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概要

一度死んだ人間が覚醒し蘇る事で生まれる人類の進化形態

濃淡は異なれど、全身グレーの体色がシリーズでも異彩を放っている。但し、ライノセラスビートルスカラベウルフの様に体の一部に色が付いている個体も存在する。

動植物を彷彿とさせる能力と形態を持ち、銃弾も通用しない強靭な肉体を有するが、普段は生前の姿を引き継いだ人間態をとって生活している。自らの意志で細胞配列の組み替えを行い、地球上の動植物一種の性質や外見と、それに見合った特殊能力を具えた異形の姿へ変化する。

どの個体も体色は灰色が基調であるが、これは「死」や「滅亡」のイメージ(具体的には「死体」)を表している。

人間態では人間並みの力しか発揮できないが、高い実力を持つオルフェノクは人間態のまま己が力を発揮する事が可能(琢磨や村上等)。特に北崎は強大過ぎる力を制御できず人間態のまま、触れたモノを灰化させてしまう。

死ぬ際は、全身から青白い炎を噴き出し(デルタに倒されると赤い炎となる)着衣含めて灰に変化して崩壊する。また、寿命が近付くとその予兆として身体の一部が徐々に灰化する現象が起こる(なお、これとは別に『仮面ライダー913』ではオルフェノクが損傷すると出血あるいは体液が飛散する描写がある)。

客演作品では普通に爆死する事もある他、他のオルフェノクに捕食されて死ぬ者も…。

発生方法

普通に死亡(病死、事故死、オルフェノク以外による殺人など)した人間がオルフェノクへと覚醒する(=自然発生)か、オルフェノクが対象に接触して相手の体内に眠る「オルフェノクの記号」を活性化・覚醒まで至らせる人工的な方法で誕生する。

後者の場合、オルフェノクの繰り出す「触手」や武器などを用いて人間の心臓を破壊する「使徒再生」を行う必要がある。この「触手」は指等、突起物が変化するパターン(口から出すパターンもある)と、光の触手とでも呼ぶべき物を繰り出すパターンとに分かれる(尚、この触手はガラスは貫通する模様)。正確には「オルフェノクエネルギー」とも呼ばれる蒼い炎状の「何か」を人間の心臓に注ぎ込み、これを焼滅させる事で「記号」の活性化とオルフェノクとしての体組織の再構築を行う。オルフェノクに心臓が存在しない訳では無い点に注意。

「オルフェノクの記号」を埋め込まれ蘇生した事が原因で覚醒する人造オルフェノクもおり、劇中では澤田亜希がこれに該当する。

 

なお、一度死亡してから自然に甦りオルフェノクになった者は「オリジナル」と呼ばれ、オルフェノクの中でも一際高い能力を持つ事が多い。一方「使徒再生」は、ほとんどが失敗に終わり、オルフェノク化に至らなかった者は灰化して消滅する(但し、『仮面ライダーディケイド』第1話では灰化した筈の人間がオルフェノクになったと思わしき描写が見られる)。

というのも、人間すべてがオルフェノクの「記号」を有するわけではない。なおかつ『「記号」持ち』であっても、その活性化率の個人差は大きく、血縁者でもオルフェノク化の有無は同率ではないという事情故。「記号」の正体について劇中では明かされていないが、遺伝子上に存在する「何か」として言及されており、スマートブレイン流星塾関係者に人為的に「記号」を植え付ける研究を行っていた。

ちなみに、即座に灰化する場合もあれば、ある程度生前をなぞる行動を取った後に灰化する場合もある。後者の場合、劇中で検死が行われた事を示す描写があり、その際に「異形の内臓」の残留が確認されている。

実質的な殺人行為である使徒再生だが、これは既に覚醒済みのオルフェノクにも一種の劇薬として働くらしく、オルフェノク同士の戦いでこれを受けて敗北したオルフェノクもまた、蒼い炎を上げて灰化する。『仮面ライダー913』第1話では、心臓に刺さらなければ灰化は起きないと思われる描写があるが…(劇中でも澤村刑事がバットオルフェノクの弾丸を足に浴びて何も起こらなかった)。

