「私は王を求めている。私の下で王を生み出し、その生き様を見届ける。それが私の望み」
演:佃井皆美
変身する仮面ライダー
概要
ユグドラシル・コーポレーション幹部の一人にして仮面ライダーマリカの変身者。ユグドラシル側のヒロイン・ストーリー後半におけるサブヒロインの立ち位置。
戦極凌馬の秘書を務める女性。生身でも葛葉紘汰と駆紋戒斗の2人を圧倒する程の強力な戦闘力を持ち、凌馬をガードする。また、洞察力も非常に高く、不意打ちを行おうとした紘汰や戒斗、ザックの行動を見抜き、迅速に対処出来るスキルも持ち合わせている。
変装を得意とし、その変装のスキルは葛葉晶に化けた際は実の弟の紘汰でさえ見抜けないほど。
シドと同様、知恵の実に興味を示しているようだが、自分自身がそれを手に入れるのではなく、それを手に入れる「強い男」の生き様を見届けることを楽しみとしている。
その真意は自らが知恵の実=黄金の果実を手に入れ世界の王に相応しい人物を見出し、その人物に仕え共にその世界の行く末を見守って行くことである。
元々は主任である呉島貴虎の下についていたのだが、第27話で描写された回想シーン以来、凌馬の右腕となり従うようになった。
そのため彼に心酔しているような発言も多いが、その裏で彼を値踏みしているのか、当初はゲネシスドライバーの性能を十分に解放せずに戦っていた(ちなみに凌馬は「ここには腹に一物を抱えているメンバーが多い」という理由で半ば黙認している)。
TV本編では第15話で初登場。それに先駆けて劇場版「天下分け目の戦国MOVIE大合戦」のエンディングに、凌馬と並んで一瞬だけ出演している。
第22話では紘汰に追撃を防ぐ目的で、ピーチエナジーロックシードを奪われる。
第28話ではシド、凌馬と共に貴虎を倒すも、直後に自身らもシドに裏切られることになった。
また第20話で対面して以来、戒斗に興味を抱いており、接する機会が多くなった。
第26話では独断でゲネシスドライバー及びレモンエナジーロックシードを用意し、彼に提供している。
第31話ではオーバーロード・デェムシュの捕獲に駆り出されるが、圧倒的な戦力差があるにもかかわらず、無理難題な指示を続けられたことからか、腹に一物を抱えている様子を見せていた。
そして第32話において、凌馬が自分達ユグドラシルを捨て脱出したために、遂にユグドラシルを見限り方針転換。
その場に駆けつけ場をまとめた戒斗を見て、「誰の未来を見届けるべきかようやく分かった」と認め、共闘と同時に戒斗側に就くこととした。
一方、漠然とした理想を語る紘汰に対しては、第33話において「みんなのためということは誰でも言える」「知恵の実を奪い合った時には戒斗に勝てない」と、厳しい言葉をぶつけている。
また水面下で各方面を裏切っておきながら自身に「知恵の実」を餌に協力を持ちかける呉島光実に対しては「キミには何の魅力も感じない」「王の器ではない、腰巾着が関の山」ときつい言葉で拒絶し、「キミの居場所なんてとっくになくなってる、人を騙し続けてきた君が今更誰かと寄り添えるはずが無い」と駄目押しとも言える言葉をぶつけている。
第39話では、大量の上級インベスを食い止める為に城乃内と共に戦地に残った凰蓮に代わり、大型車の運転を担っていたことから、大型免許を所持しているものと思われる。もっともこの時の沢芽市は、人っ子一人いないのでもし無免許運転だったとしても捕まる心配はないのだが。
第43話では戒斗と共に凌馬の潜伏する病院に乗り込むがキルプロセスにより変身が不可能となってしまう。
その後、戒斗がロード・バロンへと変貌する模様を目撃し、彼と戦い、敗れた凌馬の最期を見届けた。
その際に凌馬が使用していたゲネシスドライバーとレモンエナジーロックシードを入手した。
その後は世界の王になる決意を固めた戒斗に付き従うことを改めて決意し、凌馬の遺したゲネシスドライバーでマリカとして戦う。
