「サルゴトキガ、コノオレヲ……!」
「貴様らは滅びるだけの猿!我らフェムシンムとは格が違うわ!!」
諸元
身長 | 250cm |
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体重 | 191kg |
CV | 杉田智和 |
(※)身長と体重の出典は『てれびくんデラックス 愛蔵版 仮面ライダー鎧武 超全集』(小学館)(P74)より。なお、強化体は通常体と身長が同じだが、『仮面ライダー図鑑』の見解では体重が不明となっている。
概要
第21話で初めてその存在が明らかになった、ヘルヘイムの森の支配者階級であるオーバーロードインベスの1人。第23話で本格的に登場した。
赤い洋風の騎士のような外見で、同色のマントを身に付けている。顔の部分は青い結晶体のようになっている。
高い知性と戦闘能力を兼ね備えている。唸り声や奇声しか発さない下級インベスとは違い、地球上のどの言語にも当てはまらない言語で会話することが出来る。
正体
かつてヘルヘイムの森になる前に栄えていた種族「フェムシンム」の生き残り。
過去、森から力を得て身体を改造したことで滅びに対抗するための進化を経たが、強大な力を持つに至った故に力に溺れ、自分こそが選ばれし者だと思い込んだ結果、他の同胞たちをレデュエと共に根絶やしにし、自分たちが築き上げた文明が滅びる結果へと繋がってしまった。
そのような過去を持つことから、王であるロシュオからは「我が臣下の者たちの中で最も強大な力を持ち、最も愚かしい者」と評されている。
人物像
極めて短気かつ好戦的で、平時でさえも落ち着きなく暴れ回っている。ほとんど戦闘狂と言っても差し支えないその暴れっぷりは、紘汰に「戒斗と似た者同士」と評されるほど。
後に日本語も話せる様になったが、かなり執念深いことが判明。特にプライドを傷つけた相手は完膚なきまでに叩きのめさなければ気が済まないほどの苛烈さを持つ。
地球人を「猿」と吐き捨てており、弱くて群れることしか出来ない下等な存在として嫌悪し、心底見下している。
その本質は傲慢な権力者。弱者を嬲ることは強者が持つ当然の権利と思っており、それに起因する破壊活動そのものに快感を覚えるド外道であったことが発覚。
戒斗も初めて遭遇した時から「力に溺れるタイプ」と感づいており、似ているようでありながら、彼が最も忌み嫌う存在だった。
能力
上記の高い知能やヘルヘイムの森の植物を自由に操る他、他の下級インベスを自在に使役することが可能。
最大の特徴は長い錫杖のような柄を持つ剣「シュイム」を武器とした強大な戦闘力や豊富な攻撃手段にある。パワーに関しては仮面ライダーバロンを真正面から圧倒し、フォームチェンジしたマンゴーアームズや新世代アーマードライダーの1人である仮面ライダーマリカですら全く歯が立たなかったほどで、新世代にパワーアップしリベンジに燃えるバロンレモンエナジーアームズと互角の攻防を繰り広げた。
また、全身をゲル状や竜巻のような気体状にして高速移動することが出来、その能力で神出鬼没に現れての特攻攻撃や不意打ちなどで相手を翻弄する。実体化状態でも重力を無視したような立体的な戦闘を展開出来る他、ホーミング性能のある太陽のような高熱火球を生みだす能力をも併せ持っている。
これらとヘルヘイムの植物を意のままに操る能力により、森の中では特に絶大な戦闘力を発揮できる。
動向
戦極凌馬の口から存在が明かされ、それに興味を持った駆紋戒斗がヘルヘイムの森を調査していたが、自身のテリトリーに土足で踏み込んできたのが気に入らなかったのか様子見や牽制を兼ねて下級インベスをけしかけていた。
その後も戒斗は誘き出すために辞書や辞典などをばら撒いていたが、ここでようやく姿を見せる。
これまでの行動から挑発行為と見なしたのか、不愉快極まりないといった感じで書物を破り捨てると彼の変身する仮面ライダーバロンと戦闘を開始。圧倒的な戦闘力で彼を叩きのめした。
第24話では地球の言葉に興味を持ち、静かに佇んでいるレデュエと何らかの会話をしていたが、思ったより退屈を紛らわしてくれなかったバロンとの戦い鬱憤を晴らすかのように剣を振るっていた(その際、「蛇」ことDJサガラとも意味深な会話をしていた)
同話にて紘汰の変身する仮面ライダー鎧武とも遭遇したが、有無を言わさず叩きのめした。
第26話でゲネシスドライバーで変身したバロンと再戦、自分達より格下の猿共と侮っていた人間に傷を負わされた屈辱を日本語(片言)ながら告げるも、レデュエの言葉で撤退する。