 

漫画版によれば覚醒の可能性は使徒再生が上回るとされる。『仮面ライダー913』3・4話において明示されたオルフェノク化の確率はオリジナルが0.1%未満、使途再生が3~5%。この確率が他作品のオルフェノクにも該当するかは不明。しかし、その低確率を物語るかのように使徒再生の個体だと確認できるのが劇中では3のみ

なお、死亡時に切断されて死亡した・覚醒時点で一部が欠損している場合でも覚醒する事がある。

その場合、欠損した部位は覚醒時に元に戻ったり元の位置に収め直すなど治癒パターンも様々である。

後述する小説版の設定において人間との交配個体が登場しているため、(少なくとも小説版においては)やはり従来の生物と同様の方法で繁殖できる模様(あくまで使徒再生とは人間をオルフェノクに変えるためのものなので、こうした繁殖機能がなければ絶滅してしまう)。

人間態関連

オルフェノク化しても個体の記憶や人格は生前のものが引き継がれる。

先述の通り強靭な肉体を持ち、高所から受け身無しで転落しても数時間で自然治癒するレベルの軽傷で済むが、ライダーやオルフェノクとの戦いによる負傷や風邪を引いたりと全くの不死身というわけではない。しかし中には常人より感覚が鋭敏になったり、高エネルギーの調律・放出制御を可能であったり、変身の際に雨粒の降下が遅くなるなど人間態でも超人的な能力を発揮する者も存在する。

ただし、予算や尺の都合上から毎度徹底されているわけではない。

人間体からオルフェノクに変化する際には瞳が灰色になり、オルフェノクのモチーフとなった動植物の顔や身体の一部、またはオルフェノクの顔そのものが浮かび上がる。また、オルフェノクの姿で他者と話す際には影が裸の人間態の姿に変化する。女性であっても容赦なく。(当然ながら胸部にぼかしはかけられているが。また東映公式によれば、演者がチューブトップを着た状態で撮影していたとの事)

これらオルフェノクの能力は、元になった人間の負の感情に反応している節がある。そもそもオルフェノク覚醒の条件に1回死ぬ事があるため、主要人物の中で過去が判明している者の大半は凄惨な過去を経験していたり、不幸体質持ちが多い。

なおアークオルフェノクの能力で完全体に進化した場合、人間態は消滅し永久に怪物の姿のままとなる。

活動目的

組織化された存在ではないものの、スマートブレイン関係者は一部旧人類を世界から廃し、オルフェノクだけの世界を生み出そうと暗躍している。

そのため、旧人類との共存は不可能だと割り切る者が多い。また善良な人間でさえも力に溺れてしまうケースがある一方で木場勇治など共存を望む穏健派も僅かながら存在している。しかし、穏健派の存在をスマートブレインは快く思っておらず、使徒再生(実質的な殺人)を行おうとしない者は「裏切り者」とみなして始末する方針をとる。

この辺は彼等が持つ殺人衝動を促す「声」も関係していると思われる。詳しくは後述。

そしてもう一つ、彼等は急激に進化し過ぎたがために肉体の寿命が短い。ゆえに、その問題を解決出来るオルフェノクの王の存在を探し続けている。

劇場版では寿命や、それに関する問題の解決策としての「王」の存在については触れられていない(制作時点でTV版終盤に至る設定が詰められていなかったためと思われる)。この段階でオルフェノクが人類よりも個体数が多い事(オルフェノク間で設けた子供も確認されている)も考慮すると、「人類とオルフェノクの存在比率が一定の閾値を越えると、オルフェノクは生命体としての存在が安定する可能性がある」と考える事も出来る(一部の同人作品では、これを論拠にしたオルフェノクに関する思考実験を行っている)。

ただし、ネズミの様に成熟や繁殖のスピードが早ければの話であり、短過ぎる寿命と繁殖のスピードが釣り合わなければやはり早期に絶滅してもおかしくないと思われる。

だが延命治療は可能な他、極稀にそのような処置抜きに何十年も長生きする個体もいる模様。

モチーフ

何がモチーフになるかは全く法則性が無く、サンゴだのナマケモノだの、果ては植物のオクラといった今までの仮面ライダーシリーズではまず選ばれない奇抜なモチーフの怪人もいる。

