概要
石森プロの早瀬マサトによる小説シリーズ。雑誌『月刊ホビージャパン』で掲載されており、挿絵にはS.I.Cを使用している。
内容は石ノ森章太郎が携わった特撮ヒーロー(大半は仮面ライダーシリーズ)の外伝であり、基本的にはそれぞれ番組の設定に準じた内容だが、中にはキバ編みたいにパラレルになっているものや、本編とは設定が変更されている作品も多い。
本作オリジナルの戦士や怪人も数多く登場し、設定上存在する・しうるものも、独自解釈で立体化している。また、一部はバンダイとホビージャパンの連動企画として、S.I.Cの作例を元に商品化されている。
なお、石森プロは平成ライダーシリーズなどで東映に設定協力するなど関わりが深いが、本作に関しては東映「公式」ではない。
あくまでも。公式設定に含めてはいないが、否定もしていないという「公認」作品にあたり、公式作品である映像および、その関連作品と分けて考える必要がある。ただし、後述の単行本などでは「協力」としてバンダイと共に、クレジットされている。
一方で、作品紹介の際は「オフィシャル(ジオラマ)ストーリー」と表記されるが、これは石森プロおよび、S.I.Cにとってのものと思われる。
ホビージャパン社からは、内容をまとめた単行本『S.I.C OFFICIAL DIORAMA STORY S.I.C HERO SAGA』が発売されており、現在『vol.1』『vol.2』『KIKAIDER00(キカイダーダブルオー)』(『HERO SAGA』以前のシリーズ)『vol.3』『vol.4』『仮面ライダー電王SPECIAL』『仮面ライダー/仮面ライダーウィザード編』『仮面ライダーディケイド/仮面ライダー鎧武編』が刊行中。
作品一覧
『MASKED RIDER KUUGA EDITION -オデッセイ-』
2002年2月号から2002年5月号まで連載。
記念すべき第1作で、時系列は仮面ライダークウガ第一話以前の超古代の時代を描く。『クウガ』のプロデューサーである髙寺成紀が直々に監修を行なっている。ただし、クウガのプロローグとは言っても、リント族やグロンギ族を初めとした各設定が根本的に本編とは異なっており、明確にTV本編とはパラレルの作品である。
『MASKED RIDER EDITION -Missing Link-』
2002年7月号から2002年10月号まで連載。
時系列は、仮面ライダーがテコ入れされ始めた、テレビ本編の第13話から第14話の間を描く。仮面ライダー2号の誕生秘話。
『MASKED RIDER BLACK RX EDITION -After 0-』
2002年12月号から、2003年3月号まで、連載。
『仮面ライダーBLACK RX』の後日談。シャドームーンのRX版や、創世王とは何なのかが語られる作品。
レッドシャドームーンの実質的な初出がこの作品であり、『バトライド・ウォー創生』を思わせる要素が多い。
『MASKED RIDER V3 & RIDERMAN EDITION -RIDERMAN ANOTHER AFTER-』
2003年5月号から、2003年8月号まで掲載。
時系列は『仮面ライダーV3』最終回から『仮面ライダーX』までの間であり、『X』とのリンクも見られる。
ライダーマンが、プルトンロケット破壊後どうなったかを描く作品で、『仮面ライダーSPIRITS』でも似たシチュエーションがあったが、発表はこちらが先。
『MASKED RIDER AGITΩ EDITION -HEAVEN'S DOOR-』
2003年10月号から、2004年3月号まで連載。
『HERO SAGA』の中でも、色んな意味で有名な作品の一つ。時系列は『アギト』終盤で、連載時には『仮面ライダー555』とのハイパーリンクが為されていたが、当時は平成ライダーの世界観が独立していた事もあって、単行本化された時にはそこら辺の設定が無かった事にされた。
『MASKED RIDER AMAZON EDITION -プレ・ステージ-』
2004年5月号から、2004年7月号まで連載。