第45話ではザックが仕掛けた爆弾に気付き、マリカに変身し間一髪で爆発から戒斗をかばう事に成功する。しかし彼女自身はビルの屋上から転落し致命傷を負ってしまう。
「ねえ、もし私が知恵の実を掴んでいたら、あなたは私を求めてくれた…?」
戒斗「耀子は耀子、知恵の実は知恵の実だ…」
「ほんと、不器用な人…」
戒斗に初めて名前で呼んでもらえたことに喜び、彼の腕の中で安らかな表情で眠るように息を引き取った……。
戒斗に対しては、「王となった彼の行く末を見届ける」という目的以上に、彼への愛と、舞への嫉妬心が芽生えていたことが上記の台詞から窺える。
そしてまた、戒斗は戒斗で、不器用ながらも彼なりに湊を愛していたと思われる。
仮面ライダーシリーズでは女性の仮面ライダーの変身者は命を落としてしまうという例が多いが、彼女も例外ではなく命を落としてしまった。
当初は腹に一物持ったミステリアスな女性であったが、自らの野望を捨てて戒斗への愛に殉じたその姿は、あまりにも儚く、切ないものであった。
だが、(恐らくは初めて)本気で愛した男の腕の中で死ねたのは、ある意味本望であり、幸せな結末を迎えたと言えるのかもしれない。
なお、演じていた佃井皆実女史は放送後、自身のTwitterで
「耀子は戒斗と出逢えて、幸せでした」とコメントしている。
劇場版では
ラピスの作った世界に迷い込み、ユグドラシルが運営するサッカーチーム「チームゲネシス」の一員としてサッカーに興じていたが、貴虎の暴走に違和感を感じ、黒幕によって闘争心を煽られた戒斗を斬月・真、ブラーボの技が激突する寸前に救出し、黒幕であるコウガネに辿り着く。
ちなみに、上手く立ち回った結果、ユグドラシルのメンバーでは唯一消滅を経験していない。
彼女の過去(「鎧武外伝」第2弾のネタバレ注意!)
彼女は元々ユグドラシルの情報を盗みに来た産業スパイだった。情報を盗んでいた所を凌馬に発見されたが、初対面であるはずの彼に「情熱を持ち合わせず自身のために本気になれない空虚な人間」「他人の情熱やドラマティックな生き様に心惹かれる」といった自分の本質を見抜かれ、トドメに「世界の王が誕生する瞬間を見たくないか」との誘いを受け彼の元へ着くことを決意した。
また上記の誘いを受けた際、それまで無表情だった彼女は思わず微笑んでいた。それまで空虚な人生を歩んでいた彼女は「王の誕生を見届ける」と言う本当の願いを見つけたのだった。
ちなみに本編でも上記の経験を活かしてユグドラシルで自爆テロ事件を起こした実行犯の自宅にロープを使って侵入して家探しをしており、彼女もこういったことは久しぶりだと自身の過去を懐かしんでいた。
客演
ビデオパス独占オリジナルドラマ「仮面戦隊ゴライダー」にて、駆紋戒斗と共に再登場。
劇中では「人としての人生を終えたライダー」の1人として登場し、生き様を見届けようと思った戒斗と共に行動する。
アクションに定評のある彼女
演じる佃井皆美女史はJAE所属。数々の作品でスタントをこなすほか、「仮面ライダーW」第37、38話のイナゴの女(ホッパー・ドーパント)や、劇場版の「獣電戦隊キョウリュウジャー GABURINCHO OF MUSIC」のアーシーを演じており、蹴り技のアクションについては折り紙つき。
『鎧武』ではマリカのスーツも着ていたため、本当に変身していることになる。
そんな佃井女史だが、天然で知られる小林豊氏(駆紋戒斗役)から「自分より天然な人を初めて見た」と言われたことがある。一方で、佃井女史の方も小林氏の第一印象について「自分より天然な人を初めて見た」と語っている。つまり、似た者同士である。
関連タグ
ゲネシスドライバー エナジーロックシード ピーチエナジーアームズ
戒耀:カップリングタグ
滝川紗羽:スパイだった過去を持つサブヒロイン。外道な上司にこき使われていたが、最終的には離反したも同じ。
刃唯阿:ワンマンな上司の秘書である女性ライダーの後輩。途中で上司を見限った点が類似。ただし、彼女は自分の信念を見つめ直した事で生き残る事ができた。