そのため、同一デザインの個体が複数存在すると考えられており、この事を示す様に同じ種類のオルフェノクでも作品によって人間態となる人物が異なるケースが多い。特に桜庭一樹による映画ノベライズでは最大最強のオルフェノク「エラスモテリウムオルフェノク」が複数個体登場した。

デザイナーの篠原保氏曰く、オルフェノクの姿は「その者が意識の奥底で潜在的に抱いている『戦う姿』が具現化したもの」とコメントしているが、これが単に篠原氏のデザインの方針なのか、劇中世界における事実であるかは不明(仮に劇中でも同じ設定だとすると、オクラやナマケモノを「戦う姿」として抱いてる者というのは……)。

基本的に動物がモチーフに採用されるが、無論植物モチーフの個体も存在する。

純粋な幻獣モチーフのオルフェノクはドラゴンオルフェノクただ一人であるが、メインモチーフを実在の動物とした上で幻獣の要素を持つホースオルフェノクのような例もある。

後に篠原氏は雑誌のインタビューで、オルフェノクのマークである3つの矢印オルフェノクレストが示しているのは「人間がオルフェノクへと進化する段階」であり、1つ目は『新たな命』、2つ目は『戦う姿』で本人のイメージする戦士やスポーツ選手等の姿、3つ目は『動植物』でこればかりは「運命のルーレット」で決まるとコメントした。…ただ、イールオルフェノク『戦う姿』が送気式潜水服で『動植物』がウナギ、と言うドはまりぶりから考えると2つ目と3つ目は全くの無関係とは言い切れない節がある。

動植物が決まる方式も実は完全にランダムでは無く、一部の人物についてはその人間の心理や本質が反映されているのでは?と思しき描写がある(無論、以下の考察は公式設定ではない)。

オルフェノクモチーフ変身者備考
ローズオルフェノクバラ村上峡児バラは純潔の象徴。村上は高い自尊心の持ち主である。
ゴートオルフェノクヤギ花形モチーフとなったヤギと花形には共通して悪魔としての側面と、人々を育てる慈悲深い二つの側面がある。
ホースオルフェノク木場勇治人を減点方式で見ている節がある他、怒りの感情に囚われると暴走し易い。モチーフであるユニコーン処女厨憤怒の象徴とされる。
スネークオルフェノク海堂直也モチーフとなった蛇と海堂にはトリックスターとしての側面がある。
クレインオルフェノク長田結花受けた恩や仇は必ず返す性質がある。鶴に関しては人間に恩返しする昔話がある。
ロブスターオルフェノクエビ影山冴子永遠の命を求めている節がある。また、ロブスターは脱皮する毎に体が新しくなる。
クロコダイルオルフェノクワニMr.ジェイチャコを守りたいという願いがある事が、子煩悩で人が怖がって近付かないワニのイメージに繋がる。
センチピードオルフェノクムカデ琢磨逸郎強い力を持っているがヘタレ。ムカデも同じように毒を持っていながら、その実臆病な日陰者。
ドラゴンオルフェノク北崎自分を絶対的な王様と信じている。珍しい幻獣モチーフで、龍は王の象徴。
スネイルオルフェノクカタツムリ空き巣犯自分に自信を持てない性質が殻にこもるカタツムリを連想させる。
ドルフィンオルフェノクイルカ青木(野間)茂久ピザ屋の店長として平穏に暮らしている。イルカは平和主義の象徴になる程の人慣れし易い性質を持っている。
スパイダーオルフェノク(小説版)蜘蛛???これに関しては公式発言あり。詳しくは該当記事参照。
ウルフオルフェノク???怪物と人の側面を持った古典的な例であるので自らの力に悩む彼のモチーフとしてはピッタリである。また、一匹狼に見えて孤独を恐れ、仲間を想う側面も影響したか。

