「…!?効かない!そんな!!」
CV:要潤
スーツアクター:伊藤慎
概要
仮面ライダーアギトに登場する仮面ライダーの1人。
正式名称はGENERATION-3(ジェネレーションスリー)。基本カラーは青。
試作機のG1とG2を経て完成した、第3世代型強化外骨格および強化外筋システム。
仮面ライダー史上初であり、後の平成ライダーにも受け継がれた人体への改造及び超自然的な力を施さない強化服装着式のライダー。
変身ベルトに相当する「Gバックル」にも瞬間装着等の変身機能は無く、あらかじめ手作業で着込んでから現場に向かう仮面ライダーであり、厳密には変身ヒーローではない。
この特徴は2022年時点で全仮面ライダー中、G3とその系列機であるGシリーズ系ライダーのみ該当する。
いわゆるスーツを装着するタイプのメタルヒーローでさえも変身と呼べる工程を踏んでいる(例外は特捜エクシードラフトのブルースとキースやブルースワットなど)ので、変身ヒーロー史で見ても非常に珍しい例といえる。
未確認生命体4号をモデルにして作られている裏設定が存在するが、『アギト』と『クウガ』の時系列はあえてずらされている。
装着員を限定して作られているため、他者が装着する際には本体を多少改修する必要がある。
装備一式は通常はドイツ・メルセデス・ベンツ製の専用サポート車「Gトレーラー」(車種は「アクトロス」。1996年秋に欧州で登場した当時最新鋭の大型トラック)に積載されている。
装着員は必要に応じてGトレーラーと合流し装着を行った後、専用バイク・ガードチェイサーで出動する。
数種の専用武器が用意されており、戦闘時はこれらを用いた銃撃戦が主となる。
動力源としてバッテリーパックを装備しており、活動時間の限界が存在する。バッテリー残量はGバックルのインジケータで確認できる。
このG3を基に改良強化型のG3-X(GENERATION-3 eXtension)や、量産試作型のG3-MILDが開発された。
性能
パンチ力 | 1t |
---|---|
キック力 | 3t |
ジャンプ力 | 10m |
走力 | 100mを10秒 |
防御力 | 硬度:8 |
未だ試作段階の装備かつ元々は未確認生命体用に開発された物であり、アギトやギルスの様な超人的な力は無く、従ってアンノウンに対抗する戦力としては十分なものではない(それでもスペックは常人に比べたら相当高い数字なのだが)。
しかしながら数体のアンノウンを撃破もしくは撃退し、アギトの援護にも回るなどしてそれなりの戦果を挙げている。
また、唯一のメカ系ということもあってかスペック上の防御力は序盤から登場している3ライダーの中ではトップクラスである。
ただ、一度目・二度目の戦闘でのG3は本当に弱く、事実二度目の戦いで能力を使いこなせないアギトの暴走攻撃で中破した。修理後の性能向上型が以降のG3のステータスとなるが、第22話で誤解からギルスに襲われたアギトに加勢した際にギルスヒールクロウを受けて大破してしまった。
その後G3-Xが完成したためしばらく出番は無かったが後に修復され、警視庁が方針をアンノウンの殲滅から防衛へと転向した際にアギト迎撃のため再投入された。
小説版では対未確認生命体ではなく最初から対アンノウン用に開発され後に量産されている(ただしスペックはTV本編とほぼ同じ)。
外部出演
仮面ライダーディケイド
アギトの世界にてアギト本編同様に開発されており、芦河ショウイチがG3を装備している回想シーンが存在している。完成間近でショウイチが失踪、その後G3-Xに更新されたため戦闘シーンはなし。
劇場版の鬼ヶ島の戦艦では仮面ライダーディエンドによって召喚された。
しかし、この際ウラタロスに憑依され、彼の操作で戦うことに。なにげにG3の劇場初登場作品となる。
ウラタロスの武器ウラタロッドで普通に敵を倒しており、一部ファンからは一番強いG3とも言われる(ガワだけ借りたようなものだが)。
仮面ライダージオウ
アンノウンの攻勢終結から20年が経った『仮面ライダージオウ』の時点でも運用されている。
しかし最新型の開発を最優先させたい上層部と、(こなれた技術による量産のしやすさから)全国配備を優先すべしと考えている尾室らとの間で一種のすれ違いも起こっているらしい。
専用インナーなしでスムーズに装着可能、OSなども一新されてるようで、モニターも旧来より視認性が高い様子であるため、単純にかつてのG3そのままの量産ではなくG3マイルドやG3-Xなどの後継機などで採用された技術もフィードバックされたものである様子(全国配備という意味ではG3-Xなどは過剰戦力ともとれる)。