しかし一度頂点に達した怒りが収まることはなく、バロンを探し求めてユグドラシルの調査団を襲撃。それを救出するためやって来た仮面ライダー斬月・真と鎧武と交戦する。その最中、ロシュオから戦いの中止を求められ制裁されたため、その場から一時撤退した。
この辺りから地球人の言葉を使うようになり、段々と流暢になっていく。
その後、腹の虫がおさまらなかったのか第29話では紘汰と光実との戦いに乱入し、その最中に偶然クラックが開いたことで、怒りの鬱憤を晴らそうと紘汰たちの世界へと侵入した。
そして番外編を挟んで放送された31話では街で無差別な破壊活動を開始。駆け付けた警察官はおろか戦えない一般市民であろうと関係なく刃を向ける獰猛さに鎧武は理由を問う。
「我らフェムシンムが失った栄華を、貴様らがまだ持っている。それだけで充分に許しがたい!」
鬱屈とした何もない森に潜んでいた彼にとって、地球の全てが目障りであり、弱者が栄える光景への嫌悪感を口にする。これには流石の鎧武も絶句していた。
鎧武とバロンの2人を相手に凄まじい戦いを繰り広げ、変身解除にまで追い込む。そして、紘汰の「人間を恨んでいるのか」という問いを下らないとばかりに一蹴する。
「敗北した弱者を潰す、それこそが勝利者の権利。それが強さの証!この俺が求める全てだ!」
弱者を踏みにじる快感を嬉々として嗤う姿は醜い怪物そのものだった。堪忍袋の緒が切れた紘汰は再度変身し、カチドキアームズで挑む。マリカの横槍があったとはいえ、現時点では最強の戦力だった鎧武を変身解除に追い込み、紘汰に重傷を負わせた。
続く32話では地下で見つけたヘルヘイムの果実を食べ、両肩から角を生やした進化体に変貌。5人のアーマードライダーの必殺技を同時に受けても平然とし、更にそれらを全て跳ね返してしまう程の戦闘能力を得て、その力でアーマードライダー達を窮地に追い込んだ。
しかし新しく極アームズの力を身に着けた鎧武には為す術なく圧倒され、最後は自らの敗北を認められぬまま火縄大橙DJ銃大剣モードでの必殺技によって切り裂かれ爆死。作中に登場したオーバーロードインベスの中では最初の戦死者となった。
「認めん、認めんぞ!貴様の様な猿如きにぃぃ!!」
自らの力に溺れ、ロシュオやレデュエの様に人間に対する可能性や利用価値等を見出す事もせずに、只々格下の猿と侮ってばかりいた事が仇となって敗れ、レデュエからも「最後まで馬鹿な奴」と嘲笑されたが、レデュエ配下のデュデュオンシュが仇を取ろうとするなど、少なくとも部下からは慕われていた模様。
ファイナルステージ
魔蛇によって復活されられたオーバーロードの一体で、強化体ではなくこちらの姿で再登場しており、自我もはっきり有している。
部下にヤギインベスとライオンインベスを従えているが、こちらはナックルとマリカが引き受けて本編では終ぞ決着を付けられなかったバロン(レモンエナジーアームズ)と対決。
かつてオーバーロードにまで至った戒斗の敵ではなく、自分が追い詰められた理由もわからないまま、ソニックボレーで仕留められる最期を迎えた。
余談
インベスの言葉の解析によれば「デェムシュ」は深紅と読めるらしい。
担当声優の杉田智和氏からは、その容姿から「赤トウガラシ君」と呼ばれているとのことである。
オーバーロード語のセリフは杉田氏が法則を理解した上でアドリブを混ぜながら演じていたとのことである。24話ではオーバーロード語を話しているシーンの中にメガネホムラと聞こえるシーンがある。
極アームズの登場回である第32話のアフレコテストで、杉田氏はこっそり「将軍かよォォォ!!」(言うまでもなく元ネタは杉田氏が演じたこいつ)と呟き、他のキャストを爆笑させていたらしい(ザック役の松田岳さん該当ツイート)。
また、杉田氏の東映作品の出演は5度目となるが、杉田氏が声を演じる怪人のほとんどが体色が赤い(レギュラー出演していた仮面ライダーキバのイメージが強いからであろうか?)。
『スーパーヒーロー大戦GP』では何があったんだか、進化体の姿でショッカーの幹部として登場している。
武器の両手剣の名前は「シュイム」。日本語に訳すとそのまま「剣」となる。
モチーフは不明。
ガンバライジング
ガンバライジングの5弾では戦国ロードのボスとして登場する。カミキリインベス×2体と共に登場。開幕からライジングポイントが7もある。
6弾ではアーマードライダーミッションのボスとして登場。