時系列は、『アマゾン』第一話より前。アマゾンライダーが如何にして誕生したか、ギギの腕輪がないアマゾンはどうなるのかが描写された。作品のベースは『原始少年リュウ』。
仮面ライダーアマゾンアルファの元ネタになった作品なのかは、不明。
『MASKED RIDER RYUKI EDITION -アドベントカレンダー-』
2004年8月号から、2004年12月号まで連載。
『龍騎』の繰り返された戦いの一つ。城戸真司と言う人物は何者であるかが描かれる。王蛇がサバイブになったり、オーディンとゾルダ以外の契約モンスターを合体させると言う、テレビ版以上にやりたい放題する作品。
『MASKED RIDER ZO (& J) EDITION -ZO vs J-』
2005年2月号から、2005年5月号まで連載。
時系列は『J』終了後。(『ZO』から5年後とされている為、1998年と思われる。)ZOとJが何故姿が似通っているか、フォッグと言う組織の成り立ちなどの設定が明かされた作品で、地空人が、ZOに大自然の力を与え、JにはZOの姿を基にした姿を与えたと言う設定は、この作品が初出。
『MASKED RIDER RYUKI EDITION -IFの世界-』
2005年6月号から、2005年8月号まで連載。
『龍騎』の繰り返された戦いの一つで、前作に引き続き、王蛇サバイブと、新規にリュウガサバイブが登場した。
何と今回は、オルタナティブが13人登場する(その内の数体は神崎士郎が作っているが、それって『龍騎』のライダーの条件満たしてるんじゃないの?と言うツッコミは野暮である)。
『MASKED RIDER EDITION -ここより永遠に-』
単行本第1巻書き下ろし。
仮面ライダー旧1号が、新1号へとパワーアップする、第52話から第53話の間の出来事。
『MASKED RIDER 555 EDITION -ロスト・ワールド-』
2005年10月号から、2006年1月号まで連載。
『劇場版 仮面ライダー555 パラダイス・ロスト』の前日譚で、仮面ライダーデルタが劇場版に登場しなかった理由や、オルフェノクが如何にして世界の覇権を握ったかが語られた。本編とは別方向に草加雅人の悪辣な面が描かれている。
『AKUMAIZAR3 EDITION -BEFORE and AFTER-』
2006年3月号から、2006年4月号まで連載。
『アクマイザー3』のプロローグでザビタンの両親とザビタン出生の秘密が描かれた。
『MASKED RIDER HIBIKI EDITION -SEVEN OGRES-』
2006年6月号から、2006年9月号まで連載。
『劇場版 仮面ライダー響鬼と7人の戦鬼』の戦国時代視点での続編。
『MASKED RIDER EDITION -脱出-』
2006年10月号に掲載。
本郷猛の改造シーンを、緑川博士の視点で描く作品。
『MASKED RIDER BLADE EDITION -DAY AFTER TOMORROW-』
2007年2月号から、2007年5月号まで掲載。
最終回後の後日談。時系列的には、『ジオウ』や小説版の前日譚となる。
展開は、『ハイパーバトルビデオ』に近い構成となっている。
『KIKAIDER01 EDITION -ANOTHER YESTERDAY-』
2007年8月号掲載。
TV版キカイダー01の誕生を描いた作品。
『MASKED RIDER AGITΩ EDITION -PROJECT G1-』
2007年10月号から、2008年1月号まで掲載。
『劇場版 仮面ライダーアギト PROJECT G4』の後日譚。『クウガ』の設定をミックスした作風となっている。
『MASKED RIDER KUUGA EDITION -DARK SIDE-』
単行本第2巻書き下ろし。
超古代における、ン・ダグバ・ゼバの視点で描かれた作品。
ただし、残虐性以外は本編のダグバとは完全に別人であり、ほぼオリジナルキャラになっている。
また、色々な謎を残したまま物語が完結しているのも特徴。
『HERO SAGA SPECIAL EDITION -FOUR CARDS-』
2008年3月号から、2008年6月号まで掲載。
ディオラマのみで、小説部分はなし。