しかしそんな中、G3を狙う新たな敵・アナザーアギトが出現。
その危機を知った津上翔一が日本に帰国し、第32話では彼もG3のスーツを装着してアナザーアギトと戦っている。
ちなみに氷川誠役の要潤氏によるジオウのG3ユニットへのツイートもある(見方によっては氷川誠のレポートとも言える書き方である)。
仮面ライダークウガ(HEROES)
対グロンギ用戦闘スーツとして開発が進められており、14巻のカバー絵にもなっている。
そして70話にて正式に登場。デザインは原作のものを踏襲しているが、目には一文字のラインがあるのが特徴。
また、本作のみスーツの装着者を「搭乗者」と表記・呼称している。
装備についても原作同様だが、システムに「スーツに内蔵されたAIが搭乗者に最適な動きを強制する」というG3-Xに近い仕様があり、無理にその指示に逆らった場合は搭乗者の身体に負担を強いるという欠点が露呈している。
ゴ・バダー・バ撃破後のクウガのデータを参考にして作られている為、性能自体は非常に高く、77話ではゴ・ガズボ・デを単独撃破している。
当初は駿河徹也が搭乗。後に彼に唆される形で一条薫が搭乗して戦闘を行うも、前述の負担により全治一ヶ月の重傷を負った。だがその後、彼の得意とする剣道の「正眼の構え」を用いて精神を集中、「G3に満ちる」ことで完全にG3を物にし、以後は正式搭乗者となった。
剣道を得意とする一条が搭乗しているためか、GM-01などの銃火器を多用する他媒体のG3とは異なり、刀剣であるGS-03がメインウェポンとなっている。
以前から「一条さんがG3を装着したら最強じゃね?」と想像するファンは多かったが、クウガとアギトがクロスオーバーする漫画版クウガにてついに実現することとなった。
装着者
- 氷川誠(第1話~第6話・第14話~第22話)
- 北條透(第9~第11話)
- 尾室隆弘(第49・50話)
- 芦河ショウイチ(ディケイド第13話)
- ウラタロス(鬼ヶ島の戦艦)※厳密には憑依
- 津上翔一(ジオウ第32話)
- 駿河徹也(HEROS版クウガ)
- 一条薫(同上)
『ジオウ』では量産化に成功しており、G3ユニットに属する多数の隊員がスーツを装着して戦闘を行っている。
氷川ほどの実力はないのか、アナザーアギト相手に歯が立っておらず、むしろジオウのライダー達に守られている始末であった。
しかしながら、(アギトの力を失った)翔一のG3でも苦戦するアナザーアギト相手に、攻撃が通じない上にゾンビのように数を増やしていく相手に対して果敢に立ち向かう姿に「彼らもまた『仮面ライダー』である」と評価する声もある(さすがにジオウトリニティがアナザーアギトを一体倒した際には腰が抜けたのか、その場に座り込んだりマスクを外していたりしていたが)。
装備
オペレーターによって許可コードが送信されるまでは武器を使用できない。
これは武器を相手に奪われる状況を想定しての事で、実際第39話でアナザーアギトにGM-01を奪われて銃撃されている(その時はアナザーアギトの握力で安全装置のロックよりもパワーが大きかったために再ロックがなされなかった)。
また、いずれの武器も生身の人間が使用する事は可能だがあまりに反動が大きく、鍛え抜かれた人間でさえ肉体に大ダメージを受けるため(第11話にて生身でGM-01スコーピオンを使用した氷川は反動で右腕に重傷を負い、G3装着もしばらく不能になっている)G3系ユニットを装着しての使用が前提となっている。
GM-01 スコーピオン
対未確認生命体用の突撃銃(実態はサブマシンガン)。装弾数は72発で並列弾倉式。
当初は貫通力を敢えて抑えることで標的の体内で炸裂するように調整された、対未確認生命体用の神経断裂弾を強化した銃弾を使用しており、未確認生命体を倒し得るに十分な威力を持っていたが、アンノウンには超能力で銃弾を弾かれてしまい、命中させることすら叶わなかった。
第4話で弾薬を対装甲車用の10口径徹甲弾に変え、物理的破壊力の強化を図ったことで、アンノウンにも命中するようになった。
基本的には牽制用の武器であるが、アンノウンを怯ませるには十分な威力を持っており、G3の最も主要な武器として終始活躍した。
G3-Xになった時は右大腿部に携行している。
GG-02 サラマンダー
GM-01と連結して使用するグレネードランチャーで装弾数は3発。破壊力は約20トン。
