封印作品となる理由
おおむね以下に大別できる。
- クレームが来た/A
- 別作品からの盗作や極端なパロディ、作者に無許可での改変などが問題となった/B
- 権利問題/C
- 関係者が不祥事を起こした/D
- 大規模な災害や事件、事故の被害者などに配慮した/E
- 公開当時は問題視されていなかった内容が、時代の流れにより問題視されるようになった/F
- 「出来が悪い作品」と判断された/G
- 内容に矛盾が発覚した/H
- その他/I
以下に該当するものは封印作品には含まない。
- 不人気
- 内容が古いので現代にはそぐわない
- 原本、あるいは出版物の散逸
- 災害などによる原本の破損・消失
- もともと再公開の予定がない
作品の全てが封印された例
- 悪魔のKISS/C、F
- 当時は無名女優だった常盤貴子が幾度となく非常に過激なシーンを演じており、この作品を機にネームバリューが上がった常盤貴子のイメージを守るために常盤の所属する芸能事務所が本作の権利を全て買い取っている。そのため、権利が買い取られてからは常盤が演じる過激なシーンは一切使用できなくなった。
- 権利が買い取られたあとも常盤の一部のシーンをカットした上で再放送はされているものの、CS放送はおろかソフト化が現在まで一切されておらず半ば封印作品状態となっている。
- 作品そのものも常盤が演じる主人公はもちろんのこと、残りの2人の主人公も睡眠薬を盛られて性加害未遂を受ける、新興宗教に入信して人生が破滅するなど極めて過激な描写が多く、現在ではまず放送コンプライアンスに引っかかるためそういった意味でもソフト化が難しいと言われている。
- 海猿(フジテレビ制作版)/D
- 2004年にフジテレビ主導で映画化。その後続編も多数制作されヒット作となるが、2012年に作者・佐藤秀峰がフジテレビ側から関連書籍の無断発行やアポイントメントを取らない突撃取材をされたことで関係が悪化し、フジテレビとの新規取引停止および同作の続編制作を許可しないことを発表。2017年、佐藤が自身のX(旧Twitter)で同年10月末で本作実写版の全ての契約が終了、今後テレビやインターネットで放送・配信は永久的にないと宣言した。
- 2024年2月に佐藤は自身のnoteにて当時の話を綴り、実写化の「負の側面」を目の当たりにした事が窺える。尚、DVD化した際に視聴したものの、自分の漫画で描きたかったこととはまったく違った内容であった事から「クソ映画」と酷評していた。
- 終らない夏/B
- 仮面ノリダー/B
- フジテレビ系列のバラエティ番組『とんねるずのみなさんのおかげです』内で放送された『仮面ライダー』のパロディコント。幅広い世代に絶大な人気を獲得したものの、当時『仮面ライダーBLACK』を手掛けていた東映のプロデューサー・吉川進が内容に激怒。また、東映と石森プロに許諾を得ていなかった(後に承諾)ことに加え、当時はバラエティ番組のソフト化自体が稀であったこともあってソフト化は見送られた。
- 吉川はその後も「クリント・イーストウッドや高倉健ととんねるずは同居できない」と恨みを述べていたが、原作者である石ノ森章太郎や『BLACK』主演の倉田てつをなどは好意的に見ていたようである。そして、2019年に大きな動きが……。
- 希望の党☆/I
- 総務省・明るい選挙推進協会が制作した短編映画。YouTube上にアップロードされていたが2017年に同名の政党が結成されたため、明るい選挙推進協会の要請によって封印された。
- 銀狼怪奇ファイル/C、F
- 劇場版緊急取調室 THE FINAL/D
- こちら葛飾区亀有公園前派出所/G、I
- 最高の片想い/C
- フジテレビ系列で1995年に放送されたTVドラマ。かなり人気の高い作品にもかかわらず放送から20年以上経った今でもソフト化や再放送がされていない。考えられる理由としては、ジャニーズ事務所を退所しバーニングプロダクションに移籍した本木雅弘と当時若手だったTOKIOの長瀬智也が共演している点か。
- 2021年に長瀬がジャニーズ事務所を退所・芸能界を引退しているため、なおさらソフト化が難しくなっている可能性がある。
- サンダーマスク/C
- 日本一有名な封印作品の一つ。ひろみプロと東洋エージェンシー(後の創通)の共同制作による特撮番組だが、東洋側が一方的にマスターを引き上げるなど二社間で権利関係の問題があり、もめているうちに権利がさらに分散。「そんな手間をかけてまでソフト化する必要も価値もないだろう」と判断されたのか、東洋(創通)側の意向により封印状態にある。