『MASKED RIDER X EDITION -ゼウスの息子-』
2008年7月号から、2008年9月号まで掲載。
テレビ本編の後日談。神博士や呪博士ととある人物の関係、そしてアポロガイストの素性が語られた。
『MASKED RIDER DEN-O EDITION -1971年4月3日』
2008年12月号から、2009年10月号まで掲載。
『劇場版 仮面ライダー電王&キバ クライマックス刑事』の後日談。7人ライダーと、ショッカーからバダンまでの怪人が激突する。サブタイトルは、『仮面ライダー』の初回放送日である。
『MASKED RIDER KIVA -KING OF VAMPIRE-』
2010年1月号から、2010年4月号まで掲載。
『キバ』最終回のIF展開を描く。仮面ライダーキバーラが登場。
『MASKED RIDER DECADE -ストロンガーの世界-』
2010年6月号から、2011年5月号まで掲載。
時系列は、RXの世界とアマゾンの世界の間。劇場版2作の設定が組み込まれており、『ディケイド』の根幹設定に触れた作品の一つ。
『ストロンガー』のリ・イマジ世界を舞台としているが、原作のストロンガーと思わしき城茂も、登場する。
『MASKED RIDER KABUTO EDITION -since 1986-』
単行本第3巻書き下ろし作品。
天道と加賀美の父が、赤い靴システムについて語らうストーリー。
『KAMEN RIDER W -Playback-』
2011年7月号から、2012年1月号まで掲載。
第48話で消滅したフィリップが、『仮面ライダー』の原作者と出会うストーリー。
本作に登場する石ノ森章太郎のいた世界は、仮面ライダーが藤岡弘、の撮影中の事故による降板を受けて打ち切りになったと言う設定になっている。
『MASKED RIDER ZX -FORGET MEMORIE'S-』
2012年3月号から、2012年6月号まで掲載。
原作『10号誕生!仮面ライダー全員集合!』を再構成した作品で、一部描写が異なる。
元ショッカーの関係者が登場している。
『MASKED RIDER GILLS -仮面ライダーになってしまった男-』
2012年8月号から、2012年11月号まで掲載。
サブライダーである仮面ライダーギルスを主人公に添えた非常に珍しい作品で、時系列は、『アギト』最終回後から10年後の2012年。
『KAMEN RIDER OOO EDITION -OOZ-』
2013年2月号から、2014年1月号まで掲載。
『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』の後日談で、夢オチとも取れる不思議な物語が特徴。
主にオーズとライダーマンが活躍し、7人ライダーが戦った、悪の組織をモデルにしたグリード達と戦う。
『MASKED RIDER SHIN EDITION -終わりの始まり、始まりの終わり-』
単行本第4巻書き下ろし作品。
現時点に置いて、唯一の『真・仮面ライダー』の続編と言える作品。主人公は、真の息子である新を主人公としている。尚、本作の真は改造手術の影響で人間性を失い、敵と言う形で登場する。
続編とはいえ、一種のIFなので、現行の映像作品には繋がらない設定となっている。
それにしても、息子の名前が新と言うのは中々粋な計らいである。
『MASKED RIDER EDITION -仮面ライダー #99-』
2014年3月号から!2014年7月号まで掲載。
初代の最終回から『V3』第2話までのダブルライダーの戦いを描く。『V3』第一話で描かれなかったシーンの補完作品でもあり、カメバズーカを道連れにしたダブルライダーが助かった理由も判明している。
マイナーなショッカー怪人が登場した。
『KAMEN RIDER WIZARD EDITION -魔法使いの弟子-』
2014年10月号から、2015年9月号まで掲載。
