解説
平成初期に登場した、テレビ版には登場しないオリジナル仮面ライダー3作の総称。作品はいずれも1990年代に公開されたが、作風は初代仮面ライダーを踏襲し、仮面ライダーシリーズの原作者である石ノ森章太郎が製作に関わった最後のライダーたちでもあるため(『真・仮面ライダー』では、石ノ森自身も出演している)、平成期の作品でありながら後年は昭和ライダーとして扱われている。
なお、ネオライダーの名称および括りは、元々はマニアなファンの間で浸透していた俗称で、2015年に『高寺成紀の怪ラジ』で、この三作が取り上げられた際にこの名称で紹介された(出典)。
これについて「ライターのガイガン山崎がネオライダーという呼称を提唱し始めた」というのが長らく定説のように広まっていたが、後に山崎本人は自身が最初の提唱者であることを否定しており、単に宣伝側が勝手に扱ったものでしかないものと思われる(出典)。
『くら寿司 仮面ライダーキャンペーン』では、ネオライダーがクリアファイルのデザインの1つに選ばれた。
該当作品
- 真・仮面ライダー 序章(1992年)
- 仮面ライダーZO(1993年)
- 仮面ライダーJ(1994年)
派生作品
- 仮面ライダーワールド(1994年)
関連イラスト
余談・備考
三作の共通点として、プロデューサーが吉川進、岡元次郎がスーツアクターを務めている、雨宮慶太が制作に関わっているなどがある。雨宮は『ZO』と『J』で監督、『真』では変身コーディネーターを担当している。
三作の主人公の演者
三作の主人公の演者は、全員が他の作品のヒーローを演じているという共通点がある。
演者 | 主人公 | 変身者・ヒーロー名 | 作品名・シリーズ名 |
---|---|---|---|
石川功久(現:石川真) | 仮面ライダーシン | セリザワ・カズヤ/ウルトラマンヒカリ | 『ウルトラマンメビウス』(ウルトラシリーズ) |
土門廣 | 仮面ライダーZO | シグ | 『ブルースワット』(メタルヒーローシリーズ) |
望月祐多 | 仮面ライダーJ | ゲキ/ティラノレンジャー | 『恐竜戦隊ジュウレンジャー』(スーパー戦隊シリーズ) |
世界観
三部作はそれぞれ単発の作品であるため、別々の世界観とも同じ世界観とも捉えることができる。『仮面ライダーワールド』では、ZO・Jが共演し、『真』の怪人も登場するなど同一世界観のように制作された。
また、昭和仮面ライダーシリーズ(1号からRXまでの物語)と繋がっているかは不明だが、当時の児童誌では昭和ライダーとの共演スチールが多く見られた。上記の『仮面ライダーワールド』の描写では『RX』や『BLACK』の怪人が登場し、『ZO』の漫画版では『RX』の怪人が登場するなど、昭和シリーズと繋がっているかのようなストーリーになっている。
続編
1作目『真』・2作目『ZO』は、それぞれ続編案が予定されていたが、『真』はオリジナルビデオから映画に移行するため、『ZO』は単発作品として新ライダーを登場させるため、続編ではなく2作目『ZO』・3作目『J』が制作された。
仮に3作全てが、(『ZO』『J』と同様のストーリー展開で)『真』の続編として制作されていた場合、2作目で仮面ライダーガイアになるまで、3作目で仮面ライダーガイアが地球のパワーで巨大化するまで、というようになり、名前の通り地球のエネルギーを使う仮面ライダーになり、財団との戦いも決着がついた可能性もある。
平成ライダーシリーズでの扱い
平成ライダーでは、『ディケイド』関連作品と春映画などで登場している。
他の昭和ライダーと比べてもあまり良い扱いとは呼べず、春映画で昭和ライダーの俳優が出演する中でも、『獣電戦隊キョウリュウジャーVSゴーバスターズ 恐竜大決戦! さらば永遠の友よ』には、ティラノレンジャーを演じた望月祐多氏(仮面ライダーJの俳優)が出演しているにもかかわらず、同時期の春映画には出演していない。
ライダーについてはある意味、(不遇とはいえ)同等の扱いではあったが、敵サイドに関しては
ドラスやネオ生命体が『ディケイド』冬映画にメインの敵として登場。財団も、関連がありそうな財団Xの登場などを考えると、フォッグのみ不遇な状況になっている。
コンパチシリーズでの同ポジションの作品との対比
コンパチシリーズのライダー以外の2シリーズ(ウルトラシリーズとガンダムシリーズ)で、似たような立ち位置の作品(昭和からのシリーズとは少し異なる平成の三部作)として、TDG三部作・ガンダム平成三部作が存在する。
ただし、この2シリーズは、昭和シリーズから完全にかけ離れた世界観として作られている点(ネオライダーのシリーズは上記の通り昭和シリーズとしてカウントされることが多い)などから、シリーズとしての印象が薄い(作品としての印象が薄いわけではなく、昭和ライダーで1まとめにされることが多いことから真・ZO・Jで1つの作品群としてまとめられることは少ない)。コンパチシリーズでも、他2シリーズと比べてネオライダーの登場は極端に少ない。
平成に作られながら、昭和シリーズの一部として扱われるという点では、ガンダムシリーズの『Vガンダム』などの方が近いのかも知れない。
関連項目
オールライダー対大ショッカー レッツゴー仮面ライダー 仮面ライダー大戦
仮面ライダーガイア…『真』の続編案や『ZO』の草案などで登場するはずだったライダー、案や作品によって設定は異なる。
仮面ライダークウガ…平成の時代に仮面ライダーシン・仮面ライダーZO・仮面ライダーJの3人のネオライダーに続いて生まれたライダーであり、平成ライダーシリーズにおいて「平成ライダー1号」とされるライダー。意図したものかは不明だが「未確認生命体4号」の異名を持つライダーでもある。
仮面ライダーゾンジス…仮面ライダージオウ Over_Quartzerに登場する劇場版限定ライダー。ネオライダー3人の力を持っており、名前もアナグラムになっている(SIN+ZO+J → ZONJIS)。
ネオ1号…スーツアクターおよびネオ繋がり。