俺は太陽の子ッ!仮面ライダーBLACKッ! RXッ!!
概要
前作『仮面ライダーBLACK』の人気を受けて制作された本作ではあるが、前作がストーリー性を重視したシリアスな作風の作品だったのに対し、本作はアクションやギミックなどに力を注ぎ明るい作風で「家族でも楽しめる」という前提の元で制作された。
放送時間はAM10:00であり、現在のニチアサよりも遅かった。(というか放送局は違う)
顕著な例としてはライダー初の武器を使った必殺技(ライダーキックはあくまで繋ぎ)・全く違う姿へと代わり異なる能力を使い分けるフォームチェンジ、専用車に乗る等々その後の平成ライダーシリーズの基本スタイルとなるアイディア(スーパー1辺りで導入されている部分もあるが)を盛り込んでいる点が挙げられる。言うならば、初代『仮面ライダー』がシリーズの原点ならば、『RX』は新時代(平成)の原点とも言うべきものである。
これによってRXはさらなる人気を呼び高視聴率を獲得したのだが、前作がシリアスなストーリーや「原点回帰」で注目された作品だった事が影響し、前作よりも単純明快な作風、今までライダーでは見られなかった新要素、後半の大人の都合で捩じ込まれた怒涛の客演(及びその扱いの悪さ)が視聴者だけでなく制作スタッフ内でも意見が分かれるなど、放送当時は賛否両論の作品となった。特撮オタク間でも評価は決して良いものではなく、『仮面ライダーディケイド』や動画サイトの転載、公式配信等で若い世代や当時の子供世代が視聴し、平成ライダーに無い要素が評価されるのを待つことになる。
また、新たな敵組織『クライシス帝国』にも革新的な要素が取り入れられた。
これまでは異星にルーツを持つ秘密結社という扱いであったが、クライシスはなんと異世界に存在する『国』そのものが敵というシリーズ最大級のスケールを誇る。
更に一つの組織にカテゴリーが異なる部隊が存在するという特徴は以前のライダーシリーズでも見られたが、彼らが1つの部隊が壊滅すると入れ替わりで台頭するのに対し、本作では『超人機メタルダー』のネロス帝国同様に作戦に応じて違う部隊が出撃するという方式をとっている。
従来の作品では地球の生物をモチーフにした改造人間が登場して名前もモチーフがわかりやすいものになっているという工夫がなされたが、昭和後期の『スーパー戦隊シリーズ』のように地球生物とは異なる存在を意識したクリーチャー然としたデザインの怪人や、ライダーシリーズではあまり見られなかった、従来の改造人間とは異なるSFチックなロボット怪人などゲスト怪人の種類にも幅が広がった。
過去に敵勢力の変化で二部構成になった作品はあるが、『BLACK』と『RX』という作品では対立するのは上位・下位・関連組織でもない全くの別組織であったのはこれが初である。
なお、前作『BLACK』から『初代』から『ZX』に連なる世界観との繋がりが直接言及されず、本編とは関係のない番外の総集編でシリーズが紹介されるくらいで、ほぼ異なる舞台設定の様にも描写されていた。(前作では『巷では仮面ライダーBLACKと呼ばれているそうな』とゴルゴム側に認識されていたが何に由来して付けたのかは曖昧なままであった)この世界観のリセットが吉川Pの方針だったのだが、歴代ライダーで商品展開を行いたいスポンサー都合でラスト数話に変身後のみで声が違う所謂オールスター映画状態の歴代ライダーが登場して(春映画レベルではあるが)一応世界観の接続がされた。この介入がなければラスト1クールは序盤のワールド博士の話を拾い霞のジョーを代表とした怪魔界復興団の話が描かれる予定であった。