これによって放たれるグレネードショットは一撃で戦車も粉々にする。
G3の時はこれが最大火力を持つ武器であった。
第4話で通常榴弾から対戦車榴弾へと強化され、下級のアンノウンならば倒すことが可能になった。
GS-03 デストロイヤー
超高周波振動ソード。ブレード部を振動させ切断する。右腕に装着して使用。
パワーを最大にして放つスーパーブレードで敵を一刀両断する。
劇中では一度も相手の体に命中していない。これは『ディケイド』に登場したG3-Xですら続いていたジンクスであったが、上述の『ジオウ』でアナザーアギト相手にようやく命中した。視聴者的には実に17年の月日を経ての快挙である。
HEROS版クウガでは剣道が得意な一条薫が装着しているためメインウェポンとして多用され、ゴ・ガズボ・デに至っては一刀の下に両断、撃破している。
GA-04 アンタレス
右腕に装着して使用するアンカーで、ワイヤーで敵を捕縛する。
初使用はG3-Xになってから。
ガードアクセラー
ガードチェイサー(バイク)の右グリップであり起動キー。装着完了時に小沢澄子がG3に手渡す。
引き抜いて電磁警棒として使用する事も可能だが、G3時代は武器としては使われなかった。
G3-Xでは左大腿部に装備できる。
対超低温シールド「タルカス」
漫画版「クウガ」で登場。
エストニア語で「知恵」を意味する盾(おそらくギリシャ神話の知恵の女神アテナからの連想)で、ゴ・ベミウ・ギの低音攻撃に対抗して開発された。
べミウ戦ではなかなかの耐久力を見せており、クウガライジングドラゴンに貸し与えられ、防御力の低いライジングドラゴンの弱点をカバーしていた。
G3直系
G3-X
TV本編に登場するG3の強化バージョン。
詳細は該当項目を参照。
G3マイルド
TVSPおよびHEROSAGAに登場するG3の量産試作型。
G3-X同様オートフィット機能を搭載し「誰にでも扱える」ことを前提に開発された。
G3-Xのサポート、現場先行、被害者の保護等を目的にしている。
G3-オリジナル
放送当時発売されたプレイステーション用格闘ゲームにおいて登場したキャラクター。
外見は通常のG3と同一だが、プレイヤーが武器をカスタマイズする事ができる。
また、名称の「オリジナル」の部分はプレイヤーが変更することも可能。
G3-Xオリジナル
G3-オリジナルの全ての武器をフルチューンするとこちらに変化する。
系列機
GシリーズにはG1~G5とその派生機が確認されている。
G3及びG3-Xとは異なる試行錯誤が窺える。
小沢の才能に恐怖するとんでもないものが混じっている上、それが敵に渡っているのはメタ的に仕方ないことである。
G1
HEROSAGAに登場したGENERATION-1、つまり最初のGシリーズ。
G3以上に未確認生命体第4号、特に赤い4号に近い姿で能力を忠実に再現した結果人間に使えないものになってしまったため倉庫に保管されていた。
しかしアンノウンに奪われた上、人間ではないアンノウンは問題なく使ってみせたどころか4号の再現性がかなり高かったのか、想定外の電撃によるパワーアップまで行った。
G2
てれコロコミックの読み切りに登場するGシリーズ。
他のG系統とは何もかも大きく異なり、内部に キャノンやミサイルと思しき武装を満載したバイクという非人型にして非装着型なのが最大の特徴。どちらかと言えばG3、G3-Xが乗るガードチェイサーに近い系統である。
腕時計型コントローラーで命令を受けて行動する人工知能を搭載した無人機で、その性能はG3どころかG3-Xを上回り、氷川からも「戦闘力だけならばG3-Xすら凌駕する」と評されたほど。
しかし人工知能の欠陥で行動中に命令を無視して暴走し、敵味方の区別なく手当たり次第に攻撃するという重大な欠点があり、実際過去に暴走して甚大な被害を出したらしく、警察庁第13研究所に封印されていた。
作中では3-Xをバカにする超能力者の少年にコントローラーを奪われ、案の定暴走。更にはそのままアンノウンに奪取されてしまったが、激闘の末にG3-Xによって沈黙させられた。
HEROSAGAでも無人機とされている。
なによりの不幸は実作品を読めないことであり、欠番であることが時の経つほど拍車をかける。
G4
劇場版に登場する超高性能なG3の強化型。基本カラーは黒。眼は青色。
設計のみで封印されていたが、劇場版で自衛隊が奪取し、G3ら3人のライダーを圧倒する。