- もともと手塚治虫の『魔神ガロン』の実写化として虫プロダクションによって企画されたが頓挫し、一部のメンバーがひろみプロを設立して別作品として仕切り直したという経緯がある。また、(『ガロン』とは別に)本作のコミカライズを手掛けた手塚治虫が原作者として扱われることもあるが、手塚プロ側はこの騒動に一切関与していないことに注意。
- 獣人雪男/A
- 1955年8月14日公開の特撮映画。公式には「表現上の諸問題」が理由でメディア化不可能とされ、作中の少数民族に関する描写が差別につながるとする説が有力。ただし劇場での上映は可能となっており、2010年以降は名画座での上映が行われている。音声のみを収録したCDやサウンドトラックも発売された。アメリカでは「Half Human」のタイトルでDVD化されている。
- スウィートホーム/C
- 1989年1月21日公開のホラー映画。VHS・LD化の際、これを巡って監督の黒沢清が制作会社を提訴した。裁判は原告側敗訴で終わったがその後は関連商品の再版・新規商品化どちらも全く無い。放映当時に発売されたTVゲーム版のVC配信なども事実上不可能となっている。
- 善悪の屑/D
- 2019年に実写版が公開予定だったが、同年2月1日に主演の新井浩文が強制性交容疑で逮捕され、配給元の日活が2月8日に公式サイト上で公開中止を正式に発表した。
- 竹中直人の放送禁止テレビ/A
- 1985年に発売された竹中直人主演のオリジナルビデオ。内容は身体障害者を扱ったネタや下ネタなどの過激なネタのオンパレードで発売元が自主回収したとされ、あっという間に存在そのものが闇に葬られた。
- チャイヨー・プロダクション制作のウルトラマンシリーズ関連作品/C
- ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団:日本一有名な封印作品の一つ。円谷プロとチャイヨー・プロダクションの共同で制作されたものだったが、継続的なキャラクターの使用や新作制作などの権利についてチャイヨーと円谷の認識・主張が食い違っており、21世紀に入ってから裁判となる。その後ソフトは絶版、円谷の公式の時系列からも抹消された。
- PROJECT_ULTRAMAN:チャイヨーが中国の制作会社と合同で企画した実写ドラマ。チャイヨーのウルトラマン関連版権における日本での裁判勝訴を受けて制作されたものであるが、タイの裁判所および円谷プロからの許可を得ず制作しており、円谷プロから提訴され制作中止に。詳細は当該項目及びチャイヨーの項目を参照のこと。
- 中国製実写版ドラゴンボール/G
- 作者曰く、黒歴史として認識されている。
- ノストラダムスの大予言/A
- フードファイト/D、E
- 八神くんの家庭の事情/A、B
- 1994年秋~1995年初春までテレビ朝日系列で放映された漫画の実写ドラマ版。だが、原作では「異常に若く見える母親」という点が設定の根幹を占めているのに、本作で母を演じたのは当時40歳過ぎの夏木マリであった。また、「マザコンではない息子と子離れの出来ていない母親」や「実は魔女」といった原作にはない設定を次々と加えたにもかかわらず原作の一部を予告に使うという不可解な演出に原作ファンからの批判が集中した。
- 加えて原作者である楠桂も「自分はドラマ版のストーリーには何ら関知していない」と声明を出し、スタッフテロップの「原作:楠桂」という表記が「原案:楠桂」となる異例の事態となるなど、批判も大きいことから放送終了後一度も再放送・ソフト化・動画配信は行われていない。
- まれ/D
- 出演者の高畑裕太が宿泊していたホテルの女性従業員への性的暴行を加えたとして強姦致傷容疑で逮捕されたためソフトは回収され、配信停止となった。
- 蜜月、ハザードランプ/D
- 2022年3月、『蜜月』の監督を務めた榊英雄が、自身の映画に出演したり、主催するワークショップに参加したりしていた女性に性行為を強要したと告発を受け公開中止に。同じく榊が監督を務めた『ハザードランプ』の方は騒動後も公開予定であると発表していたが、取りやめになった。
- 榊自身は性行為を強要した事実はないと否定しているものの、『蜜月』の脚本家や撮影監督からは「性暴力の被害の甚大さを矮小化している」「ペナルティを課されるべき」などと批判されている。