登場人物の方面でも拠点が主人公の親族宅になっている点(これまでのライダーは親族が殺されているというパターンが殆どだった)や、変身しない相棒ポジションや戦うヒロインの復活(霞のジョーや的場響子)など新要素や復活した要素が見受けられる。
これらの事から少なからずライダーシリーズ外の東映特撮からの影響は多分にあるものと推測される。
実は『地球防衛軍』という組織もこの作品に一応は存在している設定である。
なお本作をもって昭和年代の仮面ライダーシリーズは一旦終了し、単発のOVAや映画作品(ネオライダー参照)を除けば平成の『仮面ライダークウガ』登場まで10年のブランクが空くことになった。なお、『RX』放送中に元号が昭和から平成に変わっているが、公式での本作の扱いは昭和ライダーとなっている。(放送開始日で元号を判定するのは平成最後の作品も同じ)ちなみに告知を見るとわかる通り、放送開始日は本来10/16であったが、昭和天皇の病状に関する特番が前作の放送期間中に入ったため10/23となっている。
制作局の毎日放送をはじめとするTBS系での放送、および原作者存命中に製作された最後のテレビシリーズである。
今でも当時の子供世代を中心に絶大な人気を誇る作品であり、BLACKと共に後に平成ライダーや他の特撮番組に出演した俳優達も当時ファンであったと答える人が多い。『仮面ライダーディケイド』終盤、倉田てつをが20年ぶりに南光太郎を演じ、ファンの注目を集めた(ちなみにディケイド版は本編と大幅に設定が違うパラレルストーリー)。
また、シリーズで唯一、前作と同じ主人公が連続出演した作品でもある。
今作のテロップはサブタイトルを除き明朝体が使用されている。明朝体のテロップは東映特撮だと本作以前では『ジャイアントロボ』、『がんばれ!!ロボコン』などごく一部で使用された程度だった。これ以降ではレスキューポリスシリーズ、『特捜ロボジャンパーソン』、『未来戦隊タイムレンジャー』で使用されている。ついでに言うと『仮面ノリダー』も明朝体なのだが…まさか関係はないと思いたい。
あらすじ
暗黒結社ゴルゴムを倒した南光太郎は新たなる敵・クライシス帝国によって変身能力を奪われ宇宙に追放されてしまった。しかし、彼に埋め込まれたキングストーンは太陽光線を浴びて進化・パワーアップを果たし新たなる姿・仮面ライダーBLACK RXとなった!新たなる力を得た南光太郎は地球制圧を目論むクライシス帝国と戦うのだ!!
仮面ライダーBLACKRX
RXの特徴
これまでのライダー達とは異なり、特訓や新技術を持ってパワーアップではなく進化する事でさらなる力を得たライダーである。さらに言えば先輩ライダーの多くが敵組織に改造されたが、逆にRXは敵組織にBLACKへの変身機能を奪われキングストーンと太陽光線の不思議な力でパワーアップしている。(当初は服従と引き換えに2倍の力を持つBLACKという改造をクライシス側が提案したが光太郎はこれを固辞)ゆえに強化手術で体を切開すると内部メカが露出するといった改造人間としての描写は薄め。
RXおよび別形態について
各形態には弱点が存在することを説明・描写されているものの、どの形態も押し並べて強く姿こそ変わるが敵に応じて長所短所を使い分ける、と言った戦略的な要素は薄く、フォームチェンジというよりもパワーアップに近いものがある。その為か「クライマックスヒーローズ フォーゼ」に登場した際にはロボとバイオはパワーアップ形態の扱いになっている。
仮面ライダーBLACK RX
俺は太陽の子ッ! 仮面ライダーBLACKッ! RXッ!!
