』の入場特典及び週刊少年ジャンプ44号のネタバレを取り扱っている為に、閲覧は自己責任でお願いいたします。
概要
炎柱・煉獄杏寿郎(当時はまだ新人隊士)が初任務で遭遇・対峙した鬼。
この出来事は週刊少年ジャンプ2020年44号の「鬼滅の刃 特別読切」及び、同年10月16日に公開された「劇場版『鬼滅の刃 無限列車編』」の入場者特典「煉獄零巻」・公式ファンブック第2弾に掲載されている。
人物像
笛を携え頭巾をかぶった老爺の姿をしており、「喃(のう)」が口癖。魘夢以来の下がり眉でもある(ただ魘夢は若者の姿)。
本作の鬼の例に漏れずその性格は悪辣そのもので、「儂の笛の音は神経を狂わせる。笛の音ひとつでお前たちの重ねた鍛錬もすべて無駄」と嘲笑う。
十二鬼月にのし上がる野望を抱いていた様子。また、明言はされていないが作中の描写を見る限り、特に幼い子供を好んで喰っていたようである。
血鬼術『笛』
笛を吹く事でその音を聴いた相手の神経を狂わせる事ができる能力。笛はおそらく彼自身の肉体から精製した物だと思われる。
笛の音を聞いた者は、足を動かそうと思えば頭が動き、手を動かそうと思えば足が動くといった具合になる。さらに使い魔として大きな黒犬を召喚する事ができ、相手は狼狽して抵抗できないまま魔犬の餌食となり、魔犬の喰った人間の栄養はそのまま本体の彼のものになる模様。
うまくはまれば柱でも倒せそうなくらいの凶悪な能力だが、露見してしまえば耳栓一つで防がれてしまう完全な初見殺し系の技でもあるので、仮に煉獄に敗れずともいずれ生き残りの隊士なり鴉なりから情報が漏れてしまえばそれまでであり、どの道十二鬼月の一員に加わって長く活躍していくのは難しかっただろう。
作中の活躍
初任務として鬼討伐の増援を命じられた煉獄を待ち構えていた。
笛鬼の前には既に絶命した六人の鬼殺隊士と五人の子供の亡骸が倒れており、「まあ、皆仲良く手でもつないで三途の川を渡るが良い」と嘲笑う。
煉獄はその犠牲者の中に、最終選別を共に生き残り、「一緒に頑張ろう」と励まし合った男女隊士二人の亡骸を見た。女性隊士に抱きかかえられた少女はまだ生きており、男性隊士は彼女らを背にして庇うような姿勢で、二人が命と引き換えに最期に少女を守ったのは一目瞭然であった。
そんな思いを踏みにじるが如く、笛鬼は「お前たち人間が日々重ねてきた鍛錬も儂の笛の音ひとつで全て無駄」と嘲笑しながら、耳を塞いで音を断とうとする煉獄に魔犬をけしかける。
ところが煉獄は全く笛の音の影響を受けずに魔犬を一刀両断し、返す刀の炎の呼吸・伍ノ型「炎虎」で次の瞬間には笛鬼の首も刎ねていた。驚愕する笛鬼は、先刻煉獄が単に耳を塞いだのではなく、平手で強打して耳の鼓膜を破っていたのだと気付く。実は煉獄は、息絶えた仲間達が指文字で鬼の能力を示してくれていたのを見て事前に笛鬼の能力を把握し(体が思うように動かない中での指文字だった為に、一人一人の情報は断片的だったがそれらを繋ぎ合わせる事で能力を把握できた)、咄嗟の機転で笛の音の呪縛から逃れて、動けないふりをして笛鬼を欺いていたのだった。
かくして笛鬼の野望は潰え、「糞っ!!糞っ!!儂はこれから十二鬼月に…」と呪詛を喚きながら消滅していった。
余談
同話のみのオリジナルの鬼だが、そのキャラクターデザインと能力のビジュアルは非常に完成度が高く、ファンからの評価は高い。ちなみに老人の外見の鬼としては既に上弦の鬼である半天狗がいたが、ファンからは「ビジュアルだけなら半天狗より強そう」などと言われている(勿論、実際の実力は上弦の半天狗と一般の鬼に過ぎない笛鬼では、比較対象にすらならないが)。
人間時代の詳細は不明だが、その出で立ちや能力から元は楽師だったと思われる。
関連タグ
海魔女のソレント:ジャンプ作品&笛吹きの悪役繋がり。こちらは笛の音色が聴覚ではなく脳に直接伝わるため、鼓膜を破っても音を防ぐ事が出来ず、そのような意味では笛鬼の上位互換とも呼べる。