- また、本件を受け是枝裕和ら6人の映画監督が「私たちは映画監督の立場を利用したあらゆる暴力に反対します。」と題した声明を発表した。騒動の余波は大きく、その後も木下ほうかや園子温らの性暴力疑惑が報じられている。
- もう誰も愛さない /A、F
一部が封印された例
- 相棒 - 第3シーズン7話「夢を食う女」/A
- アニメンタリー決断 - 第26話「川上監督の決断」/C
- 暴れん坊将軍Ⅶ - 第2話「江戸怪奇・吉宗魔界を斬る」/I
- 「Ⅶ」自体再放送される頻度が高いにもかかわらず、本エピソードのみ再放送された形跡がない。話の内容あるいは映像素材の紛失など諸説あるが、真相は未だ不明。
- 行け!グリーンマン - 第38話「グリーンマン対ゴリラ」/C
- タイトルの通りグリーンマンとゴリラ型の怪獣が戦う話なのだが、このゴリラ、なんとキングコングであり、名前の使用権が切れたためゴリラという形で登場した。元がキングコングであるためか近年全話DVD化された際唯一未収録となった。
- ウルトラセブン - 第12話「遊星より愛をこめて」/A
- 日本一有名な封印作品の一つ。当該項目を参照。
- 怪奇大作戦 - 第24話「狂鬼人間」/A
- 日本一有名な封印作品の一つ。当該項目を参照。
- 救命病棟24時 - 第1シーズン/B
- 海外ドラマ『ER』との類似性が指摘され、著作権侵害の疑いもあったため第1シーズンのみ現在お蔵入りとなっている。
- しかし、24年の時を経て、超解像度版として地上波での再放送が決定し、問題となっていた第4話も同時解禁なった。
- 金田一少年の事件簿(堂本剛版) - 第1シーズン1話「異人館村殺人事件」/B
- 黒部の太陽(連続ドラマ版) - 第5話、第7話/A
- ゲームセンターCX - 第4シーズン「有野の挑戦『ドラえもん(FC)』編」/C
- 権利関係により、企画の内容を収録した単行本では欠番。再放送もされていない。
- L'Arc〜en〜Ciel - シングルCD「the Fourth Avenue Cafe」およびそのPV/D
- 1997年3月26日にアルバム「True」からのシングルカットとして発売される予定だった曲で、当時のhydeのインタビューでも「PVは完成済み」という発言が確認できる。しかしその1ヵ月前にドラマーのsakuraが覚醒剤取締法違反で逮捕されたためシングル共々封印。なお、シングルの方は9年後、2006年8月の全8cmCDのマキシシングル再販時に発売されており、c/wに収録されていたメンバーがパートチェンジした「D'ARK〜EN〜CIEL」のオリジナル曲も同時解禁となった。ちなみにシングル版「the Fourth〜」はアルバムよりイントロが短いという違いがある。
- なお、この曲はTVアニメ版『るろうに剣心』の第4期エンディングテーマとして使われていたが、放送では事件の影響でたった4話分(第39~42話)しか使われず、第43~49話までは第3期EDテーマ「HEART OF SWORD ~夜明け前~」に差し替えられた。なお、ソフト版やWeb配信版では差し替えられず、そのまま使用されている。
- 七人の秘書 - 第4話/D
- 志村けんのだいじょうぶだぁ - 田代まさし出演部分の地上波での放送/D
- 志村の所属事務所であるイザワオフィスによれば、少なくとも地上波では封印状態にあるらしく、YouTubeで『だいじょうぶだぁ』のコント傑作選を10回に分けて配信、広告収入を日本赤十字社に寄付する旨を発表した際に公表している。ただし、YouTubeで配信されたものやCS放送・VHSでは田代はカットされてはいない。
- 田代がゲスト出演する映画『ウルトラマンティガ・ウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア 超時空の大決戦』についても『ウルトラマン クロニクルZ』内での再放送時に田代の出演部分がカットされており、同様の措置がとられていると見てまず間違いない。
- スーパー戦隊シリーズの一部回/B、C、D
- バトルフィーバーJ - 潮健児の出演シーン:敵幹部のヘッダー指揮官は当初、潮が演じていたのだが、撮影初期に覚醒剤所持容疑で逮捕され降板。急遽石橋雅史が代役を務めることになり、視聴者や放送局への悪印象を防ぐため、正式に演者が交代した第9話より前の保存用ネガの中の潮版ヘッダーが映っていた部分を可能な限り石橋版ヘッダーの映像に差し替える措置を行った。