「太陽の子」、「光の王子」の異名をもつ基本形態。数多くの怪人をこの姿で倒してきた。変身ベルト「サンライザー」で取り入れられた太陽光とキングストーンのパワーが生み出すハイブリッドエネルギーによって、前身のBLACKを上回るパワーを得ている。またサンバスクのおかげで太陽の光さえあれば大ダメージを受けても一瞬で回復することができる(サンバスクが破壊されてもキングストーンで同様に回復するが)。太陽光で変身する故に太陽光が差し込む時間が限られるような場所では変身できなかったが、後に話が進むと夜間でも変身できるようになった。
平成ライダーで言うところの「基本形態」に相当するポジションで、能力のバランスがとれている。もっとも、一部の平成ライダーと違い基本的にフォームを固定して戦うことはなく、瞬間変身能力でどの形態からでも別フォームの特殊能力を使用可能な為、特に「これが最強フォーム」というものはない。
「キングストーンフラッシュ」を始めとしたBLACK時代の能力を受け継ぎつつ、ライダーキックから三倍に威力をアップしたRXキック(BLACK時とは違い両足蹴り)へと発展した。だがこのRXキックは主に決め技として使用される事は無く、新たに追加された光を結晶化させたスティックであるリボルケインを武器として用い、エネルギーを充満させたリボルケインを相手に突き刺す新必殺技リボルクラッシュを得た。
戦いにおいては先にRXキックを繰り出してダメージを与え、追い打ちのリボルケインで敵を倒すという流れが多く見られる。また物語中盤~後半では下記の二形態で怪人を倒せそうな場面においてもRXへと戻り止めを刺すパターンが多くなっていった。
なお、前述の通りRXキックは決定打には使われず、(1度だけRXキック→敵のビームをリボルケインで反射して倒したことがある。)RX・ロボ・バイオはいずれも止めを刺す際に武器を用いる。が、出現させる武器の名は叫んでも、それを用いた技名は叫ぶことが無く、何気にRXは「止めを刺す際に技名を叫ぶ事が最後まで無かった主役ライダー」第1号となった。
弱点はサンバスクが破壊されると一時的に能力が半減してしまうことと、リボルケイン生成時にキングストーンが無防備になることであり、両方ともこれをダスマダーに突きとめられてピンチに陥ったことがある。
後頭部が萬画版「Black」のBLACKの形状に近い。
ロボライダー
俺は悲しみの王子ッ! RXッ! ロボライダーッ!
「悲しみの王子」「炎の王子」の異名を持つパワー・防御力・射程距離重視の形態。マリバロンにさらわれた佐原社長の娘・ひとみ(実際はマリバロンが作った替え玉)の命を目の前で奪われたRXの深い悲しみの感情にキングストーンが呼応し強化変身を果たした。
全身を覆う金属質の装甲「ロボフォーム」は地球上で最も頑丈な物質で構成されており生半可な攻撃ではダメージを与えることが困難な非常に高い防御力と耐熱性を兼ね備え、それだけでなく炎や熱を吸収してエネルギーに変換する能力も有する。瞬間変身によってRXからロボ形態に一瞬だけ変身して攻撃を防ぎ、RX形態に戻って食らったフリをして相手からは死んだと思わせることも可能。また「ロボ」を冠する名に由来したのか、コンピューターとの超高速リンクする能力や高い索敵能力も所持している。また、防御に徹した形態のためスピードはややRXに劣り、ロボットのように関節を鳴らしながら動く動作から鈍重に思われがちだが、瞬間的な加速攻撃も行える。
武器は光線銃ボルティックシューター。強力な光弾を無制限に連射・速射が可能で、ロボライダーの索敵能力も合わさり、正確無比な射撃精度を誇る。ちなみにシリーズ初の銃を装備した主役ライダーである。必殺技はボルティックシューターからエネルギー弾を撃ち出す「ハードショット」やRXを上回るパワーを活かした「ロボパンチ」など。ちなみに前述の特性上、炎を受けるとロボパンチの威力も上がる。
遠距離戦に向いた形態だが、接近戦も不得手というわけではなく、敵の攻撃をその装甲で弾き飛ばし、爆風を防ぎながらのしのし近づいては強化されたパワーと装甲で殴り飛ばしたり、隙を突いて至近距離から銃撃をブチ込んだりといった戦闘スタイルも見せる。
そのスタイルから一部では「無慈悲の殺戮要塞」とも呼ばれている。
致命的とまではいかないが、金属質のボディである為に強力な磁力に囚われると身動きが取れなくなってしまう弱点がある(アントロントの砂にまみれて動けなくなったことも)。こうなるとRXの形態に戻るか、バイオライダーになって逃れないといけない。
余談だがバイオライダーと違って、2つ異名があるのは、「ヒーローが悲しみというのは可哀想だ」という意見があったからという説がある。
バイオライダー
俺は怒りの王子ッ! RXッ! バイオッ! ライダーッ!