小説『異形の花々』では

二次精製に関しては言及されておらず、すべてがオリジナルオルフェノクとして登場する。

この作品では、オルフェノクとなった者の多くが人間の殺戮を求める強い本能的衝動(オルフェノク達はこれを「声」として認識している)に飲み込まれ、理性を失い人間を襲い続ける怪物になると明言されている。

そのためかTVドラマ版とは異なり、仲間同士で集まったり戦闘時に協力する描写はあるものの、スマートブレインの様に大きく組織立って行動する様子は見られなかった。

小説版だけかと思いきや、TVシリーズにもそれらしき設定が残っており、澤田曰く、大切な人物を殺して人間を捨てろとオルフェノクの力が自身に命じているという趣旨の発言をしている(第28話にて)。

20周年記念作品となるパラダイス・リゲインドにてこの描写が明確に表現されており、名実共に公式設定と化したと見なして良いだろう。

また、漫画版『仮面ライダー913』においても同様の設定が描写されている(シナリオも映像作品や小説版同様に井上敏樹氏が担当している)。

他種族との関係

仮面ライダー』シリーズは長寿番組かつ基本的に平成一期の世界観は独立している為、『人類の進化』についてはシリーズによって様々な見方が存在、オルフェノクも他種族と往々にして比較される事がある。

特にメインライターが同じである『仮面ライダーアギト』に登場するAGITΩ/ギルスとの比較考察がファンの間では著名。

両者共に人類の進化系という共通点がある一方で、アギトは生者が、オルフェノクは死者が覚醒するという決定的な差異がある。

また、アギトの世界観においては動物の祖先たる天使マラークが存在しており、クロスオーバー世界観での関連性が気になる所である。

この考察の発端となったのは公式二次小説『HEROSAGA』の一編である『MASKED_RIDER_AGITΩ_EDITION-HEAVEN'S DOOR-』。

連載版においてはアギトとファイズの世界観が繋がっているような描写がなされた。

加えて2004年に発売された小説に後日譚を加筆した『仮面ライダー555 正伝 ―異形の花々―』ではAGITΩを思わせる「光る人」(オルフェノクと人間のハーフ)が登場している。

蛇足になるが、原作である映像作品に小川敦史氏が出演しているが、新人類である彼らに対するスタンスは『アギト』と『555』で全くの正反対となっている。

小説仮面ライダー鎧武』(こちらは公式設定に組み込まれた作品である)においては、「ヘルヘイムとは異なる進化の道を歩んだ者」と記されている。

主要キャラのオルフェノク達

※過去キャラモチーフに関しては後述。

名前モチーフ人間態
ホースオルフェノク+ユニコーン+ケンタウロス木場勇治
クレインオルフェノク長田結花
スネークオルフェノク海堂直也
ウルフオルフェノク???(ネタバレ注意)
ワイルドキャットオルフェノクヤマネコ???(ネタバレ注意)

オルフェノクの王

名前モチーフ人間態
アークオルフェノクバッタ???

一般オルフェノク

スマートブレイン傘下

名前モチーフ人間態登場話
スティングフィッシュオルフェノクオコゼ井沢博司第1話
エレファントオルフェノクゾウロングコートの男第2話
オックスオルフェノク青木第3話
カクタスオルフェノクサボテン赤井第4話
マンティスオルフェノクカマキリ緑川
スクィッドオルフェノクイカ戸田英一第5話
スカラベオルフェノクコガネムシ眼鏡をかけた男第8話
フライングフィッシュオルフェノク飛魚自転車の男第16・17話
トードスツールオルフェノク毒キノコピエロ第18・19話
フロッグオルフェノクカエルクラブの男第26話
スタッグビートルオルフェノククワガタムシ村上の部下第33話
ライノセラスビートルオルフェノクカブトムシ第33・35話
バーナクルオルフェノクフジツボ眼鏡をかけた男性社員第38話
スロースオルフェノクナマケモノ青沼第39話(回想)
バットオルフェノクコウモリサングラスをかけた男第43~45話
コーラルオルフェノクサンゴ革ジャンの男第46話