『仮面ライダーウィザード』の、後日談…に見せかけた『MOVIE大戦MEGA MAX』の、後日談。「世界三大何やってるんだかわからない企業」なるものの存在が語られており、鴻上ファウンデーション、スマートブレイン社の名前が上がっていた。流石に『ウィザード』時点でスマートブレインは倒産しているだろうが。後に、最後の一つがユグドラシル・コーポレーションである事がわかっている。
『MASKED RIDER DECADE EDITION -オーズの世界-』
2015年12月号から、2017年3月号まで掲載。
『仮面ライダーオーズ/OOO』と『仮面ライダー鎧武/ガイム』の原典によく似た、リ・イマジ世界を舞台とした作品。
時系列については『スーパーヒーロー大戦GP』の後だが、士以外はライダー大戦を経験していないかのような節がある。
士のセリフから、『GP』でショッカーライダーに改造されたのはそういう役割であった事が窺える。
余談だが、この作品の世界では人間の負の感情に引き寄せられる怪物と戦う黄金の騎士が主人公の深夜特撮番組が放送されている模様。
『KIKAIDER REBIRTH 『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』』
2017年7月号から、2018年5月号まで掲載。
『キカイダー01』、『仮面ライダー鎧武/ガイム』の登場人物も登場する。
実質的な『キカイダーREBOOT』の続編なのだが、ジローは、『鎧武/ガイム』のゲスト回以降は『REBOOT』の戦いに身を投じていないようである。物語としては、漫画版『キカイダー』の最終章付近がベースになっている。
『KAMEN RIDER AMAZONS 『獣人症候群(シンドローム)』』
2018年10月号から、2018年11月号まで掲載。
『アマゾンズ』シーズン1からシーズン2までの期間を描く作品。『外伝_蛍火』とは、時系列的に、どちらが先になるのかは不明。
『MASKED RIDER DEN-O 『ロスト・トレイン』』
2019年3月号から、2020年8月号まで掲載。
クウガからディケイドまでの平成1期ライダーが、歴史改変で消えてしまった昭和10人ライダーの代わりにショッカーからバダンまでの組織と戦うと言うストーリー。同時期の『仮面ライダージオウ』や、往年の『バトライド・ウォー創生』に酷似した作風だが、奇しくも、前者で触れられている昭和ライダーが、BLACKRXからJまでである所が、ニクい。
本作登場のディケイドは、ディケイドライバーの状態から、ジオウ以前のディケイドである事は確か。また、登場人物は全て原典の登場人物なのだが、時々原作と異なる話し方をしている(特にキバはシナリオ面のミスなのか、時折変身者である紅渡の他、ミュージカルの様にキバットが喋っているような描写が見て取れる)。どうやらこれには意味があるようで…?
ライダー対応表
消滅したライダー | 代打 | 敵対する組織 | 備考 |
---|---|---|---|
ダブルライダー | クウガ&アギト | ゲルショッカー | 平成1号と平成2号。アギトは、どちらかといえばV3のオマージュが多い。 |
V3&ライダーマン | 龍騎&ファイズ | デストロン | どちらかといえばファイズは、Xライダーオマージュのヒーローである。また、ファイズが主役のある作品では、ライダーマンを元ネタにしたライダーが登場している。 |
X | ブレイド | GOD機関 | ブレイドは本物の神とも言うべき存在に挑んだのに対し、Xは神話モチーフの怪人と戦った。 |
アマゾン | 響鬼 | ガランダー帝国 | 響鬼は平成のアマゾンの異名を取る。 |
ストロンガー | クウガ〜カブト | デルザー軍団 | カブトとストロンガーは、同じカブトムシモチーフ。また、カブトはストロンガーを参考に、デザインされた。 |
スカイライダー | 電王 | ネオショッカー | 実はそれぞれの作品にはドラゴンモチーフのキャラがいる。 |
スーパー1 | キバ | ジンドグマ | どちらも月に関係があるライダーである。 |
ZX | ディケイド | バダン | 同じく10号。大ショッカーとバダンは、過去作の総決算組織と言う共通点もある他、両者は過去に戦った事がある。また両者はどちらも敵組織の大首領と関係があると言う共通点もある |