「怒りの王子」の異名を持つ、水をイメージしたスピード重視の形態。ロボライダーのパワーでも脱出不可能な部屋に閉じこめられ、クライシスへの怒りに燃えたRXにキングストーンが応え、再び強化変身を果たした姿。
純粋な身体スペック自体は他の形態を大きく上回る訳ではないのだが、特筆すべきはその反則とも言える特殊能力であり、身体が水晶の輝きを持つ水で構成されている。
- 水中での活動時間は無限
- 体をゲル状にすることで物理攻撃を受け付けなくなる
- 毒素の構成因子を知ることで、体内で毒に対抗出来る抗体を精製できる
- ゲル状になることであらゆる場所に侵入できる
- 敵の体内に侵入できるレベルまで身体を縮小することができる
- 単独ではなく超能力少女の協力が必要
- ゲル化状態ならば触れた人間と一時的に同化して救助することも可能
また、瞬間変身によりRX形態やロボ形態からでもゲル化可能で、ダスマダー戦でRX形態のまま全身をエネルギーで拘束された際もゲル化であっさり脱出したり、ゲル化状態からいきなりRXキックを繰り出してガテゾーンにトドメを刺したこともある。
前述した瞬間変身能力、短時間での回復能力なども含むRX、ロボ形態の特殊能力と合わせればオールマイティと言っても過言ではない強さを誇る。「もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな」などというネタが作られる程。
ただし無敵という訳ではなく、対策を熟知したシャドームーンはゲル化を打ち破っている。
武器はバイオブレードという剣。切断力が高く、取り回しが容易なため防御にも使える。敵の光線攻撃をそのまま跳ね返すこともできたりする反則武器。必殺技はエネルギーを込めたバイオブレードで敵を両断するスパークカッター。
弱点は高熱。バイオライダーと同様にゲル化能力を持つ怪魔ロボット・ヘルガデム相手には流石に決定打に欠ける為か、怪魔ロボットに有利なロボライダーにチェンジしている。ゲル化以外では割とダメージを受けている為、完全にゲル化しないと物理的ダメージは防げない模様。またゲル状になって突撃する「バイオアタック」も戦闘員を倒すほどの威力は無く、主に、回避、錯乱に使用している。
各スペックリスト
名称 | BLACKRX | ロボライダー | バイオライダー | BLACK |
---|---|---|---|---|
身長 | 198.8㌢ | 〃 | 〃 | 198.7㌢ |
体重 | 88.0㌔ | 〃 | 〃 | 87.0㌔ |
移動速度 | 時速315㌔ | RXに劣る | RXより速い | 不明 |
パンチ力 | BLACKのライダーパンチの3倍(巨大な岩も一撃で粉砕) | RXのライダーパンチの約1.2倍 | RXと同程度 | 不明 |
キック力 | BLACKの3倍 | RXキックの1.2倍 | RXと同程度 | 厚さ30㎝の鉄板を貫通(キングストーンチャージ時) |
ジャンプ力 | 60㍍ | 48㍍ | 72㍍ | 30㍍ |
耐熱温度 | 6000℃ | 800万℃(漫画版) | 不明(RXより熱に弱い?) | 不明 |
水中活動時間 | 30分 | 30分 | ∞ | 10分 |
武器 | リボルケイン | ボルティックシューター | バイオブレード | サタンサーベル(最終決戦時) |
必殺技 | リボルクラッシュ、RXキック | ハードショット、ロボパンチ | スパークカッター、バイオアタック | ライダーパンチ、ライダーキック |
マシン | アクロバッター(ライドロン) | ロボイザー | マックジャバー | バトルホッパー、ロードセクター |
特技 | 太陽の光で復活 | 炎を吸収(約1000℃) | 物理攻撃無効 | キングストーンによる様々な能力 |
弱点 | ベルトなどの破壊 | 磁力 | 高熱 | 呼吸困難(皮膚呼吸のため) |
このようにただでさえ強いBLACKの3倍の強さを持つと言われるバランス型のRX、磁力に弱いが、優れた耐熱性と攻防に優れたロボ、高熱に弱いが、物理攻撃や電撃が効かないバイオとそれぞれお互いが相性補完となっており、これらを瞬時に切り替えることが出来る。
