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呉島貴虎

くれしまたかとら

『仮面ライダー鎧武』に登場する人物。
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「遊びの時間は終わりだ。そろそろ悪ガキ共には現実と向き合ってもらおう」

演:久保田悠来

概要

第2話から登場。
ユグドラシル・コーポレーションの重役の息子。一人称は『私』又は『俺』。
自身も同社の主任で研究部門プロジェクトリーダーを務め、自分より歳上の社員達を顎で使える程の権力を持ち、主にプロジェクトマネジメントやヘルヘイムの森における研究班の護衛・インベス掃討の担当を自ら行い、黒影トルーパーの陣頭指揮も行った。
また、仮面ライダー斬月の変身者であり、以前から戦極ドライバーを所持していた模様。
アーマードライダーとしての戦闘訓練と実戦経験が豊富であり、変身後の戦闘力も群を抜いており、身体能力や戦闘センスにも優れる。斬月が初登場した4話では、ヘルヘイムの森で仮面ライダー鎧武を襲い、彼の戦意を喪失させていた。

仲間には基本的に温かく接し、カリスマも持つリーダー気質で、直属の部下たちからは「呉島主任」と呼ばれ慕われている。鎧武がスイカアームズでインベスを蹴散らし部下たちを救ったとき、部下の1人が勘違いをして「さすが呉島主任だ!」と言ったことがあるが、この発言からその圧倒的な戦闘力は部下たちの強い信頼を得ていることが伺える。(但し、リーダーの資質は理知的な物腰に反して、責任感から物事をマクロに見れない=視野が狭いため、司令官などの組織やチームの頭脳よりも前線に立つ現場監督向き)

しかしこの温かい接し方は同時に「甘さ」でもあり、仲間に対して厳しく接することが苦手ということでもある。それが戦極凌馬シド、弟の光実の暗躍を許すという結果に繋がってしまった。
また初期は仲間以外の人間、特に価値が低いとみなした人間には冷淡な態度をとっており、覚悟や責任感を持ち合わせずに遊びに興じる若者であるビートライダーズたちを「社会に貢献しないクズ共」と嘲り見下し、彼らをプロジェクトのための実験対象として、戦極ドライバーを用いたアーマードライダーの戦闘テストのモルモットとして扱った。
(実際のところ、ビートライダーズが現れた主な原因としてユグドラシルの強引な都市開発があり、いわばビートライダーズの存在自体がユグドラシルのせいなのだが、貴虎が作中そのことに言及することはなかった)

家庭では、弟の将来を気遣う過保護な兄でもある。
両親が仕事で長らく海外におり(TV本編中では全く触れられなかったが、Vシネマ版ではこの件についての言及がある)、少年時代からほとんど弟の教育を担うことになっていた。そのため自分が弟の手本になるよう気負いすぎており、結果的にはそれが逆効果となってしまっていた。
光実には学業に集中し、いずれユグドラシルコーポレーションで働くようにと諭しているが、それを息苦しく感じ反発している光実の本心には全く気付いておらず、それどころか「一番信じてはいけない相手を信じてしまう」と評されている始末であった。
ただし彼の本心には後に気づき、このギクシャクした関係も紆余曲折を経て最終盤で改善されている。

人物像

性格は寡黙でプライドが高い。普段はあまり感情を表に出さず、近づきがたい雰囲気だが、初瀬をインベスにしてしまった責任の一端を感じて思い悩む、自分を裏切ったシドの最期にも悲しみの色を見せる、一度は自身を裏切った湊耀子を許すなど、情に篤い一面も持つ。
同時に父親から教えられたノブレス・オブリージュの精神を地で行く責任感の強さを持っていて、力なき者たちを護ることを義務としている。
そのため、人類の1/7しか救えず多くの人間を切り捨てることになる「プロジェクト・アーク」の実行にあたっては、ヘルヘイムの森の侵略に立ち向かい、大量虐殺の罪を背負ってでも人類種を存続させてみせるという強い使命感、その大罪を一身に背負う覚悟を抱いている。そのために自身の負担を厭うことはなく、ドライバーの試作品の実験台に自ら志願している(その際に重傷を負っており、その際の傷が未だに残っている)。

