黄泉醜女
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よもつしこめ
黄泉醜女とは日本神話に伝わる黄泉の国に住むという怪物。
黄泉の国に住むという恐ろしい姿の女で、予母都志許売や泉津醜女とも表記される。鬼(鬼女)の一種であるとする説もある。
日本神話において、火の神カグツチを産んだ際の火傷で死んだイザナミを取り戻すために、死者の世界である黄泉の国に降り立ったイザナギは、現世に戻れるかどうか黄泉の神に相談してくるとイザナミに言われ、待たされることになった。
しかし、イザナギは中を見ないと約束したのにもかかわらずイザナミの腐り果てた姿を覗き見て、それに恐怖して逃げ出してしまう。
その時、激怒したイザナミが追っ手としてイザナギに差し向けたのが、この黄泉醜女である。
一飛びで千里走るという健脚を持つ黄泉醜女はすぐにイザナギに追いつくが、イザナギが蔓草の髪飾りを投げると山葡萄が、次に湯津津間櫛の歯を投げると筍が生えてきた。
黄泉醜女がそれらにかぶりついて食べている隙に、イザナギは黄泉比良坂まで逃げ出すことができたという。
なお、醜女とは古くは強い霊力を持つ女といった意味であったといわれているが、いつしか醜いという意味の変化から恐ろしい姿が想像されるようになったといわれる。
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