てつをの人気やネットでの拡大解釈で「最強の仮面ライダー」と呼ばれることもあるが、その手の議論はほどほどに。
コンパチヒーローシリーズの常連
コンパチヒーローシリーズのゲームでは、グレイトバトルシリーズ、コンパチスポーツシリーズ、コンパチRPGシリーズのほとんどに参戦しており、ウルトラマン、ガンダム、他特撮ヒーローと歴代仮面ライダーの中でもぶっちぎりで共演率が高い。
これは、RX放映の1988年からクウガ放映までの2000年……つまりクウガの年までの「BLACK RXがテレビ最新のライダーだった時期」が、コンパチヒーローシリーズの全盛期とほぼ丸かぶりしているためである。具体的に言うと、第一作・SDバトル大相撲が1990年、ザ・グレイトバトルシリーズのナンバリング最終作であるVIが1997年。すでにシリーズ衰退期であった初期最終作のチャリンコヒーローですら2003年であり、その後は2012年のグレイトバトルフルブラストまでシリーズが登場していない。
ネオライダー3作はこの時期の作品ではあるが、東映はこの3作をあまり推していなかったため、必然的にBLACK RXが最新ライダーとして登場する訳である(一応、グレイトバトルⅣではRXの代わりにZOが登場し、バトルドッジボールⅡでは両者が共演している)。
なお、ガンダムシリーズは定期的に新作を出しているため、多くのキャラクターが登場している。ウルトラシリーズに関しては、OVAながら1990年のグレートと1993年のパワードを円谷が推していたためか、この2人(特にグレート)の登場頻度が高い。ただやはり知名度的には劣るためか、マンやセブン等に出番を取られる事も多かった。
ロストヒーローズシリーズでは液状化攻撃はバイオアタックと呼ばれており、RX唯一の氷属性スキルにして全体攻撃用。また、抗体生成の技では回復+状態異常耐性の効果がある。同シリーズ2作目におけるHEROスキルではハードショット→バイオアタック→リボルケインスラッシュの順で必殺技を食らわせる『フォームチェンジコンボ』が登場。この時RXはバイオアタックで渦潮を起こしている。ぶっちぎるぜ!
登場人物
→仮面ライダーBLACKの登場人物一覧を参照。
主題歌
オープニングテーマ
- 仮面ライダーBLACK RX
作詞:康珍化 / 作曲・編曲:川村栄二 / 歌:宮内タカユキ
ちなみに1話では、エコー処理されたものがオープニングとして使用されている他真っ赤な目のフレーズの歌い方が違うものが使われている。
エンディングテーマ
作詞:康珍化 / 作曲:林哲司 / 編曲:川村栄二 / 歌:宮内タカユキ
これまでのライダー曲にしては珍しく、ライダーに関するワードがかなり少ない楽曲であり、ヒーローの名前を入れるEDが当たり前であった当時のEDとしては珍しく、メタルヒーローシリーズから受け継がれた要素の一つだと言える。
挿入歌
作詞:江連卓 / 作曲・編曲:川村栄二 / 歌:宮内タカユキ
RXの戦闘テーマ。ロボライダーやバイオライダーのテーマソングとしての側面も持っており、劇中では不思議なことが起こる場面や幹部が退場する回などの重要な場面で流れていた。つまり、イントロが流れ始めた時点で相手は死ぬ。
- バトルoh!RX
作詞:小林義明 / 作曲・編曲:川村栄二 / 歌:宮内タカユキ
RXの戦闘テーマ。バイオライダーの初陣もこの挿入歌でもあった為、ある意味では彼の戦闘テーマだとも言える。その激しい曲調からクライシスの心境を表した曲だとかネタにされる。RXを代表する処刑用BGMの一つ。
- 激進RX
作詞:石ノ森章太郎 / 作曲・編曲:渡辺宙明 / 歌:宮内タカユキ
RXの戦闘テーマ。力強くRXが敵に向かっていく様を歌っているが、原作者本人が直々に作詞した為なのか敵への殺意が激しすぎるのが特徴。劇中でのRXでのチートっぷりを思うとシャレにならない。
- 戦場のライダーRX
作詞:石ノ森章太郎 / 作曲・編曲:渡辺宙明 / 歌:宮内タカユキ
RXの戦闘テーマ。やたらと歌詞中で怪人達がこれでもかとリボルケインでキルされているのが特徴。なお、リボルケインで怪魔妖族を倒せない趣旨の歌詞があるが、実際のリボルケインで倒せなかった怪魔妖族などいなかったのでぶっちゃけ詐欺である。
