「さてと、お宝はどこかな?」
演:戸谷公人
変身する仮面ライダー
概要
九つの世界とはまたさらに別の世界である「ディエンドの世界」出身。
大ショッカーから奪ったお宝、ディエンドライバーを使って仮面ライダーディエンドへと変身する。
初登場時にいきなり「士、ナマコは食べられるようになったかい?」と言うなど、門矢士の過去やキバーラの正体を知っているかのように振る舞っていたが、結局その辺りの詳細は謎のまま。
「世界を旅するのは僕の仕事だった」、「士のずっとずっと昔からの知り合い」だったという発言から察するに物語前半時点ではディエンドの世界出身の人間という設定では無かったように思われる。嘘予告となった冬映画のCMでは、血だらけになりながら「死ぬな士」と言うシーンや、「クウガに首を掴まれて倒される」など前半の伏線が明かされるはずだった事が窺える。
とは言え、ディエンドライバーが大ショッカー製であること、そして大ショッカーの大首領がこの男であったことを踏まえると「士のずっとずっと昔からの知り合い」という発言自体には現行の設定でも矛盾は生じておらず、言い方がやや不自然程度に留まっている。
ディエンドの世界に、兄の海東純一がいる。
初登場以降から士にただならぬ発言をかましている。
身体能力はオルフェノク相手に生身で超人テニスをやってのけた士に負けず劣らず常人離れしており、仮にもクウガであるユウスケがヘロヘロになっていたG3-Xの装着テスト(単にユウスケの基礎体力がなかっただけという見方もあるが、海東とユウスケ以外の候補者は全員早くから脱落しているため、海東の生身の体力が士同様ズバ抜けていると見るべきかもしれない)を軽々とこなし、大ショッカー戦闘員に囲まれた時にも、変身せずに生身で応戦し続けられるだけの腕っ節や身のこなしを持ち合わせている。大ショッカーからディエンドライバーを盗めたのもむべなるかな、である。
人物像
各世界の「お宝」に対する執着は並外れており、目をつけたお宝を手に入れるためなら人道や法・社会正義に外れた行為も、仲間・友人に対する裏切りも厭わないところがある。
(例:「アギトの世界」で、お宝と見初めた「G4チップ」欲しさに、G3-X装着員役を先に志願していたユウスケから強引に掻っ攫い、目的を果たしたと見るやさっさと警察の備品であるG3-Xを戦場に脱ぎ捨て放棄してディエンドに変身し、更に召喚したライダーに、芦河ショウイチのせいで変身を強制解除された生身の士を撃たせようとするなど)
なお、海東自身もそんな自分を自覚して悪びれてもおらず、「泥棒」呼ばわりも平気で受け入れている。
また、ウルフオルフェノクを「たかがオルフェノク如き」と評したり、カメンライドで呼ぼうとしたキバに対しても「バケモノ」呼ばわりするなど、怪人の類は軽蔑の目で見ている模様。
また、「シンケンジャーの世界」ではシンケンゴールドこと梅盛源太の所持する烏賊折神をお宝と見初めて盗み、追いかけてきた源太にカメンライドでライアとシザースを召喚してけしかけ、後のスーパーヒーロー大戦に先駆け、平成の世では初となる仮面ライダーvs戦隊ヒーローの戦いを勃発させた。
もっともこの後、海東自身も、外道衆のアヤカシ・チノマナコにディエンドライバーを奪われてしまうのだが…。
……あれっ、鳴滝さん?
あの世界に最初に仮面ライダー出現させてしまった直接の原因って、士じゃなくって海東じゃないですか?
