ミラクルJパワーで、今こそ巨大変身!
あらすじ
太古の昔、恐竜を滅ぼした集団・フォッグが再び地球の全生命を滅ぼすために侵攻開始!儀式の生贄としてさらわれた少女を救うため、Jが立ち上がる!
概要
東映スーパーヒーローフェアの一作として制作された作品にして、原作者の石ノ森章太郎氏が制作に関わった最後の仮面ライダー。
本作の特徴としては、終盤に仮面ライダーが巨大化することであり、きっかけは他ならぬ『ウルトラマンVS仮面ライダー』である。
この背景には映画興行におけるセールスポイントとしての側面があったのだが、当初は石ノ森章太郎氏も監督の雨宮慶太氏も反対であったらしい。『Jパワーが生んだあくまで一度きりの奇跡』という理由で説き伏せて採用までこぎつけている(後の登場作品ではこの設定が見事に無視されているが)。
劇中、主人公の瀬川耕司と心を通わせる少女・加那役で、子役時代の野村佑香が出演している。
小石さとしによる漫画版は、てれびくん1994年3月~8月号まで連載された。
脚本を担当した上原正三による小説版は従来の仮面ライダーシリーズ同様の仮面ライダーVS秘密結社という内容に大幅に改変されながらも、フォッグという組織の成り立ちが掘り下げられている。
なお、世界観の位置付けは不明だが、小説版/仮面ライダーワールド/HEROSAGAでは過去の昭和ライダー作品と同一の世界であるかのような描かれ方をしている。
2021年に行われたNHK主催の「全仮面ライダー大投票」では同じ昭和ライダーの「ZX」共々、全部門でランクインを逃した。
キャスト
仮面ライダーJ
フォッグによって命を落とした自然を愛するカメラマン瀬川耕司が、彼の地球を愛する心に感銘を受けた地空人によって蘇生・改造手術を受けた姿である。
公式的には最後の「改造人間」の仮面ライダーとして扱われているが、昭和ライダーや先の真・ZOに比べて改造されたことの悲劇性が特に強調されてはおらず、またフォッグとの戦いが終わった後は元の生活に戻っているため、そう言う意味では昭和シリーズと平成シリーズの過渡期にある作品だと言える。
大地の精霊達がJに全ての力を注ぐことで初めて可能となる奇跡の形態・ジャンボフォーメーションになると身長40メートルの巨人となる。
なお、デザインは前年に放映された『仮面ライダーZO』と酷似しているが、実際に「地空人がZOの外観を参考にしてJを造り上げた」という設定があり(この設定は『S.I.C HERO SAGA』で使われた)、企画当初はZOのパワーアップした姿として描かれていたとのこと。
雲が浮かぶような高度までの大ジャンプを一跳びで行い、そこから巨大隕石の如く降下するジャンボライダーキックは、歴代トップクラスの破壊力を誇るライダーキックである。
ちなみに、イベントで流れた『仮面ライダーワールド』では、共演したZOを脇に置き、巨大化したシャドームーンと戦っている。
『SIC HERO SAGA』でもZOとの共演を果たし、共に巨悪と戦った。
ZOとJを見分けるポイントは、身体を縁取る、葉脈のような黄緑色のライン(ZOは金色の縁取り)と、Jのほうが体色が明るくくっきりしている点、ZOのベルト部分が丸なのに対してJはイチョウの葉型、と言う点。
腹に縦線が有ればZO、なければJと覚えておこう。
『仮面ライダーディケイド』以降の仮面ライダーJ
劇場版『オールライダー対大ショッカー』にて、最初からジャンボフォーメーション状態で、キングダークに対する切札として登場した、海東大樹の「とっておきのお宝」。
お宝扱いで召喚され、台詞も無く戦わされるという、相当酷い扱い。
後の『MOVIE大戦2010』における『仮面ライダーディケイド 完結編』ではお宝扱いから脱したものの、やはり台詞らしい台詞も無く立体駐車場を怪獣のように破壊して回った挙句、激情態と化して主人公補正を受けまくるディケイドによって小粒のロケット群であっさり爆砕されるという、これまた酷い扱いが待っていた。