他媒体に登場した個体

小学一年生版で登場

惜しくも大賞を逃したが、ファイズ賞/カイザ賞に入賞した事で、漫画版に登場出来たオルフェノク達。なお、オクラオルフェノクは名称が「レディースフィンガーオルフェノク」となっている。姿形に関してはこちらを参照

名前モチーフ備考
スワローテイルオルフェノクアゲハチョウ幼虫がモチーフ
ココナッツクラブオルフェノクヤシガニ-
バンブーオルフェノク+タケノコ-
ゴリラオルフェノクゴリラ-
クロウオルフェノクカラスレイヴンオルフェノクとは別物
ピーコックオルフェノク孔雀『913』版とは別デザイン
カメレオンオルフェノクカメレオン-
マンモスオルフェノクマンモス-
モーニンググローリーオルフェノクアサガオ-
インセクティバーオルフェノク不明Insectivor(英:食虫生物)
ウィーズオルフェノク雑草Weeds(英:雑草(複))
アンモナイトオルフェノクアンモナイト-

HEROSAAGA

名前モチーフ
ドッグオルフェノク

篠原保氏による二次創作

名前モチーフ
イールオルフェノクウナギ

なお、篠原保氏はこれ以前にも『ファンタスティックコレクション 仮面ライダー555 555補完ファイル』(朝日ソノラマ)にてオリジナルオルフェノクを集合させたイラストを寄稿している(P45)。

ケンタウロスタイプのシマウマや野牛を思わせるもの、セミ型、猛禽類型、狐型、貝型、そもそも人型の要素が微塵もないタイプなど自由な発想のデザインが散見される。

篠原保の構想によると有史以前の記録とも未来の予言とも言われる、“人類”と称されるこの星に棲む唯一の生命体が滅んでしまった数多くの生命達を象った“鎧”を身につけ、この星の覇権を賭けた戦いに挑む姿を描いているとの事で、彼等の戦う”敵”が何なのかは語られていない。

加えて、オルフェノクは地球の代表として外宇宙の存在あるいは神のようなものと戦うために生まれたとも、地球意思が人から更に次元の進んだ存在を造り、人と競わせて進化を促しているとも、オルフェノクが地球上全ての生物種の運命を背負ったノアの方舟としてデザインされているとも独自の推論を述べている(P44)。

ヒーローショー等で登場

ひらかたパーク

ゲーム病に感染して死亡したプログラマーが覚醒。

見た目はダブルアクションゲーマーに似るが、ゴーグル部分に瞳は無く、側頭部に鳥の目らしき物が確認でき、髪の毛部分は嘴とも取れるような造様形をしているのでなんらかの鳥類の特質を備えていると思われる。

ガシャットを使ってのために人間のオルフェノク化を進めようとした他、過去に死んだファイズカイザを蘇らせようと企むが、ファイズとカイザにが宿り、デルタが救援に駆け付けると形成が逆転。3大ライダーのキックを受けて灰化した。

  • ホソミズノウ(2022年12月18日・ギーツコラボショー)

「僕が貴方を殺します!そして貴方は王になる!僕の王に…!!」

スマートブレインの社員。

ゲームマスターがギーツを蹴落とすべく、デザイアグランプリのスペシャルミッションの対戦相手として派遣。

人間の姿は黒尽くめのミリタリー系、オルフェノク態は虎のような姿。

「正を以って合し、奇を以って勝つ」等、よく孫子の言葉を引用する。

スター・オブ・ザ・スターズ・オブ・ザ・スターズ浮世英寿の熱狂的なファンであり、自らを『ホープ・オブ・ザ・ホープズ・オブ・ザ・ホープズ』と称する、英寿の出演番組はすべてチェック、写真集は観賞用/保存用/布教用/使用用の複数買いのガチ勢ぶり。

そこまではまだ良かったが、英寿を崇める余り今の王は紛い物」という考えに至り、自らの手で英寿をオルフェノクの王にするため、デザイアグランプリに乗じて英寿を殺し使徒再生を行おうとする。