- すべては君を愛するために
作詞:康珍化 / 作曲:林哲司 / 編曲:石田勝範 / 歌:宮内タカユキ
第27話で使用。実質的にこの作品におけるシャドームーンのテーマを兼ねている。
- 運命の戦士
作詞:康珍化 / 作曲:林哲司 / 編曲:石田勝範 / 歌:宮内タカユキ
RXの戦闘テーマ。クライシス皇帝との決戦を印象付けた。
初使用は第21話だが、第4話などでは歌唱パートを流さずメロディパートのみ流れていた。
- 黒い勇者
作詞:平出よしかつ / 作曲:林哲司 / 編曲:石田勝範 / 歌:倉田てつを
RXの戦闘テーマ。この作品で唯一、てつをが担当した楽曲である。
- 永遠のために君のために
作詞:平出よしかつ / 作曲:川村栄二 / 編曲:石田勝範 / 歌:水木一郎
RXの戦闘テーマ。
ちなみに、「てつをが歌うはずだった」というデマも存在していたという。
- 11(イレブン)ライダー大讃歌
作詞:赤井圭 / 作曲・編曲:菊池俊輔 / 歌:水木一郎
11人ライダーのイメージソング。この曲のみ企画音盤扱いで当時はBLACKとRXは同一カウントであった為、BLACKは歌詞中に登場しない。各ライダー一人一人について歌い上げられている。
特筆すべきはその曲の長さで、8分2秒もの長さを誇る。これは勿論あらゆる仮面ライダーの曲の中でも最長記録である。
各話リスト
No. | サブタイトル | 登場怪魔戦士 |
---|---|---|
1 | 太陽の子だ!RX | スカル魔、スカル魔スター |
2 | 光を浴びて!RX | キューブリカン、スカル魔、スカル魔スター |
3 | RX対風の騎士 | ガイナギスカン |
4 | 光の車ライドロン | ガンガディン |
5 | 洞窟探検の落し穴 | ガイナガモス、毒蛾ガイナン |
6 | 怪魔ET大暴れ! | キュルキュルテン |
7 | SOS!友情の輪 | 武陣 |
8 | パパとママの秘密 | ガイナマイト |
9 | マリバロンの妖術 | アッチペッチー、スカル魔 |
10 | ニセ者でドッキリ | ドグマログマ、クローン人間 |
11 | スクラップの反乱 | スクライド |
12 | 夢の中の暗殺者 | ズノー陣 |
13 | 狙われた怪魔少女 | フラーミグラーミ |
14 | ひとみちゃん誘拐 | デスガロン、トリプロン |
15 | ロボライダー誕生 | デスガロン、トリプロン |
16 | 奇跡の谷の姫君 | ネックスティッカー、トリプロン |
17 | バイオライダー! | 合体トリプロン |
18 | 怪!夢の空中遊泳 | ムサラビサラ、ムササビ人間 |
19 | 恐怖の人工太陽! | クロイゼル、スカル魔 |
20 | バナナを喰う鬼 | ビャッ鬼、白老 |
21 | 愛と友情の戦線 | バングゴング、シャドームーン |
22 | シャドームーン! | アントロント、シャドームーン |
23 | ブタになったRX | ガイナバラス、ゴリラ少年、ブタ人間 |
24 | パパはドラキュラ | リックバック、カミラ族、キバ人間 |
25 | さそり座の花嫁 | ガイナカマキル、ガイナギンガム |
26 | ボスガンの反撃 | ガイナギンガム、シミュレーションロボライダー |
27 | 大逆襲!影の王子 | マットボット、シャドームーン |
28 | 皇帝陛下の代理人 | ギメラゴメラ、ダスマダー |
29 | 水のない世界 | ムンデガンデ、怪魔道化師 |
30 | 明日なき東京砂漠 | メタヘビー、怪魔道化師 |
31 | 怪魔界を見た女 | エレギトロン |
32 | 愛と希望の大空 | 岩魔、スカル魔 |
33 | 瀬戸大橋の大決戦 | ガゾラゲゾラ |
34 | 四国空母化計画!! | シュライジン |
35 | 光太郎指名手配!! | ウィル鬼 |
36 | ヒーローは誰だ!? | バルンボルン、グレートマスク |
37 | 牙むく獣人忍者部隊 | ガイナニンポー、怪魔獣人忍者隊、チャップ悪魔分隊 |
38 | 白骨ヶ原の妖舞団 | 天空、奇跡の舞踏団 |