『鬼ヶ島の戦艦』ではオニ一族と戦う電王達の前になんの説明もなくオーロラカーテンで現れ、「こうすればもっと面白い」として変身し、3人のライダーを召喚して場をかき乱した挙げ句自分はすぐに帰っていくなど、読めない行動も多い。
そんな海東だが、その一方で「人の思い」や「思い出」というものも大事なお宝であると認識しており、「響鬼の世界」でヒビキからアスムの師匠役を押し付けられた際も、指導らしい指導こそしなかったが、海東なりの『心の持ちよう』をアスムに教えたり(この縁でアスムには「師匠」と慕われ、海東自身もアスムを『少年くん』と呼ぶ仲に)、劇場版『MOVIE大戦2010』で一度士が消滅した際にはその復活に奔走したり、同じく劇場版『超・電王トリロジー』における主役エピソード「お宝DEエンド・パイレーツ」では、泥棒ライダーである海東を捕まえようとした時間警察の黒崎レイジ宛てに出されていた、一度駄目になってしまったはずの「レイジの母親からの手紙」をきちんと回収してレイジに見せたりなど、気まぐれではあるが情に厚い一面も持ち合わせている模様(とはいえ、素直ではないのか、本当に嫌っているのか「仲間」を最も嫌う言葉の一つに挙げている)。公式の説明の一つには「自分の世界で信じるものに裏切られた海東は自分も信じることができなくなり、その気持ちをごまかすために泥棒になった。だが海東にとって、自分を信じられる気持ち、仲間を信じる気持ちこそが真のお宝だったのだ。」と書いてある。
……だが、そんな妙な所で人情家な性格ゆえに、
後述の『スーパーヒーロー大戦』における士とマーベラスの行動とその真意は、海東としては許しがたかったらしく…。
あまり話題にならないが、実は料理が得意という意外な一面もあり、海東の味噌汁を美味いと評したユウスケに対して嫉妬した光栄次郎が「イマイチ」だと言わせたほど。
上述のように士を煽ってはいるが、実は当の本人が海鼠嫌い。しかし言われた当時の士が記憶喪失であったため海東の発言を否定したり真相を指摘したりする機会が無く、本編では意味深な台詞のまま終わってしまった。
本編終了後のファイナルステージにてジェネラルシャドウのお宝を盗むもよりにもよってそれが海鼠であり、ポケットの中でグショグショに溶けてしまい、それ以降海鼠がトラウマになってしまったことが判明した。海鼠を出会うと恐ろしさのあまりディエンドライバーを乱射する程に取り乱す始末であったが、ナマコ仲間のおかげで克服した。
本編外の活躍
スーパーヒーロー大戦
泉比奈をスーパー戦隊側の勢力から救い、逃げた先で鉢合わせたジョー・ギブケン、ドン・ドッゴイヤーと時に対立しながらも行動を共にし、ライダーと戦隊が戦わなければいけないことの真実を解き明かそうとする。…が
「敵を騙すのは味方から。敵を倒すのも味方から。そして最後には大逆転。……見事だよ。」
「でも……見事過ぎて気に入らないね。」
すると、海東はいつの間にか手に入れていた、最強最悪のビッグマシンを完成させる装置を士に見せる。
士「お前、何故それを!?」
「キミは作戦遂行の為に友情とやらを踏みにじった。」
士「友情…?」
「僕はそんなものに興味ないが、その心の痛み……キミも味わいたまえ。」
士「やめろ!」
「僕を傷付けた分、今度はキミが傷付きたまえ!」
その真意を知った終盤ラスボ…………ではなく、超迷惑な八つ当たり屋さんと化してしまう(詳しくはビッグマシン参照)。パンフレットによると騙されたのが自分一人だったら、あそこまでキレなかったらしく、思い悩むジョーや比奈たちの姿を見て納得できなかったとのこと。白倉プロデューサー曰く「海東があそこまでされて黙ってるとは思えない。」
ただフォローしておくと、そもそもの問題は士とマーベラスが偽悪に徹し過ぎるがあまり、仲間達に事前連絡も一切せずに非道な所業をしていたことにあり、それこそ信頼を利用されたジョーを攻撃し「お前達を仲間と思った事など一度もない。」と切り捨てたマーベラスに対して「彼は十分傷ついた、もういいだろう?」と労わる程の善意を見せ、士からそれを踏みにじり、「らしくないな海東、お前に友情なんて似合わないんだよ。」と非情な言葉と共に切り捨てられるといった目に遭っている。
実態こそ迷惑な八つ当たりであるが、これでブチ切れないジョー達が異常なほど寛容過ぎるだけで、海東がこうなるのは無理もない話であり、見方を変えれば士とマーベラスの自業自得と言えなくもない。
また、メタ的に言えばわざわざ戦う羽目になった当企画に対するツッコミとも言えなくもなく、「ムダに戦わされる羽目になったライダーと戦隊ヒーローの双方が、僅かながらに抱いたであろう怒りの総意」として取れなくもなく、作戦の内容もあってか視聴者から一定の理解はされている。