だが上述の通り身内には致命的に甘い。
光実が内心兄の教育方針に反発していること、自分なりの生き方を探してビートライダーズになっていることや、凌馬が自分を完全に見限って独自の計画を進めていること、シドや耀子が自分ではなく凌馬にこそ従っているという事実にはまったく気づいていなかった。
単に心境の変化に気づかないというだけでなく、光実によるスイカロックシードの窃盗や凌馬が独断で進めているオーバーロードの調査にさえ気づかず、またシドが光実をライダーにしたこと、光実が自分に隠れてアーマードライダーをしていたことに気づいてもほとんど咎めずに許してしまっていたりするので、もはや悪癖と呼べるレベルである。

また、能力の高さに反して、プロジェクトアークやスカラーシステムに対する考えなどの現実主義がたたって、自発的な変化が根本的に欠けているという面もある。
最初に得た情報だけで即断してしまい、自分から新たな手段を探すことをしないため、結果的にだが最初のスタンスにいつまでもこだわって変化がないような状態に陥ってしまうのである。
劇中ではオーバーロードの存在を知って計画の変更を命じるなど、柔軟性はあることが確認されているが、「オーバーロードに会って人類を守ってくれるよう説得する」というプラン自体は葛葉紘汰が(正確には、彼をそそのかしたDJサガラが)考え出したものなので、自分で切り開いた可能性とは呼べない。
こういった点と上述の身内の甘さから内輪で物事を解決しようと言う行動原理があり、戦極の情報に踊らされ、外部企業と協力・提携することでプロジェクトアークの範囲や規模拡大、セカンドオピニオンと言う発想が欠け、結果的に事態の悪化に加担してしまった。

能力の高さと責任感の強さによる視野狭窄から、手を汚す、覚悟があると言えば聞こえはいいが実際は気に食わない(彼の場合、身内の悪い部分)事に目を向けられないと言う悪癖を持つ。
光実と違い、犠牲を最小限にと言う利他原理があるだけ、悪人には堕ちないのだが、ユグドラシルの良心だけど志と能力の高さを活かす事が致命的に下手なのである。

主な劇中の活躍

4話で初めて主人公の紘汰と対面し、刃を向ける。
「なぜこんなことをする」と問いかける紘汰に対し、「そんなやわな考え方では世界にはびこる悪意に対応できない」という趣旨の言葉を投げかけつつ圧倒。
戦意を喪失して逃げ去る紘汰を無関心に眺めていた。

それ以降はあまり表舞台には出ず、ヘルヘイムでの調査や市内に現れたヘルヘイム植物の駆除とその隠蔽に奔走する。
9話ではその姿を紘汰と光実に目撃され、クリスマスゲームの原因を作った。
また元軍人である凰蓮・ピエール・アルフォンゾというイレギュラーな存在にドライバーが渡った時にはそれを危険視しシドを問い詰めていた。

11話ではヘルへイムの森に入り込んだアーマードライダー達を斬月の姿で次々と倒していったが、仮面ライダー龍玄と戦っている最中にインベスの暴走の連絡を受けてそちらに向かったため、龍玄が弟であることに気がつかなかった。
さらに仮面ライダー黒影が事情を知らずゲームの一環と思って攻撃してきたことで現場に間に合わず、見下していた存在の鎧武に遅れをとるばかりか、会社の秘密を一部知られてしまう。
さんざんビートライダーズに煮え湯を飲まされた結果になったが、それでも生来の優しさから彼らをいたぶろうとは考えず、捕まえた紘汰と戒斗の処遇について「ベルトを取り上げ、メディカルチェックを済ませたら解放する」とシドに話していた。

14話では会社に向かう車に弟が乗り込んでいたことに気づかず、重要ファイルの入ったパソコンをロックせずに会議室を離れたため、光実にさらなる秘密を知られてしまうことになる。
しかし続く第15話でユグドラシルから脱走した紘汰と戒斗を監視カメラ映像で見つけた際、偶然映っていた光実に気づき、初めて彼が仮面ライダー龍玄であったことを知ることになる。
16話では弟がライダーなのを黙っていたシドに激怒するものの光実を叱ろうとはせず、ヘルへイムの森のある秘密を見せユグドラシル側への引き込みを図る。

