(※「Long Long ago, 20th Century」のイントロと共に)
「この歌は……仮面ライダーBLACKの!!」
概要
『仮面ライダー世界に駆ける』とは、仮面ライダーシリーズ初の3D映画(偏光メガネを掛けて視聴する立体カラー)作品。
『仮面ライダーBLACK』の劇場版「恐怖!悪魔峠の怪人館」でタイアップした夕張市が、テーマパーク「石炭の歴史村」に仮設された3D立体映像館「アラモ砦パビリオン」で上映するための話題性のある3D映画を東映に要望したことより『仮面ライダーBLACKRX』が放送中の1989年に制作が開始され、わずか二か月で公開に間に合わせた。
1989年4月に公開後、各地のイベント会場でも上映された。
上映時間は17分とさほど長くないが、その短い尺の中で南光太郎という存在を恐ろしいまでに証明している。
ストーリー
RXに連戦連敗のクライシス帝国。
遅々として進まない地球侵略に業を煮やした幹部陣は、このままでは勝てない強敵・RXを打倒する一つの作戦を考案する。
相手がRXでは勝ち目はない(断言)が、BLACKなら勝てる可能性がある(希望的観測)ということで、RXを過去の世界に送ってBLACKに戻し、そこを攻撃しようというのである。
過去に送られたRXはかつてBLACKとして戦った頃のゴルゴムの三神官のダロム、バラオム、ビシュムと遭遇する。
今までの事を水に流そうとダロムは言うが…。
南光太郎×4人
この映画の最大の特色。
クライシスの策略で仮面ライダーBLACKに戻されてしまった光太郎を救うためライドロンで時空を超越してRX、後からロボライダー、バイオライダーが未来から登場&参戦、本来なら同時に揃い踏みすることがないはずの同一人物4人が集結する。
勘違いされがちだがRX、ロボライダー、バイオライダーがBLACKを助けに来られたのはクライシス帝国が過去に干渉し時空が歪んでいたせいであり、RXの能力ではない。
今回襲撃してきたのはデスガロン、トリプロン、ガイナギスカン、ムサラビサラとかつてRXを苦戦させた怪人たちであったが、更に強くなったRXたちの敵ではなかった。
主な登場人物
仮面ライダー
- 南光太郎/仮面ライダーBLACKRX/仮面ライダーBLACK/ロボライダー/バイオライダー(演・変身後のCV:倉田てつを)
主人公。
序盤こそクライシス帝国の策略により窮地に立たされるが、時空の歪みによって最終的には同一空間に四人の光太郎が勢揃いするという奇跡が起こる。
本作では光太郎以外の味方が誰一人登場しない為、味方全員が別時間の自分自身という訳の分からない状態でピンチを脱出した。
クライシス帝国
クライシス帝国の四大隊長を率いる指揮官。
今回の作戦の立案者であり、本作に於いては全ての元凶となってしまった。
クライシス四大隊長。
本作ではあまり目立った活躍はせず、四大ライダーが終結し劣勢になってすぐに全速力で逃げ出した。
本作のボスガンは声を発するシーンが無く、四大隊長では一番地味な扱いにされている(理由は余談を参照)。
クライシス帝国の官房長官を務めるロボット。
本作ではTV本編に比べて高い声に加工されている。
怪魔妖族大隊に所属する怪魔戦士。
光太郎を過去の世界に飛ばす為の囮役で登場。
本作では、戦闘前にカエルを食べるシーンがある。
過去にRXに敗れ、本作で復活した再生怪人達。
かつてはRXを苦しめた強敵達であったが…
暗黒結社ゴルゴム
仮面ライダーBLACKを生み出した元凶にして、光太郎とかつて死闘を繰り広げたゴルゴムの三神官。
いずれも大神官の姿で過去の世界に登場。
死後の世界から来たと言い、光太郎とはもう戦うつもりは無いと言っていたが、時空の歪みによりBLACKに戻った光太郎を前に本性を現し攻撃を仕掛けるが、別時空のRXがライドロンに乗って登場すると同時に三人共何処かへ消えていった。
余談
概要前の台詞について
RXが過去の世界に飛ばされた際のことである。当の曲は単なるBGMではなく、作中のRX自身にも聞こえていて、それを耳にして呟いたもの。後年の浦沢脚本作品でもしばしば見られた、いかにもこの人の作品らしい演出であった。
仮面ライダー以外の作品への影響
ギャグ漫画『とっても!ラッキーマン』では悪の宇宙人ラビットマンと戦うことになった友情マンが2ページぶちぬきで紹介した友達の中にこの4人が全員別名義で入っていた。作者・ガモウひろしもこの映画見てたんだろうか?
ちなみに当時最新のライダーは真・仮面ライダーこと仮面ライダーシンだったが当然名前が入っている。
ボスガンの扱いとダロムの声優について
本作にはダロム及びボスガンの声優である飯塚昭三が参加しておらず、ダロムはムサラビサラ他を演じた依田英助が兼任という形で演じた。
しかし、ボスガンには代役は立てられず終始無言であった。
本作でボスガンの扱いが悪いのはこうした大人の事情が絡んでいる影響からと思われる。
関連タグ
仮面ライダーワールド(イベント用3D作品としての次回作)
浦沢義雄(脚本。納得の人選である)
時空英雄仮面ライダー(BLACKとRXが共演した作品の一つ)
バッタ男(残念ながら?駆けつけることができなかった光太郎のもう一つのフォーム)
仮面ライダー電王 仮面ライダーオーズ 仮面ライダーウィザード(全フォーム揃い踏みを果たした後輩)
外部リンク
消そうとすると増えます(ニコニコ大百科における『仮面ライダー 世界に駆ける』の項目。……なのだが項目名が何一つ間違っていないのが一番酷い。)