概要
異世界「ヘルヘイムの森」に生息する怪物。
基本はビートライダーズ達がダンスの場所を取り合う度に行う「インベスゲーム」で戦わせるためにロックシードで召喚されている。
基本召喚されるインベスは小さいが、変身した状態で召喚すると実体化することが可能となる。
第16話ではロックシードの改造方法が錠前ディーラーを通じてビートライダーズに広まり、リミッターカットで人間大の大きさで召喚する事ができるようになった。
ただし命令に忠実というわけではないため、ロックシードを手離すなどして制御ができなくなると、無差別に人に襲いかかることもある。
また、クラスの高いロックシードをインベス自身が食べると、巨大化してパワーアップすることもできる。
生態も明確な目的も不明だった序盤では、普段はヘルヘイムの森で過ごし、インベスゲームに駆り出されては人間の都合で倒されている事から、「インベス自体が一方的に悪ではなく、人間の方がインベスを脅かしているのでは?」という印象を受ける視聴者も少なくなかった。
第11話では大量のインベスが森に居たユグドラシル・コーポレーションの社員達を襲っているものの、人間の方が自分達の住処を荒らしている行為に思えるし、第16話以降にはインベス騒動に乗じて一部はシドの策略に寄るものも含め犯罪行為を行う者も現れ、インベスそのものではなくインベスを悪用する人間の方が悪者という印象が目に付いた。
(放送初期に描かれた作品の一例)
…が、その生態が明らかになるにつれ、その名の通り理由なき悪意とでも言うべき恐るべき侵略者であることが判明してきた(詳しくは後述の正体にて)。
後に知性を持ったインベスであるオーバーロードインベスが登場。詳しくは個別記事を参照。
後述の正体及び性質から名称の由来はおそらく「侵略」を意味する単語「invasion」と思われる。
分類
名前はヤミー同様「動物の和名+インベス」で統一されている。
またアーマードライダー同様和風、洋風、中華風の3タイプに分かれておりそれぞれデザイナーも異なる。色も和風=青系、洋風=赤系、中華風=緑系とメイン3人のアーマードライダーと同じ配色である。
中華風の緑系インベスは古代中国の幻獣、洋風の赤系インベスは西洋の悪魔や邪教に関連する動物がモチーフとなっている。
和風の青系インベスは数が少ないため法則性は不明だが、哺乳類と昆虫類モチーフが確認されている。
一部を除き、同種の別個体がかなり多いため種類ごとの再登場は多いものの、バリエーション自体は歴代ライダーシリーズの中でも少なめである。
一覧
初級インベス
もっとも数の多いインベス。
ビャッコインベス
第1話に登場した、虎(白虎)のような姿をした中華風のインベス。その正体は……。
シカインベス
第2話に初登場した、鹿の姿をした和風のインベス。
コウモリインベス
第4話に初登場した、コウモリの姿をした洋風のインベス。
イノシシインベス
第7話に登場した、イノシシの姿をした巨大な洋風のインベス。
セイリュウインベス
カミキリインベス
第10話に登場した、カミキリムシの姿をした和風のインベス。
ヘキジャインベス
第13話に登場。初瀬亮二がヘルへイムの森の果実を食べてしまい変貌したもの。
ライオンインベス
第16話に初登場した、ライオンの姿をした洋風のインベス。
ヤギインベス
第30話に登場した、山羊の姿をした洋風のインベス。
オーバーロードインベス
ヘルヘイムの森にある遺跡の奥深くに潜伏している、高度な知性を持つインベスの上位種。
イナゴ怪人
正確にはインベスではないが便宜上ここに表記。
正体
その正体は人間の世界の生命体、あるいはヘルヘイムの森の植物に侵食されてしまった世界の生命体が変異した存在(第20話より)。
ヘルヘイムの森の果実には他の生物の体組織を変異させ、インベスへと変える力がある。上記の通り第13話においては、果実を食べた初瀬がヘキジャインベスへと変貌してしまっている。
さらに劇中で人間が果実を食べて変異した個体(ビャッコインベス、ヘキジャインベス)、もしくはそうだと思われる個体(コウモリインベス変種体)にはボロボロになった布のようなものが両腕に巻きついているのが確認できる。ただしこれらは他のインベスと違い、劇中で実際に登場したのは1体しか確認されておらず、一度アーマードライダーに倒された後は、幻覚や回想の中でしか登場していない。この事から、上記のインベスは個体数が極めて少ない、もしくは同型の個体が存在しない特別種と思われる。
一方、全てのインベスが人間だったというわけではなく、第14話では戦極凌馬がマウスに果実を食べさせ、小型の初級インベスを作成している実験映像を呉島光実が発見している。
更にインベス自体にもそうした力があるのか、作中でインベスに傷を負わされた人々はヘルヘイムの森の植物と思しきものに体を蝕まれていた。
第20話にてインベスがヘルヘイムの森の植物の種や胞子を媒介する1つの原因であることが明らかになった。
すなわちゾンビやバンパイアのように、インベスに攻撃された者はインベスと化し倍々ゲームでどんどん増えていくことになる。
人間がインベスになること自体は、前々からそれを匂わせる演出もあり、視聴者の間では予想されていた。
しかし現時点では、この特徴は中華風のインベスのみに見られており、他の種類のインベスも同様なのかは定かではない。
また、貴虎曰く、一度こうなってしまうと森の果実を媒介するだけの死体と同じになってしまうそうだ。
普通は人間としての意識も消滅して唸り声をあげるようになるのだが、「沢芽児童保育館」で人体実験の被験者である子供達の成れの果てとして登場した初級インベスは「かごめかごめ」を歌っており、一口にインベス化といっても要因次第ではイレギュラーが起こりうるのかもしれない。
最終的な結末
第46話にて葛葉紘汰が駆紋戒斗に勝利した後、彼が「始まりの男」として覚醒した事でインベス達は彼や始まりの女となった高司舞と共に別の世界へ旅立っていった。
紘汰の「犠牲を対価とする世界を変える」目的には人類だけでなくインベスも含まれており、その言葉通り対象を救ったと言えるだろう。これにより平成二期としては初の歴代では仮面ライダーキバのファンガイア以来の怪人の種族保持エンドとなった(ドーパントやゾディアーツは怪人の種族とは異なるのでカウントしない)。