- 石橋がヘッダーとは別の役で出演した第4話と、ヘッダーが屋外に出てくるシーンがあるため撮り直しが利かない第6話に関しては、例外的に全編潮ヘッダーの映像を使用している。
- 激走戦隊カーレンジャー - 第46話「突然失効!?変身パワー」(バリンガーZ登場版)︰詳細はバリンガーZの記事を参照。
- 烈車戦隊トッキュウジャー - 本放送時のED︰映像部分に鉄道ビデオ会社「Vicom」及び鉄道事業者の所有映像を用いているため、著作権の都合上コーナー紹介を含めて映像ソフトへの収録が見送られてしまった。ED曲自体はCDに収録されている。
- バトルフィーバーJ - 潮健児の出演シーン:敵幹部のヘッダー指揮官は当初、潮が演じていたのだが、撮影初期に覚醒剤所持容疑で逮捕され降板。急遽石橋雅史が代役を務めることになり、視聴者や放送局への悪印象を防ぐため、正式に演者が交代した第9話より前の保存用ネガの中の潮版ヘッダーが映っていた部分を可能な限り石橋版ヘッダーの映像に差し替える措置を行った。
- トップキャスター - 第3話「恋愛運ゼロの逆襲」/B
- 劇中に登場するインチキ占い師が当時人気占い師だった細木数子のパロディであったため、細木本人の抗議により欠番となりソフト化の際に除外。動画配信サービスでも省略されている。
- トリビアの泉の一部トリビア/I
- 「伯方の塩はメキシコ産」など、いくつかのトリビアが番組内で紹介されたトリビアを収録した「へぇの本」に収録されておらず再放送もされていない。また、欠番になっているトリビアも存在する。
- トワイライトゾーン - シーズン5第22話「ふくろうの河」、第31話「対決」/A、C
- ハレンチ学園 - 第14話「新春ドバドバ大会」/F、I
- 1971年の元日に放送。正月特番的な内容と思われるが、CSでの再放送では省られた。
- 真夏の夜の淫夢 - 第一章「極道脅迫! 体育部員たちの逆襲」/D
- 水戸黄門 - 第4部16・17話「北海の反乱(前・後編)」/A
- アイヌ民族を騙して蝦夷地支配を企む悪徳商人を黄門様御一行が成敗する話。前編放送後、作中におけるアイヌの描写に問題があるとアイヌの団体からクレームを受け、後編は冒頭にお詫びのテロップを入れて放送されたが、その後は一切再放送がされず、DVDソフトにも収録されていない。
- ミュージックフェア - ラッツ&スターとももいろクローバーZの共演シーン/A
- めちゃ²イケてるッ! - 「アフリカマン」/A、G
- やまとなでしこ - 作品全般→宮迫博之の出演シーン/D
- フジテレビ系列で放送されていたドラマで、時期により封印理由と封印部分が変わったというかなり珍しい例。
- 2000年代には同系列でしきりに再放送が行われていた人気作品だったが、2009年に出演者の押尾学が六本木ヒルズ事件で逮捕されたことで地上波での放送が不可能となった。それから約10年後、COVID-19の影響で再編集版が作られ、押尾の出演シーンも「台詞のない集合シーンのみ」という条件付きでカットされず放送された(本人も見ていたようでインスタ公式アカウントにもアップされたほど)が、今度はお笑い芸人闇営業問題で事実上の芸能界追放に処された宮迫の出演シーンが丸々カットされる羽目に……。映像ソフトにはどちらもノーカットで収録。
- ワンナイR&R - 「ジャパネットはかたテレビショッピング 王シュレット編」/A
- フジテレビの『水10!』のコーナーとして放送されていた『ワンナイR&R』で披露された、テレビ通販「ジャパネットたかた」のパロディコント。九州に因む商品(ちなみにジャパネットたかたも九州企業である)を紹介するという触れ込みで、当時福岡ダイエーホークス監督だった王貞治とウォシュレットとをかけた「王シュレット」なる小道具を出したことが問題となる。
- 球団からの抗議はもちろん、ダイエーは「同年の日本シリーズのフジテレビ系列局での放送権を推薦しない」(事実上の放送権放棄)と表明し、ジャパネットたかた並びに「ウォシュレット」の商標権を取得しているTOTOのフジテレビ系列番組のスポンサー降板にまで発展。日本シリーズで対戦した阪神タイガース・星野仙一監督も不快感を示したことにより、阪神も関西テレビを含めたフジテレビ系列の放送権を推薦しないことになった。
- これを最後に「ジャパネットはかた」はコーナー打ち切りに。翌週の放送で謝罪したものの、その回の中で今度は粉ミルクを妊婦に扮した女性タレントにぶちまけるというコントが放送されたため、粉ミルクの製造元である和光堂がフジテレビに抗議している。