39 | 爆走!ミニ4WD | スピングレー |
40 | ユーレイ団地の罠 | ガイナジャグラム |
41 | 百目婆ァの恐怖 | 百目婆ァ |
42 | 四隊長は全員追放 | ゲドルリドル、ゲドリアン、スカル魔 |
43 | 敗れたり!!RX | ヘルガデム、ガテゾーン |
44 | 戦え!全ライダー | グランザイラス、ボスガン |
45 | 偽ライダーの末路 | グランザイラス、霊界怪人(スカル魔スター、キュルキュルテン、ズノー陣、アントロント、メタヘビー、エレギトロン、ガイナカマキル、ガイナニンポー)、ニセ仮面ライダー1号 |
46 | ライダーの総突撃 | ジャークミドラ、ジャーク将軍 |
47 | 輝ける明日! | クライシス皇帝、ダスマダー、マリバロン |
漫画版
小林たつよし先生によるてれびくん版、シュガー佐藤先生によるテレビランド版、岩田和久先生によるコミックボンボン版と三誌に渡って展開された。
三誌ではそれぞれ異なったオリジナル怪人も登場し(てれびくん版はTVシリーズに登場したものがほとんど)、ボンボン版にはマリバロンの怪人体が登場するが、その末路がファンの間で伝説として語り継がれている。
余談
- 仮面ライダーBLACKは日食の日に生まれたライダーという設定なのだが、BLACKの放映開始の1987年には金環日食が、RX放映の1988年には皆既日食が日本の一部離島で観測できることが予想され、話題になっていた。
- さらにディケイド出演の2009年にも日本の一部離島で皆既日食が起こった。正に「太陽の子」であると言えよう。
- 先述の通り実はBLACKからクライシス帝国との決戦まで10人ライダーとの接点が全く無かった。その為、昭和ライダーの黒幕がショッカー首領と全く別である唯一の例ともなった。接点ができた事でRXはある意味でようやく11号ライダーになったといえる。
- 2021年に行われたNHK主催の「全仮面ライダー大投票」では、作品部門こそランクインを逃したものの「仮面ライダー部門」で、第16位(昭和ライダーの中では仮面ライダー1号、仮面ライダーV3に次いで3番目)を獲得し、音楽部門では主題歌「仮面ライダーBLACK RX」が第14位(昭和ライダー音楽でTOP)にランクインし、今でも高い人気を得ている。
幻の続編?
概要の通り本作をもって昭和年代の仮面ライダーシリーズは一旦終了となったが、続編の企画はあったという証言が一部の関係者から語られることもある。
- 小林良平氏は11代目仮面ライダーの主演に抜擢されていたにもかかわらず企画が突如中止になり、作品は幻となる、と証言している。
- 当時プロデューサーを担当していた吉川進氏は平成元年(1989年)を振り返ってのインタビューに「当初(仮面ライダーシリーズ)は少なくとも3年はやろうという話だった」「近年のテレビ局がニュースを増やしたり、バイオレンスへの反対署名などの動きが、90年の作品には反映されてくると思う」と証言している(宇宙船90年51号) 最終的にRXの後枠はTBSの方針転換でニュース番組となり消滅した。
- 変身ベルトはショルダーホルスター、バイクは変形やライダーの鎧、四輪マシンはバイクを格納するなどの今までにない付加価値を持ち、少年仮面ライダー隊を設置して商品・雑誌他スポンサーとの連動展開を図り、基本型の怪人に毎回異なったパーツを付けた新しい怪人製作といったRXの後番組の検討資料がバンダイホビー事業部に残されている(92年版仮面ライダー大図鑑7)
- 石ノ森章太郎氏は仮面ライダーZX同様に雑誌媒体で活躍する新ライダー仮面ライダーガイアを考えていた(仮面ライダーEVE第2巻収録の石ノ森遺稿)
- 一方で当時キャスティングを担当していた髙寺成紀氏は、10人ライダーの出演も「『RX』後に仮面ライダーは制作しない」という決定を受けてのことで、企画立案やオーディションなど、後番組を制作する動きは東映社内では記憶にないと証言している。
- 総合すると、早い段階(時期は不明)で主演俳優やギミック類は検討されてはいたが、番組編成や某事件によるアクション映画への風当たりの変化などから、具体的な企画になる前に制作しないことが決定した、ということだろうか?
