「なんで俺にはないんだ……!アイツらみたいな力が……」
「もう一度…俺に力を…!!」
演:白又敦
変身する仮面ライダー
概要
『仮面ライダー鎧武』の登場人物。
ビートライダーズの一つ「チームレイドワイルド」のリーダー。身長176cm。
野心家で強気な性格だが、猪突猛進であまり頭は回らないタイプ。良く言えば思い切りや勢いがあるが悪く言えば馬鹿であり、勝算も無いのに他のチームに手当たり次第にインベスゲームを挑むため、勝率が悪くチームは伸び悩んでいる。
「チームインヴィット」のリーダー・城乃内秀保と行動を共にすることが多く、彼からは「初瀬ちゃん」と呼ばれており一緒にアルバイトをしていたこともあった。もっとも、城乃内は友人を装いつつ彼を利用しているだけだが、彼の方は全く気付いていない。
大体は城乃内が初瀬に何かを提案して、彼がその提案をすぐに鵜呑みにし、実行するという力関係がほとんどであった。
だが初瀬は初瀬なりに城乃内のことを信頼しており、城乃内も決別した後に初瀬の事を懐かしんだり最終話では行方不明となった彼の身を案じて訪ね人の張り紙をするなど、利用していたことを気にかけ、後悔していた。
粗野な印象ではあるもののちゃっかりライバル関係であるはずの紘汰の電話番号を登録していたり、特訓のために自作のロボット(機銃+水鉄砲付き)を制作したりと意外とマメなところもある。
またドルーパーズでは度々パフェを食べていたため、演じていた白又氏からは甘党と称されていた。
劇中での動向
第4話で駆紋戒斗からロックシードと引き換えにチームバロンの傘下になるよう話を持ちかけられしぶしぶ了承する。
一応ロックシードを貰えるので割と満足しているようだったが、城乃内に「俺達は所詮は駆紋戒斗に舐められてるだけじゃん?」と指摘されて憤慨している。さらに第5話では戦極ドライバーを入手し、仮面ライダー黒影に変身した。
黒影に変身した際も猪突猛進な点は変わらないものの、グリドンの名前を勝手に命名したり自分の考えた作戦を実行しようとするなどより強引な一面も見せている。
グリドンと組んでの不意打ちでバロンを撃破したまではよかったが、それ以降は黒星が続き、挙句の果てには斬月により(意図してではなかったが)ドライバーを破壊されてしまう。
黒影に変身できなくなった彼は城乃内から見限られるだけではなく、チームメンバーからも見放されてしまった。
孤立した彼は再び力を得るべくシドからロックシードを入手しようとするもシドは姿を消してしまい、更に力を失った事や仲間から見放されたショックからか恐怖心に囚われ、町の人々がインベスに見えたりアーマードライダーの幻影が見えたりと精神的に追い詰められるようになってしまう。
そして失意の内に街を彷徨い続けた果てに鎧武・バロンに追い詰められたインベスがヘルヘイムの森の果実を貪り食って巨大化するのを偶然目撃。力が欲しいという欲求のまま、その“禁断の果実”を口にした初瀬はヘキジャインベスへと変貌してしまう。
葛葉紘汰の懸命の説得で一度は人間の姿に戻るが、そのまま逃走。ドルーパーズに現れて再びインベスに変貌し、チーム鎧武のメンバー・ラットに重傷を負わせた。
街で暴れ回っていたところで再び鎧武と交戦。とどめを刺せずに苦悩する鎧武だったが、そこに出現した新世代ライダーの一人であるシグルドによって一方的に叩きのめされ、最期はソニックアローによる必殺技を食らって倒された。
ビートライダーズでは2番目の戦死者となった(最初の戦死者は彼)。
彼の死については紘汰や戒斗、ユグドラシルの面々しか知らされておらず、彼等は他の人物に話していなかったため一部からは行方不明として扱われている。
レイドワイルドの仲間たちも最後まで初瀬失踪の真相を知ることはなかったのだが(第45話の凰蓮の会話の中で普通に出てきた)、ヘルヘイムの果実の効能について知っていた城乃内の方は薄々真相に気付いていたようである。
最終話で貴虎から聞いた真実は、彼をある行動に踏み切らせることとなった。
本編外では
パラレルワールドを舞台にした劇場版及び、第37話では人間として存在しており、城乃内や凰蓮と和気藹々と打ち解けた姿を見せている。
劇場版ではコウガネの策略により暴走して城乃内を襲った末に消滅してしまうが、決戦時に復活。チームシャルモン3人によるパスワークの際には1番手を務めた。
ちなみに単独での変身シーンは今回が初披露。
決められていた運命
放映終了後、初瀬役の白又敦氏がブログで告白した。
彼の死はクランクイン段階で知らされており、脚本の虚淵玄氏から「初瀬ちゃんはマドマギのマミさんポジションで物語のターニングポイントを作る人だから!」と言われて責任感を感じていたとの事。白又氏曰く、
初瀬ちゃんは死んでしまいましたが、、、どうか皆さんの心の中で生きていてほしいです!
ので、、、たまにでいいので「あ、あんなやついたな~」って思い出してくれるとすごく嬉しいです。
最終話での初瀬を思っての城乃内の行動、そして「変身」に胸をうたれた者は多いだろう。
※ リンク先は白又敦氏公式ブログ「☆今週のガイム〜LAST〜」
メインライターの虚淵玄は初瀬の死を本来意図していたシリアス路線へ移行するための起点と位置づけている。
関連タグ
フォラス:『舞台仮面ライダー斬月-鎧武外伝-』の登場人物。初瀬と城乃内の二人を意識したキャラクター。
巴マミ:脚本家が同じ作品の重要人物。物語序盤で死亡しターニングポイントを作る。
外部リンク
以下、ネタバレ注意!
鎧武外伝の第3弾「グリドンVSブラーボ」にてまさかの再登場を果たす。
暴走したブラーボによりドングリロックシードを破壊された城乃内は、再度変身するためにシルフィーが攻撃の際に生やした蔦からヘルヘイムの果実をもぎ取るも、その果実は変種でありロックシードに変わらなかった。
暴れるブラーボを止めるため、師匠である凰蓮を救うために城乃内がヘルヘイムの果実を口にしようとしたその時、彼を止めたのは初瀬の幻影だった。
驚く城乃内に笑みを返した初瀬は、城乃内が握りしめていた果実に掌を翳し、果実を新しいロックシードに変化させ消えていった。
言葉は一切なく、この初瀬の幻影が城乃内が見たただの幻なのか、本人の魂だったのかは不明だが、その行動は城乃内が新たなグリドンとなるきっかけを作ったのだった。