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概要編集

インベス達が棲む異空間でインベスが出入りする際はジッパー状のもので縁取られた扉が生成される。ユグドラシル・コーポレーション側の人間はこの扉をクラックと呼んでおり、戦極凌馬が「(今年の)発生頻度は去年の12倍」と発言していることから以前よりユグドラシルの観察・調査対象であった模様。なお、ユグドラシルは人工的に「クラック」を開き維持・管理していることが第12話の描写や第14話で発覚している。

この空間にいるインベスは、ロックシードで召喚されたインベスよりも強力と龍玄に示唆されており、この空間内ではインベスを強力にする作用があるようだ(というよりこの空間こそがインベスの住処にあたるのでロックシードで召喚された個体が弱体化している可能性が高い)。


不気味な極彩色の植物が生えており、森の木に生っている果実は人間が手に取ると食べたくなるような衝動にかられるが、戦極ドライバーを装着した人間が触れるとロックシードへと変化する。

通常の状態では普通の人間が自由に出入りする事は出来ず、アーマードライダーがロックビークルに乗り加速すると一定の速度に達した時に扉が開く。このため戦極ドライバーを所持しない人間が単独でロックシードを取りにいくことは出来ず、ドライバーを所持しない人間、もしくは所持しているドライバーが破損している人間が果実に触れてもロックシードにはならない。


また、この森およびインベスには、人間を侵蝕する性質がある模様。

第13話では、召喚を介さないインベスから傷を受けた人間が森の植物と思しきものに体を蝕まれ、苦しめられている姿が描写されている。

更に同話のラストでは、初瀬亮二が果実を食べた際に森の植物に一瞬覆われた後にヘキジャインベスへと変貌してしまっていた。

続く第14話では、人間とインベスの中間のような姿にもなっており、即座に完全なインベスとなるわけではないらしい。


いまだ謎も多いが物語開始よりまもなく、クラックが何故か街のあちこちでひとりでに開いたり閉まったりする現象やインベスが召喚なしで街に出てしまう事案が発生しており、扉が開いた周辺には上述の森の植物が生えている。

第8話で葛葉紘汰らがこの現象に気付き、一般人への被害を懸念し始めている。


そして第16話では「真実を見せてやる」と貴虎に連れられた光実はヘルヘイムの森の一角でその真相を知って激しく動揺し「こんなの公表できるわけがない……!」と狼狽える彼の瞳には、巨大な建物群らしきものが映っていた。


真実編集

森の正体は例の植物(少なくとも地球上の物ではないらしい)によって侵食された異世界、異星もしくは過去か未来の地球、或いは並行世界かと言われているが真相は不明。そして、ヘルヘイムの森の本来の生命体も植物の影響で全てインベスと化してしまったと言う。10年後には、沢芽市どころか地球そのものがヘルヘイムに侵食され滅びると言われており、公表できない理由もそれに伴う市民の混乱を煽ってしまう為である。


なお、ユグドラシルの研究所にある人工クラックは、元は高司舞の実家の高司神社にあったご神木で、その正体はヘルヘイムの森の植物だった事が戦極凌馬の調査で明らかになっている。

また「森に選ばれる」という表現の台詞が出て来ており、ヘルへイムの森の方にも単に世界を侵食する以外の意思が何かあることを窺わせる。


また、第21話や第23話でのDJサガラのセリフからヘルへイムの森の植物を制御できる支配者階級のオーバーロードインベスの存在が発覚した。


更に第25話でヘルヘイムの森が有史以前から幾度となく人類と接触していた事が判明し、旧約聖書の創世神話で語られる知恵の樹の果実、ギリシャ神話に登場する神々の食べ物であるアンブロシアや黄金のリンゴといった世界中の神話で語られる“禁断の果実”が森に実在しており、それを手にすることにより、力を手に入れた人類が支配者となり歴史を築き上げてきたというとんでもない事実が明かされ、森が単に人類に脅威をもたらすだけの存在ではなく、ある意味森が神々の住まう禁断の聖地そのものである可能性が示唆された。