- 某ネット掲示板には吉川Pを自称する人物による幻の「仮面ライダーオリンビス」という企画が投稿されたことがある(詳細は外部リンク参照)。
- しかし「宮崎事件のせいでポシャった」としているが、前述したように吉川P本人のインタビューと全く理由が違う上に、そもそも宮崎事件のわずか2ヶ月でお蔵入りになるという早さもあり得ず、さらに「撮影が進んでデザインも決まっていた」という割には撮影写真やスーツやデザイン画等の資料が一つも表に出ていないこと、もっと言うと関係者にしてはベラベラ話すぎていること等から現在では偽者だったと見られている。
その後この幻の続編に関しては『仮面ライダー大図鑑〈7〉』(バンダイ)に詳細が掲載されており、企画自体はあったことは事実であると同時に、少なくとも「オリンビス」に関してはデザインやアイデアが掠りもしていないことでガセだったことが確定している。
このように作り手側同士でのズレが非常に大きいため、スタッフ同士の仲があまり良くなく上手く連携が取れてなかったとされる。
また上記の理由の他に「RX」及び前作の「BLACK」の視聴率が芳しくなかった事が挙げられる。
BLACKから番組を放送していた日曜10時枠は視聴率20%を超える「笑っていいとも!増刊号」が裏番組という事情もあり、2作品合わせて平均視聴率9.3%で最高視聴率13.0%と「スーパー1」時より下落していた。他の同時期の東映特撮の戦隊シリーズやメタルヒーロー、不思議コメディーシリーズと比較しても同程度もしくは下であった。
その後10年以上経過したテレ朝移行後の平成ライダーシリーズでは、裏番組や放送時間の違いなどから一概には比較できないものの、「クウガ」「龍騎」では平均視聴率で「BLACK」シリーズの数値を上回り(クウガの平均視聴率は9.7%で龍騎は9.5%)、「アギト」に至っては平均及び最高視聴率の両方でBLACKシリーズを上回っている(平均は11.7%、最高は13.9%)。
このように放送当時、平成期として見ても決して低くはないが高い訳でもない微妙な数値であった事がうかがえ継続に至らなかった理由の一つとして推測されている。
関連イラスト
関連タグ
主な出演者
- 魔王
- 萬画版で登場した光太郎の未来の姿とされる存在で、もしかしたら特撮版でもRXではなくこちらになっていた可能性もあるのかもしれない。
- 仮面ライダージオウ
- キカイダー01
- エネルギー源が太陽電池ゆえに太陽光が必要不可欠な石ノ森ヒーロー繋がり。
- 時空英雄仮面ライダー
- シュガー佐藤氏による昭和ライダーを題材とした漫画でもう全部あいつ一人でいいんじゃないかなのコラが有名。
- マスクド・ライダー
- 「仮面ライダーBLACKRX」をアメリカでリメイクしたもので日本では未放送。
- ウルトラマンギンガS
- 同じく前作の主人公を続投させたシーズン2に当たる作品。
- 超人機メタルダー
- ナレーターや次回予告をかっこいいフレーズで締める点まで共通。『こいつは凄いぜ!!』
- 仮面ライダーストロンガー
- フォームチェンジを導入した初のライダー。しかし、こちらは強化形態即ち切り札としての趣きが強く、平成ライダーの『状況に応じて姿を変える』というコンセプトに近いのはRXの方である。
仮面ライダーBLACK → 仮面ライダーBLACK RX → 真・仮面ライダー 序章
関連外部リンク
ぶっちぎるぜ!!