手に入れたファイズドライバーレイズバックルをファイズドライバーに変え、ファイズへの変身を果たしギーツを追い詰めた。

(オルフェノクなら誰でもファイズになれるというシステムを活かしたとはいえ、たった1日限りのショーのオリキャラに対し破格の扱いである。ちなみにアクションは回し蹴りなど足技主体)

そもそも英寿は王になれる条件を満たしていない上に人間からオルフェノクに進化できる確率は低いのだが、「貴方ならなれる!だって貴方は選ばれた存在!スター・オブ・ザ・スターズ・オブ・ザ・スターズなんだから!」と盲目的かつ狂信的。

英寿にとっては『スターになっている世界』は本来の願いに至るまでの過程でしかなかったため、スターである事によって狂わせてしまった責任を感じた英寿はホソミを倒す決意を固める。

最後はファイズドライバーに導かれた巧ファイズとギーツとの共闘により、ゲームから脱落。

退場=死亡こそしなかったものの、脱落者は願いを失うため、今後彼が英寿を思う事は無くなるだろう。

オルフェノク態のスーツは「仮面ライダーアマゾンズ最後ノ審判」に登場するトラアマゾンのスーツを灰色にリペイントした物。

キャラ名は細身(スマート)+頭脳(ブレイン)でスマートブレインが由来となっている。

よみうりランド

  • せんとオルフェノク

生物どころかマスコットキャラであるせんとくんの特性を持つオルフェノク。

パンドラパネル強奪のため、セントオルフェノク、銭湯オルフェノクと共に送り込まれた。3体の中ではまとめ役を務める。見た目に反してかなり強い。

  • セントオルフェノク

1セント硬貨の特性を持つオルフェノク。

パンドラパネル強奪のため、せんとオルフェノク、銭湯オルフェノクと共に送り込まれた。アメリカンな口調をしており、回転技や銃撃を得意とする。

  • 銭湯オルフェノク

銭湯の特性を持つオルフェノク。

パンドラパネル強奪のため、せんとオルフェノク、セントオルフェノクと共に送り込まれた。戦闘時はタオルを武器に使う。

テーマ曲

代表的なもののみ記述。タイトルはサントラ『仮面ライダーファイズ コンプリートCD-BOX 「Final Call」』より(作曲はいずれも松尾早人氏)。

楽曲名備考
『オルフェノク出現』オルフェノクが正体を表し、人々を襲撃する際のBGM
『オルフェノク襲撃』オルフェノクが人々を襲撃する際や死亡時に用いられるBGM
『物は試し』オルフェノクが(ry
『覚醒』スマートレディによるオルフェノクの解説などのシーンで使用
『ベルトの力』一応はファイズの戦闘テーマなのだが、オルフェノクの襲撃シーンでも用いられる
『バッグをよこせ』襲撃時のBGM。その名の通り、序盤は園田真理の持つバッグを狙ってオルフェノクが現れることが多かった
『死亡確認』流星塾やスマートブレイン関係のBGMとしても使用

余談

ネーミングに関する逸話

オルフェノクという名前は、脚本を担当した井上敏樹氏によるもの。

当初スタッフ内で、怪人の名前を「オルフェ」にするか「エノク」にするかで意見が割れて悩んでいたところに、井上氏の「そんなの『オルフェノク』でいーじゃねえか」鶴の一声で決まったらしい。