そして第42話では更なる真実が明かされた。


DJサガラはこの森自体が現出させたアバター的な存在であり、彼が神出鬼没であったのもそれ故であった。

森の役目は種族の進化を促しその勝者の中から、各種族の神話になぞる形で「始まりの女」を選定し、彼女を経由して「黄金の果実」を与えることである。

また、様々な宇宙を巡り、多数の世界に接触・侵食し、それぞれの世界の種族の進化およびそのための争いや滅亡を促し見届ける役割も持っている。


その事から(脚本家繋がりで)キュゥべえと同様の存在にして、奴と同じく鎧武の物語の真の黒幕(ラスボス?)ともいえる存在である。ただ、キュゥべえの目的は「宇宙自体の寿命」を維持することであり、手段はともかくその意志は曲がりなりにも善意と言えなくもないのに対し、こちらは「滅びは手段にすぎない」と言い目的のためには破滅も辞さず、自らも「俺はそのように産まれた」とのたまうなど、言わば本能的な部分で悪意なくやっているタチの悪さがある。


また、様々な運命を経て生命の欠片すらない惑星に降り立った個体群はたったの七ヶ月で新たな命に満ち溢れた星へと生まれ変わらせるに至っており、既存の生態系を残らず駆逐し、地球すら長い時間をかけずに侵食し切ってしまう脅威の生命力は黄金の果実を得たものと対になるまさに「創世の力」ともいえる。


仮面ライダージオウ編集

アナザー鎧武の登場で『仮面ライダー鎧武』という作品の歴史が全て抹消されているにもかかわらず、存在し続けていた。視聴者からは「次元が違う存在なのでタイムジャッカーの歴史改変程度で存在が消えることはない」「地球だけでなく宇宙規模の存在なので歴史改変の影響を受けなかった」等と推測されている。

但し、アナザー鎧武に追放された戒斗が戦極ドライバーがない(=仮面ライダーに変身出来ない)状態で5年間これと言った負傷等もなく生存し続けたことや戒斗だけでなく他に追放されたチームバロンのメンバーも多くが生き残って生還できたことから外界の生物をインべスに変えてしまう性質を持たない、オリジナルのインベス以外の生物が生存を許されないほどの過酷な環境ではない、鎧武本編のようなこちらの世界への浸食も見られない等、やはりある程度は歴史改変の影響は受けていたと思われる。


本編のネタバレ防止も兼ねてか、鎧武本編序盤における「特定の方法で干渉できる正体不明の怪物が住む謎の異空間」といった扱いを強調したような形で扱われている


その一方でアナザー鎧武の干渉なしに発生したクラックの存在も確認できるなど、不穏な気配も漂っている…


備考編集

メインライター虚淵玄によるとヘルヘイムの森は『植物の繁殖力と自然災害の象徴』であり、これは視聴者である子供が当時もっとも恐怖を感じたのは東日本大震災であろうという観点から設定された。

実際に植物の繁殖が生態系を破壊している例があり、主人公の苗字にも使われている葛は海外で爆発的に数を増やし、外来種として認定されている。


余談編集

撮影に使用されたヘルヘイムの植物のセットは、仮面ライダーゴースト第34・35話や宇宙戦隊キュウレンジャー第1話など異界の植物的な扱いでリサイクルされて使用され続けている。


各神話体系との関連編集

「ヘルヘイム」とは、北欧神話に登場する世界のひとつで、ロキの娘・ヘルが治める、ユグドラシルの地下にあるといわれる死者の国である。

オーディンの息子ヴィーザルはヴィージの森で隠遁生活を、月を食らう獣のマーナガルムはヤルンヴィドの森の生まれであり、終末戦争のラグナロクが終わるとホッドミーミルの森に守られたリーヴとリーヴスラシルが人類の祖となるなど、森は北欧神話に縁深い場所として度々登場している。


ヘルヘイムの森は作中ではいわゆる「禁断の果実」伝承のモデルとなったとされているが、不思議な果実のなる異界や冥界の伝承は現実世界でも複数確認されており、例を挙げると以下のものが該当する。


この他、日本のヨモツヘグイギリシャ神話でペルセポネが口にした冥界のザクロの話は食ったものをインベスに変えるヘルヘイムの果実の特徴と一致する他、先述の異郷伝承においては神があちらの世界から来訪するというケースも見受けられ(沖縄のニライカナイ伝承など)、クラックを通ってこの世界にやってくるインベスを連想させる。


これらの特徴から作中では禁断の果実伝承だけでなく、「食うな」のタブーや異界や冥界伝承の基になった可能性が考えられる。


関連タグ編集

仮面ライダー鎧武 インベス ヘルヘイムの森の実

ユグドラシル・コーポレーション

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