第19話にて鎧武との一騎打ちで相打ちになりつつも勝利し、変身前の姿で初めて紘汰と面と向かって対話し、彼にもヘルヘイムの真実を伝える為、光実の時と同じようにその場所に案内する。
そして第20話にて紘汰にヘルヘイムの森が森に侵食され滅んでしまった異世界、地球外惑星、あるいは未来か並行世界の地球であることを教え、ユグドラシル及び自分の理念と目的を教え、紘汰の行動に新たな選択肢を突き付けることになる。
22話では市街地にクラックが開いた際、凌馬から沢芽市を焼き払うスカラーシステムのスイッチを押す責任を追う様後押しされ、自身も苦悩の色は見せつつも引き受けるが結果的にはクラックの自動閉鎖が間に合った。
しかし激怒して社屋に乗り込んで来た紘汰に、角居裕也がインベスと化した映像を見せ紘汰が知らず彼を殺した事実を突きつける。
これにより戦意喪失した紘汰を、もう戦う意思を失ったと見てそのまま帰したが、サガラの助言により彼は再び奮起し、スカラーシステムを破壊されるという結果を招いてしまった。
27話ではヘルへイムの森で社員を襲ったデェムシュと対戦した際に紘汰と共闘したことで彼を認め、オーバーロードインベスの存在を知ったことで新たな希望を抱きこれまでの方針を転換しようとするものの既にオーバーロードの存在を知っていたシドに妨害される。

28話では凌馬らがオーバーロードの存在を知らないと思いこみ、彼らの渋い顔にも気づかずに「新しい希望の選択肢が見つかった」とうれしそうに説明。その後オーバーロードの捜索にシド、湊、光実と共に出向くが、その途中で突然シグルドに変身していたシドに襲われる。
シドを圧倒し、マリカに変身していた湊に取り押さえるよう頼むと、今度は彼女に襲われ、劣勢に。そこへ本部でバックアップを行っているはずの凌馬が現れてデュークに変身。変身を解除されるまでに追い詰められる。
そしてシグルドに留めを刺されそうになった時に隠れていた光実の姿を発見、「葛葉紘汰とともに、お前が人類を救うんだ!頼んだぞ、光実!」と彼に叫ぶ。その直後にシグルドに弾き飛ばされ、崖の下へと転落してしまった。
直後に湊と凌馬が「この高さでは助からない」「奇跡的に無事でも、ドライバー無しではヘルヘイムの環境下では生きていけない」等と、生存フラグらしき事を口にしたが・・・

案の定29話ではしっかり生きていた。しかも裂傷や打撲は負っている様だが、骨折や臓器への損傷等は見た感じ無さそう。さすが呉島主任だ!!
崖から落下し、奇跡的に生存していた彼はオーバーロード・ロシュオと遭遇。ロシュオに怪我の手当てをしてもらった彼は、レデュエの拾った戦極ドライバーを受け取り、凌馬達ですら知らなかったヘルヘイムの森の真実を知る。さらに目の前でシドがロシュオに殺されるのを目の当たりにする。

35話でロシュオから解放され町の被害を確認した後、紘汰に事情を聞こうと接触しようとするがそこでようやく光実の本性を紘汰と共に知ることになる(光実が自分のゲネシスドライバーを所持してた事も知る)。

36話にて紘汰を襲う光実を止めに入った。湊から全ての事情を聞いた時は自分を襲った事はもう気にしていないらしい。そして、暴走した弟を止める為に戦極ドライバーとメロンロックシードを取り、斬月へと変身。光実の変身する斬月・真と戦った。 性能では大きなスペックの差があったが、戦闘スキルでは貴虎の方が上だった為に、互角以上の戦いを繰り広げる。 しかし、止めを刺そうとした瞬間、光実との思い出が脳裏をよぎり、躊躇った隙にベルトとロックシードを破壊され海へと転落、そのまま行方不明となってしまう。

38話では光実の見た幻覚として登場。倒すことで兄を乗り越えたと言い張る光実に対し「お前の人生はすべて私から与えられたものだ。自分の力で勝ち取ったものなど何ひとつない」「呉島光実は呉島貴虎の影だ。私が消えれば影であるお前もまた消えるしかない」と辛辣な言葉を浴びせた。その後も事あるごとに幻影として現れ、姿を消しても尚、光実の心に巣くう呪縛として彼を苦しめ続けた。