その後は完全に錯乱状態となり、何故か戦隊とライダーの頂点に立とうとするが、後輩ライダーのフォーゼと、当時現役戦隊だったゴーバスターズによって阻止された。
エンディングでも士に拗ねた対応をし、持っていた士のカメラも「僕にとってはただのゴミクズになった。」と言い放ち、さらには「キミの事など二度と考えたくない。」と言って何処かへと去っており、士に対して相当不信感を抱いていたのがうかがえる。(実際二人が共演するのは後述のとおり、6年後の『仮面ライダージオウ』まで一切無かった。)とはいえ、最後には「だが忘れもしないさ。」と口にしてディケイドのカードを持ち去る姿も見せているので、完全に嫌いになった訳でもない様子だった。
仮面ライダージオウ
「この世界のお宝を独り占めにはさせないよ。士」
「仮面ライダージオウ」第29話から登場(厳密には第28話のラストシーンで顔見せしている)。
ディケイドライバーを新調した士=ディケイドと同様、その手にはディケイド本編時とは少し異なるシアン色のディエンドライバーが握られている。
士との共演はスーパーヒーロー大戦以来となる。
詳細は海東大樹(仮面ライダージオウ)を参照。
小説 仮面ライダーディケイド 門矢士の世界~レンズの中の箱庭~
メインキャラとして登場するが映像作品とは人物像が大きく異なる。作中で光夏海と共に士と同居することになる。
また、ストーリーにおいてある重大な役割を担っている。
彼が狙った「お宝」リスト
海東が大ショッカーから盗んだお宝。
「ファイズの世界」のお宝。当初は尾上タクミが所持していたファイズギアを狙っており、一度は入手するが、タクミに返却した。その後、崩れたスマートブレインハイスクールの瓦礫の中から他のライダーズギアを発見し、その中から帝王のベルトであるオーガギアを回収した。士のいうファイズギアよりも大切なもの(尾上タクミが守ろうとする友田由里の夢)がこれらライダーズギアの事だと勘違いし、真相を知らないまま去っていった。
余談だが、この世界において、デルタギア、サイガギア、オーガギア、ライオトルーパーのベルトはオルフェノクを守るための武装ではなく、オルフェノクを倒すための武装という設定である。
ちなみに、ライドブッカーはお宝判定ではないようだ(既にカードケースやディエンドライバーを持っているからであろうか)。
「アギトの世界」のお宝。八代淘子がG3-Xを更に強化する為に開発した物。芦河ショウイチのロッカーに隠されていたのを回収しようとしたが、淘子の銃撃で破壊された。
「電王の世界」のお宝。「ファイナルフォームライド 電王」のカードを使い、電王をデンライナーに変形させて手に入れようとしていたが、カードがモモタロスに書き換わったことで失敗に終わった。
しかし、『超電王トリロジー』では本物のデンライナーのハイジャックに成功し、上述の目的を達成する為に使用する事となる。
- クロックアップシステム
- 伝説のスパイス
「カブトの世界」のお宝。一番速いカブトのクロックアップシステムを奪おうとしたが、カブトのクロックアップに対応しきれず失敗に終わった。
その後、そんな海東の為に士から「ヴァスコ・ダ・ガマが命がけで探し求め、金と同じ値段で取引されたと伝えられている伝説のスパイス」を渡され(※もちろんただの胡椒である)、去り際に「…イエスッ」と言いながら小さくガッツポーズをしている。それでいいのか海東。
- 音撃道の秘伝の巻き物
「響鬼の世界」のお宝。斬鬼流、威吹鬼流、響鬼流の3つの流派が所持しており、巻き物の暗号を解く事で音撃道の真の宝に辿り着けると言い伝えられている。
劇中で巻き物を3つ全て入手した海東がその暗号を解き、真の宝の正体が「3つの流派が1つになった真の音撃道」である事が明かされた。
- ケータッチ(ディケイド版)
「ネガの世界」のお宝。当初はネガの世界の光夏海によって隠されており、紅音也率いるダークライダー達が取り戻したところを強奪しようとしたが、戦いの中で士の手に渡りコンプリートフォームが誕生する事となった。ちなみに、ケータッチを掻っ攫う際に大量の紙飛行機を飛ばしている(ダークライダー達も気を取られていた為、演出ではない本物だと思われる)。
「シンケンジャーの世界」のお宝。劇中で梅盛源太/シンケンゴールドから盗み出すも、源太から追われている最中に海東自身も突然現れたチノマナコにディエンドライバーを奪われるアクシデントに見舞われてしまう。