その後、『レッツゴー仮面ライダー』では久しぶりに等身大サイズで登場し、『スーパーヒーロー大戦』にも等身大サイズで登場している。
『仮面ライダー大戦』では登場直後はジャンボフォーメーションで登場。仮面ライダーフォーゼロケットステイツを倒すが、仮面ライダー鎧武スイカアームズに敗れる。
終盤のバダンとの最終決戦で復活し、その後は等身大サイズで戦っている。平成ライダーとの戦いでは仮面ライダーZOと共に仮面ライダークウガ、仮面ライダーアギトと戦った。
ラストは仮面ライダーアギトと握手を交わしている。(J本編にはアギトという名前の怪人が登場していたりする。彼と同じ名前を冠するライダーと握手してJは何を思ったのだろうか…。)
『仮面ライダージオウ Over_Quartzer』では物語終盤ラスボスの仮面ライダーバールクスが奥の手としてJの能力を収めたJライドウォッチを使って巨大化している。
ショッカーライダーJ
『スーパーヒーロー大戦GP』でも最初から巨体で登場した。
本作では1号・2号の暗殺に伴い改変された世界が舞台であり、フォッグは全く登場しないが、Jもショッカーに囚われ、ショッカーライダーに改造されていた。
森の中で野宿していた泊進ノ介/仮面ライダードライブをその巨体で襲撃するも、逃げられてしまう。
後に洗脳が解けるとショッカー首領と融合したライダーロボに挑みかかりボコボコに殴りまくるも、歴史改変ビームを受けて真っ先に消滅させられてしまった。
その後ショッカー首領が死亡したため「本来の瀬川耕司」として生き返ったと思われる。
ガンバライドにおける仮面ライダーJ
2013年5月に稼動したシャバドゥビ5弾で『ガンバライド』へ参戦。
レアリティは最高レアのレジェンドレア(LR)。ライダータイプは土タイプ。
既存の土タイプカードはアタックポイント+10が最高だったのだが、レジェンドレアのスキルは+20にまで増加しており、ガンバライドに主人公ライダーが全員参戦したと同時に土タイプの歴史すらも覆してしまった辺りはさすがオールライダーの切り札といったところ。
ちなみに同じネオライダーのZOのLRとはベストパートナーになれないが、シャバドゥビ3弾のSR(スーパーレア)のシンとは相性が完全に噛み合うという、まさにネオライダーファン必携の二枚である。
表記上の必殺威力は、S5弾時点で排出カードの中では第二位で(一位はS3LR王蛇。S6でウィザードFS、ウィザードIS、クウガUFにも抜かれる)、レベルアップによる強化や必殺ベスパによる上昇もあるので強力。
レベルアップによるステータスアップも含めると歴代最強クラスのステータス合計となる。
ガンバライジングにおける仮面ライダーJ
ファン待望のネオライダー枠からの参戦ライダー第1号として、
仮面ライダービルド放送に伴い2017年9月から稼働開始のボトルマッチ1弾より参戦。
初登場のカードは最高レアリティのLR。
ゲーム稼働に伴い公開されたPVでも多くのライダー達が戦うなか巨大化して登場、
新ライダーのビルドと互角に渡り合う演出などかなりの好待遇。
(能力と演出のせいで若干、悪役っぽく見えてしまうのはご愛嬌)
主題歌
- 心つなぐ愛
ED主題歌。
- Just One Love
作詞:大津あきら/作曲・編曲:川村栄二/歌:BYUE
イメージソングとして制作されたが、劇中では特に使用されなかった。
余談
因みに企画当初では、すでに仮面ライダーとなっている主人公が敵に敗れ、宇宙人の手により再改造を施されるという内容や別の星から来た戦士(つまり宇宙人)などの案が存在していた。
しかし石ノ森が「仮面ライダーは人間でなければならない」と言われ却下となった。
宇宙人が変身する仮面ライダーは、のちの仮面ライダーカブトで実現している。
関連項目
仮面ライダー ネオライダー 映画 チートライダー 巨大ヒーロー
仮面ライダーZO → 仮面ライダーJ