竜巻
たつまき
悪天候時に発生する柱状の暴風。龍がとぐろを巻くながら天に昇るように見える様からその名が付いた。
明確な原理などは明らかにされていないが、一般的には積乱雲から伸びる筋状の渦巻きであり、地上と上空との激しい温度差によって強烈な上昇気流が発生することで生じるといわれる。漏斗雲(ろうとうん)と呼ばれる特徴的な雲を伴って発生し、不規則にうねりながら移動していく。
文字通り「地球上で発生しうる最大の風害」であり、最も厄介なのは予知が非常に難しいということで、現在は発生原理の解明とほぼ同時進行で研究されている。日本では、「今まさに竜巻などの激しい突風の発生しやすい気象状況になっている」と判断された場合、気象庁が「竜巻注意情報」や「雷注意報」を発表して注意を呼びかけている。
強風注意報ではなく雷注意報なのは竜巻が積乱雲に伴う現象だからで、竜巻が予想される状況では落雷など雷注意報の対象になるほかの現象も起きやすくなっている。
特に北アメリカ全域、ヨーロッパ全域、オーストラリアの東部を中心に発生し、アメリカ合衆国ではトルネードとよばれハリケーンと並ぶ大災害として恐れられている。その一方で、日本の地震研究と同様に、竜巻の研究が最も進んでいるのもアメリカである。
日本でも近年発生が確認されている。
国際的に用いられている竜巻の規模を表す指標。1971年、シカゴ大学名誉教授の藤田哲也(ふじたてつや)氏によって提唱された。全部でF0〜F6の段階に階級分けされており、『F2』以上を重大な被害を及ぼすものとしている。
大まかなには以下の通り。
F0 | 小規模。木の枝や古い煙突が折れる程度 |
---|---|
F1 | 中規模。屋根が飛ばされたり、自動車が動く程度 |
F2 | 大規模。屋根が壁ごと飛ばされたり、大木や列車が転倒する |
F3 | 重大な規模。施工の良い家でも屋根が飛ばされ、森は半壊、列車は脱線転覆、大型車でも宙に浮く。日本で発生する最大レベル |
F4 | 深刻な規模。施工の良い家でも基礎が悪ければ飛ばされ、自動車に至ってはミサイルのように飛んでいく |
F5 | 甚大な規模。堅固な建築物さえ破壊され、自動車や大木すら上空100mへと飛ばされ、通過した後は一切のものが瓦礫と化す |
F6 | 未曾有の規模。未確認の領域であり、その被害は想像するだにおぞましい…が、発生したことはある(1999年にオクラホマ州を襲ったものなど) |
竜巻の大きさと威力は必ずしも比例しないので留意。
記録上、地球上に発生した最大のものは2013年のエル・レノで発生した直径4.2kmの竜巻である。
- 宇宙空間も含めれば、一応だがF12までが想定済みであるらしい。
現在は、「改良藤田スケール」("EF")が米国ではもっぱら使用されている。EFでは、最大は5までとされている。
(つむじ風と混同されやすいが、まれに小型の竜巻以上の威力を持つ場合もある)
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