士達にチノマナコが倒された後、残ったディエンドライバーを海東より先に拾い上げた源太が取引を持ちかけた事で、最終的に諦めて互いに交換する形で返却する事となった。
なお、捕獲して敵対心を向けてくる烏賊折神には「すぐに君の仲間を揃えてあげるから」という趣旨の発言をしていた為、折神全てを盗み出す予定だった模様。
- パーフェクター
「RXの世界」のお宝。正確には大ショッカー大幹部のアポロガイストが身に着けている延命装置で、劇中ではそのパーフェクターを巡って士と対立。パーフェクター争奪戦は結果として海東の勝利に終わったが、死亡した夏海を蘇生させる為に士に譲渡された。
パーフェクター自体はその後も士が所持していたが、アマゾンの世界でアポロガイストと対峙した際に彼の目の前で破壊している。
「RXの世界」で士一行がアポロガイストの攻撃で落としたのを拾い上げた。海東は「最高のお宝」と称していたが、その後すぐに士に返却した。
なお、「ファイズの世界」ではライドブッカーも入手しているが、こちらは「あまり大したお宝ではない」と評価されている。
「アマゾンの世界」のお宝。アマゾンが身に着けているギギの腕輪と十面鬼ユム・キミルが身に着けているガガの腕輪を狙っていたが、十面鬼から奪ったガガの腕輪はディケイドの「アタックライド ガガの腕輪」で彼に奪われ、そのまま「ファイナルアタックライド アマゾン」の力でアマゾンの手に渡った。
劇場版『オールライダー対大ショッカー』では序盤でギギの腕輪を奪っていた為、劇中のアマゾンはギギの腕輪を付けていない状態で戦っていた。なお、大ショッカー壊滅後に海東が自らアマゾンに返却し、その際にアマゾンから「ディエンド、トモダチ」と友達認定されている。
- 黒崎家の家宝の拳銃
『超・電王トリロジー EPISODE YELLOW』で求めていたお宝。過去に黒崎家の屋敷から盗み出したものの、ある事情から拳銃に傷が付いてしまっており、その一件から黒崎レイジは海東の事を強く恨んでいた。
デンライナーをハイジャックした海東は再び過去に渡り、この拳銃を今度こそ綺麗な状態で入手しようとしていたが、実はその行動の裏には、拳銃に傷が付いた一件で駄目になってしまった『レイジへの母親からの手紙』を回収してレイジに見せるという目的も存在していた。
ちなみに拳銃自体は、過去と現在の2人の海東が対面した際に、過去の海東が現在の海東から密かに奪い取る形で入手している。
- ケータッチ(ディエンド版)
『超・電王トリロジー EPISODE YELLOW』で手に入れたお宝。母親からの手紙を見せられた事で誤解が解けたレイジより手渡され、ディエンド版コンプリートフォームの誕生に繋がった。
- ユートピアメモリ、ハーメルケイン、ウルティマ眼魔アイコン、リボルケイン、ライドロン、ディルゼルド
ゲーム『ライダーレボリューション』にて。
ユートピアメモリは興味はある一方で、メモリ遊びには興味がないという。これには真面目なユートピアも「遊びでメモリは付けていない」と返した。ハーメルケインに関しては白い魔法使いの「大切な道具」であるが故にますますコレクション欲を刺激された模様。眼魔ウルティマと戦う1号の後を引き受けるという条件で眼魔アイコンも狙っていたが、メモリと眼魂は使用者が倒されれば破壊されてしまうので恐らくは入手できずに終わった可能性が高い。
また、キングストーンはお宝とは認識しているらしいが、危険性を認知しているらしく、盗むのは遠慮しており、自分なら手を出すお宝としてリボルケインとライドロンを挙げていた。ちなみにゴルドドライブはお宝とは程遠いと評しており、バンノドライバーはお宝カウント外らしい事が窺える(一方で、当の蛮野は自分自身の頭脳が宝だと自信満々に語っていた)。
この他にお宝判定したものは次の通り。
所持者(関係者) | お宝 | 備考 |
---|---|---|
仮面ライダードライブ | ドア銃、ハンドル剣 | |
ハート・ロイミュード | 友達 | |
仮面ライダーディケイド | 自分とのコンビ | ディケイドからは当然のごとく気味悪がられた |
仮面ライダージオウ以降の「お宝」は海東大樹(仮面ライダージオウ)を参照。
その他に盗み出したもの
- 野上良太郎のコーヒーカップ
『超・電王トリロジー EPISODE YELLOW』で手に入れたもの。デンライナーで良太郎専用のコーヒーカップとして使われていたもので、海東にとってお宝かどうか不明だが、もしかしたらお土産的な感覚かもしれない。
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2号ライダー変身者