以上の事から死亡したかと思われていた彼だが、46話にてやはり生きていた事が発覚。海に転落した後、沖合に流されていた際に救出されたが、漂流による脳のダメージが大きく、回復は絶望的だというのが医師の診断であった。
しかし夢の中で、新たなる世界へと旅立って行った筈の紘汰と再会。そこで地球がヘルヘイムの侵略を免れ、すべてが終わったことを知る。そして紘汰に「今の自分が許せないなら、新しい自分に変わればいいと光実に伝えてほしい、その為にあんた自身も生まれ変わってくれ」という願いを託され、その想いに応えるかのように目を覚ましたのだった。

上記のように仲間内ではやや軽視されていたり足元を見られていた部分も大きかったが、同時に自身の立場や権限を維持する為に必要な存在でもあった事から、彼らの暴走を抑え自重させるある意味リミッター的な役割を無自覚ながら果たしていたといえる。実際に彼という重鎮がいなくなった事で凌馬たちは自身の欲望を剥き出しにした行動を取り始め、その結果シドの裏切り行為と独走によって起こった様々な要因が重なって結果的に世界中のユグドラシルが崩壊すると言う結末を迎えた事から、彼が持つ影響力は周りや彼自身が思っているよりもかなり大きかったようである。

また、凌馬らの裏切りにより、ヘルヘイムの森の谷底へと落とされたり、光実に敗北し、戦極ドライバーとメロンロックシードを破壊されて海中に沈むといった2度の臨死体験から無事生還するなど強運の持ち主で、ユグドラシルコーポレーション関係者が相次いで死亡した中、唯一生き残った人物である。
最終回時点では回復し、事件の後始末のために奔走し海外へ旅立つ直前である。とも会い、「弟を親代わりとして育てて来た」「弟を理解仕切れていなかった後悔を持つ」共通点から心を通わせている。悪用を防ぐため黒影トルーパーのドライバーは処分していたが、1つだけ残していたものを城乃内秀保が強引に使っている(ちなみに城乃内に戦極ドライバーを奪われる際は、抵抗する素振りを一切見せず、わざと奪われたように描写されている)。生身で仮面ライダー邪武と闘うも歯がたたなかった。

Vシネマ

2015年4月に発売された本作のVシネマである外伝では主役を務めた。時系列は第20話以降。

本編では余り触れられなかった彼の幼少期や父親について言及された。また、ユグドラシルの更なる闇や幼い頃唯一心を開く事が出来た大切な存在の過去を知り苦悩しながらも「罪を背負ってでも人類を救う」と言う信念を貫こうとした彼の姿勢、そして決して捨てる事の出来なかった彼の優しい心が描かれた。

余談

冷徹なキャラ設定と圧倒的な強さにもかかわらず、彼の行動には上記の通り脇の甘さが目立つため、視聴者からぽんこつ兄さん扱いされがちである。しかし同時にヘルヘイムの森の真実と、それに立ち向かう彼の決意と覚悟が明らかになった事、及び戦極凌馬・シド・湊耀子の3名が明らかに何か企んでいる事から、今や彼の方がユグドラシル唯一の良心という評価に変わった。ネット上ではメロンのアニキ=メロニキと呼ばれることも。

春休み合体スペシャルでは、執務室の背後で巨大化したライオンインベストッキュウオーが戦っていることにも気づかず「そんなバカな話があるか、仕事に戻れ!」「みんな…疲れているのか…?と意にも介さなかった。
実況スレなどは志村後ろー!」「天然ボケ」などの評価で埋め尽くされたが、元々烈車イマジネーションの足りない者には見えないという設定があるため、徹底した現実主義者である貴虎には、本当にトッキュウオーが見えていなかった可能性もある(ただし、巨大化したライオンインベスはイマジネーションなど関係ないので見えるはずなのだが、こちらも全く気がついていない)。ちなみにこの件で「メロニキに言わせてこそ意味がある」「人選わかってるな」と貴虎と作品両方の好感度が上がった。

演じる久保田氏は『仮面ライダー THE NEXT』にも出演しており、エピローグで『CRぱちんこ仮面ライダー ショッカー全滅大作戦』を打っていた最中にChiharu怪人態に襲われる男性を演じていた。

メインライターの虚淵玄は、貴虎を
『絋汰と同じ理想を持つが挫折した反面教師
と位置付けている。


関連タグ

仮面ライダー鎧武 仮面ライダー斬月 仮面ライダー斬月・真
呉島光実 呉島兄弟 ユグドラシルコーポレーション
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