    • 『異形の花々』ではインターネット上で都市伝説としてオルフェノクの存在が語られる中、上述の語源を元に名付けられたことになっており、真理は「あんな怪物にそんな崇高な名前なんて…」と唾棄していた。
  • ちなみに、オルフェウスは「冥界から帰って来た」、エノクには「人間から天使になった」という神話が語られており、死から蘇り、超常的な力を手にした彼らにふさわしいネーミングだと言える。
  • 顔に文様が浮かぶ表現にはテクスチャマッピングが用いられ、口の動きにも違和感無く対応している。パイロット版監督の田崎竜太氏は「技術の進歩によって表現可能になったアイデア」と評した。
  • オルフェノクの影が喋るという案は、白倉Pの「口をパクパクさせる以外の方法で怪人が喋る表現を考えて欲しい」という要望を受けて田崎氏が考案したもの。
  • 初期段階では名前や配置、死者がオルフェノクとして蘇るという設定は決まっていたが、外見は指定されていなかった。半人半獣のケンタウロスの様なものというオーダーに従い、メイン3人のモチーフは分かりやすくとなる。『クウガ』から連続して登場怪人が動物モチーフだったため、新鮮味を出すべく動物の骨や死骸をモチーフとする案が浮かび、「死と再生」を表す「全身白色」のコンセプトも固まっていった。諸事情で骨の要素は無くなるも全身白一色の案は通ったが、現場から「見分けがつかない」「とにかく地味」「人形が売れていない」と不評が相次いだ。篠原氏は「常にヘコまされていた」との事だが、動物モチーフの表現に限界を感じた氏が”質感の追及”をやめ、”そこにあるものの「意味」だけを見せる”様な連作を希求し、造形や撮影を始めとした全方位に迷惑が掛かるのを承知の上で1年間オルフェノクのデザインをやり通した(『完全超悪』p.142,145)。

オマージュ元

オルフェノクのオマージュ元は『仮面ライダーX』のGOD怪人、『人造人間キカイダー』のダークロボット、『キカイダー01』のハカイダー部隊シャドウ殺人部隊なのではないかと言われているが、現時点で実際に明言されているのは次の通り(『完全超悪』pp.142-144)。

オルフェノクオマージュ元備考
スティングフィッシュオルフェノクネプチューン共通点は三又の槍、半魚人、第1話怪人という点
ゴートオルフェノクパニック同じくヤギモチーフ
エレファントオルフェノク怪力ヘラクレスパニックの代わりに怪力ヘラクレスとなった
オックスオルフェノク鉄腕アトラス篠原氏自身もうろ覚えの節あり
ホースオルフェノクアポロガイスト盾を持った主人公のライバル怪人という共通点あり
ローズオルフェノクハカイダー厳密には事情が複雑である。詳しくは項目にて
ラッキークローバーハカイダー部隊なお、青ワニをモチーフとしたクロコダイルは元ネタ同様に鳩の怪人に改造された。また、センチピードオルフェノクの身体は『ロボット刑事』のワッカマンを意識している。
ピジョンオルフェノクキチガイバト(クレージーピジョン)、テングムササビ等改造元は意図されたもの

篠原氏曰く、出渕裕氏が『仮面ライダーアギト』でアンノウン機械合成怪人の要素を組み込んだ様にGOD怪人を意識したとの事である。

余談だが、オルフェノク以外では仮面ライダーカイザハカイダーの要素(肩)を組み込んでいる。

この関係性は二次創作の元ネタになる事もしばしばある(下のイラストは白骨ムササビをモチーフとしたオリジナルオルフェノク)。

関連タグ

仮面ライダー555 怪人 人間態 青い炎

ゾンビ おれは人間をやめるぞ!

着ぐるみ使い回し平成一期の中でもスーツの改造頻度が非常に高い

シアゴースト:篠原氏による単色で怪人デザインが成立するのかというプロトタイプ。

アンノウン:こちらは本物の天使で、動物達の祖先である。その性質上、オルフェノクとは違って植物モチーフは存在しない。

アンデッド:こちらはオルフェノクとは対照的に生物の祖たる不死生物という位置付けにある。身体の色も黒系統の個体が多くやはりオルフェノクと対照的。

ファンガイアジャマト:こちらも人間との混血が可能な怪人。前者はスーツ改造が多い点も類似している。後者は次世代シリーズ4番目の仮面ライダー作品に登場する敵怪人である。

ファントムインベスバグスター新型メギドギフテリアン:過程やメカニズムは違えど、こちらも人間の死を以って誕生する怪人。

トリプルファイター:当初は色は黒で統一するつもりだったが、篠原氏はデーモン怪人に先を越されたので没ったと冗談めかして語っている。

邪命体エヴォリアンニチアサ同期の敵対勢力。

ミラーモンスターオルフェノクアンデッド

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