アンノウンをものともしない凄まじい性能を持ち、Gシリーズ最強と呼んでも過言ではないが、装着員への負担が極めて大きく(詳細は項目に譲るが)端的に言えば長時間使用すると命を落とす。
更に自衛隊が奪取した後に付け加えられた『予知能力者と連動することで未来視を可能にする』機能もあるが、こちらも超能力者の死亡は確実であり、そもそも人間をG4を動かすためのパーツとしか考えていない超欠陥設計。
故に開発者の小沢からは「存在してはいけないシステム」、氷川からは「呪われたシステム」と切り捨てられている。
武装はM-01改、四式多目的巡航4連ミサイルランチャー・ギガントで、特にギガントは一発で数体のアントロードをまとめて撃破する高火力を誇る。
G4-X
HEROSAGAで一時的に改修されたG3-X。
アンノウンに強奪されたG1と戦うため、劇場版で破損したG3-XをG4のパーツで継ぎ接ぎして氷川誠が装着していた。
G4とは違って死ぬ危険はないが、装着員への負担がG3-X以上に大きい。
G5
最終回で30人ほどが確認されたG5ユニットに配備されてると思われるGシリーズ。
実は作中ではG5ユニットというチームが存在しているだけで、強化服のG5があるのかどうかすら不明。
ファンの間では人員の多さから、G3-Xの後継機かつ量産型の設計で、団体行動を取っているのではないかと言われている。
余談
上記からも分かるように、G3のモデルは未確認生命体4号とされているが、アギトをクウガの続編とすると矛盾が生じる他、あくまで「未確認生命体4号がモデル」であって「クウガがモデル」とはされていない為、G3のモデルとなった未確認生命体4号が本当にクウガその物かどうかは曖昧になっていた(デザイン上はメカクウガの扱いだが)。
しかし『ネット版 仮面ライダーディケイド オールライダー超スピンオフ』では、鳴滝が「G3は未確認生命体4号、クウガをモデルにしたという裏設定がある。つまり、メカクウガだ」と発言された。
『スーパーヒーロー大戦乙』で出演したG3は一人称が『俺』となっているが、上記の装着者は全員『俺』とは名乗らないため中の人の正体は不明である(CV:酒井敬幸)。
『stranger in the dark』というかっこいいテーマソングを持っているが、使用されたのはたったの1回で、この時の装着者は北條透となっている。このテーマが流れていた際は北條はかなり優勢だったものの、2回戦では敵前逃亡したため「敵前逃亡用BGM」という不名誉なあだ名を戴いてはいるが、敵前逃亡した際には流れていない。
関連タグ
仮面ライダーアギト G3ユニット
氷川誠
サブライダー 銃ライダー ポリスライダーズ ブルーヒーロー
クワガタ
平成ライダーシリーズの仮面ライダー一覧
量産型ライダー(小説版及びジオウ客演時)
関連・類似キャラクター
- 仮面ライダークウガ:クワガタムシがモチーフのライダー。G3のモデル。
- 仮面ライダーギャレン:クワガタムシがモチーフの銃使いの2号ライダー、「怪人に対抗する組織によって開発された」「物語序盤は様々な理由で苦戦・敗北も多かった」「亀の怪人を銃撃技で倒す」「敵との戦いで破損する」「変身者が組織に所属している」という点が共通。
- 仮面ライダーガタック:クワガタムシがモチーフの2号ライダー、「カラーリングが青」「怪人に対抗する組織によって開発された」「装着者から主導権とある程度の意識を奪って暴走してしまう機能がある」「変身者が警察官」「変身者が組織に所属している」「スーツアクターが同じ」など共通点が多い。
- 仮面ライダーイクサ:脚本家が同じ作品の2号ライダー、「怪人に対抗する組織によって開発されたパワードスーツ」「他のライダーとはシステムの構造が異なる」「最強形態の専用武器は番号を入力する」「敵との戦いで破損した事がある」「変身者が組織に属する」といった点が共通。
- 仮面ライダーバース:平成二期第2作目の2号ライダー、「組織によって開発された」「ユニットを合体させる事で必殺技が発動する銃型武器を使用する」「様々な武装を使い分けて怪人と戦う」「最強形態は名前の最後にXの文字がある」「試作機が存在する」「敵との戦いで破損した事もあるが、後に修復される」「変身者が警察官」「変身者が組織に所属している」といった多くの共通点がある。
- 仮面ライダーG(キャラクター):「G」の名を冠した仮面ライダー繋がり。
- 仮面ライダーバルカン:元号最初の青い2号ライダー、「銃使いのライダー」「怪人に対抗する組織によって開発されたパワードスーツ」「変身者が組織に属する」等の点が一致。